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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

タイの田園風景を見渡せる絶景「カオノー」へ行こう。(まだ見ぬ絶景『UNSEEN THAILAND』ナコンサワン)

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週末張り切り過ぎたら、週明け敵面に疲れが出て、喉をやられ気味のまなおです。こんにちは。

 

私がカオノーという名前を知ったのは、どこかタイで景色のいいところに行きたいなあとネットであれこれ物色していたときに目についた一枚の写真からでした。
タイ人のブロガー(かな?)が撮ったその写真がとても素敵だったので、いつか自分も行ってみたいと思い、その「カオノー(เขาหน่อ)」についての情報収集を開始しました。
いろいろ調べるうちに行きたい気持ちがさらに募り、先日ついにそのカオノーという山へ行ってきたので、ここで紹介したいと思います。

 

 

行くなら今のうち?(まだあまり知られていないマイナー絶景スポット)

調べていてなんとなく気づいたのですが、このカオノーは、タイ人の間でもまだあまりメジャーな観光地ではなく、ここ数年でジワジワと人気がではじめたスポットのようです。
日本語の情報もほとんど見つからなかったので、日本人にはまだほとんど知られていない絶景ポイントなんだろうと思います。
少なくとも今はまだ外国のツアー客が団体で押し寄せたりするような場所ではないので、絶景を満喫したいならメジャーになって混雑したり入場制限やいろんな規制がしかれたりする前に行った方がいいかも知れません。

 

カオノーってどこにある?(カオノー基本情報)

まずは、カオノーという山について簡単に説明したいと思います。

 

由来・歴史

通常、カオノーは隣接するカオケーオという山とセットで「カオノー・カオケーオ」と呼ばれることが多いです。

カオノーの「เขา [khǎo] カオ」は「山」で、「หน่อ [nɔ̀ɔ] ノー」というのは「芽」とか「突起」とかいう意味があって、地面から盛り上がった蟻塚のような容姿から「カオノー」と呼ばれるようになったとも言われています。

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一方、カオケーオの「แก้ว [kɛ̂ɛw] ケーオ」というのは「ガラス」とか「水晶」とか光り輝くものを表す言葉です。昔、光の輪がカオケーオ山のふもとから頂上付近まで移動しながら明るく照らすという不思議な現象が発生し、そのことにちなんで住民はカオケーオと呼ぶようになったとの説があります。

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両者とも石灰岩の山でユニークな独特の姿をしているのですが、これは長年にわたる雨や風の浸食によるものです。
また、かつてラーマ5世も北部行幸の際にカオノーにお立ち寄りになった場所でもあるとのことです。

 

場所

ตำบล บ้านแดน อำเภอ บรรพตพิสัย นครสวรรค์ 60180

Ban Daen Banphot Phisai Nakhon Sawan 60180
ナコンサワン県バンポットピサイ郡バーンデーン



バンコクから北へ約280キロ、ナコンサワン県からカンペーンペット県へ続く国道1号線(パホンヨーティン通り)の途中、カンペーンペットとの国境手前の田園地帯にカオノー・カオケーオは姿を現します。
ナコンサワンの中心部からは約45キロの場所にあり、1号線から見て左手がカオノー、右手がカオケーオです。

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高さ

情報によりバラつきがあるのですが、標高(海抜)が280~300m程度で、周辺の田園地帯からは250mほどの高さと書いてあるものが多いです。
グーグルマップで見ると標高230~240m程度のような気がしないでもありませんが、私も勉強不足で正確な数値がよくわかりません。

ただ、周辺は一面田園で、平地の上に山が独立して乗っかっているような感じなので、標高から受ける印象よりは高く感じます。

ちなみに、地上250mとすると50階超えの超高層ビルの高さに匹敵します。日本では虎ノ門ヒルズ、バンコクならルーフトップバーで有名なステートタワーの『シロッコ・スカイバー』程度の高さになると言えばイメージしやすいでしょうか。

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登山道

  • 階段=約700段。

麓からコンクリートの階段(一部石の階段あり)が岩場の手前まで続き、けっこうな急勾配です。

  • 梯子階段=5か所。

頂上付近の岩場に差しかかったあたりからは階段ではなく鉄の梯子を登り継ぎます。一段一段が高く、体感的に垂直に近いような急勾配となります。

 

交通手段

今回私たちはバンコクから車を運転していきました。

もし公共交通機関を利用していくとなると若干ハードルは高めです。
ナコンサワンには公共用の空港がないので基本的に鉄道か長距離バス、あるいはロットゥー(乗合バン)を利用することになります。
ただ、ナコンサワンの市内からカオノー・カオケーオまでは約45キロあるため、市内からカオノーまでの往復の交通も確保する必要があります。

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ナコンサワンとカンペーンペット間を走る長距離バスやロットゥーに乗ってカオノー付近で降ろしてもらうことも交渉すれば可能ですが、国道1号線からカオノーの登山口までは2.5キロ以上あるのでそこを歩く覚悟と、帰りもまた国道まで戻ってきていつくるかわからないバスやロットゥーを待って交渉する必要があります。(高速で走ってくるバスやバンがこちらに気付いて、運よく停まってくれればの話です)
時間の有効利用という面ではあまりおすすめできません。

そうなるとナコンサワンの市内でレンタカーを借りて自分で運転していくか、トゥクトゥクやソンテウ、あるいはロットゥーを貸切るかという選択になるかと思います。

ナコンサワンのレンタカーはいくつかネット上でヒットしたのですが、大手のレンタカーが見当たらなかったため、予約や交渉にはある程度のタイ語のスキルが必要かもしれません。

また、トゥクトゥクを貸切ったタイ人の旅行記(2017年11月)がひとつ見つかったので読んでみたら、ナコンサワンのバスターミナルから往復で800バーツと言われて若干高いかと思ったけれど結局借りることにしたというような内容でした。(これが適正価格なのかどうかはわかりませんが、参考のため)

交通に関しては、新しい情報が入り次第更新していこうと思います。
もし、他にお勧めの行き方や交通情報をご知の方いらっしゃったら、教えていただければ幸いです。

 

カオノーへ登ろう!

 

登山をはじめるまえに(準備・注意事項)

  • 見た目以上に急勾配の道を登ります。

体力に自信がない方は無理をしないように。

  • スニーカーなど動きやすい靴を履きましょう。

足場が悪い箇所もたくさんあります。いくらタイだからと言ってサンダルなどで登るのは危険です。

  • トイレは済ませておきましょう。

登山道に入るとその先にトイレはありません。

  • カバンはリュックがベター。

途中、両手で掴んで登る梯子などがありますから、できるだけ両手が自由になる装備が好ましいです。

  • 水や飲み物を持参しましょう。

山に入ると売店や自販機はありません。かなり汗をかくので水分補給用のドリンクは携帯しましょう。

  • 高所恐怖症の方はよく考えてから登りましょう。

周りが平地な分、頂上付近は思った以上に高く感じます。足場もそれほど広くありません。きちんと柵や窓があるビルの上でも足が震えるほど怖いと感じるような人にはお勧めできません。

  • 常識的な行動を。

まだそれほど観光化されていないスポットなので、手すりや柵も最低限のものしかありません。それが逆に絶景を堪能させてくれる要素でもあるのですが、無茶な振る舞いや危険な行動をすると住民の方々の迷惑にもなるし、規制の手が入ったり入山禁止という最悪の措置を取られたりすることにもなりかねません。また、頂上には仏像がお祀りされている神聖な山です。くれぐれも失礼のない節度ある行動をするようにしてください。

 

駐車場

国道からカオノー・カオケーオに続く道を進むと巨大な猿のモニュメントがありますが、このカオノー周辺には猿が生息しており、道路にもたくさんの猿が餌を求めて降りてきています。

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そこを通過してしばらく行くと、ワット・カオノーというお寺の門が見えます。

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登山道はこの門のすぐ横から始まるのですが、車できた場合は、門から少し入って右側にあるお寺の駐車場を利用しましょう。
この駐車場は猿除けのためにフェンスを張り巡らせてあるので、車を安心して置いておけます。(扉は開けたらきちんと閉めること)
特に駐車料金は決められていませんが、心付けを寄附箱に入れましょう。

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いよいよ登山開始!

前置きが長くなりましたが、いよいよ登山をはじめます。

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駐車場からお寺の門まで戻り、登山入口と書いた看板の横を山に向かって歩いていきます。この付近にも猿たちがたくさんいますが、この山の猿はそれほど獰猛ではないのでこちらが何もしなければ襲ってくることはまずありません。ただ、食べ物をちらつかせると奪いにくる可能性はあるので、念のためスナックなどはカバンの見えないところに入れておきましょう。

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緑の茂った山道の中をコンクリートの階段が続きます。
最初はそれほどきついと感じませんでしたが、結構な勾配の階段が続いているのもあり、しばらくすると息が上がってきました。日頃の運動不足が顕著に表れます。(汗)
階段は約700段くらいと聞いていたのですが、200段程度のところで既に汗が噴き出してきました。

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途中途中で休憩用の小さなベンチが設けられています。
急勾配の階段が続き、何度か休憩をしながら階段を登り切ります。

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たかだか標高2、3百メートル程度なんてなめてましたが、かなりきつかったです。
振り返ると田畑や集落が下の方に見えてだいぶ登って来たのだと実感します。

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梯子階段で頂上まで

コンクリートの階段が終わるとその先は岩場になり、ここからは鉄の梯子階段を上ることになります。この梯子がけっこう急で、しかも一段一段が高いので、しっかり両手で梯子を握って登らないといけません。

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また、雨上がりなどは滑りやすいので十分注意が必要です。実際の傾斜は70度程度なのかも知れませんが、体感的には垂直に近く思える箇所もありました。

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梯子を3つほど登り継ぐと、一気に視界が開ける場所に出ます。かなりいい眺めです。
ここまで、登り始めてから50分程度でしょうか。
日もだいぶ傾いてきました。頂上まではあと2つほど梯子を登ればすぐです。

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まだ見ぬ絶景!まだ見ぬタイ!

そしてついに頂上にたどり着きました。

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数メートル四方程度の比較的平らな岩の上には仏足跡の祠と仏像が安置されており、鐘がいくつか並んでいます。
その先の岩の上に立ってしばらく放心したように景色を眺めていました。

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ここからの景色が本当に最高なんです。
登ってきた岩場の先に連なるカオノーの稜線と、さらに隣のカオケーオの稜線が重なって、まるで自分がドローンになって俯瞰しているような光景が広がっています。

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眼下には田園風景がどこまでも続き、傾いた太陽が遠くの空と広大な大地をオレンジ色に染めはじめ、しばらく時間を忘れるくらい景色に見入ってしまいました。
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まさに、ここは多くの人がまだ見ぬ絶景、『UNSEEN NAKHON-SAWAN』『UNSEEN THAILAND』でしたね。
息絶え絶えに汗だくで登ってきた分、感動もひとしおでした。

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日が暮れると急に暗くなりはじめるので、帰り道はスマホのライトをつけながら足元に注意して下山しました。
お寺のあるふもとへ降りてきた頃にはすっかり暗くなっていました。
下りは30分もかからなかったような気がします。

後ろを振り返ると、さっきまでいたカオノーの稜線が黒いシルエットになり、その上に三日月が浮かんでいました。

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まとめ

ナコンサワン県にあるカオノーという山、かなりおすすめです。
タイ人の間でもここ数年で少しずつ人気がではじめたばかりで、外国人にはまだまだ知られていない絶景ポイントです。

交通の便もたいして良いわけでなく、山登りもナメてたらかなり疲れますが、その先にある絶景は筆舌に尽くしがたいです。

バンコクに住んでいると、ついついタイの広大な自然や田畑のことを忘れがちになりますが、ぜひ機会を見つけて、カオノーの山頂へ360度パノラマの景色を堪能しに行ってみてください!

ではまた。