タイで最も有名な壁画のひとつが、北部ナーン県にあります。
ワット・プーミンという寺院本堂の西側の壁に描かれた「愛のささやき」または「ささやく人」と呼ばれる、独特なタッチの男女の絵です。
意味深に囁きかける入墨の男と、微かに笑みを浮かべる黒髪の女。
ランナーのモナ・リザとも言われているとか、いないとか。
この図柄はタイの土産物やTシャツなどのモチーフで使用されることもあり、どこかで見たことがある人も多いのではないでしょうか。
先日、そんな北タイのモナ・リザを見に、ナーン県へ飛び立ちました。
- 朝のドンムアン空港は活気あり(ラウンジも通常営業)
- Air Asia のクレジットアカウント利用
- ナーン空港でレンタルバイク受け取り
- ホテルはワット・プーミンのすぐ隣
- 山の遊行仏(ワット・プラタート・カオノーイ)
- ナーンのバスターミナル下見
- 黄金の寺(ワット・シーパントン)
- 謎めいた愛のささやき(ワット・プーミン)
朝のドンムアン空港は活気あり(ラウンジも通常営業)
午前6時半、ドンムアン空港到着。
タクシーが空港の敷地に入ってから出発フロアまでの間で渋滞。
平日の朝にもかかわらず、国内線フロアーが賑わっていたのには驚きました。
新型コロナ騒ぎで一時期はガラガラの印象でしたが、最近の国内線利用数はだいぶ戻ってきたようです。
ウェブチェックイン済で預入荷物もなかったので、そのまま保安検査場へ向かったら、ここでも行列ができていて通過するまでに10分ほど時間を要しました。
本当はラウンジでゆっくり朝食をと思っていたのですが、搭乗予定時刻まであと20分ほど。
それでも少しでもお腹を満たしておきたくて、さくっとプライオリティパスが利用できるラウンジに行ってみることにしました。
バンコク・ドンムアン空港の国内線で、プライオリティパスを利用できるラウンジは、コーラルエグゼクティブラウンジ(The Coral Executive Lounge)とミラクルラウンジ(Miracle Lounge)の2か所。(制限エリア内)
両方通常通りオープンしているようでしたが、とりあえず手前のコーラルラウンジに入って、サンドイッチと果物をいただき、ほんの15分ほどの滞在で搭乗口へ。
Air Asia のクレジットアカウント利用
ちなみに、今回のエアアジアのバンコクからナーンまでのチケットは、今年、コロナでキャンセルとなった日本行きチケットの払い戻しクレジットアカウント(現金代わりのポイントのようなもの)から利用しました。
このクレジットアカウント、かなりの金額がたまってるのですが(日本行きキャンセル4回分)、本当に使いきれるんでしょうか。
国際線がまだ先が見えない状況なので、タイ国内線利用で細々と消費していくしかないんですけど、期限は2年間ですからね。
いざとなったら友人分も一緒に予約するとかしないと使いきれないかも。
エアアジアさん、どうか潰れたりしないでくださいね。
ナーン空港でレンタルバイク受け取り
ドンムアン空港を定刻通り飛び立ったエアアジアFD3554便は、予定より10分ほど早くナーン県のナーンナコーン空港へ到着しました。
沖止めの機体から歩いて到着ロビーへ向かいます。
台風11号の影響で天候が下り坂になるという予報ですが、今のところまだ大丈夫そうです。
今回、「frabbit motorbike」というところでレンタルバイクを事前予約していました。
このお店は、空港まで無料で配車してくれるとのことだったので、ショップに電話すると、10分以内に届けますとのこと。
しばらくしてバイクに乗ったお兄さん登場。
レンタルの諸注意やルールの説明、契約書へのサインを済ませた頃に、もう1人のおねえさんがバイクで登場し、お兄さんは2人乗りで帰っていきました。
空港まで来てもらえると助かりますよね。
(バイクを返却した後も、バスターミナルまで送ってくれました)
ガソリンは満タン貸しの満タン返しで、パスポートは原本を預ける必要がありました。
予約はLINEのチャットで行い(電話でも可)、レンタル料金250バーツ(1日24時間)とデポジットの1,000バーツの合計1,250バーツを事前に振り込んであり、返却時にパスポートとデポジットを返してもらうことになります。
私が借りたのは、ホンダ「Scoopy i」という110CCのバイクでしたが、ハンドルのところにスマホを固定できるホルダーがあったり、USB電源があったりと、(ここのレンタルショップでは)旅行者にとってありがたい設備を搭載してくれていてよかったです。
お店のリンクも載せておきます。
気持ちのいいサービスだったので、ナーン県でバイクのレンタルを検討されている方は、参考になさってください。
<レンタルバイク・ショップ情報>
Frabbit Motorbike Rental
所在地:23/4 ถ.รอบเวียงทิศใต้ ตำบล ในเวียง อำเภอเมืองน่าน น่าน 55000
23/4 Roapwiang thittai Rd., Naiwiang, Mueang Nan, Nan 55000
TEL:091-851-9889
ウェブサイト:https://frabbit-motorbike-rental.business.site/
LINE:@frabbit.motorbike
ホテルはワット・プーミンのすぐ隣
無事にバイクを入手できたので、まずはホテルまで向かいます。
今回、予約したホテルは、その名も「プーミン・プレイス・ホテル(Phumin Place Hotel)」といい、お目当ての壁画があるワット・プーミン寺院(วัดภูมินทร์)のすぐ近く。
空港から約4キロ、バイクで10分ほどで到着です。
この時点でまだ9時半前でしたが、部屋は空いているからと、そのままチェックインさせてくれました。
こういう、細かいことを気にしない、融通の利くタイのホテルの対応、本当にありがたいです。
しかも、朝食もよかったら食べていいと。
ふつうは明日の朝食しかついてないはずなんですけどね。(私は食事は済ませてきたので遠慮しましたが)
あと、このホテルは部屋に置いてある水やインスタントコーヒーなどはもちろん、スナック類も無料で飲食していいとのことでした。
部屋は清潔で日当たりが良く、中庭には緑がいっぱいで、快適な滞在ができそうです。
ただ、その日の私は、部屋に荷物を置いたら、すぐに出かけることにしました。
というのも、台風(熱帯低気圧)が近づいているらしいので、晴れている今のうちに、できるだけいろいろ回っておきたかったのです。
山の遊行仏(ワット・プラタート・カオノーイ)
ナーン県の観光案内写真には必ずといっていいほど掲載される有名な仏像があります。
ワット・プラタート・カオノーイ(วัดพระธาตุเขาน้อย)寺院の山の斜面に建てられた遊行仏です。
立像なんですが、足を踏み出して歩いているようなお姿の仏様です。
ナーンの中心部から南西に3〜4キロほどに位置し、バイクで本堂近くまで上がって行くことができます。
予想に反して、時間が経つにつれ次第に青空が広がっていきました。
何はともあれ、嬉しいことです。
青空と黄金に輝く仏像、そしてナーンの市街地と遠くの山並みを一望できました。
本堂には白いお顔のミャンマー風の仏像が安置されており、本堂の後ろにはランナー様式とミャンマー様式がミックスされた仏塔が建っていました。
また、仏塔の横にアユタヤー時代の英雄、ナレースワン大王の記念碑もありました。
ナーンのバスターミナル下見
山を降り、バスターミナルへ寄ってみました。
翌日、バスで隣のプレー県に向かう予定だったので、下見をしておきたかったのです。
プレー県へは、乗り合いのロットゥー(ミニバン)が1時間に1本程度の割合で出ているようでした。
プレー行きのロットゥーのチケット売り場は5番窓口。
チケット売り場で聞いてみたところ、予約はできないとのことでしたが、ここ最近はそれほど乗客も多くはないので、発車の30分くらい前に来れば大丈夫と。
黄金の寺(ワット・シーパントン)
翌日の移動情報を得て一安心した後は、バスターミナルからほど近い場所にあるワット・シーパントン(วัดศรีพันต้น)寺院へいきました。
実は、先ほどカオノーイへ向かう途中で前を通りかかった時に、キンキラキンに輝くお寺があったので気になっていたんです。
実際に近くで見るとなかなかのインパクトです。
特に、本堂正面階段の両脇に控えるナーガ(蛇神)の迫力がすごいです。
7つの頭を持つ、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)ならぬ七岐のナーガ像ですね。
本堂内には、正面に3体の仏像が安置され、色鮮やかな壁画も描かれていました。
また、境内の一角には、ボートレース用でしょうか、儀式用でしょうか、木製の長い船(ロングテールボート)や船首の飾りなどが展示されていたり、お釈迦様の十大弟子の一人、迦旃延(カセンネン)尊者をお祀りした仏堂などもありました。
謎めいた愛のささやき(ワット・プーミン)
黄金のお寺を拝観した後、ワット・プーミンへやってきました。
いよいよランナーのモナ・リザとご対面です。
お寺の入り口には、愛をささやく有名な男女の立体像が。
青空が広がり、本堂の屋根のオレンジも映えます。
本堂南側の階段で靴を脱ぎ、入口の扉を入ると、そこには4方向に向けて安置された4体の仏像がありました。
この本堂は十字型になっており、東西南北それぞれの壁にびっしりと壁画が描かれています。
どの壁画も独特でユニークなので見ていて飽きません。
以下、気になる場面をピックアップしてみました。
(私の勝手な妄想入ってます)
糸車の後ろでイチャつく2人。
その隣で『あちゃー、見てられへんわ』と布をかぶりつつ覗く人。
後ろには『見せつけないで!』と拗ねる女性。(違うかも)
この真ん中の男性の首はどうなっているのでしょうか。
何度見てもよくわかりません。
もしかしたら、前の男も後ろの女も私と同じ思いで見つめているのかもしれませんね。(←違う)
昭和のヤンキーピースかと思いましたが、ヤンキーの煙草ポーズでした。
ブレーメンの音楽隊的なひとコマ。
天国と地獄絵図。
牧歌的な風景かと思いきや、人が釣られています。
目と目で通じ合う、訳ありの2人的な・・・。
ランナーのBLだったり・・・。
ファラン(西洋人)も登場。
これらの中で最も有名なのが「愛のささやき」(ささやく人)なわけですが、タイ語では「グラシップ・ラック(กระซิบรัก)」と呼ばれています。
本堂の南側から入ると左手、西側の壁にその有名な男女は描かれていました。
なんとも意味深な2人ですね。
私の心が曇っているからかもしれませんが、この2人、ただの恋人同士ではないような気がするんです。
どこか危うい関係の2人のような気がして。
なんですかね、視線なのか、口元なのか・・・。
噂通り、なかなかミステリアスで素敵な絵でしたが、鑑賞している間中、なぜか私の頭に流れていたのは、ジョージ・マイケルの「Careless Whisper」でございました。
(『ささやき=whisper』という単純な発想・・・)
密やかな囁きが、こんなにも多くの人に注目されることになってしまった男と女。
タイ政府観光局のサイトでは「大地に共鳴する愛のささやき(กระซิบรักบันลือโลก)」と訳されてますが、まさに世界に知れ渡ってしまったわけですね。
うかつななささやき。。。
むしろ、そんなタイトルの方が似合いそうな2人でした。
って、怒られちゃいますね。
下衆の勘繰り、お許しください!
※一般的な解釈では、あくまで「夫婦」ということです。
あと、個人的に、このカップルが、直訳すると「マンおじいさんと、マンおばあさん(ปู่ม่านย่าม่าน)」と名付けられていることに驚愕しましたが、これはおそらくビルマ(ミャンマー)訛りの言葉で、若者ということらしいです。
よかった。(笑)
タイで最も有名な愛のささやき【ナーン県ワット・プーミン寺院】
ではまた。