国境の町、ノーンカーイで一晩過ごした翌朝、お隣のブンカーン県へ向かいます。
ブンカーン県は、2011年にノーンカーイ県から分離してできた、タイで一番新しい77番目の県です。
そのブンカーン県で最近大注目のスポット、「ワット・プートーク」と「ヒン・サーム・ワーン」を訪れます。
「ワット・プートーク」では、岩山の断崖に張り巡らされた桟道からのスリル満点の絶景に腰を抜かし、「三頭のクジラ岩」を意味する「ヒン・サーム・ワーン」では、大自然のスケールに圧倒されっぱなしという、どちらも必見スポットです!!
今回は、ワット・プートーク寺院から紹介してみたいと思います。
これまでの話は、こちらをどうぞ。
ノーンカーイからブンカーンへ
翌日、6時に起きた私は、シャワーを浴びて朝のメコン川を少し鑑賞してから、7時ちょうどに荷物を持って部屋を出ました。
レセプションはまだ開いていないので、事前に聞いていた通り、部屋の鍵はカウンターに置き、レンタルバイクの鍵はシートの下の収納に入れてゲストハウスを後にしました。
通りに出たら、サームロー(バイクを改造したトゥクトゥク)に乗り、バスターミナルへ行ってもらいます。
5分ほどでバスターミナルに到着です。
予約したロットゥー(ミニバン)の発車時刻まで1時間近くありましたが、予約していたロットゥーはすでにスタンバイしており、昨日チケットを買った時にいたおにいちゃんが、サームローから荷物を受け取り車に積んでくれました。
7時半過ぎ。バスターミナル内をうろうろ散策。ベンチに座っていると、ロットゥーのおにいちゃんが呼びにきて車の中で待つように言われます。
一応、席と席との間にソーシャルディスタンスのバッテン印があります。
荷台の付いた軽トラのような車がロットゥーの後ろに停車したかと思ったら、大量の荷物が積み込まれました。
座席にも積まれています。
ソーシャルディスタンシングで人はそれほど乗せられないから、その分、物資を運ぼうということでしょうか。
7時50分。
ブンカーンに向けて発車。
乗客は7人で、お互いちょうどいい感じに距離が保たれています。
ノーンカーイの市内を少し抜けたところで、1人途中乗車して来ました。
早くもソーシャルディスタンス崩れる。(笑)
その後も、1人、また1人と人を拾っていき、1時間くらい走ったところで、ついに私もバッテン印の位置にスライドさせられ、晴れて満席となりました。(パンパカパーン!)
バッテンの意味なし。
まあ、そんなこったろうとは思っていたので、気にしませんが。
9時45分。
ブンカーンバスターミナルの手前、Wisdom Hotelの前で降ろしてもらいました。
(あらかじめ宿泊ホテルを伝えていたんですが、忘れずに停車してくれました)
事前情報通り、ノーンカーイからブンカーンまではちょうど2時間程度でした。
「天気晴れてきてよかったね!」とドライバーのおにいちゃん。
昨日チケット購入時に、私がブンカーン観光での天気を気にしていたのを覚えてくれてたんですね。
そのままホテルに向かうと、ここも部屋は空いていたようで、すぐにチェックインさせてくれました。
こういうところ、タイのホテルは融通がきいてありがたいです。
地方によくありがちな、アパート仕様の建物をホテルにしてみました的な感じでした。
予定していた別のホテルがあいにく満室だったためこのホテルにしたのですが、部屋は清潔に保たれていたので、寝るだけなら特に問題なしです。
レンタルバイクを借りに
部屋に荷物を置いたら、早速バイクをレンタルしに行きました。
ブンカーンでバイクをレンタルしてくれる所はそれほど多くないようで、事前に調べたところ、メコン川沿いのカフェでバイクを借りられるとの情報があったので、そのお店に歩いて行ってみることにしました。
ブンカーンの町並みを観察しながらメコン川方面へ歩いて行きます。
川沿いの通りには、いくつかのマッサージ屋さんが並んでいます。
観光客向けなんでしょうか。
どこもタイマッサージ1時間200バーツ程度なので、それほど高いというわけでもなさそうです。
やって来たのは、「Coffee Chill Cafe'」というお店です。
1日350バーツと、地方にしては相場より高めのレンタル料金ですが、他に選択肢がないので仕方ありません。
カフェのオーナーらしきおにいさんと話をしたところ、外国人はパスポートの原本を預ける必要があるとのことだったので、試しに自動車の運転免許証ではダメかと聞いてみましたが、パスポートでなければダメと。
「パスポートを携帯していないと、もし検問にあった時に問題になるのが心配です」と言ってみましたが、
「問題ないです。もし何かあったら僕に電話してくれたらちゃんと説明します」と。
まあ、そういう問題じゃないとは思いましたが、そこまで言うならと預けることにしました。
ちなみに、このおにいさんのことを怪しんでるとかそういうことではないです。
むしろ、真面目な性格で一生懸命対応してくれているという印象がありました。
観光ルートなんかも親身になってアドバイスしてくれたりしましたし。
ただ、頑なにパスポートの原本預かりを条件としていると、几帳面な外国人観光客には敬遠されることもあるだろうなと思います。
2日分のレンタル料金700バーツを先払いした後、あまりにも暑くて喉が乾いていたので、蜂蜜マナオジュースを注文して一息入れることにしました。
汗がひいたので、そろそろ出かけることに。
ガソリンは満タン貸しの満タン返し。
バイク自体はわりと古いものでした。
しかも、カブみたいなシフトペダル及びフットブレーキのあるタイプです。
クラッチレバー操作はないものの、スクーターしか乗ったことのない人には、慣れるまで少しハードル高いんじゃないでしょうか?
ここのところ、チェンマイや昨日のノーンカーイでは、それなりに新しくて快適なスクーターを借りられていたので、
正直、『これで350バーツかいな・・・』と思わずにはいられませんでしたが、まあしっかり走ってくれるならよしとしましょう。
※この日、残っていたのがたまたまこのタイプのバイクなだけの可能性もあります。
<店舗情報>
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
Coffee Chill Cafe'
所在地:Chasin Road, Mueang Bueng Kan District, Bueng Kan 38000
TEL:093-461-4477
営業時間:06:00-21:00
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ブンカーンバスターミナルで情報収集
バイクを借りた後、一旦ホテルの部屋に戻って出かける準備をすると、まずバスターミナルまで行ってみることにしました。
情報収集のためです。
実は、今回の旅行ルート、ちょっとした私の勘違いがありました。
もともと寝台列車でノーンカーイまで行ってみたいという思いありきで、タイ国鉄の片道チケットを押さえたんですが、ノーンカーイからブンカーンに行ったあと、もう1ヶ所どこか周りたいなと思いを巡らせたときに浮かんだのが、ルーイ県のチェンカーンでした。
チェンカーンはここ数年タイ人の間でも大人気の観光スポットで、メコン川沿いのノスタルジックな町です。
この時、あまりよく考えもせず、帰りはチェンカーンからルーイ空港へ行って飛行機でビューンと帰ってくればいいやと、復路の航空チケットも先走って予約したんです。
ちょうど、チェンカーンからルーイ空港までの送迎込みのジョイントチケットがあったので、これ幸いと買ってしまったわけです。
ところが、旅行のスケジュールを立てていくうちに、ブンカーンまたはノーンカーイからチェンカーンまでの移動が簡単ではないことが発覚。
『チェンカーンのあるルーイ県はノーンカーイ県の隣だし、ほんの2、3時間程度で行けるのだろう』と思っていたのが、大間違いだったんです。
直線距離では大したことないのですが、この2つの町を直接結ぶ交通手段はなく、あるとすれば、ノーンカーイからルーイ県に向かう1日に4本程度しかないオンボロバスで山越えをしつつ、途中でソンテウに乗り換えてチェンカーンに向かう7〜8時間コースとなってしまいます。
これだと、ブンカーンから朝2時間かけてノーンカーイに戻って来たとしても、チェンカーンに着くのは夕方とか夜になる可能性大です。
しかも、うまく乗り継げる保証もないし、下手したらソンテウの運行時間に間に合わなくてチェンカーンまで当日にたどり着けない可能性だってあるんです・・・。
そうなると、だいぶ大回りにはなりますが、ブンカーンから一旦ウドンターニーへ行って(3時間)、そこからルーイのバスターミナル(3時間)、そしてソンテウでチェンカーンまで(1時間半)というルートの方がまだ現実的であるように思いました。(それでも7時間半〜8時間程度かかるのですが・・・)
前置きが長くなりましたが、そんなわけで、次の目的地チェンカーンまで行くために、とりあえずブンカーンからウドンターニー、あるいはルーイまでの移動手段の確認をしておきたかったのです。
バスターミナルの案内所でいろいろ相談したところ、1日1本だけ午後1時発のルーイ県行きのバスがあるらしいのですが、そのバスがルーイのバスターミナルに着くのは日没後。そうするとチェンカーン行きのソンテウがもう走ってないからダメ。
ということで、結局、朝、ロットゥーでウドンターニーまで行って、それからルーイ行きのバスに乗り換えるのが一番という結論になりました。
なお、ウドンターニー行きのロットゥーは朝6時くらいからあることのことでした。(所要3時間)
ワット・プートークへ
バスターミナルでルーイ県までの移動手段を確認した後は、いよいよワット・プートークへ向けて出発です。
バイクを借りたカフェのおにいさんのアドバイスに従い、行きは、Google マップで誘導される東回りの212号線の方ではなく、西回りの222号線を走ることにしました。
おにいさん曰く、222号線の方が車線も広く走りやすいのだそうです。
ちなみに、この日、先にワット・プートークへ行ってから、ヒン・サーム・ワーン(クジラ岩)を日没に合わせて行くことを勧めてくれたのもカフェのおにいさんでした。
「クジラ岩は夕暮れ時か朝焼けがいい。日中行っても暑いだけ」と。(結果的に正解!)
おにいさんのアドバイス通り、222号線側からのルートは、概ね走りやすくて快適でした。
約1時間で、ワット・プートークの麓までやって来ました。
これはそれぞれの価値観なので、外国人である私があーだこーだいうことではないのですが、タイのお寺では、ちょっと有名になると、とことん観光誘致をするために、雰囲気と不釣り合いな装飾やテーマパークのような建物を建造してしまうことが多々あります。
私的には、『そんなものない方がずっといいのになあ。。。』と思うようなオブジェや建造物が散見されることもよくあります。
(吹っ切れたように乱立しているのは、むしろ面白いと思っちゃうこともあるのですが。笑)
このお寺の入り口もそこはかとなくテーマパーク感が漂っていましたし、池に建造中のお堂(仏塔?)も侘び寂び感ゼロで、これからもっと拡張してしていくのかと思うと少しドキドキしました。(大きなお世話ですかね?)
登山開始!
麓から見えるあの岩山を目指します。
上部はこんもりと木々に覆われ、側面は断崖となった岩肌。
規模は違うものの、なんとなくスリランカで登ったシギリヤロックを思い起こしました。
ここが登山道の始まりですが、お寺ということもあり、入山時の注意事項が書かれています。
入山時間は、08:00-17:00
1. 騒がない
2. 落書き禁止
3. ポイ捨て禁止(ゴミは持ち帰ること)
4. きちんとした身なり(短パンや露出度の高い服装禁止)
ちなみに、足の露出を隠す巻きスカート用の布は用意されていましたが、あれを巻いて山を登るのは、それはそれできついだろうなと思います。
ここへ来る時は、服装もですが、足元もサンダルとかではなく歩きやすい靴(できればスニーカーなど)の方がいいと思います。
そこそこ急な階段や坂もあります。
1階から4階
プートークは、山全体を全部で7つの階層(ชั้น)に分けてあります。(ここでは『〇階』と呼ぶことにします)
まず、岩山手前の板張りの階段を上がっていきますが、普段の運動不足と朝ご飯を食べていないせいで、早くも息が上がります。
滝のように汗が噴き出しました。
ゼイゼイ言いながら、無言で上っていきます。
途中、4階へ続く階段が、二手に分かれていました。
いずれも4階へは行けるが、左へ行くと250メートル、右は200メートルと書かれています。
これって、何かを試されているんでしょうか?
『右はショートカットだけど、きっと急勾配なんだろうな』と想像し、左へ進みます。(笑)
5階の桟道
私のたどった道がメインルートなのかどうかはわからないものの、巨石の隙間みたいなところも抜けて、なんとか5階までたどり着きました。
既に汗だくです。
仏像が安置されたお堂がありました。
その横の建物からの景色がきれいで、疲れが和らぎました。
5階の桟道は回廊のように岩山をぐるっと巡っているらしいので、板張りの桟道を先に進んでみます。
桟道は、言うなればスノコみたいな造りで、隙間はあるし、手すりは傾いていたり一部が欠損していたりで、もたれかかることはおろか、触ることさえ躊躇する代物です。
スリルと背中合わせの絶景。
高所恐怖症の人は無理でしょうね…。
地震にだけは絶対にあいたくない場所でもあります。
しばらくいくと、少し開けた展望台がありました。本当に絶景!
もう少し先に進んでみましょう。
桟道から変わった形の岩が見えたので近づいてみると、岩屋のお堂でした。木橋で渡れるようです。
これが岩屋から見たプートークですが、今歩いてきた5階の桟道とさらに上の6階の桟道がよく見えます。
そして、『よく、あんないつ崩れても不思議じゃない木の桟道を歩いて来たもんだな』と、改めてゾクゾクできます。(笑)
6階の桟道
さて、6階に上ってみることにしましょう。
今度は、上から先ほどまでいた岩屋を見下ろすかたちに。
もう、どこを見渡しても絵になるダイナミックな自然の風景です。
6階の桟道も、岩山の断崖をぐるっと巡っています。
その時は感覚が麻痺してしまっていましたが、今こうして見るとかなりスリリングな桟道ですね。
下の動画だともっとよく伝わるかと…。
7階の展望・下山
6階の桟道を進むと、7階へ続く階段があったので上ってみました。
7階と呼ばれる場所のほとんどは、とりあえず人が歩けるようにした感じの山道になっています。
わりとアップダウンがあり、草木も生い茂っていて、ぐるぐる歩いているうちに方向がわからなくってきます。
同じような場所を何度も回っているような気になり、私は軽く迷子になりそうになりました。
特に頂上の展望台的なところは見当たらず、大きめの岩盤が横たわっている少し開けた場所からしばらく景色を眺め、下山することにしました。
下りは楽っちゃ楽ですが、階段は相変わらず急勾配で、膝がガクガクしました。
結局、なんだかんだで、3時間近くワット・プートークを堪能していました。
(普通に上がって景色を楽しんで降りてくるだけなら、2時間くらいでもOKかと)
おわりに
切り立った岩山の断崖に張り巡らされた、まさに天空の桟道。
そのスリリングな桟道からの眺めは、どこを見ても絶景でした。
まなお的に、ワット・プートーク寺院は超絶お勧めのスポットです。
ブンカーン県へ行かれる際は、ぜひお立ち寄りくださーい!
◆まとめの動画も貼っておきます。よかったらご覧ください!◆
岩山の断崖に巡らされた天空の桟道!ワット・プートーク(タイ・ブンカーン県)
今日はこのへんで。
ではまた。