タイ東北部(イサーン地方)はルーイ県にあるチェンカーン滞在2日目。
チェンカーン初日の記事はこちら。
チェンカーンと言えば、メコン川の景勝と古い町並み、朝の托鉢、そして、プートーク(トーク山)から見る雲海が有名ですが、この雲海が見られる時期・ベストシーズンは、タイの冬である「寒季」(あるいは「寒期」「乾季」)とされています。
つまり、朝晩の気温が冷え込む11月から2月くらいの間ですね。
では、それ以外の時期には雲海を望むことはできないのか?
今日はそのあたりも含めて書いていきたいと思います。
プートーク山へ朝日鑑賞に
5時。
前夜は疲れて早めに寝たおかげで、すっきりと起床です。
今日は、チェンカーンの町から6~7キロの場所にあるプートーク(ภูทอก)という山の上から日の出を見るために、早起きしてみました。
プートークと言えば、先日訪れたブンカーンの絶景寺も「ワット・プートーク」で同じ名前ですが、また別の山です。念のため。
5時20分
支度をして宿を出発。
1階のお店は既に開いており、仕込みや托鉢の準備をしているようでした。
宿を出たときにはまだ暗かったんですが、バイクで走っているうちに空が少しづつ白んできて、ちょっと焦ります。
間に合うかな・・・。
5時40分
プートーク麓のソンテウ乗り場に到着です。
プートークの山頂へは、ピックアップトラックの荷台を改造した乗り合いのソンテウで向かわなければなりません。
往復1人25バーツ(約85円)のチケットを買って、出発待ちをしている車の荷台に乗り込みます。
私が乗り込むとソンテウはすぐに発車しました。
山頂まではほんの数分なんですが、曲がりくねった山道を上っている間に、いよいよ空が明るくなってきます。
もう日が昇っちゃうかな・・・ドキドキです。
5時45分
山頂に到着。
そのまま展望の開けたところまで行くと、日の出直前、ギリギリ間に合いました!
わーーーー、いい景色!!
って、あれ?
雲海じゃない?これ!!
え、すごい…
雲海のシーズンは11月から2月とのことだったので、今回は雲海なんてはなから期待してなかったんですけど、
8月のこんな雨期でも雲海が見られるんだ!
すごくラッキーでしたね。
寒い時期のようにほぼ確実に見られるというわけではないかもしれませんが、
後で地元の方に聞いてみたところ、雨期でもこのように雲海が現れることはわりとあるようです。
寒季(乾季)は、野焼きや大気汚染で空が霞むことが多いので、雨期のこの時期の空の方がクリアに見えるってことも、あるかも知れませんね。
山頂はぐるっと一周回れるようになっているので、場所を変えながらしばらく景色を楽しんでました。
日が昇った後も次々とタイ人の観光客がやってきて、楽しそうに写真撮影していました。
コロナ禍の雨期でもこれだけの人が来るんですから、シーズンの時期はけっこう混雑するのでしょうね。
ということで、
運が良ければ、雨期でもチェンカーンのプートーク山頂から雲海が見られます!
6時50分
日もだいぶ高くなり、雲海の景色も十分堪能したので、再びソンテウに乗って麓に戻りました。
景勝地「ゲーンクックー」へ
プートークの麓に戻ってきた私は、チェンカーンの観光名所のひとつでもある、ゲーンクックー(แก่งคุดคู้)へ行ってみることにしました。
バイクで10分ちょっとで到着です。
ピーターコーンの像があると、ついつい写真撮っちゃいますよね。
ゲーンクックーの「ゲーン(แก่ง)」というのは「瀬」という意味で、川が浅くなって流れが速い場所ということなんですが、雨期の今は水量が増しているので、浅瀬感はまったくなく、川幅が広くなった地帯ということくらいしかわかりませんでした。
乾季には、水が引いて、小石が混じった砂浜が現れるそうです。
川越しに見える山並みや空は幻想的できれいでしたが、中途半端に放置されたコンクリート工事の鉄芯などが眼下の河原に見えて、なんだか興ざめでした。
展望レストランや土産物屋でも作ろうと思ったんでしょうか。
『自然の景観を売りにしているところに、こんなもの建てなくていもいいのに・・・』
と個人的には思います。
河原の階段下には、遊覧船と思われる船も停まっていましたが、まだ朝早いからなのか、コロナ禍だからなのか、その時は誰も人がいませんでした。
弓を構えた狩人のような大男の像があります。
どうやら、ここに伝わる物語の主人公のようです。
昔、このあたりにラオス人の狩人がいました。
その狩人はとても身長が高く赤い鼻をしてました。
ある日、赤鼻の大男は、メコン川の対岸に銀の水牛がいるのを見つけました。
大男がその銀の水牛を射止めようとした、ちょうどその時。
行商の船が通りかかり、驚いた水牛は山へ逃げ込んでしまいました。
怒った赤鼻の大男は、獲物を逃した腹いせに、川に石を積み上げて船が通れないようにし始めます。
このまま川が堰き止められては、村の人々や川の生き物たちが困ってしまいます。
そこで、ある青年僧が一計を案じ、赤鼻の大男にこう言いました。
「ひとつひとつ石を運ぶより、竹で天秤を作って運んだほうが作業が捗るぞ」と。
赤鼻の大男は、言われた通り竹で天秤を作って一気に石を運ぼうとしましたが、竹の天秤棒が折れて首に刺さりました。
そして、大男はそのまま川に倒れ込んで死んでしまったのです。
その姿が、クックー(腰を曲げて横たわる)だったため、この辺りのことを、ゲーンクックー(クックーの瀬)と呼ぶようになったとことです。
めでたしめでたし。
って、いやいやいや。
この青年僧、ひどくない?
あなた様の計略によって、人ひとり死んじゃってますけど。。。
(やりすぎ!)
と思ったのは私だけではないはず。
でもまあ、ここは鬼退治的なお話として読まなければならないのでしょうかね。
(そういえば、現代でもメコン川を堰き止めようとしている、どこぞの大鬼がいませんでしたっけ?)
バイクに戻ろうとすると、何軒かのお土産物屋さんが開店しはじめていました。
その中に、サトウキビの砂糖菓子「ナムオーイ・ガティ(น้ำอ้อยกะทิ)」を売っているおばあちゃんの店があり、覗いていると味見させてくれました。
ココナツ入りでまあまあ美味しかったので、お土産にちょっとだけ買っていくことにしました。
こういうものの相場を知らなかったのもあるんですが、私の勘違いから、1袋のつもりで50バーツ渡したら、6袋も包まれたので焦りました。
かさばるし重いしどうしようかと迷いつつ、今更いらないとも言えず、そのまま宿に持って帰りました。
(結局、タイ友の指令により、バンコクまで全部持ち帰りました)
朝ごはんは、カオピヤック
8時半過ぎに宿に戻り、そのまま1階のジョーク屋さんで朝ご飯を食べることにしました。
この店は、ジョーク(タイ風お粥)とカオピヤック(ラオス風米麺)が有名なんです。
タイにはわりと長く住んでいる私ですが、今までにカオピヤックを食べた記憶がほとんどありません。
もともとラオスやタイの北部・東北部の一部でよく食べられている麺なので、今まで食べる機会がなかったとしてもおかしくはないものの、本当に食べたことなないのかどうかを確かめるためにも、カオピヤックを注文してみました。
ちょうどメコン川沿いの席が空いていました。
というか、この席のちょうど上が私が泊っている部屋ですね。
しばらくするとやってきました、カオピヤック(ข้าวเปียก)。
見た目はとろみがかったタイのクイッティアオみたいな感じ。
あんかけっぽいスープに、きざんだムーヨー(ソーセージっぽいもの)が入っています
さっそく一口。
ん!!
美味しい!!!
タピオカ粉が入っているからなのか、もっちりとしてコシのある麺と、コクのあるスープが絡んで非常に美味しい。
スープまで飲み干すくらいの勢いで食べてしまいました。
おかわりしようかと思いましたが、この後もいろいろ食べたいので我慢しました。
って、こんなに感激するってことは、やっぱり食べたことなかったんですかね・・・?
ラオスも何回か行っているのになあ。
宿の朝食クーポンを食堂のおばちゃんに渡して部屋へ戻ります。
せっかくリバーフロント、リバービューの部屋を取ったので、部屋でゆっくりメコン川を眺めてみようと思います。
チェンカーン2日目午後もまだまだ続きますが、長くなりそうなので続きは次回に。
ではまた。