アユタヤと言えば、かつての王宮や主要寺院の遺跡群が残る旧市街が有名ですが、そのアユタヤの旧市街地から約20キロほど離れた場所に、巨大な城塞とその上に建てられた寺院があることはあまり知られておらず、この地を訪れる外国人観光客も多くはありません。
アンコールワットの城塞を模したといわれる歴史的遺構「プラサート・ナコンルアン」は、信仰の場として今も静かに息づいています。
※プラーサート・ナコーンルアンという表記もあり
プラサート・ナコンルアン
ナコンルアン城(ปราสาทนครหลวง)は、アユタヤー時代に建てられた宮殿(城)で、王がサラブリーの仏足石参りやロッブリーへ行幸する際に宿泊したり滞在する行宮(あんぐう)、行在所(あんざいしょ)としての役割を果たしたと一般的には考えられています。
ただし、その後の研究で、当初は仏教の信仰施設として建てられたという説もあります。
もともとアユタヤ王朝24代ソンタム王の時代に建てられ、後の27代プラーサートトーン王(สมเด็จพระเจ้าปราสาททอง)の治世、1604年にレンガと漆喰造りに建て替えられました。
アンコール・ワットの城塞をモデルにしたともいわれています。
しかしながら、この巨大な基壇の上にそびえる荘厳な城は、未完のまま放置されてしまうのです。
ワット・ナコンルアン
それから約200年後、1809年に城塞の最上階に寺院が建立され、モンドップと呼ばれる堂内には仏足石が安置されました。
ワット・ナコンルアン(วัดนครหลวง)寺院です。
以降、ナコンルアン城は寺院の一部となり、城壁の回廊にも仏像が安置され、その一部が現在でも残っています。
ナコンルアン城の写真
今回は、写真をメインで進めていきたいと思います。
駐車場側のナコンルアン入口
ここ数年は少しずつ認知度も上がっており、参道脇にはOTOP製品やお土産売り場、飲食店がちらほら。
ナコンルアン城(プラサート・ナコンルアン)正面
城壁内の回廊
回廊内にある尖塔(仏塔)とその内部
かつては安置されていたであろう仏像がない塔も。
回廊からさらに上に上がります。
上部にはモンドップと呼ばれる御堂とその回りを囲む回廊があります。
御堂の前にはガネーシャが祀られていました。
回廊の仏像たち
モンドップの中には仏足石が安置されています。
再び城壁内の回廊へと降りて、1周歩いてみます。
いくつかの仏塔には仏像が残っていました。
プラサート・ナコンルアンへの行き方
今回紹介したナコンルアン城は、アユタヤの中心部から北東へ20キロほど離れた場所にあります。
残念ながら、ナコンルアン城付近まで行く公共交通機関はなさそうです。
(ソンテウやバイクタクシーを乗り継いで行くことは可能かも知れませんが、少しハードルが高そう)
よって、自家用車やレンタカー、あるいはアユタヤ中心部でトゥクトゥクをチャーターするのが現実的だと思います。
駐車場、拝観料共に無料です。
<寺院情報>
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プラサート・ナコンルアン
ปราสาทนครหลวง
Prasat Nakhon Luang
所在地:184/1 หมู่ 1 นครหลวง, พระนครศรีอยุธยา
184/1 Moo 1, Nakhon Luang, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13260
時間:06:00-18:00
拝観:無料
駐車場:あり(無料)
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プラサート・ナコンルアン(ワット・ナコンルアン)は、最近まであまり注目されることもなく、ほとんど忘れ去られたような城塞遺跡の寺院ですが、なかなか見ごたえがありました。
アユタヤ方面へお出かけの際にお時間があればぜひ。
ではまた。