siam manao-life

バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

シンブリー県にある影絵芝居を観に行こう!

※ 当ブログにはプロモーションが含まれています

スポンサーリンク

 

以前、ラーチャブリーにある影絵芝居のお寺、ワット・カノーンに行きましたが(その時の記事はこちら)、今回はシンブリー県の影絵劇保存寺院、ワット・サワーンアーロムへ行ってきました。

 

 

タイに現存する影絵劇の保存団体は3

牛の皮(หนัง [nǎŋ] ナン)から作った影絵人形を操って主にラーマキアン(ラーマーヤナ)物語を演じる影絵芝居(หนังใหญ่ ナン・ヤイ)はインドを発祥とするタイの伝統芸能で、宮廷内の娯楽として鑑賞されていましたが、時代が下るにしたがって庶民の間でも少しずつ親しまれるようになりました。

ただ、映画やDVD、スマホ動画などが台頭してきた現代では、影絵文化も廃れてしまい、現在タイで影絵劇を継承・保存しているのは、以下の3団体だけになりました。

いずれも仏教寺院が主体となっています。

  1. ナンヤイ・ワット・カノーン(ラーチャブリー県)
  2. ナンヤイ・ワット・バーンドーン(ラヨーン県)
  3. ナンヤイ・ワット・サワーンアーロム(シンブリー県)

今回はこの中のひとつ、シンブリー県の「ナンヤイ・ワット・サワーンアーロム」へ行ってきました。

 

ワット・サワーンアーロムの影絵について

ワット・サワーンアーロム寺院は、バンコクから北へ約150キロ、アユタヤ県、アントーン県を過ぎてシンブリー県のチャオプラヤー川のほとりにあります。シンブリー市内中心部からは2キロ程度の距離です。

f:id:manao-life:20181017212904j:image

100年以上前、アユタヤからやって来たピヤ師範によってこの寺院に影絵が伝えられ、影絵芝居は貴族の支援のもとシンブリー県で発展していったとのことです。

境内には影絵の博物館があり、中には大きな影絵人形がたくさん展示されています。また一角には白いスクリーンも張られており、ここで練習をしたり鑑賞会を行ったりしています。
もしある程度の人数で訪問し影絵鑑賞を希望する場合は、あらかじめ寺に日時を連絡して調整がつけば上演してくれるとのことです。


■ワット・サワーンアーロム影絵博物館(พิพิธภัณฑ์หนังใหญ่วัดสว่างอารมณ์)

所在地:1 หมู่ 5, ตำบลต้นโพธิ์ อำเภอเมือง จังหวัดสิงห์บุรี, 16000

開館時間:平日9時~16時、土日8時30分~17時

電話番号:036-543-150

f:id:manao-life:20181017213306j:image

 

ちびっこガイドと影絵ショー

私たちがお寺に着いたのは9時前。博物館になっている建物の二階に上がっていくと影絵芝居の練習をしていたと思われる子供たちが数人集まってきて、入り口に置いてあるパンフレットを手渡してくれました。
そして、影絵が展示されているボードのライトを点けてくれました。そうすることで、より影絵らしくはっきりとディテールが見えるようになりました。

f:id:manao-life:20181017213209j:image

子供たちにお礼を言ってから中に入って展示されている影絵を鑑賞していると、後ろで子供たちが話し出したので何かと思ったら、私に影絵人形についての説明をしてくれているのでした。

「これはラーマキエン劇のトッサカン(鬼)とハヌマーン(白猿)の人形です」とか、
「これはオリジナルの古い影絵人形で、これは最近作られた復刻版です」とか、
「100年以上前からこのお寺では影絵を上演していました」とか、
まさに専属ガイドさんのように説明してくれるのでした。

f:id:manao-life:20181017220624j:image

こちらからもいくつか質問をさせてもらうと、みんな誇らしげに答えてくれます。

大きな影絵人形が舞台の裏手にいくつか置いてあったので、
「これ、どのくらいの重さなの?」と聞いてみると、
「手に持って掲げてみてもいいですよ」と言ってくれるではないですか。

大事な影絵人形を私なんかが持っていいのかと思いましたが、
「ワーイ(合掌)をしてから持ってくださいね」と促してくれたので、タイ式の合掌をしてから持たせてもらいました。

予想はしていましたが、やはり大人の体ほどもある皮の人形はずっしり重く、よくこんな重いものを子供が操っているなあと感心しました。

f:id:manao-life:20181017220148j:image

試しに「君たちの練習の成果をちょっとだけ見せてくれない?」と聞いてみると、
「ダーイカップ(いいですよ)」と快諾。
6分程度の短い一節を披露してくれることになりました。
まったく期待していなかったのに、突如、影絵ショー(しかも私たちの貸切状態)の鑑賞会とあいなりました。

f:id:manao-life:20181017213345j:image

子供たちはそれぞれ練習歴が違うので、中にはまだぎこちない動きの子もいましたが、それでもみんな一生懸命披露してくれて感激しました。
みんな素朴で朗らかで本当にかわいかったです。

f:id:manao-life:20181017213935j:image

最後に「みんなでお菓子でも買って食べてね」と気持ちばかりのお礼を渡したら、みんな嬉しそうに「ありがとうございます」と喜んでくれたんですが、ちょうどその時に影絵の先生が子供たちの様子を見に来られました。

すると、子供はさっき受け取ったお金をきちんと先生の前に差し出すではありませんか。
先生は即座に「寄附箱に入れなさい」と指示なさったので、子供はそのまま入り口に置いてある寄附箱にお金を入れました。

心なしかちょっと残念そうな表情にも見えたし、私自身も子供たちにあげたかったのですが、これがここの教育なのでしょうから、それでよかったのだと思うことにしました。

 

おわりに

今回、ラーチャブリー県の影絵に続き、タイで現存する影絵劇3寺院の2つめ、シンブリー県の「ナンヤイ・ワット・サワーンアーロム」を訪れましたが、ちびっこたちの無邪気で明るいガイドと即席影絵ショーが微笑ましく、本当に癒されました。
いつかラヨーン県にある影絵寺院「ナンヤイ・ワット・バーンドーン」も訪れてみたいです。

 

ではまた。