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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

タイ東部にあるクメール遺跡【サドックコックトム】(サケーオ県)

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タイ東部サケーオ県のカンボジア国境付近にあるクメール遺跡「サドックコックトム」
美しく整備された森の中にクメール王朝の神殿が蘇っていました。

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クメール遺跡「プラサート・サドックコックトム」

サケーオ県の東、ほぼカンボジアとの国境に位置する場所に「プラサート・サドックコックトム」(ปราสาทสด๊กก๊อกธม)というクメール遺跡があります。(サドックコークトムと表記されることも)

タイ国政府観光局公式サイトの説明では、

タイ東部サケーオ県に位置するヒンドゥー遺跡。サドック・コック・トムは、クメール語で「カヤツリグサが生い茂る池の町」という意味を表しています。

(中略)

この遺跡は長く荒廃したままの時代が続きましたが、日本の援助で近年修復され、その美しい姿を取り戻しました。

 とあります。

プラサート・サドックコックトム

クメール語の「サドック コック トム」を分解すると

サドック=生い茂る
コック=カヤツリグサ(タイ語ではトンコック『ต้นกก』)
トム=大きい

という意味だそうで、
つまり「大きなカヤツリグサが生い茂った」ということらしいです。

カヤツリグサといえば、紙(paper)の語源となったあのパピルスもカヤツリグザの一種だそうです。

プラサート(プラーサート)はタイ語で「」とか「神殿」という意味ですね。


日本の援助で修復』などと聞くと、がぜん興味が湧いてきました。


神殿の概要

1052年、ウダヤーディチャヴァルマン2世(タイ語では、พระเจ้าอุทัยทิตยวรมันที่ 2:ウタイティッタヤワラマン・ティー2)が、当時戦禍で破壊されていた神殿を修復しシヴァ神を祀りました。

1911年と1920年に遺跡から発見された2つの石碑には、当時の歴代クメール王やバラモン司祭の家系、神事や宗教儀式、成り立ちなどが記され、歴史的に非常に重要な資料として、現在はバンコクの国立博物館に保存されています。

サドックコックトム神殿は、東向きに建てられた主祠堂を中心として手前に2棟の書庫があり、その周りを回廊と外廊が取り囲み、バライと呼ばれる貯水池まで長い参道が続く、といった構成で設計されています。
この様式は、10世紀頃に建てられたクメール神殿建築の特徴だそうです。(サドックコックトム遺跡の起源は西暦900年代)

日本で言えば、平安時代の後期にあたりますね。


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(上記画像はタイ国芸術局のサイトhttp://www.qrcode.finearts.go.th/index.php/th/historic-site/hs-sra-kiao/sdokkokthom より)


 

サドックコックトム遺跡へ

その日、サケーオにある不思議スポット(無数の仏像が野ざらしに安置されている)を後にした私たちは、さらに東のカンボジア国境付近へと向かいしました。

www.manao.life



道路脇に咲く満開のゴールデンシャワーの並木や大花百日紅の鮮やかなピンクを愛でながら、のんびりと田舎道ドライブを満喫。

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途中、牛飼いのご一行に軽く行く手を阻まれたりなんかしつつ・・・

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数十分で目的地のサドックコックトムへと到着です。

地図で確かめると、本当にカンボジア国境までほんの1キロほどの距離です。




田舎道の先に突如現れる、思った以上に立派な駐車場と歴史公園入り口。
きちんと整備してあります。
朝早かったのとコロナ禍ということもあり、広い駐車場に停まっていた車は私たち以外に1台だけ。

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入り口受付で記帳していたら、現地の警官が「検温とアルコール消毒をしているところを写真撮らせて欲しい」と言ってきました。
レポートで必要なんでしょうね。

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特に入場料的なものは徴収されませんでした。


訪問前にざっくり調べた限りでは、日本の援助で修復されたという内容についてのタイ語情報を得ることができなかったのですが、現地の入り口横には修復に関わった日本人の名簿を刻んだ石板がありました。

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また、この時は改装中で入れませんでしたが、立派な資料館(インフォメーションセンター)もありました。

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神殿見学

入り口から北に向かってきれいに整備された通路を歩いてきます。

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200メートルほど進むと、右手には貯水池(バライ)、左手には神殿へと続く参道が現れました。

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アンコールワットやタイにある他のクメール遺跡にも言えることですが、参道の先に神殿の外廊と城門(山門)が見えた瞬間は、やっぱりテンション上がりますね。

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タイ語でカンペーンケーオ(กำแพงแก้ว)と呼ばれる外廊は、ラテライト(赤土の岩)と砂岩でできています。

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修復された城門(ซุ้มประตู:スムプラトゥー)もかっこいいですね。
元の部分と修復された箇所がよくわかるように作られています。

想像で全部作ってしまうのもありでしょうが、このようにあえてわからないところはそのままにしてあるのも好感が持てました。
(こういうところに日本の修復方針が反映されているのかなと思ったり)

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外廊とラビアンコット(ระเบียงคด)と呼ばれる内周壁回廊の間にはお堀のような池があり、そのまま進んで内回廊の城門をくぐると、主祠堂(ปราสาทประธาน:プラーサート・プラターン)が目の前にそびえ立ちます。

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主祠堂の手前には左右に1対の書庫(บรรณาลัย:バンナーライ)が建っています。


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クメール遺跡の主祠堂は、ヒンドゥー教の宇宙観の中で世界の中心にそびえるとされる須弥山(しゅみせん)を表していることがほとんどです。

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その須弥山を模した塔の中には、シヴァ神のシンボルであるリンガが安置されています。

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ただ、本物のリンガは紛失しており、台座のヨーニーの部分だけが残っていたということなので、このリンガはレプリカですね。


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上の写真は、主祠堂の階段から東向きに城門と回廊を撮ったものですが、本当に人もまばらで(数人の観光客とすれ違った程度)、鳥のさえずりだけが響く静寂の中、数百年前にタイムスリップしたかのような気分で見学することができました。

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サドックコックトムは、外国人観光客にはあまり知られていないクメール遺跡のひとつですが、なかなか気持ちの良いおすすめのスポットでした。

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<施設情報>
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プラーサート・サドック・コック・トム(歴史公園)
ปราสาทสด๊กก๊อกธม(อุทยานประวัติศาสตร์สด๊กก๊อกธม)
Prasat Sadok Kok Thom

所在地:บ้านหนองหญ้าแก้ว หมู่ที่ 9 ตำบลโคกสูง อำเภอโคกสูง จังหวัดสระแก้ว 27120
Khok Sung, Khok Sung District, Sa Kaeo 27120
TEL:037-212-610
時間:08:30-16:30
駐車場:あり(無料)
URL:https://www.facebook.com/Sadokkokthom.hp/
http://virtualhistoricalpark.finearts.go.th/prasatsadokkokthom/index.php/th/

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タイ全県制覇計画(サケーオ県追加)

以前の記事の中で、いつかタイ全土1都76県制覇を成し遂げようという計画について書きましたが、サケーオ県もそのうちのひとつです。
昔カンボジアへ陸路で旅行した際にサケーオ県は通過しているし、その際にアランヤプラテートの屋台レストランで食事もしたような気がしないでもないのですが、まなおルールで「通過しただけの県はカウントしない」というのがあるのと、食事の記憶が曖昧なため、サケーオは未訪問地扱いにしていました。

www.manao.life



今回、サケーオで宿泊して食事したり観光地を周ったりしたことで、めでたく1県追加となりました。
パチパチパチ〜!
東部地方は全県訪問したことになりました。

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これで1都76県中1都56県制覇。
残るは20県です。


ではまた。