今年に入ってから何度もアユタヤ通いをしているわけですが、今日はアユタヤ遺跡のお得な共通券について紹介したいと思います。
ただ、お得になるかどうかは、アユタヤ観光のスタイル、行きたい遺跡の数によっても違ってきますので、そのあたりについても書いておきます。
アユタヤ遺跡の入場料は?
アユタヤの遺跡群は、チャオプラヤー川とパーサック川で囲まれたアユタヤ島と呼ばれる旧市街地とその周辺に集中しています。
そもそも「アユタヤの遺跡は入場料や拝観料は必要なのか?」というところから話をすると、「いくつかの遺跡寺院には入場料が必要」というのが答えになります。
タイの国立公園や歴史公園の中には、その敷地内に入るために入場料が必要なところも多いのですが、アユタヤの遺跡群は、普通に民家や商店、学校、役所、宿泊施設などが集まる旧市街に点在しているため、歴史公園としての入場料はなく、個々の遺跡寺院で入場料を徴収されることになっています。
しかし、入場料を徴収されるのは有名な遺跡数か所だけに限られ、ほとんどの遺跡は入場料なしで見学することができます。(アユタヤには有名無名の遺跡が数多く存在します)
また、僧侶が常駐している現役の寺院の中には、個別に拝観料を設定しているところもたまにありますが、実際には、形骸化していて徴収されないことも多いです。
(そういう場合は、線香とロウソクと花のお参りセットを購入したり、賽銭箱に供えたりするようにしています)
入場料の必要な遺跡は?
では、入場料が必要なアユタヤの遺跡はどこになるのかというと、代表的な遺跡寺院は以下の通りとなります。
- ワット・プラシーサンペット及び王宮跡
(วัดพระศรีสรรเพชญ์และพระราชวังหลวง) - ワット・マハータート
(วัดมหาธาตุ) - ワット・ラーチャブーラナ
(วัดราชบูรณะ) - ワット・プララーム
(วัดพระราม) - ワット・チャイワッタナーラーム
(วัดไชยวัฒนาราม) - ワット・マヘーヨン
(วัดมเหยงคณ์)
やはり、世界遺産アユタヤを代表する有名どころの寺院遺跡が含まれていますね。
タイやアユタヤ関連のガイドブックとかパンフレットでもよく目にします。
各遺跡ごとに50バーツ(タイ人は10バーツ)が徴収されます。
入口にあるチケット売場でチケットを購入して中に入ります。
共通チケットとは?
それぞれの遺跡で50バーツを支払って入場するチケットとは別に、実は、上記の全ての寺院(及び王宮跡)で利用できる共通チケットというものがあるのです。
今回、私は初めてこの共通チケット(バットルアム:บัตรรวม)というのを買って、遺跡巡りをしてみました。
詳細は以下の通りです。
◆価格・・・220バーツ(タイ人40バーツ)
◆有効期間・・・30日
◆入場回数・・・各所1回のみ
基本的に上記の遺跡であれば、どこのチケットブースでも販売しています。
ただ、何も言わなければ普通の1回券(50バーツ)を出してくるので、最初に共通券を買いたいことを伝えたほうがいいです。
(この共通券を買う人はあまりいないため)
ขอบัตรรวมหน่อย ค่ะ/ครับ
kɔ̌ɔ bàt ruam nɔ̀ɔi khâ / khráp
コー・バッt・ルアム・ノーイ カ / クラップ
適当な英語やジェスチャーでもわかってくれると思います。
共通券の注意事項
30日有効ですが、入場できるのは各寺院1回限りです。
(入場する際、チケットにその寺院のスタンプが押されます)
最初、私は30日間何度でも再入場できるフリーパスだと勘違いしていました。
共通券はお得なの?
改めて書くまでもなく、既にお察しの方もおられるかと思いますが、220バーツの共通券を買った方がお得になるのは、
◆6寺院遺跡(+王宮跡)のうち5カ所以上訪問する人
です。
1か所50バーツなので、(30日間で)4か所以下しか入場しない方は、各所で個々に支払ったほうがいいです。
私は、今まで6寺院のうち、いくつかの寺院には何度か訪れたことがあったのですが、いつも個々にチケットを買っていました。
自分がアユタヤ旅行で訪問したり、日本から来る友人のアテンドで周る際の寺院は、全部含めてもせいぜい数か所で、上記の有料遺跡の中から5カ所以上訪れることはなかった気がします。
訪問する遺跡チョイスのイメージとしては、
ワット・マハータート(巨木の根に取り込まれた仏頭が有名)
ワット・プラシーサンペット(3基並んだ仏塔)
あたりが鉄板で、
それに続いて、もし時間があれば、
ワット・ラーチャブーラナ(クメール様式のトウモロコシ型仏塔)
ワット・チャイワッタナーラーム(タイの民族衣装を着て撮影が人気)
へ行くかどうか、という選択が多かったですかね。
ちなみに、観光客に人気の野ざらしの涅槃仏(ワット・ローカヤスター)なんかは、入場料無料ですし、ここ数ヶ月にわたって紹介してきたアユタヤの寺院や遺跡も入場料のないところがほとんどです。
6寺院遺跡紹介
というわけで、
今回は初めて共通チケットを買って6寺院を周ってきましたので(王宮跡のみ時間の関係で訪問せず)、それぞれ簡単に紹介しておきます。
ワット・プラシーサンペット(Wat Phra Sri Sanphet)
ワット・プラシーサンペット(วัดพระศรีสรรเพชญ์ / Wat Pra Srisanpet)は、アユタヤ王朝で最も重要な王室守護寺院でした。
アユタヤ王朝第9代トライローカナート王(即位1448~1488年)の治世に建立されました。
3基並んだ仏塔には、それぞれトライローカナート王とその二人の息子、ボーロマラーチャーティラート3世(10代目)とラーマーティボーディー2世(11代目)の遺骨が安置されています。
この3基の仏塔は、アユタヤ遺跡を代表する仏塔としておなじみですね。
仏塔以外は、ほとんどが崩壊しており、ほぼ基盤だけが残っている状態です。
ワット・マハータート(Wat Mahathat)
ワット・マハータート(วัดมหาธาตุ / Wat Mahathat)も、アユタヤを代表する寺院遺跡のひとつとして有名です。
中でも、菩提樹に取り込まれてしまった仏頭は、ガイドブックやアユタヤの紹介サイトでも必ず取り上げられています。
アユタヤ観光の要といってもいいほど、たくさんの観光客が訪れるスポットです。
ビルマ軍によって破壊されたという、頭部のない仏像も遺跡内にはたくさん並んでいます。
ワット・ラーチャブーラナ(Wat Ratchaburana)
ワット・ラーチャブーラナ(วัดราชบูรณะ / Wat Ratchaburana)は、1424年にアユタヤ王朝第8代目のボーロマラーチャーティラート2世(サームプラヤー王)により建立されました。
プラーンと呼ばれるクメール様式のトウモロコシ型の塔堂が特徴です。
この遺跡からは多くの宝石類や装飾品が発掘されたそうです。
現在は、チャオ・サーム・プラヤー国立博物館に保管されています。
礼拝堂跡の壁も荘厳です。
ワット・プララーム(Wat Phra Ram)
ワット・プララーム(วัดพระราม / Wat Phra Ram)は、アユタヤ王朝第2代(および5代)のラーメースワン王によって創建されました。
トウモロコシ型の塔堂が上記のワット・ラーチャブーラナと似ています。
私は今回はじめてこのワット・プララームの敷地内に入りました。
ここも重要な遺跡のひとつであるにもかかわらず、あまり観光客は多くない印象でした。
そのぶん、ゆっくり静かに遺跡を見て回ることができます。
ワット・プララームを出たときに、ちょうど象乗り観光の一行が前を通りました。
ワット・チャイワッタナーラーム(Wat Chai Wattanaram)
ワット・チャイワッタナーラーム(วัดไชยวัฒนาราม / Wat Chai Wattanaram)は、アユタヤ島の西、チャオプラヤー川の対岸に位置する遺跡です。
1630年、アユタヤ王朝第24代プラサートトーン王が建立しました。
クメール様式の主塔と回廊に建つ8つの仏塔の姿は、アンコールワットにも似ていて美しいです。
数年前にタイのテレビドラマ「ブッペーサンニワート/บุพเพสันนิวาส」(邦題『運命のふたり』)が大ヒットして以来、タイの民族衣装を着て遺跡内で記念撮影をするのが流行っています。
今は多少落ち着いてきたかと思っていましたが、土日はまだまだ民族衣装を身に着けて撮影に勤しむ方々がたくさんいました。




回廊にある8つの塔(メールティット/メールラーイ)には、王族の衣装を身にまとった宝冠仏がいくつか残っています。
この宝冠仏に関しては、以前の記事でも触れていますので、よかったらご覧ください。
ドヴァーラヴァティー仏と宝冠仏と金銀の仏像と木に埋もれた仏頭「ワット・ナープラメーン」(アユタヤー) - siam manao-life
ワット・マヘーヨン(Wat Mahaeyong)
ワット・マヘーヨン(วัดมเหยงคณ์ / Wat Mahaeyong)は、アユタヤ島の外(城壁外)、東部にある遺跡です。
(遺跡の隣には現役の寺院もあります)
アユタヤの歴史公園からは少し離れていることもあり、旅行者にはそれほど認知度の高い遺跡ではありませんが、その分、遺跡らしい雰囲気が漂っていて、私個人的には大好きな場所です。
崩れ落ちた仏塔や、仏塔を取り囲む草生した象の姿が印象的です。
ワット・マヘーヨンの遺跡については、こちらの記事もご覧ください。
以上、アユタヤ遺跡観光の参考になれば幸いです。
ではまた。