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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

【寒の地獄温泉】江戸時代から続く秘湯の宿「山の宿 寒の地獄旅館」/評判の宿・一時帰国宿泊記

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引き続き夏休みのまなおです。
この一時帰国宿泊記、続くかどうか心配でしたが、なんだか勢いづいて第3弾目です。

今回は、大分県九重連山の一角にある秘湯「寒の地獄温泉」の紹介です。
名前もかなりインパクトがありますが、この寒の地獄温泉は、九重九湯のひとつで、江戸時代の嘉永2年に開湯した歴史ある温泉です。

ちなみに、九重九湯というのは、筌の口(うけのくち)温泉、壁湯温泉、川底温泉、寒の地獄温泉、筋湯温泉、長者原温泉、宝泉寺温泉、湯坪温泉、竜門温泉の9つのことをさし、この中の壁湯温泉については、第1弾で紹介しました。
また、壁湯温泉に行った時に、筌の口温泉と筋湯温泉も立ち寄り湯で利用しましたが、どちらもいい温泉でした。

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今回の「寒の地獄温泉」もまた、一味違った趣きのあるいい温泉(冷泉)でしたので紹介したいと思います。


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寒の地獄温泉

寒の地獄温泉は、標高1,100メートル、九重連山の三俣山・星生山の裾野から湧き出る冷泉です。
名前の通り、ここの温泉は冷たいんです。
しかも、ぬるいとか肌寒いとかそういうレベルではなく、震えるほど冷たい温泉なんです。
(冷たい温泉っていう言葉自体、なんだかおかしいですけど)

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源泉の水温は年間を通じて13℃~14℃で、毎分2,160リットルの湧出量となっています。

水温14℃って聞くと、それほど冷たくないんじゃないかという印象を受けますし、私も最初はそう思っていたんですが、決して侮ってはいけません
真夏の汗ばむ陽気の中でも、足先を浸しただけで「え、これ無理っ!」と不安を感じるレベルなんです。

もっとも、それくらいじゃなきゃ「寒の地獄」なんて名前がつくわけないでしょうからね。
昔は「冷泉行進曲」なるものを歌いながら気合を入れて入っていたそうです。(笑)

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※温泉とは全く関係ないことですが、「冷泉」と書くと、どうしても「れいせん」ではなく「れいぜい」と読んでしまうまなおです。かつての同級生の苗字の影響です。

 

冷泉の入浴方法

江戸時代に猿が傷を癒していたことから発見され、さまざまな効能を持つこの冷泉は、霊泉として湯治に使われてきました。
「寒の地獄」という名前の通り、入るのにはかなり勇気がいる冷泉ですが、私も気合いで挑戦してきましたので、ここで入浴の仕方をご紹介したいと思います。

 

夏季限定の「冷泉」

昔ながらの冷泉(霊泉)は、7月~9月までの期間限定です。(期間外は足湯のみ)
冷泉は混浴ですが、水着着用なので安心してください。
また、冷泉は自分には無理だとお考えの方もご安心ください。宿には薪で加温した「温泉」もあります。

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以下、宿の方のアドバイスも含めて、冷泉のお勧め入浴方法を書いておきます。

  • まず、内湯または貸切家族風呂で体を洗い、加温した温泉に浸かって体を温めておきます。

  • 温泉を出るときに、浴衣の下に水着を着ておき、冷泉の脱衣所へ向かいます。(立ち寄り湯の場合はここで水着に着替えることも可能)

  • 浴衣を脱いで、いよいよ冷泉の浴槽へ向かいます。

    ためらっているとなかなか入れないので、一気にザブンと肩まで浸かってしまうのがいいそうです。(心臓疾患などある方はお控えください)

    あと、脇は温度を敏感に感じるところらしいので、両手をクロスして手のひらを脇にはさんで入浴するのがコツだとか。

    入った瞬間は、あまりの冷たさに体の先がピリピリするような刺激を感じますが、2~3分すると慣れてきて、それほど辛くなくなります。

    それから数分(個人差あり)は、静かに入浴を楽しむことができます。

  • 身体に震えが出始めたら湯船から上がり、体を拭かずにそのまま隣にある暖房室へ入って、ストーブで体を温めます

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  • 体が十分に温まったら、再び冷泉に浸かり、また暖房室で温める、ということを数回繰り返します。

 

「温冷効果」と「あぶり込み」

この冷泉の入浴方法が効果的なのは、「温冷効果」と「あぶり込み」というのがキーワードのようです。

「温冷効果」というのは、交互に温めたり冷やしたりすることで、身体に刺激を与え、血行を良くしたり、自律神経を整えたりする効果が期待できるというものです。


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また、冷泉からあがったらタオルで身体を拭かずに暖房室に入り、ストーブで十分暖を取る「あぶり込み」は、医学的にもとても効果のある療養法だそうです。
身体についた温泉成分がじんわりと肌に浸透していくんでしょうね。

 

冷泉は飲用可

この冷泉は飲用可能で、リウマチや通風にも効果があったり、胃腸の調子を整えてくれたりするそうです。
冷泉の浴槽手前の樋から源泉が大量に流れています。流石の湧出量ですね。

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【適応性】《泉質》:単純硫化水素泉 《温度》:摂氏13度~14度 《湧出量》:毎分2.160リットル(12万石)一昼夜 3.110.400リットル(17.280石)

【浴 用】① 水虫、田虫、皮膚病一切② 慢性関節リューマチ、神経痛、神経炎③ 胃腸病、糖尿病、婦人病疾患一切④ 慢性金属中毒症、感冒予防、ゼンソク

【飲 用】慢性筋肉リューマチ、慢性関節リューマチ、痛風、神経麻痺、気管支カタル、常習便秘

公式サイトより引用)

 

温泉

先にも触れましたが、この寒の地獄旅館には、名物の冷泉以外にも薪で加熱した温泉もあります。

大浴場

男女別の内湯「互久楽湯」は、桧湯と切石湯とのふたつが男女日替わりになっています。
温泉の浴槽の隣に、少し温かめの冷泉の浴槽があるので、14℃の冷泉が無理だと感じる方は、この内湯の温泉と冷泉を交互に試してみるのもいいかと思います。

実際、高齢の母は冷泉には挑戦せず、大浴場の中にある少しぬるめの冷泉と温泉で交互に足をつけて血行を促進していました。
本人曰く、夏でも冷房で足が冷えてしびれる感じになっていたのが、緩和されて良かったとのことです。

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家族風呂(貸切風呂)

互久楽湯がある温泉棟の並びに3つの貸切り家族風呂があります。
「桧湯」「岩湯」「切石湯」と、それぞれ大人2人用くらいの浴槽と洗い場があり、壁の一面が大きくあいていて開放的な雰囲気です。


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表にかかった札が「空室」となっていれば自由に入浴可能です。
入るときは札を「入浴中」にしておきましょう。
中から施錠可能で、脱衣所にはドライヤーがありました。

 

館内

昔ながらの湯治場の風情を残す、木造2階建ての旅館です。

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何から何まで行き届いた今どきの設備を求めている方には不向きかも知れませんが、部屋も館内も清潔に保たれています。
昭和の懐かしい趣きを理解する方には、お勧めのいいお宿です
ちなみに、新館のトイレはウォシュレット(温水洗浄便座)でした。

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食事

食事は朝夕とも本館1階にある食事処「八重喜」でとなります。
各テーブルには囲炉裏があり、囲炉裏で鮎をあぶったり溶岩プレートで豊後牛や野菜を焼いて食べたりすることができます。
品数も豊富で、お米も少し甘めの味噌汁も美味しかったです。

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宿情報

山の宿・霊泉 寒の地獄旅館
(日本秘湯を守る会会員)

住所:〒879-4911 大分県玖珠郡九重町田野257番地
電話:0973-79-2124
休館日:水曜日
駐車場:無料
アクセス:熊本から約2時間、大分道九重ICから約30分、JR豊後中村駅からタクシーで30分、バスで50分


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受付時間:8:00~20:00
日帰り入浴:9:00〜17:00まで

公式サイト:大分・九重の温泉宿「寒の地獄旅館」


まとめ

九重九湯のひとつ、大分県の「寒の地獄温泉」は、全国的にも珍しい冷泉(霊泉)です。
硫黄の匂いが漂い温泉成分が濃いにもかかわらず、非常に透明度の高い源泉が印象的でした。

寒の地獄旅館は、昭和レトロな湯治場の風情を残す木造建築の宿で、囲炉裏を囲んでの食事も品数が豊富で美味しかったです。
一味違う変わった温泉好き、秘境の温泉好き、かつ、食事にもある程度重点を置く方にもお勧めできる、いい温泉旅館でした。

 

 

 

ではまた。