siam manao-life

バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

頬の匂いを嗅ぐのは愛情の印!?ホームケム

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こんにちは、まなおです。
結局ヘアサロンも不可になったバンコク首都圏。
とりあえず切っておいてよかったけど、早く落ち着いて再開しますように。

 

さて。
タイ人の愛情表現のひとつに相手の頬に鼻を近づけるというのがあります。
これ、欧米風にキスと言われていますが(チークキスみたいな)、タイ人がするあれは、ちょっと違います。もともと重要なのは口ではなくて鼻です。
鼻で相手の頬の匂いを嗅いでいるのです。


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私も最初、挨拶がわりの頬合わせみたいなもんだろうと思っていたんですが、本気で「すーーーっ」「すーーーっ」って鼻で息を吸い込まれた時はビビりました。
自分が薔薇かワイングラスにでもなったような気分に。(いやスルメか)

あの行為をタイ語で「ホームケム(หอมแก้ม)」と言います。

ホーム(หอม)hɔ̌ɔm = いい匂い、芳しい、良い香りがする、嗅ぐ
ケム(แก้ม)kɛ̂ɛm = 頬(ほお)、頬っぺた

つまり、「頬を嗅ぐ」ということなんです。
だから、本来、匂いを嗅ぐ行為なんです。あってるんです。

最近では、匂いを嗅ぐというより、欧米流にほっぺにチュみたいにしている人も多いとは思いますが。


もともとホーム(หอม)という言葉は、一般的に「いい匂い」「芳しい」という形容詞的な使い方をすることが多いですが、このように「嗅ぐ」という動詞になることもあるんですね。
ただし、「嗅ぐ」という意味合いで使う場面は限定的で(頬とか赤ちゃんの体とか)、あくまでいい香りのものに対してだけ使われます
(かつ『スキンシップを伴うようなもの』なんじゃないかと個人的には思っています)

匂いの良し悪しに関わらず一般的な「嗅ぐ」という行為は、ドム(ดม)ですもんね。


ホーム(หอม)をタイ=タイ辞書で調べてみると、動詞の説明として「ได้รับกลิ่นดี(= 良い匂いを受け取る)」「จูบ(ジュープ = キスする)」と書いてありました。
なるほど、ホームケムは、相手からいい匂いを受け取る行為だったんですね。

また、『頬の匂いを嗅ぐことがキスなんだ…』と思ったので、今度はジュープ(จูบ)という言葉自体を同じくタイ=タイ辞書で調べてみたら、「เอาจมูกสัมผัสสูดแสดงความรักหรือความใคร่(= 鼻で触れて息を吸い込み愛情や願いを表現する)」とあります。
つまり、今でこそ、ジュープ(จูบ)も、ホームケム(หอมแก้ม)も、便宜的に『キス』と訳されていますが、もともとタイ人にとっての(欧米で言うところの)キスにあたるものは、口づけではなく、鼻づけだったんですね。


って私、なんでいきなりこんな話題にしたんだっけ?

ああ、そうそう、「ブッペーサンニワート」(บุพเพสันนิวาส/邦題:運命のふたり)というアユタヤ時代を舞台にしたドラマ(3年ほど前に大ヒット)で、現代から転生したヒロインの女性が溺れた婚約者に人工呼吸をして助けたら、破廉恥だのなんだのって大騒ぎされたっていうシーンを思い出したからでした。


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話はそれますが、関西育ちの私は、「匂い」という言葉をふつうに他動詞として使っていました
この花、匂いでみて」「匂いだら臭かった」みたいな。
標準語では「嗅ぐ」と言うのを知ったのはある程度大人になってからでした。(恥)



ではまた。