こんにちは、まなおです。
タイの観光地としてはマイナーな県の情報を引き続き紹介していきたいと思います。
今回は、シンブリー県の巨大な寝釈迦仏を擁する王室寺院と、そのすぐ近くにあるアユタヤ様式の仏塔が残る仏教遺跡寺院についてです。
観光マイナー県(都市)というのは、タイの地方観光促進施策の中で「ムアンローン(เมืองรอง)」と呼ばれることが多いです。
この観光マイナー県の観光促進施策については以前の記事で書いています。
ワット・プラノーン・チャックシー・ウォーラウィハーン寺院(วัดพระนอนจักรสีห์วรวิหาร)
タイの王室仏教寺院第三級。
創建年は不詳ですが、アユタヤ時代以前からあったと推定されています。
歴史書によると、1754年にアユタヤ朝のボーロマコート王が参拝し本堂や礼拝堂を修復。その後、ラタナコーシン朝のラーマ5世が参拝し補修をお命じになっています。
シンブリー中心部から3032号線でスパンブリー方面へ約4キロほど向かうと、立派な入り口があるのですぐにわかります。
さすがに王室仏教寺院です。連休ということもありましたが、県内外からの参拝者もたくさんいました。
タイで三番目に大きい涅槃像
お寺のプラノーン(寝仏)という名前からもわかるように、ここは涅槃物で有名な寺院です。
全長47.42メートルの巨大なスコータイ様式の涅槃仏が安置されています。(シンブリー県庁サイト情報。長さは資料により若干異なります)
涅槃像としてはタイで3番目の大きさ(長さ)で、1位はサムットプラカーン県のワット・バンプリーヤイクラーン寺院の涅槃仏(53m)、2位はアーントーン県のワット・クンインタプラムーン寺院の涅槃仏(50m)で、それに続く大きさだと言われています。
ちなみに、有名なバンコクのワット・ポーの涅槃仏は46メートルとのことです。
右向きに肘枕をして両足をそろえ、左手はまっすぐ身体に添わせる、「プロート・アスリンタラーフー像(ปางโปรดอสุรินทราหู)」という形の涅槃像で、写真にうまく収まりきらないほどの大きさはなかなか迫力があります。
涅槃仏堂内には、他にも様々な仏像や寺に伝わる古い調度品や食器、紙幣、資料などが展示されています。
願掛け占い(タイのおもかる石?)
涅槃仏堂の中央にある一角。
このお兄さん、何をしているかおわかりですか?
実はこれ、願い事が叶うかどうかの占いをしているのです。
願掛け占いの方法は以下の通りです。
- 跪いて座り、象の重りの頭部が膝と平行になるように利き手の横に置きます。
- 涅槃仏の霊験・ご加護を心に思い浮かべます。
- 男性は小指、女性は薬指を象の背中の取っ手にかけます。
- 1回目は『(自分の願い事)が叶うならば、持ち上がりますように』と唱えながら持ち上げてみます。
- 2回目は『(自分の願い事)が叶うならば、持ち上がりませんように』と唱えながら持ち上げてみます。
祈り通りに、1回目は持ち上がり、2回目は持ち上がらなければ願いは成就すると言われています。
これ、1回目は自分の身体的能力に依存する部分もありそうですが、2回目は自分の心を試される要素が大きいような気がしないでもないです。
(『いける!』と思っても『ああ、無理・・・』みたいな小芝居をしてしまいそうな)
というか、むしろそれが御仏のご慈悲ということなんでしょう、きっと。(知らんけど)
はたして、このカップルの願いは成就するや否や。
って、大きなお世話ですね。
日本でも石を持ち上げて軽く感じたら(あるいは持ち上がったら)願いが叶うという同じような風習が残る場所がありますよね。なかなか興味深いです。
ヒマラヤ・ラダック地方の写真
私がこのお寺で一番目を引かれたのは、涅槃像もそうなんですが、通路に貼りだされていた写真パネルの数々でした。
そこにはこのお寺の僧侶一団がインドのラダック地方(Ladakh)を訪れてチベット僧院を視察したり、ダライ・ラマ14世に謁見したりしている様子が捉えられていました。(ダライ・ラマ法王猊下のティーチングはダラムサラか?)
インドの北部、ヒマラヤ山脈とカラコルム山脈との合間に広がるラダック地方は、私がこよなく愛する土地のひとつで、初めて訪れてその魅力にとりつかれて以来、今までに4回ほど訪れています。
荒涼とした山々と緑の谷、真っ青な空と城塞のようにそびえる僧院(ゴンパ)、鮮やかで荘厳な仏像の数々、厳しい環境の中で生きる人々の強さや優しさや信仰心など、私の乏しい語彙力では到底言い表せないような世界に、いつ行っても心が洗われるような感動を覚えます。(いつかラダックについても書きたいなと思っていますがなかなか・・・)
そんなラダックとの接点を感じる写真を、タイのこんな場所で見るなんて思いもしませんでした。
写真を見ているだけで少し涙が出そうになって、私の中でラダックへの禁断症状がむずむずと沸き起こりました。
(ふと、仕事や日常生活を投げ出して無性にラダックへ行きたくなることが時々あります。笑)
寺院情報
ワット・プラノーン・チャックシー寺院は、シンブリー県の仏教行事において中心的存在となっています。
ワット・プラノーン・チャックシー・ウォーラウィハーン
วัดพระนอนจักรสีห์วรวิหาร
Wat Phra Non Chaksi
所在地:Mu 2 Sai 2 Rd, Chak Si, Mueang Sing Buri District, Sing Buri 16000
หมู่ 2 ต.จักรสีห์ อ.เมือง จ.สิงห์บุรี 16000
TEL:036-543-415、081-513-1499
時間:08:00 - 17:00
ワット・ナープラタート(วัดหน้าพระธาตุ)
ワット・ナープラタート寺院は、上で紹介したワット・プラノーン・チャックシー寺院から500メートルほど行ったことろにあります。
ワット・プラノーン・チャックシーの駐車場の奥からつながる小道でワット・ナープラタートの駐車場まで車で向かうことができます。
もちろん、散歩がてら歩いて行くことも可能です。
(タイ語の情報では1,500mほどと書かれているものが多いですが、この道で行けばそんなに距離はありません)
この寺院が「ワット・ナープラタート」という名前になったのはラーマ4世の時代です。
かつては「ワット・フアムアン(วัดหัวเมือง)」または「ワット・シーサムアン(วัดศรีษะเมือง)」と呼ばれていたそうで、いずれも「町の頭の寺」という意味なのですが、この辺りが昔のシンブリーの中心部であったと推測されています。
また、創建時期ははっきりとはわからないものの、アユタヤ時代の初期(14-15世紀)に建て始められ、アユタヤ時代中期(17世紀)の戦火により廃寺となったと考えられています。
1935年に芸術局により史跡として登録され、1999年から2000年にかけて、政府は、国の芸術文化の保全継承のため、ワット・ナープラタートの発掘と修復をするための予算を承認しました。
(参考サイト:(ข้อมูล) วัดหน้าพระธาตุ จ.สิงห์บุรี ข้อมูลสถานที่ท่องเที่ยว | ท่องเที่ยวสะดุดตา他)
現在は、約16メートルの高さでアユタヤ時代初期の様式の仏塔(プラーン)と、当時の礼拝堂や本堂、外壁の遺構が静かに横たわっていました。
また、遺跡の奥には、近年建てられたお堂に「ルアンポータンチャイ(หลวงพ่อทันใจ)」という仏像が安置されています。
寺院情報
ワット・ナープラタート
วัดหน้าพระธาตุ
Wat Na Phrathat
所在地:Chak Si, Mueang Sing Buri District, Sing Buri 16000
ต.จักรสีห์ อ.เมือง จ.สิงห์บุรี 16000
(ワット・プラノーン・チャックシー・ウォーラウィハーン寺院から約500メートル)
時間:08:00 - 16:00
ワット・ナープラタート寺院は、その直前に訪れたすぐ近くのワット・プラノーン・チャックシー寺院の賑わいとはうって変わって、訪問客もほとんどいないひっそりと佇む遺跡寺院でした。
ラダックの写真(おまけ)
ラダックのことを書いていたら気持ちが高まって、ついつい、昔のアルバムを見返してしまいました。
以下、昔撮った写真をいくつか貼り付けておきます。(今回の本文とは関係ありません。興味ない方ごめんなさい)
ああ、行きたいなあ。
ではまた。
ラダックに関する書籍はこちら。
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