チャオプラヤー川の西、いわゆる「トンブリー側」の一角に、数年前から日本人観光客の間でも一気に話題になったお寺があります。
日本人の間で一般に「ワット・パクナム」と呼ばれるこのお寺は、仏塔内部に描かれた色鮮やかな天井画が非常にインスタ映えするということで有名ですが、ここ最近、天井画と並んでSNSを賑わせているもうひとつのものがあるのです。
それは金色に輝く巨大な仏像です。
かれこれ2年前くらいから、そのお顔だけは先にお目見えしていたこともあって、インスタグラム上では既に映える画像がたくさん投稿されていたわけですが、実際にはずっと建設進行中だったのです。
そんな注目の黄金大仏が、コロナ禍の中、いつの間にか完成していたのです。(私が知らなかっただけかも)
今回は、大仏の造立開始当初から完成した現在までの様子を、写真と共にダイジェストで振り返りたいと思います。
ある意味バンコクの新ランドマークとも言える大仏様の造立過程をさっそく見てみましょう!
※ワットパクナムの正式名 = วัดปากน้ำภาษีเจริญ(ワット・パークナム・パーシーチャルーン)
- 仏像の骨組み出現(2018年年11月)
- 白い巻貝(2019年6月)
- 金色の頭部、現る(2019年12月)
- 上半身、現る(2020年5月)
- 完成間近?(2021年1月と5月)
- ついに完成!(2021年6月、そして10月)
仏像の骨組み出現(2018年年11月)
3年ほど前から、天井画のある白亜の仏塔の隣に突如として鉄骨が組まれ、何ができるのかと思っていたら、次第に大仏らしき骨格が出来上がっていきました。
この写真は、2018年年11月のもので、ワット・パクナム寺院脇の小さな運河の向かいに位置する、これまた異国情緒あふれるフォトジェニックな寺院、ワット・クンチャン寺院側から望んだものです。
最初は、「また仏塔でも建てるのか?」と思ったんですが、大仏様だったんですね。
境内にいたおじさんが「中国の建築会社が請け負ってるんだよ」と言っていました。
白い巻貝(2019年6月)
下の写真は、2019年6月に、大仏の建築現場前で撮ったものです。
この巻貝のようなものは、なんでしょうか?
実はこれ、お釈迦様の髪「螺髪(らほつ)」なんですね。
この時は、まだ頭部は完成していませんでした。
ワット・クンチャン寺院側に渡る橋から見るとこんな感じ。
こちらは遠景。
金色の頭部、現る(2019年12月)
そして、これが、2019年12月の様子です。
金色の頭部が現れました。
ほら、先ほどの白い巻貝みたいな螺髪(らほつ)も、お釈迦様の頭上で金色に輝いています。
2019年12月7日。
この時は、ワットパクナムの大仏の頭が現れたということにテンションが上がって、あちこちで写真撮ってました。笑
2019年12月14日。
はりきって1週間後に再訪したら、お顔の足場も取り払われていました。
話がそれますが、この時、お隣のワット・クンチャン寺院の大仏の前にアーチ状の屋根ができていたのが、個人的にはすごく残念でした。
屋根ができたら、あのキッチュで独特な風貌の仏像や神像たちを全員集合で正面からとらえることができないじゃないですか!
左が以前、右が現在の姿です。
上半身、現る(2020年5月)
2020年5月。
この頃は新型コロナが世界中に広がり、タイでも厳しい規制が敷かれていました。
ショッピングモール以外の飲食店や小売店、市場、公園、スポーツ施設の再開など、その規制が少し緩和された時期に、ワット・パクナムへ訪れて撮った写真になります。
上半身は足場が外れて黄金の塗装が施されていますが、台座部分はこの時点ではまだ塗装されていないのが見て取れます。
コロナ禍ということもあって、進捗にも影響を及ぼしていたのでしょう。
完成間近?(2021年1月と5月)
下の写真は、2021年の1月に久しぶりにバンコクヤイ運河の方へ行ってみたときの写真です。
わりと距離は離れているのですが、やはり存在感がありますね。
間近で撮ってみました。足場はだいぶ下がってきましたね。
こちらは、2021年5月に運河の対面から撮ったものです。
遠目にはほぼ完成しているように見えますが、クレーンはまだ外れていません。
そしてこの写真が、同じく5月にフォトジェニックなスポットを探してワット・パクナム周辺をさまよっていた時にたまたま迷い込んだ、路地の奥の原っぱからの景色です。
ここが現代のバンコクとは思えない異空間のような世界が広がっていました。
すごくないですか?
そして、この景色はその後、二度と見ることができなくなってしまいました。
以前のブログでも書いたのですが、あの景色がすごく気になって頭から離れなかった私が、それから1週間後に再び同じ場所に向かったら、まったく違う景色に変わってしまっていたんです。
まあ、これもこれでなんとなく異空間ですが。
そして、つい先日、再びその場所に向かうと。。。
路地の手前にバリケードのような門が設置され、中に入れなくなっていました。
今でも、あの場所は、私の中でバンコク不思議スポットのひとつとして強烈に(でも夢のようなおぼろげさも伴って)残っています。
ついに完成!(2021年6月、そして10月)
2021年6月の下旬。
この日、私は所用でMRTのバーンパイ駅周辺におり、そこから見えたワット・パクナムの大仏様と空がとても印象的でした。
その時点では気づいていなかった(というか意識していなかった)んですが、実は、この時すでにこの大仏は完成していたんですね。
後々完成日を知ったんですが、確かに、ずっと設置してあったクレーンはもうなくなっていますね。
そして、下の写真が先日10月にワット・パクナムで撮ったものです。
やはり間近で見ると迫力がありますね。
ただ、境内からだと近すぎてうまく写真に納められないのです。
個人的に、この大仏様は、少し離れた場所から、かつて東洋のベニスと呼ばれた運河やバンコクの下町風景と共に撮ったほうがその大きさや美しさが際立つような気がします。
以下の情報は、大仏前の石碑に書かれていたものです。
仏像名:プラプッタ・タンマカーイ・テープモンコン(พระพุทธธรรมกายเทพมงคล)
本体は銅製の瞑想仏(坐禅形)、幅40メートル(膝から膝まで)、頭上には蓮の蕾形の光輪
2017年3月4日竣工(定礎石)
2021年6月19日完成
総工費:608,531,300.66バーツ(約20億円)
高さについての記載はありませんでした。
なぜ?
横幅は重要だけど、高さはどうでもいいの?
いや、私はむしろ高さの方が気になるんですけど。
なんて思いながら読んでいました。
※ワット・パクナムの大仏を扱った記事では、高さ69メートルという記述が多いです。(竣工当時の発表によるものでしょうか?)
日本だと、大仏や建物などには、ある程度統一された正確な計測データがあるイメージですが、タイではそうではなさそうです。
もっとも、それはこのワット・パクナムの大仏に限った話ではなく、他の大仏や涅槃像なんかに関しても、わりと適当だったり、資料によって大きさがまちまちだったりして、ブログで紹介するときに混乱することもあります。
もしかしたら、高さはどこを起点として計測するのか(地面からなのか、台座からなのか)とか、頭上の光輪は入れるのかどうかなど、いろいろ事情があるのかも知れませんね。
なお、大仏の台座部分の裏手に、まだシャッターは閉まっているものの、なんとなく入口っぽい箇所があったので、将来的には、内部に入れるようになるのでしょうかね。
以上、ずっと「なかなか完成しないなー」と思っていたら、いつの間にか完成していたワット・パクナムの大仏様のお話でした。
よかったら、過去の記事もごらんください。
ではまた。