先日、フアランポーン駅(ホアランポーン駅とも)から寝台特急でチェンマイへ行ってきたときのレポートです。
チェンマイ旅行として何度かに分けて書く予定ですが、初回は、歴史あるバンコク中央駅「クルンテープ駅」(通称:フアランポーン駅)を出発してチェンマイ到着までの様子をお届けします。
バンコクの中央駅としての役割も残すところあとわずかとなった、旅情あふれるフアランポーン駅。
寝台列車の様子などを写真や動画も織り交ぜて紹介しますので、ご興味があればどうぞご覧ください。
フアランポーン駅到着
金曜日の夕方、17時半過ぎに地下鉄を乗り継いでフアランポーン駅に到着しました。
構内に入る前に、フアランポーン駅の外観を拝見。
ラーマ5世の時代、1897年の鉄道開通と同時に開業し、1916年に現在の位置に移転して以来、100年以上バンコクの中央駅として活躍する歴史ある駅です。
アーチ型の屋根が印象的です。
18時10分発のチェンマイ行き特急列車9号は、4番ホームからの出発でした。
唐突ですが、タイ語メモです。
- 特急列車 = special express = ขบวนรถด่วนพิเศษ カブアン・ロット・ドゥアン・ピセーッ(รถไฟด่วนพิเศษ ロットファイ・ドゥアン・ピセーッ)
- プラットホーム = platform = ชานชาลา チャーンチャーラー
- 寝台列車 = sleeper train = รถไฟตู้นอน ロットファイ・トゥー・ノーン
- 寝台車(車両)= sleeping car = ตู้นอน トゥー・ノーン
チェンマイ行き「ウットラーウィティー」9号は、中国製の新型車両です。
この日、1等車(個室)は満席だったので、2等車を予約していました。
10号車の14番席。
全体的に清潔だし、自動扉だったり、現在地や温度、トイレの使用状況が確認できるモニターが設置されていたりと、なかなかの最新設備です。
トイレや洗面所も昔のタイの列車とは比較にならないくらいきれいです。
(旧型車両もそれはそれで味があっていいのですが、水回りはやはり清潔な方がいいですよね)
寝台車もバンコク出発時には通常の座席となっています。
チケットに記された14番座席につきます。
座席の下には大きめのスーツケースも収納できるスペースがあるので、大荷物で移動する人も安心ですね。
さらに、通路の上部にも荷物棚がありますので、バックパックや中型のキャリーケース程度なら余裕で入ります。
それから、コンセントと読書灯も窓の横についています。
スマホやデジカメの充電も安心ですね。
席について、出発までの時間を待っていると、
「本日、食堂車および車内販売サービスはありません。食べ物や飲み物は各自あらかじめご用意ください。ご不便をおかけして申し訳ありません」
という車内アナウンスが。
食堂車での軽食を何気に楽しみにしていたので残念!
とりあえず、水だけは確保しておこうと構内の売店で買いました。
バンコク定刻出発
タイの列車は遅れることが日常茶飯事だと覚悟していたら、18時10分定刻通り静かにプラットホームを滑り出しました。
続いて、社内アナウンスが流れたんですが、この女性のタイ語はわりと聞き取りやすくてよかったです。
勝手に文字起こし&日本語訳も付けた動画を作ってみましたので、気になる方は見てください。
バンコク発チェンマイ行き寝台特急9号 車内アナウンスのタイ語&日本語字幕
※禁煙禁酒のくだりが2回繰り返されるのは、おそらく重要性が高いからだと思います。その後の英語アナウンスでもリピートしていましたから。
そうこうするうちに、水が配られました。
え、車内販売はないけど、水はサービスしてくれるんですね・・・。
慌てて買うことなかった。笑
フアランポーン駅のデザインパッケージがかわいかったです。
バンコクの中心部をゆっくりと進みます。といっても鉄道沿線はどこかのんびりした風景です。
バーンスーの駅に停車。
向かい側に現在建設中の巨大な新駅が見えます。
外観はほぼ完成しているもよう。ここが近い将来、フアランポーン駅に代わってバンコクの中央駅、セントラルステーションとなる駅です。
しばらくすると、寝台のベッドメイクが始まります。
この車両の担当は女性の係員でしたが、手際よくシートを上下の寝台に変え、ベッドメイキングしてくれました。
シーツや枕カバー、掛け布団代わりのタオルケットも清潔です。
カーテンを閉めると、にわかにプライベート空間が出来上がりました。
妙に落ち着きます。笑
子供の頃、押し入れを自分の秘密基地のようにして潜り込んでいた懐かしい記憶が蘇りました。
こうして19時半にはベッドが出来上がり、
私は車窓が見える下の段だったので、ボケーっと外の景色を眺めては、チェンマイの予定をあれこれ考えて過ごしました。
こんな早い時間から寝られないと思っていたのですが、前日あまり寝ていなかったのと、ガタンゴトンと繰り返される心地よい揺れも手伝って、22時前には眠くなってしまいました。
新型車両の注意点
チェンマイ行きの寝台特急の中国製新型車両は清潔で快適なんですが、ひとつだけ注意があります。
それは、夜中になっても通路の電気が煌々と点いていることなんです。
車内防犯の意味もあるかと思うのですが、カーテン越しでもそれなりの明るさですので、暗くないと眠れない方はアイマスクを持参されることをお勧めします。
私は、事前にそのことを知っていたので、アイマスクと耳栓持参で臨みました。
結果、ぐっすり眠れたのでよかったです。
ちなみに、普段の私は耳栓を必要としない人なんですが、たまたま通路を挟んだ向かいに小さな子供連れの親子がいて、わりと大きな声でぐずることもあったため、今回は大活躍しました。
子供が泣いちゃうのは仕方ないこととして、お互いのためにも念のため耳栓は用意しておいた方がいいと思います。
あと、車内の冷房も強めですので、長袖など防寒対策もお忘れなく。
途中の停車駅
21時過ぎにロッブリー駅に到着したのは覚えているのですが、その後、知らないうちに眠ってしまっていたようです。
途中、目を覚ましたのは、日付も変わって3時過ぎ。
ウッタラディットでした。(ウッタラディット駅の隣の『シラーアート』停車場)
ピサヌロークもいつの間にか通り過ぎていました。
お手洗いに向かいましたが、相変わらず明るい車内です。
まあ、トイレも清潔だし、なかなか快適です。
カーテンを開けてしばらく夜の町を眺めていました。
ウッタラディットを過ぎると、いくつか山越えやトンネルもあるので、携帯の電波も安定しません。
こんな時間に起きてることもあまりないかも知れませんが、調べものやネットを使った作業をする場合は早めにしておきましょう。
4時過ぎ。
プレー県のデンチャイ駅で一時停車。
5時半。
車窓は森の中。
プレー県からランパーンに向かう山越えの途中。
夜明け前の空に細い月が浮かんでいました。
タイ国鉄寝台特急 山越え夜明け前の車窓【バンコク- チェンマイ】
6時過ぎ、ランパーン県に入ったようです。
夜明けの空が美しかったです。
6時24分。
ナコン・ランパーン駅到着。
(後から調べたら、すでにこの時点で1時間以上遅れていた模様)
ここからランプーンまでまた少し山越え(ドーイクンターン国立公園)があります。
山肌に朝靄がかかって幻想的です。
8時15分。
ランプーン駅到着。
チェンマイ駅到着
8時45分。
予定より1時間半遅れでやっとチェンマイに着きました。
バンコクを出発してから実に14時間半。
飛行機だったら1時間ちょっとでひとっ飛びということを考えると、ずいぶん贅沢な時間の使い方だとは思いますが、これも鉄道の旅の醍醐味。
特に急ぎの予定もなかったし、車窓を予定より長めに楽しめたと思うことにします。
駅の構内にレンタルバイク屋さんがありました。
1日250バーツみたいです。
私は、帰りは飛行機だったのでここでは借りませんでしたが、往復鉄道利用する方でレンタルバイクを考えている場合は、駅で借りるのもいいかもしれませんね。
車内動画
何はともあれ、無事にバンコクからチェンマイに到着しました。
バンコク・フアランポーン駅からチェンマイまでの車内の様子を、1本の動画にまとめてみました。
慣れてなくて野暮ったい動画ではありますが、よかったらご覧ください。
バンコク・チェンマイ寝台特急列車乗車記録 –タイの車窓から–
このあと、駅からチェンマイの旧市街に向かって歩き出したんですが、その話はまた次回に。
ではまた。