タイ北部チェンマイの山間部にはいくつかの温泉があります。
今回、チェンマイ市街地から北へ数十キロの場所に位置するふたつの温泉に行ってきました。
ひとつはサムーン郡の山間にある秘境、硫黄の匂いと湯の華が漂う「ポーンクワウ温泉」。
もうひとつは、チェンダオ山麓の清流沿いに造られた「土管温泉」です。
いずれも自然の中で温泉を満喫できるおすすめの施設ですので、よかったら参考にしてください。
※「チェンダオ」は「チェンダーオ」や「チエンダーオ」などと表記されることも多いですが、当記事では「チェンダオ」とさせていただきます。
秘湯ポーンクワウ温泉へ
チェンマイの旧市街に取っていたホテルを後にしたのが9時20分。
晴天の下、北に向かってドライブ開始です。
今回、もともとチェンマイ1人旅のつもりだったのでバイクを借りて回ろうと考えていたのですが、直前になって同行者ができたため急遽レンタカーを借りることにしました。
荷物のことや利便性を考えるとやはり自動車レンタルは楽ちんですね。
チェンマイ市街を離れ、107号線を北上します。
途中、サムーン郡方面へ左折して、ここからは山道を走ること約1時間。
いくつかの峠と集落を通り過ぎ、最後は『本当にこの先に温泉が?』と心配になるような未舗装の道を土埃をあげながらようやく到着しました。
チェンマイ市内からだとだいたい1時間半くらい。
ここがポーンクワウ温泉(น้ำพุร้อนโป่งกวาว)の入口です。
休日ということもあり、数台の車とサイクリストのグループが数人いました。
受付の小屋で入湯料を払います。
タイ語では100バーツ(子供50バーツ)、英語では200バーツと書いてあるので、まあそういうことなんでしょう。
ちなみに、私たちは普通に2人で200バーツと向こうから言われたので、そのまま払いました。
そもそも外国人は200バーツなのか、タイ語が読める人は100バーツでいいのか、そのあたりはわからないのですが、改めて尋ねるとヤブヘビになりそうだったので確かめられていません。(汗)
ごめんなさい・・・。
タイ人に見られる自信のある方は、試しに100バーツで挑戦してみて、ダメだったら素直に200バーツ払ってくださいね。
入湯料を払うと、バスタオルと湯あみ着(男性は短パン)を入れたかごを渡してくれます。
特に水着やバスタオルを持参する必要なく、手ぶらで立ち寄れるのがいいですね。
さっそく入浴
あたりには硫黄の匂いが微かにただよっており、日本の温泉地に来たような高揚感が得られます。
共同風呂的なものと個室風呂が川沿いに点在しています。
まずは、個室に。
「EMPTY」となっている看板の個室に入ってみます。
(使用するときは看板を裏向けて「FULL」にしておきましょう)
中は大人2人がゆったり入れるくらいの浴槽に少し乳白色がかった湯。
湯の花も浮いています。
まろやかな肌触りで、なかなかいいお湯です。
脱衣スペースには、木のベンチと身の回り品を入れるかご(自転車のかご?)がふたつと、その上に時計。(時間は狂ってましたが動いてはいました)
そしてカーテンの中はシャワースペース。
正直、来る前まではタイの温泉だからとそれほど期待していなかったのですが、これは思った以上に快適です。
特に効能などは書いていませんでしたが、10分から15分程度にしましょうという注意書きがありました。
日本人的にはそれほど熱くもない湯加減なので、これなら30分くらいは浸かっていられそうでした…。
続いて、共同風呂的なところへ。
スペード型のプールのような大きな浴槽です。
まさに温水プールのようで気持ちいいです。
山の緑や青い空を眺めながらの入浴って最高ですよね。
あ、もちろん湯あみ着もしくは水着を着用しなければなりません。
間違っても全裸で入ったりしてはいけませんよ。
脱衣室やロッカーもあります。
もうひとつは、小型の四角いプールのような浴槽のあるお風呂でした。
ここのお湯はぬるめでした。
大人十数人は入れる共同風呂仕様ですが、ドアには「EMPTY/FULL」の看板も付いていたので、プライベートでも使用可能のようです。
その他、タイ式アップナーム(かけ湯)のスペースなどありましたが、せっかく温泉地に来たなら浴槽に浸かりたいのでこちらはパス。
コロナ禍で日本への一時帰国がままならない中、全体的に日本の温泉の雰囲気にも近いこのポーンクワウ温泉は大満足でした。
結局、個室も共同風呂もほぼ独占状態で堪能できました。
(タイ人のみなさん、ほとんど個室でさっと浸かる程度のよう)
また、こちらには宿泊棟もあるので、泊りでゆっくり来るのもいいですね。
<温泉情報>
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ポーンクワウ温泉
น้ำพุร้อนโป่งกวาว
Pong Kwao Hot Spring
所在地:น้ำพุร้อนโป่งกวาว ตำบล สะเมิงเหนือ อำเภอสะเมิง เชียงใหม่ 50250
Samoeng Nuea, Samoeng District, Chiang Mai 50250
TEL:086-012-3771
駐車場:数台(無料)
URL:https://www.pongkwaohotsprings.com/
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ポーンクワウ温泉の食堂でランチ
温泉に浸かってのんびりしていたら13時前になったので、温泉施設の食堂で昼ご飯を食べることにしました。
注文したのは、エビのガーリック炒めのご飯かけと、ヤム・ルアムミット。
ヤムは大きなイカやエビがゴロゴロ入っていてボリュームありました。
カーオ・ラート・グン・グラティアム(ข้าวราดกุ้งกระเทียม 60THB)
ヤム・ルアムミット(ยำรวมิตร 150THB)
チェンダオの土管温泉へ
13時過ぎ、ポーンクワウ温泉を後にして、チェンダオ方面に向かうことにしました。
チェンダオの山の麓にある土管で作った温泉に入るためです。
はい、温泉のはしごですね。(笑)
元来た山道を戻り、107号線に出たらひたすら北上します。
チェンダオの山が見えてくるとテンション上がります!
チェンダオ郡にさしかかってしばらく行くと、突如、田舎の道路脇に立派な裁判所が現れます。
ここの交差点は、右折するとチェンダオの旧道やバスターミナル(バス停)方面へ、左折するとチェンダオ洞窟やムアンコーン方面へと向かいます。
ですから、土管温泉へは、左折ではなく左手前方向の斜めの道を入っていくようにしてください。
(って、ナビやグーグルマップに従えば特に問題ないですからご安心を)
しばらく道なりに行くと、車数台分が停められるスペースの広場があり、そこが土管温泉です。
その先は自然保護区(野生動物研究所)で一般車両の進入は禁止となっています。
土管温泉の様子
車を停めて、河原へ降りていくと、ありました、ありました。
まさに土管温泉。
コンクリートの丸い土管がいくつか並んでおり、おなじみの青い配水パイプで温泉が注ぎ込まれています。
五右衛門風呂的なスタイルですね。
こちらが源泉です。
日本語でも「チェンダオ土管温泉」と。
日本人が20数年前に作ったんだそうです。
今では、地元の人や我々のような観光客の憩いの場所になっています。
公共施設なので無料。
水着(着衣)での入浴となります。
事前情報では、上にある土管から下にある土管までパイプで中継するように繋がれているため、上の土管は高温、下に行くにつれぬるくなるとありましたが、中ほどや下の方にある土管でも、いくつかは源泉から直接伸びたパイプでお湯が供給されているのもありました。
私たちが訪れたときは、食料とビールを持ち込んで温泉三昧している韓国人グループと、洗濯しながらガチで身体洗っている地元のタイ人家族、川と温泉に交互に浸かって楽しむ正統派若者グループ、1人でやってきたバックパッカー風ファラン(欧米人)の青年、そして常連風の足湯をしているおじさんという構成で、ほぼすべての土管が満員御礼状態でした。
私は、足湯だけ楽しむことに。
常連風のおじさんとご一緒させていただきました。
なかなかいい湯加減で気持ちよかったです。
しばらくすると足がポカポカしてきたので、清流の水に寝そべっている若者をまねて、私も足を川に浸けてみましたが、めちゃくちゃ冷たくてビビりました。
あれ、そうとう身体が温まってから(のぼせるくらいまで)でないと無理ですね。笑
もっとも、これが12月でなければ、川の水もそれほど冷たくはなく、クールダウンにはちょうどいいのだと思いますが。
ここでも小一時間ほど滞在ましたが、本当にほのぼのとした幸せな光景が広がっていてよかったです。
こんな野趣あふれる素敵な土管の温泉を作ってくれた日本人の先輩方、ありがとうございます。
<温泉情報>
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チェンダオ土管温泉
โป่งน้ำร้อนบ้านยางปู่โต๊ะ
所在地:บ้านยางปู่โต๊ะ ต.เชียงดาว อ.เชียงดาว จ.เชียงใหม่ 50170
Ban Yang Puto, Chiang Dao, Chiang Mai 50170
駐車場:数台(無料)
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隣の私設温泉(ほたるの湯)
ちなみに、この土管温泉のすぐ近くに私設の温泉施設もあります。
こちらは、土管ではなく一応小さな露天風呂的な湯船になっています。
ただし、個室になっているわけではないので、水着着用は必須です。
料金は、1人50バーツ/時間、タオルや入浴着のレンタル(20バーツ)もあるようです。
ちょっと見学させてもらいましたが、12月ということもあってか、お湯が日本人的にはかなりぬるめだったこともあり、今回は遠慮しておきました。
以上、チェンマイの天然温泉2か所でした。
いずれも、日本に帰れず温泉が恋しくなっていた身には、とてもありがたく満足のゆく温泉でした。
ではまた。