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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

バンコクいちじく日記「取り木に挑戦!」(2021年11月8日)

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こんにちは、まなおです。
今日は、初めてイチジクの取り木に挑戦したので、その内容を書きたいと思います。


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取り木に初挑戦!

いちじく(無花果)の増やし方にはいくつか方法があります。

切った枝を土に直接挿して発根させる【挿し木】や、
強い苗(台木)の幹の断面に別のイチジクの一部(穂木)を接着して増やす【接ぎ木】、
幹の一部を削ったり土に埋めたりして、そこから発根させてから後で本体から切り離す【取り木】などが主な方法です。

このうち、挿し木については、水挿しして発根させるのも含めてやったことがあるわけですが、今回は初めて取り木に挑戦してみました。

取り木はイチジクに限らず、今まで一度も経験がありません。
そんな私の教科書となったのは、YouTubeでした。



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日本・タイ両方のYouTubeチャンネルを参考にしました。
(イチジクに関して、特にタイでは挿し木より取り木の方が一般的なのか、たくさんの取り木解説の動画がありました)



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取り木に必要なもの

取り木を行うにあたって私が準備したものは以下の通りです。

  • カッターナイフ
  • デザイナーズナイフ(カッターナイフだけでも可)
  • アルコール(消毒用)
  • 結束バンド(ビニール紐でも可)
  • ビニール袋
  • ピートモス(水苔や椰子繊維『ココピート』の代用)
  • 発根促進剤(ルートン)
  • アルミホイル


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カッターナイフは園芸用のナイフでもハサミでも、自分が使いやすいものでOKです。

私は、たまたま手元にあったデザイナーズナイフが使い勝手がよかったので、剥離面を整える(表皮の内側にある形成層を削ぎ落す)のに使用しましたが、なくても全く問題ありません。

また、樹皮を剥いだ枝を包む資材は、タイでは主流の椰子繊維、クイ・マプラーオ(ขุยมะพร้าว)と呼ばれる、いわゆるココピートを使いたかったのですが、ちょうど切らしていたのでピートモスを使ってみました。
日本では、水苔を利用するのが主流みたいですね。

※ピートモスはpHが酸性に傾いているので、本当はあまりよくないのかも知れません。

 

一文字仕立てを目指して

今回、Panacheeというゼブラ模様の実がなる品種の株を取り木することにしたのは、この苗を「一文字仕立て」にしようと思ったからでした。

一文字仕立てというのは、日本のイチジク栽培農家なんかでは一般的な仕立て方(樹形の作り方)で、幹から2本の枝を左右水平方向に伸ばすように仕立てていきます。

その2本の主枝から縦方向に新しく伸びた新枝に実を付けることで、比較的コンパクトに効率の良い収穫ができるようになります。

私もいつかこの一文字仕立てに挑戦したいと思っていました。

一文字仕立ての詳細は、下記の動画やサイトでもご覧いただけます。


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我が家のベランダのイチジクの中で、Panacheeの苗は、垂直に伸びた主幹の両脇に、ちょうど同じような位置から伸びた2本の枝がある(つまり枝が3つ又に分かれている)ので、両脇の2本をそのまま水平方向に誘引していけば、一文字仕立てができそうです。

そうすると、現在真ん中で上に向かって伸びている枝(幹)は将来的には不要となるわけです。
そこで、どうせ切り落とすなら、その枝を有効に使って「取り木」してみようと思ったのでした。

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取り木(高取り法)の実践!

それでは、早速、取り木(高取り法)を始めてみましょう。

使用器具の消毒

万が一、ウイルスやバイ菌がイチジクの苗に入り込まないように、使用前にはアルコールで滅菌消毒しておきます。

取り木用袋の準備

ピートモス(できれば椰子繊維のココピートがよかった)を水に浸し、軽く絞ってからビニール袋に詰めます。

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ビニール袋は、今回4×6インチ(約10×15cm)のものを使いましたが、少し大きかった気がするので、3×5インチ(約7.5×12.5cm)くらいでもいいかも知れません。


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ビニール袋の先を輪ゴムや紐で縛っておきます。




環状剥皮(かんじょうはくひ)

樹皮(外皮・表皮)を筒状に剥いでいきます。
取り木をする場合、新しい根は枝や幹の節のあたりから生えてくるので、節の少し下あたりから2〜3cm程度の樹皮を切り取ります。

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幹の中心部(形成層の内側の道管部分)は、根から吸収した水分や養分を茎や葉に送る役割があり(下から上への流れ)、樹皮に近い部分(形成層の外側の師管部分)は、葉の光合成で作られた栄養分を逆に根の方へ届ける役割があります(上から下への流れ)。

したがって、樹皮とその下の形成層・師管部分を切り取っても、幹の中心側にある部分(道管)が残っていれば、そこから上の部分が枯れるということはありませんが、葉で作られた栄養分が下に降りて来た時に形成層・師管が切り取られていると、遮断された部分に栄養分が蓄積され、ホルモンの流れが変わってそこから根が生えてくるそうです。


まずは、節の少し下あたりをぐるっと一周ナイフを回すようにして切れ込みを入れます。

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イチジクの幹にカッターを入れた場所から、白い樹液が流れ出てきます。
肌の弱い方はかぶれて痒くなることがありますので、手袋着用をお勧めします。

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次に、2~3㎝下の部分にも同じようにぐるっと一周切り込みを入れたら、縦に1本切れ目を入れて、そこから表皮をぐるっと剥がしていきます。
意外ときれいに剥がれました。



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この後、白く露出した部分(形成層周辺)にナイフやカッターの背を当てて、上から下に滑らせて繊維をこそぎ落としていきます。

この作業は、上で少し触れましたが、師管を取り除いて栄養分の流れを遮断する目的があります。

といっても、私にはどの部分までが師管なのかよくわからないので、なんとなく雰囲気で適当にこそぎ落としてみました。(笑)

私的にはデザイナーズナイフがちょうど角度的にも使いやすかったです。
(道具はなんでもかまわないと思いますが、滅菌だけはしておきましょう)


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下に溜まった繊維をきれいに取り除いて、環状剝皮のできあがり!
最初にしては、なかなかうまくできた気が。(自画自賛)


発根促進剤(ルートン)の塗布

根は茎の節の部分から出てくるので、その節のあたりにまずは刃先で縦に細かく切り傷を入れておきました。
なんでも、こうすることで発根しやすくなるらしいのです。(傷口の再生能力的な?)
また、後述する発根促進剤の浸透を促す意味もあるのかも知れません。

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一般的に、取り木の成功率を高めるために、発根促進剤を利用することが多いようです。
今回、私も「ルートン」という粉末状の発根促進剤を使ってみました。
(タイでは液体のものを塗布しているのをよく見かけます)

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表皮を切り取っ上側の節のあたり(先ほど傷をつけたあたり)に、綿棒でまんべんなくルートンを塗ってみました。

 

資材の巻き付け

環状剥皮ができたら、さっそく、ビニール袋に詰めたピートモスを巻き付けていきましょう。
(しつこいようですが、本当は椰子繊維のココピートとか水苔のほうがいいのかも知れません)


まずは、カッターナイフで縦に一筋切れ目を入れます。
YouTubeを見ていると、このまま一文字だけの切り込みで包む方と、上部横にも切れ込みを入れてT字型にしてから包む方がいて、悩んだんですが、今回はT字型でやってみることにしました。

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縦に入れた切れ目の部分を開きながら、樹皮を切り取った白い部分がすっぽり被さるように幹を包み込みます。

そうして、用意しておいた結束バンドでまず上部を縛り、下側も同様に縛ってできあがりです。
上部は後で水分を流し込めるように多少緩めに縛っていいそうです。


じゃーん。

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本当は、幹の周りに均等に資材(土)がつくように包まなければならないのですが、初めての経験で緊張してしまい、ちょっとバランスが悪くなってしまいました。



でも、まあ、良しとしましょう!

 

アルミホイルで遮光

最後は、アルミホイルでビニール袋のまわりを包んで遮光します。

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取り木をする場合、根に直射日光が当たらないように遮光する必要があるようで、黒いビニール袋などを使うこともあるみたいですが、個人的には透明のビニール袋でこのようにアルミホイルで包んだ方が、折を見て発根の様子を観察することができるのでいいと思います。



これで、取り木作業は完了です。

あとは、ピートモスが乾ききってしまわないようにだけ注意しながら放置しておけば、数週間後には発根してくれるはずです。(たぶん)

どうかうまくいきますように。


以上、イチジクの取り木に挑戦してみた話でした。

 

ではまた。




【参考サイト】

園芸知識:取り木

取り木の時期や方法|環状剥皮とは?もみじや梅、レモンの木を取り木 - HORTI 〜ホルティ〜 by GreenSnap

 

師管と道管、維管束を中学生向けに解説!