ここ数日は、昼間にドバーッとそれこそバケツをひっくり返したような雨が降るバンコクです。
さて。前回で一応スパンブリ―のショートトリップ旅行記は終了したのですが、今回は、番外編です。
スパンブリ―旅行のドライブ中、道路脇にたくさん咲いていた白い花「ดอกรัก(ドークラック)」について書きたいと思います。
その花の名前は「ドークラック」
340号線の道路の脇道沿いにたくさん咲いている白い花が目についたので、車を停めて見に行ったんです。。
わざわざ幹線道路から外れて脇道に降りてまで見に行ったのは、その白い花の名前が気になったのと、かねてより不思議な形状だと思っていたあるものが、この花だと知ったからなんです。
好奇心から、どうしても自生している姿を近くで見たくなりました。
その経緯は以下の通りです。
「あの白い花はなんていう名前?(ดอกไม้สีขาวๆ ดอกนั้น ชื่ออะไรอ่ะ)」
「あー、あれはドークラック(อ๋อ ดอกรักไง) 」
「ドークラック・・・どういう綴り?(ดอก rak...สะกดยังไงนะ)」
「ロールア、マイハンアカート、コーカイ(รอ เรือ ไม้หันอากาศ กอ ไก่)」
(注)タイ語の文字の綴りを言葉で言い表しています。
「え、愛のラック?(เอ๊ เหมือนกับคำว่าความรักเหรอ)」
「そうだよ(ช่าย)」
※タイ語で『愛する』は『รัก(ラック)』、『花』は『ดอก(ドーク)』といいます。念のため。
え、つまり、「愛の花」じゃん!
って、1人興奮してたんですが、隣で友人は冷静に説明を続けてくれました。
昔は、近所のあちこちで咲いている、特に珍しくもない花だったとのことです。
でも確かに最近は見かけることが少なくなったかもしれないと。
子供の頃には、大人たちの言いつけで、近くの草むらにこのドークラックを取りに行ったこともあるらしいです。
お寺の行事用の装飾(花やバナナの葉で作るお供えのようなもの)に使うために。
花輪の花だった
「プアンマーライ(花輪)にも使われているから、見たことあるはずだよ」
そう言われて、ちょっと考えてしまいました。
町角やお寺の境内でもよく売られている、お供えや飾り用の花輪のことを、タイ語で『プアンマーライ(พวงมาลัย)』といい、私も今までに何度か買ったことがあります。
ジャスミンの花やマリーゴールド、バラといった花は思い浮かぶんですが、それ以外の花ってなんだっけ・・・。
あっ!
もしかして・・・花輪の足の部分に連なった奇妙な形のあれのこと!?
と、ひらめいた私は
「あの、首の骨みたいに連なった部分の花?」
と聞いてみたら、友人は一瞬言葉を失ってました。
いやぁ、形容の仕方が悪かったですね。す、すみません。
ドン引きされながらも、とりあえず、正解でした。
「愛の花」という言葉の響きとともに、昔から気になっていたあの独特の形状に対しても、ふつふつと興味がわいたので、どうしてもその花が咲いているところを見たくなったのです。
それで、わざわざ車を停めて見に行ったというわけです。
近年、町で売られている花輪の中には、このドークラックの生花の代わりにプラスチックを使っているものも時々見かけます。
だから、私は、あれはもともと生花ではなくてプラスチックなんだと勘違いしている時期がありました。(恥)
ドークラックについて
道端の茂みに咲くドークラックは、1.5~2メートルくらいの高さの、全体がもこもこした印象の低木で、大き目の葉の間に数個の花ががかたまって咲いていました。
調べたところ、ドークラックは、インドから東南アジアの乾燥地帯に分布しており、学名は『Calotropis gigantea』で、ガガイモ科カロトロピス属の常緑低木とのことでした。白色の花以外にも紫の花もあるようです。
英語では『Crown flower』とも呼ばれているようです。
王冠の花・・・確かによく見ると王冠のように見えるじゃないですか。
なんとも高貴な名前!
それに対して、首の骨に例えた私の発想力よ・・・(;´д`)
また、タイ国際航空のロゴマークは、このドークラックが、いくつかあるモチーフの中のひとつだと言及している記事もありました。
そういわれてみれば、似てますね。
名前の由来は・・・?
タイ語のウィキペディアによると、名前の由来は、インドで『อรัก(アラック)』と呼ばれていたのが変化して『รัก(ラック)』となったらしく、残念ながら、もともとは『愛』の意味合いではなかったようです。
でもまあ、今は「愛の花」ってことでいいじゃないですか、ね。
薬としても使われる効能と毒性
ドークラックは、タイのハーブ医療(漢方)としても使用されるようです。
樹皮や根には、下痢を抑え、汗や痰の排出を促す作用があり、花は消化を助け、咳や感冒にも効くそうです。
ところが、その一方で、この花の茎や葉やから出る白い樹液には毒性があり、皮膚に付着するとかぶれたり、目に入ると炎症を起こしたりします。
やっぱり「愛の花」なんですね。
病気や傷を癒やす薬にもなる一方で、対処を間違えれば毒にもなる。
みなさま、くれぐれも愛にかぶれないようにお気を付けください。
なんて、お後がよろしいようで。
ではまた。