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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

イサラパープ散歩「ワット・ホンラッタナーラーム」と「ワット・ラーチャシッターラーム」

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地下鉄MRTのブルーラインがフアランポーン駅からチャオプラヤー川西岸方面へと延伸してもう3年が経ちます。
この延伸のおかげで、中華街(ヤワラート)やワット・ポー、王宮、ワット・アルン方面へのアクセスが格段に向上しました。

今回はイサラパープ駅周辺の2つのお寺を訪れてきました。
ひとつは、以前も紹介したことのある、本堂の雰囲気がとても美しい「ワット・ホンラッタナーラーム」、そしてもうひとつは、真っ白な対の仏塔が美しい「ワット・ラーチャシッターラーム」です。
いずれも、ひっそりと落ち着いた雰囲気の名刹です。

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ワット・ホンラッタナーラーム

最初に訪れたのは、イサラパープ駅からチャオプラヤー川の方へ少し歩いた場所にあるワット・ホンラッタナーラーム寺院。

このお寺は、2回目の訪問です。
最初に訪問した時の印象がとてもよかったので、再訪してみたくなったのです。

www.manao.life



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本堂の屋根が高くて、その屋根を支える柱も大きくて可憐な装飾がほどこされていて、荘厳さも合わせ持つ見事な建築だと思います。

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いかがでしょうか。
ものすごく魅力的ですよね。

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そして、何よりのお気に入りポイントは、王族ゆかりの由緒正しい寺院(第2級王室寺院)にも関わらず、観光客や参拝者が多くなく、静かにお参りできるところなんです。

実際、今回も1時間くらい、お参りしたり壁画を見たり写真を撮ったりして、ずっと本堂の中で過ごしていました。


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壁画いろいろ

今回は、特に壁画に注目して鑑賞する時間が長かったかも知れません。

以下、壁画の説明を少し。
(付け焼刃のつたないうんちくで恐縮ですが…)

降魔成道

こちらは、本尊の正面、入口側の壁に描かれた壁画で、お釈迦様が悪魔の妨害に打ち勝ち悟りを開く場面「降魔成道」の図ですね。

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菩提樹の下で瞑想をするお釈迦様に悪魔がいろんな誘惑や攻撃を仕掛けてきますが、お釈迦さまは惑わされることなく瞑想を続けます。
そして、魔王からの「お前に功徳などあるわけがない、前世で行ったという数々の善行を証明することなどできはしまい」という問いかけ(煽り)を受けて、お釈迦さまが「私のこれまでの善行は大地が証明してくれる」と右手で大地を指さすと、大地の女神メートラニーが現れ、長い髪のしずくを絞るとたちまち洪水が起こり悪魔たちが飲みこまれて行きました。
その後、ついにお釈迦さまは悟りを開かれたのでした。

という有名な場面ですね。


画面右側では悪魔たちが武器を手に攻撃していますが、画面左側ではお釈迦様の偉大なる功徳に降参し蓮の花を手向け合掌する悪魔たちの姿が見られます。


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降誕

本堂両サイドの壁にも、お釈迦さまの生涯に関する壁画が描かれています。

こちらは、お釈迦さま降誕(誕生)の場面ですね。
マーヤー妃がアソーカの木(無憂樹)の花を摘もうと手を枝に伸ばした瞬間に右の脇からお釈迦さまが誕生されたそうです。

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生後すぐに歩き出した釈迦さま。
帝釈天(インドラ神)が手の平に乗せ、梵天(ブラフマー神)が傘を差し出しています。


四門出遊・出城

こちらは、お釈迦さまが出家するために王城を後にする場面です。
寝室で眠っている妻と息子にそっと別れを告げた後、城の門を出ます。

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なお、画面の下に描かれているのは、お釈迦さまが出家を決意するきっかけにもなった、「老(人)」「病(人)」「死(人)」を初めて目撃なさった場面です。
王子として贅沢に何一つ不自由のない豊かな生活を送っていたお釈迦さまにとっては、大変ショッキングな光景でした。



剃髪・出家

こちらは、王城を脱出したお釈迦さまが出家される場面です。

画面上では、王城警備や周りの人に気づかれてはいけないので、天人たちがお釈迦さまが乗った馬の蹄を手で掴んで音がしないようにしているのが面白いです。

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画面中央は、帝釈天と梵天の立ち合いの元、お釈迦さまは王冠を脱ぎ自ら剃髪をしています。




修行

こちらでは、お釈迦さまが仙人を訪ねて行ったり苦行に励む様子などが描かれています。

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乳粥供養

こちらは、断食修行をするお釈迦さまにスジャータという娘が乳粥を献上する場面です。(乳粥供養
画面下では、スジャータが作っている乳粥に帝釈天が聖水をふりかけています。

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三道宝階降下

こちらは、悟りを開いたお釈迦さまが天界にいる生母マーヤー夫人や神々に説法を行った後、再び地上へ戻る場面です。(三道宝階降下

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帝釈天と梵天と共に、ナーガの階段を歩いて降りておられます。
帝釈天は法螺貝を吹き鳴らし、梵天は傘を差し出しています。



入滅

こちらは、お釈迦さまがいよいよ涅槃に向かわれる(入滅される)直前の場面です。
弟子の僧侶や天人、梵天、帝釈天が見守る中、最後の説教をなさいます。

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お釈迦さまの足元で合掌する剃髪していない男性は、この後お釈迦さまの最後の弟子となるスバッダという人物です。



その他

以下の壁画は、私の不勉強でどのようなエピソードの場面かいまひとつわからないので、とりあえず画像のみ。
これからぼちぼち勉強していきたいと思います。

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ご覧の通り、この寺院の壁画は非常に鮮やかで細かく描写されているので(もちろん修復されたものですが)、わかりやすく勉強にもなります。

この壁画をしっかり理解しておけば、他の寺院で釈尊の生涯に関する壁画を鑑賞する際にも非常に役に立つ気がします。
(ということで、自分に葉っぱ発破をかけております)



<寺院情報>
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ワット・ホンラッタナーラーム・ラーチャウォーラウィハーン
วัดหงส์รัตนารามราชวรวิหาร
Wat Hong Rattanaram Ratchaworawihan
所在地:102 ถนนวังเดิม แขวงวัดอรุณ เขตบางกอกใหญ่ กรุงเทพมหานคร 10600
    102 Wang Doem Rd., Khwaeng Wat Arun, Khet Bangkok Yai, Bangkok 10600
TEL:089-062-8924
時間:8:00~18:00
URL:facebook
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ワット・ラーチャシッターラーム

ワット・ホンラッタナ―ラームを後にしたら、一旦イサラパープ駅の方へ戻ります。

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こんどはイサラパープ通りの反対側へ。

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イサラパープ23のソイを入って行き小さな橋を渡ると、そこがワット・ラーチャシッターラーム寺院です。

まずは、向かって右側に2つ並んだ礼拝堂へと行ってみました。

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緑の仏像

一番右端に建つ礼拝堂には、翡翠で造られたプラ・プッタ・メーター(พระพุทธเมตตา)という緑の仏像や仏足石が安置されていました。

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この仏像は、最近安置されたもののようですが、大きな緑の石で造られた仏像はなかなか立派でした。



ラーマ9世ゆかりの仏像

2つ並んだ左側の礼拝堂には、黄金の仏像が安置されていました。


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1973年にラーマ9世(プミポン前国王)が王妃と共にご参拝になり、プラ・プッタ・シッタモンコン(พระพุทธสิทธมงคล)とお名付けになったそうです。


白亜のツイン仏塔

本堂の手前に、真っ白な2つの美しい仏塔が建っています。

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いずれも約20メートルの高さで、釣鐘っぽい部分に首飾りのような装飾が施されているのが特徴的です。

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右側の仏塔プラ・シラーサナ・チェディー(พระศิราสนเจดีย์)はラーマ3世が、左側の仏塔プラ・シラチュムパタ・チェディー(พระศิรจุมภฏเจดีย์)はラーマ4世がお建てになったそうです。



本堂と僧房

白亜の仏塔の間を進み、中国風の門をくぐると本堂です。

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しかし、この日はあいにく本堂の扉が閉まっていたので、外観と周辺だけを拝見することに。

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入口を入ったところにある象の石像。

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本堂の周りには、小さな瞑想用の僧坊が24棟建てられています。
他のお寺ではあまり見かけないスタイルです。

それぞれのお堂の中には仏像が安置されているようです。
(開いているお堂や閉まっているお堂があり)

その中に、ラーマ2世によって造られた僧坊がありました。
ここには、ラッタナーコーシン朝における4代目の僧王(ソムデットプラサンカラート/สมเด็จพระสังฆราชไทย)である、スック・ヤーンナサンウォーンの像がお祀りされていました。(通称『ルアンポー・スック・ガイトゥアン/หลวงปู่สุก ไก่เถื่อน』)

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いつか、本堂の中も拝観したいです。



<寺院情報>
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ワット・ラーチャシッターラーム・ラーチャウォーラウィハーン
วัดราชสิทธารามราชวรวิหาร
Wat Ratchasittharam Ratchaworawiharn
所在地:3 ซอย อิสรภาพ 23 แขวง วัดอรุณ เขตบางกอกใหญ่ กรุงเทพมหานคร 10600
    3 Soi Itsaraphap 23, Wat Arun, Bangkok Yai, Bangkok 10600
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以上、イサラパープ駅周辺を散策した話でした。


ではまた。