新型コロナウイルス騒ぎもあるので、都心の人混みにはなるべく行かないようにと考えた私は、週末の時間をのんびり寺院巡りでもすることにしました。
そんな土曜日の昼下がり。
ワット・スワンナーラームというトンブリー側にある格式高い寺院に行って、壁画を鑑賞したり、荘厳な本尊を参拝したり、ナマズに餌をやったり、クジャクを眺めたりした私は、グーグルマップを眺めながら、タリンチャン水上マーケットへ行ってみようと思ったんです。
タリンチャン水上市場は、バーンコーク・ノーイ運河(バンコク・ノーイとも)にある観光用の水上マーケットで、有名なダムヌンサドゥアック水上マーケットやアンパワー水上マーケットと比べると規模も小さく、ローカル色の強い水上市場です。
ずいぶん昔に行ったような記憶がありますが、ワット・スワンナーラーム寺院からは、ほんの数キロの場所なので、改めて行ってみることにしました。
◆タリンチャン水上マーケット(Taling Chan Floating Market)
土日祝日のみ(8:00〜17:00)
ตลาดน้ำตลิ่งชัน
※ ↑ タイ語でタリンチャン水上マーケット(タラートナーム・タリンチャン)
英語で通じにくかったら、このタイ語を見せてくださいね。
タリンチャン水上マーケットへの行き方
その日、私がワット・スワンナーラームからタリンチャン水上市場へ行った方法を書く前に、バンコク中心部からタリンチャンまでの一般的なアクセスについて紹介したいと思います。
タリンチャン水上市場へは、公共交通機関を使って行く方法がいくつかあります。
スクンビット界隈からの行き方としては、大きく分けて2つ。
ひとつは、
セントラルワールド、今年8月いっぱいで閉店が決まった伊勢丹の前から79番のバスに乗っていく方法。
そしてもうひとつは、
MRTブルーラインの「バーン・クンノン駅」まで行って、そこからソンテウ(ソンテオ)またはバスで行く方法です。
以下、それぞれの説明およびメリットとデメリットを挙げておきます。
セントラルワールドからバス
BTSでチットロム駅まで行き、そこからセントラルワールドまで徒歩数分。
79番のバス(オレンジがかったクリーム色のエアコンバス)に乗ります。
車掌さんに「タラートナーム・タリンチャン」(ตลาดน้ำตลิ่งชัน:タリンチャン水上市場)と告げて料金を支払います。
「タリンチャン」と言うだけでも、たぶん大丈夫です。
- メリット・・・乗り換えが少ない。料金が安い。
79番バスに乗ったらあとはタリンチャン地区庁舎(Taling Chan District Office)で降りるだけなので楽です。
バス料金は、20バーツ前後だと思います。
時間はそれほど気にせず、楽に行きたいという方にはお勧めです。 - デメリット・・・時間が読めない。
バンコクの中心部を走って行く路線なので、曜日や時間帯によっては渋滞に巻き込まれることがあります。
MRTバーン・クンノン駅からソンテウ(バス)
地下鉄MRTブルーラインのバーン・クンノン駅まで行き、そこからソンテウ(ソンテオとも)という荷台を改造した乗合のミニバスに乗って行きます。
ここから79番のバスに乗ることも可能ですが、駅からバス停まで少し歩きます。
(バーン・クンノン駅からの行き方は、後ほど、詳しく記載します)
- メリット・・・時間が読める。
駅からタリンチャン水上市場までは3~4キロ程度なので、渋滞に巻き込まれることもほとんどありません。
ソンテウはわりと頻繁に走っていますが、いざとなったら駅からタクシーやバイクタクシーを利用することも可能です。 - デメリット・・・乗り換えが多い。料金が若干高い。
MRTバーン・クンノン駅経由で行く場合、
BTSのスクンビット線からスタートするとすれば、まずアソーク駅でMRTに乗り換え、MRTタープラ駅でもう一度乗り換える必要があります。(MRTスクンビット駅から反対回りに乗れば、MRT路線内で乗り換える必要はありませんが、多少遠回りになります)
さらに、バーン・クンノン駅からはソンテウまたはバスを利用することになるので、乗り換えが億劫だと感じる方には、あまりお勧めできません。
また、料金的にも、MRTはバスより高いです。(スクンビット駅から40バーツ)
MRTバーン・クンノン駅からタリンチャン水上市場まで
ワット・スワンナーラームの拝観を終えた私は、タリンチャン水上マーケットへ行くために、一旦、バーン・クンノン駅まで戻りました。
そこから、ソンテウで水上市場へ向かおうと思ったからです。
ソンテウの乗り場は、MRTバーン・クンノン駅の3番出口の階段を降りたあたりです。
特にここが乗り場という感じの目印もなく、なんとなくそのあたりです。(笑)
基本的には、やってきた赤いソンテウに手を挙げれば停まってくれるので、乗り込むだけです。
料金は、一律8バーツです。降りる時に運転手さんに払います。
ソンテウに乗る時の注意点
ただ、乗り込む前に、必ずソンテウの横に書いてある路線番号を確認してください。
実は、私、ソンテウを乗り間違えました!
余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)で乗り込んだソンテウが、水上市場へ行かないやつだったんです。(恥)
ソンテウの行き先看板にタイ語で「タリンチャン」という文字が見えたので、てっきり行くもんだと勘違いしていました。
ということで、みなさんに、ソンテウのチェックポイントをお教えしますね。
MRTバーン・クンノン駅にくるソンテウで、タリンチャン水上マーケットへ行くのは、
1475系統のソンテウです!
1474系統のソンテウはダメです。
乗ってしまうと、私のように慌てて降りて歩く羽目になりますからご注意ください。(;´∀`)
じゃあ、その1475系統っていうのは、どこで確認すればいいのか?というと、
車体のサイド部分です。
ここの、1475-××の最初の4桁部分です。
(これが1474-××になっているソンテウは乗らないでくださいね)
私が調べた限り、1475番系統のソンテウはどれもタリンチャン水上マーケットへ行くはずですが、心配な方は、念のために、「タラートナーム(水上市場)?」と運転手さんに聞いてみることをお勧めします。
ソンテウの降り場
ソンテウは下のマップのような道を通ってタリンチャン水上マーケットへ向かいます。
(79番のバスも駅から少し離れたバス停からは同じルートで進みます)
降りる場所は、特にアナウンスとかないので、自分でボタンを押して停車してもらうのですが、
スマホで位置が確認できる方は、タリンチャン水上マーケット付近で、道(Chak Phra Rd.)が大きく右に曲がるあたりで降りてください。(バス停もこの辺り)
リアルタイムで位置確認ができない方は、あらかじめ運転手さんや乗っているタイ人の方に「タラートナーム(水上市場)」と告げておけば、教えてくれます。
観光客っぽい人が乗っている場合は、その人たちと同じ場所で降りれば、まず間違いないと思いますが、ヒントとしては、上でも書いたように、道がほぼ90度右に折れ曲がる角付近と覚えておくといいと思います。
タリンチャン水上マーケットのボートツアー
ソンテウを降りたら、植木や鉢植えの植物、サボテンなどが売っている道を運河の方に向かって少し歩くと、先に緑色のアーケードが見えます。
そこがタリンチャン水上マーケットの入り口です。
アーケードの両側には、タイの食べ物やお菓子やフルーツ、飲み物などの店が並んでいます。
200メートルほどのアーケードを抜けたところが、タリンチャン水上マーケットです。
私が水上マーケット(正確には水辺のマーケット)に到着したのが13時15分。
ふと見ると、「13:30」と書かれたボートツアーの看板が。
69バーツで約1時間の運河めぐりができるようです。
昔、バーンコーク・ノーイ運河のボート巡りは、経験した気もしますが、特に予定もない午後でしたので、お一人様参加でチケットを購入してみました。
バーンコーク・ノーイ運河ボートツアー出発
チケットを購入してボート乗り場のベンチで出発を待ちます。
手の消毒用のアルコールジェルが置いてあり、係のタイ人が手の消毒をするように促していました。
集まった参加者は、ファラン(欧米人)観光客グループが数人、タイ人が3人、そして私という構成。
私以外に東アジア人は誰もいませんでした。
ビザの発給停止措置もあってか、この日、中国と韓国の観光客はほとんど見かけませんでした。
一瞬、欧米で感染が拡大し始めた新型コロナウイルスの件も、脳裏に浮かびましたが、ロングテールボートは通気性もよく、満席ではなくて適度に距離も取れるし、マスクもしているから、それほど問題ないだろうと判断しました。
水辺の風景、そしてナマズ
運河沿いに建てられた家屋や、お寺、運河からさらに伸びる小さな水路などの景色を眺めながら、ボートは進んでいきます。
途中、ミズオオトカゲが泳いでいるのが見えたり、草むらに宿るサギなどの野鳥の姿を目にしたりしました。
運河沿いで一時停船したお寺では、なぜか後ろのタイ人カップルにつられてパンを買ってしまい(12バーツ)、ボートの上からナマズにパンをちぎって与えたんですが、よく考えたら、本日2回目の餌やりタンブン(徳を積む行い)です。
ずいぶんナマズフレンドリーな1日となりました。
ワット・ゴ(島の寺:วัดเกาะ)
乗船してから約25分程度で、ワット・ゴというお寺に到着しました。
ここがボートツアーの折り返し地点で、下船して約15分間の参拝・散策タイムです。
運河沿いの静かなお寺というたたずまいです。
ルアンポーダム(หลวงพ่อดำ)という仏像を祀ったお堂があったり、
壁画が独特な本堂があったりしました。
境内には放し飼いにされた鶏が。
これ以上近づくと攻撃されそうだったので、挑発しないようにそっと退散・・・。
<寺院情報>
ワット・ゴ
วัดเกาะ
Wat Kor
所在地:15 ซ.ราชพฤกษ์ 8 ถ.ราชพฤกษ์ แขวงบางเชือกหนัง เขตตลิ่งชัน 10170
TEL:02-865-7150, 02-410-7801
拝観料:無料
ボートに戻ったら、後は同じコースをタリンチャン水上マーケットへと帰るだけです。
普段とは違った運河沿いの風景を眺められるので、初めて訪問される方にとっては、なかなかいい経験になると思います。
価格も69バーツ(約240円)と良心的ですしね。
ただ、特に水上で買い物ができるわけでもなく、ハイライト的なものがあるわけではないので、過度な期待はしない方がいいかも知れません。
水上マーケットで遅めのランチ
1時間のボートツアーを終えて、タリンチャン水上マーケットに戻ってきました。
まだ昼ご飯を食べていなかったので、すっかりお腹が減りました。
水辺に並んだ木のテーブルに座ると、近くの店のおじさんがメニューを持ってきてくれました。
おじさんはクワイティアオ(米麺)のお店の人ですが、食べたいものや飲み物を伝えると、他の店の人に注文してくれます。
私は、トムヤム味の豚肉入り米麺(ก๋วยเตี๋ยวหมูต้มยำ)と、ソムタム・タイ(ตำไทย)を注文しました。
おじさんの麺が30バーツ、ソムタムが40バーツ。
それぞれの店の人が持ってきてくれた時に、現金で支払います。
そして、実は、ビールも飲んじゃいました・・・。(^^ゞ
友達にランチ画像を送ったら、「昼間っから!」と呆れられましたが。
隣の席でファランカップルが美味しそうにビールを飲んでるのを見たら、我慢できなくなってしまって・・・。
その日は、けっこう炎天下を歩いて喉が渇いていたのもあって、めちゃくちゃ美味しかったです。
マーケット散策
ランチの後は、マーケット内を散策しつつ、デザート。
辛いソムタムからの、甘いアイスクリームです。
マッサージ屋さんなどもありましたが、さすがに日本人だと敬遠されちゃうかなと思ってやめておきました。
マーケットの一角では、素敵なタイ楽器の演奏も行われていましたよ。
『これが欲しい!』と思うようなものは、その日は特にありませんでしたが、休日の昼下がり、ぶらぶらと散歩するにはいい場所でした。
こじんまりしているので、よく言えば、あまり疲れません。
30分程度ぶらぶら見て回ってから、再びソンテウでMRTの駅まで戻って帰りました。
以上、休みの午後、タリンチャン水上マーケットへ行ってきた話でした。
長々と、お読みいただきありがとうございます。
ではまた。