新型コロナ禍で一時帰国やタイへの渡航がままならない中、やむを得ず、食材や日用品などの物資や書類を日本からタイへ送ってもらったり、逆にタイから日本に送ったりする機会もあるかと思います。
先日、日本の家族からタイからシャンプーの郵送はできないかと尋ねられ、いろいろ調べた結果、「EMSで送れる」「いや液体だから送れない」という賛否の意見や可否に関する情報が拮抗しており、結局よくわからなかったので、実際に自分で送ってみることにしました。
その結果やいかに・・・。
ご興味あれば、ご一読ください。
はじめに
まず最初にお断りしておきたいのが、今回の顛末は、私まなおの実体験に基づくものですが、あくまで一例です。
このすべてが正式なルールに則ったタイ全土共通のものなのか、たまたまなのか、そのあたりの検証まではできていませんので、あらかじめご了承ください。
また、私の勘違いや間違いなどがあった場合は、どうかご容赦いただくとともに、ご指摘いただければ幸いです。
シャンプーは郵送できる?
以前、タイの有名老舗スキンケアブランド「アバイブーベ」のシャンプーを実家へのお土産として持ち帰って以来、家族の間で大人気となってしまったようで、一時帰国の際にはいつもまとめて買って帰るのが恒例となっていました。
私も愛用しているアンチャン(バタフライピー)のシャンプーとコンディショナーです。
ところが、今年はコロナ禍の影響で私が春も夏も秋も(おそらくこの冬も)一時帰省ができず、昨年年末に買って帰ったシャンプーが底をついてしまったと。
そこで、半分冗談でタイから郵送できないのかと問われたわけです。
※個人的にはこの『アバイブーベ』というカタカナ表記に慣れないんですが、私1人が『アパイプーベート』と書いたところで検索スルーされるだけなので長いものに巻かれておきます(笑)
そういえば、以前カタカナ表記に関するウンチクを書いていました。
日本側の輸入可否
軽く聞かれたことでも、できるなら叶えてあげようと、情報収集開始。
郵送するにあたって、液体だからどうこうという話は受け入れ側の日本的には特に問題ないような気がしましたが、むしろ、シャンプーを送って税関上の問題がないかが気になったので、まずそのあたりを調べてみました。
すると、この点は意外にあっさりと明確な情報が見つかりました。
税関のウェブサイトに記載されていたので間違いないかと。
以下、サイトから一部抜粋した内容と、簡単な説明を記しておきます。
医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器等は、医薬品医療機器等法の規定により、厚生労働大臣の輸入販売業の許可を受けた者でなければ、業として輸入してはならないと定められています。
個人が自ら使用するために輸入する場合、または医師・歯科医師が自己の責任の下、自己の患者の診断や治療に使用するために輸入する場合は、事前に地方厚生局に輸入報告書等を提出し、当該輸入が販売等を目的としていないことの確認を受けた証明書(薬監証明)の交付を受け、税関への輸入申告の際に提示する必要があります。
ただし、特例的な取扱いとして、輸入する医薬品等を個人が自ら使用すること、または医師・歯科医師が自己の患者の治療等の目的に使用することが明らかであって、「規定の数量」以内であることを税関が確認できる場合は、証明書(薬監証明)の交付を受けることなく、輸入することができます。
(税関ウェブサイトより一部抜粋)
https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1806_jr.htm
要は、医薬品・化粧品類を輸入する場合は許可を得た業者でないと輸入できないのですが、販売ではなく個人的に使用する目的で「規定の数量」以内である場合は、事前許可や証明書なしで個人輸入が可能だといういうことです。
「規定の数量」については、以下の基準があります。
○化粧品
標準サイズで一品目につき24個以内
人体を洗浄するための石けんや、シャンプー、歯磨き類、染毛剤、浴用剤等も医薬部外品や化粧品に該当します。(税関ウェブサイトより一部抜粋)
https://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1806_jr.htm
つまり、化粧品に該当するシャンプーやコンディショナーも24個以下(医薬部外品とみなされる場合は2ヶ月分以内)なら問題なさそうです。
また、個人輸入の場合、合計課税価格が1万円以下(海外の商品価格が1万6666円相当以下)の場合は免税となるので、税関で税金を徴収されることもありません。
タイ側の問題は?
日本側はなんとなく問題なさそうなので、タイから発送の際に何か問題があるのかどうかをネットで調べてみました。
ところが、これが結構意見が分かれていたんです。(日本語タイ語とも)
「シャンプーを普通に送ったことがある」というものから「郵便局で断られた」「液体はダメ」「100ml以下ならOK」「特に内容を書かずにこっそり忍ばせればいいのでは?」「EMSじゃなくてDLHやFedExにすればいい」といったいろんな意見が見られ、結局、何が正しいのか?、最新情報はどれなのか?ということがわかりませんでした。
しかも、私の調べ方が不十分なのもあるかも知れませんが、タイの郵便局(THAILAND POST)の明確な規定を探すことができませんでした。
それならば、一か八か、実際に送ってみよう!となったわけです。
バンコク中央郵便局へ
実際に送ってみることにしたんですが、不正なことはしたくなかったので、送り状には品目も数量も価格も嘘偽りなく正確に記載しました。
ちなみに、シャンプー5本、コンディショナー5本、クッションも兼ねて布製のエコバッグを3個。
合計1,000バーツ(約3,500円)なので、日本の税関でも免税になるはずです。
シャンプーは気圧や乱暴な取り扱いで液漏れするといけないので、ラップで厳重に包み、さらにジップロップに入れました。
その上で、エコバッグと共に緩衝材のエアキャップ(プチプチ)で覆って梱包しました。
11月半ばの土曜日、チャルンクルン通りにあるバンコク中央郵便局から発送することに。
送り状と梱包済みの段ボール箱をカウンターに差し出すと、品目に「Shampoo」と書いてあるのを見とめた職員のお兄さんが、
「シャンプーが入っているのですか?送れないですよ」と。
ああ、やっぱりダメなのか・・・と思って、
「じゃあ、船便でもいいんですけど」と聞いてみました。
(正直、それほど急いでもいないしお正月くらいまでに着けばいいかなとも思ったので)
すると、担当のお兄さんは隣の年配の職員さんに確認した後で
「船便でもダメなんですよ」と。
えっ?
船便もシャンプーとか液体ダメなの?
そんなことなくない?
と思いつつも、
「何か送る手立てないですかね?」
とちょっと悲しげな困り顔で聞いてみました。(これ、私がよくやる手ですw)
すると、こういう答えが返ってきました。
「かけてみます?」
えっ!?
(正確には「リスクを承知で送ってみます?」というニュアンスのタイ語)
お兄さん曰く、
とりあえずEMSで受付けてあげるけど、航空会社のX線検査で引っ掛かったらここに差し戻されるからね、それでもEMS郵送料は返金できないからね、ということらしいのです。
なんじゃそれ?(笑)
つまり、絶対ダメということじゃなくて、差し戻されても責任取らんからね?送るなら自己責任でってか。
そこんとこ、航空会社との公式な取り決めとか明確なルールとかないわけ?
それとも、郵便局窓口の人が知らないだけ?
と、内心思ったりもしましたが、もちろん口にはしません。
まあ、コロナ禍で方針がコロコロ変わるってこともあるのかも知れないから、窓口の方を責めるのは酷なのかもだし…。
でも、私的に『通常フライトで搭乗する時、預入荷物の場合は液体(危険物や可燃性のものを除く)だって普通に積み込めるんだから、大丈夫なんじゃないかな?』という希望的観測もあり、
「わかりました。試してみます!」
と、男前に回答してみました。
最悪、EMS代は無駄になるかもしれないけど、物は没収されるわけでなく、この郵便局まで受け取りに来ればいいそうなので。(保管料や手数料などは無し)
それに、いずれに転んでも、ブログのネタとして皆さんに報告もできるし…と。(笑)
はたして、1,790バーツ(約6,200円)のEMS代が無駄になるか否か!?
あとはEMSの追跡サービスで確認です。
※たかだか数百バーツのシャンプーを高いEMSで送ることの是非については問わないでください。というか、私も家族の頼みでなかったら送ってません。(⌒▽⌒)
EMS追跡確認
結果から言うと、今回、無事に実家までシャンプーは届きました。
ただ、時間がかかりました。
もっとも、時間がかかったのはシャンプーだったからということではありません。(最初は何か問題があったのかと内心ドキドキしましたが)
同時期に送った仕事関連のEMSや、他の方がTwitterで呟いてらっしゃる内容からしても、今の時期、タイと日本間のフライトが限定的なので、その順番待ちで日数がかかっているようです。
スワンナプーム空港で止まってる時間が長いです。(国際交換局から発送とはなっていますが、実際にはスワンナプーム内で待機している模様)
今回の追跡内容を貼っておきますが、11月14日(土)に発送してから、到着まで10日間かかりました。
そのうち、スワンナプームで7日ほど停滞していたと思われます。
このあたりは、タイミング次第みたいです。
4日ほどのスワンナプーム待機で7日程度で着いたという方もいらっしゃるようです。
なお、家族に確認したところ、今回の荷物は大阪の税関で開封検査されていたようです。(その旨のシールが貼ってありました)
もちろん、何も虚偽の申請などしてなかったので、問題ありませんでした。
いずれにしても、今回のシャンプーの送付については、改めて『個人輸入の範疇として』日本側では問題なかったことがわかってよかったです。
おわりに
今回、タイからEMS(国際スピード郵便)を利用してシャンプーを日本へ送りました。
コロナ禍ということもあり若干日数はかかりましたが、結果的に、無事送り届けることができました。
ただし、タイ側の発送に関しては、郵便局の窓口で一度はシャンプー(液体)は不可と断られつつも、差し戻されるリスクを覚悟の上、自己責任で送るならという条件付きでの受付となりました。
これは、あくまで私の場合、その時の担当者とのやり取りの結果ですので、タイ全土で通用するかどうかはわかりませんし、単に私がラッキーだっただけで、実際には空港のX線検査で突き返されることもあるのかも知れません。(私は半信半疑ですが)
なので、一例として参考にしていただければと思います。
もし、間違いなどありましたらご指摘ください。
また、公式に明文化された規定やルールなどをご存知の方がいらっしゃったら、お教えいただければ嬉しいです。
ではまた。