長野県の星空を巡る夏休みの最終夜は、美ヶ原高原でした。
標高約2,000メートルの丘陵に立ち昇る天の川と、ペルセウス座流星群が美しかったです。
車山高原
千畳敷カールを後にして駒ケ根の町まで降りてきた私たちは、中央道で諏訪方面へと進みました。
1夜目「しらびそ高原」、2夜目「千畳敷カール」についてはこちらの記事もご覧ください。
諏訪のインターチェンジを降りて白樺湖へ向かい、湖畔のレストランでランチを食べることにしました。
定食メニューがそこそこありましたが、味は可もなく不可もなくという感じ。
外国の方の経営なんでしょうか。
ホールのスタッフも日本語ネイティブではないようで、「ハンバーグは一個だけ?あとは?」みたいな接客でちょっとびっくりしました。
たぶん悪気はないのだと思います。
最近、日本のリゾート施設を外国の方が運営されていることも多いらしいですね。
ま、それはともかく。
食事を終えたら、ビーナスラインを通って車山高原へと上がっていきました。
この白樺湖、車山高原、ビーナスラインといえば、個人的に思い出の場所でもあります。
かなり昔の学生時代、とある旅行会社の添乗員のアルバイトをしていたことがありました。
その年の暮れ、「信州・車山高原で初滑り!」みたいなバスツアーの添乗を、私は割り振られたんですね。
年末年始の格安ツアーということもあるのですが、その時の宿がとても残念な感じだったのです。
リーズナブルな値段で高級リゾートなど泊まれるはずがないことは、私も参加者も重々わかってはいたものの、窓がガタガタ音を立て隙間風が入ってくる、古いアパートのような部屋にお客様を案内した時は、さすがに気まずくて仕方ありませんでした。
幸い、笑い飛ばしてくれる方がほとんどだったのはありがたかったのですが、なんとなくお客様に顔向けできなくて、業務以外は(といってもスキー場のパスを配ったら帰るまでほとんど何もすることなし)、極力自分の部屋にこもっていました。
(本当は、そんな時こそ積極的にお客様ケアしたほうがいいのでしょうが、経験の乏しい若輩者でした)
思えば、家族と離れて過ごす初めての年越し。
テレビもない寒い部屋で、すりガラスに吹き付ける雪を1人寂しく眺めていた思い出がよみがえります。
そんなことはどうでもいいですね。
当時は有料だったビーナスラインが無料で通行できるようになったことを、今さらながらに知りました。
視界が開けて景色の良いドライブコースです。
途中、いくつか眺めの良い展望スポットに立ち寄りました。
遠くに富士山も見えました!
シャインマスカットのソフトクリームなんぞを食べてみたり。
丘を散策してみたり。
美ヶ原高原「山本小屋ふる里」
霧ヶ峰から扉峠へと向かい、美ヶ原高原まであと数キロというところで、なぜか大渋滞。
後から聞けば、この日は今までにないくらい美ヶ原高原を訪れる観光客が多くて駐車場が満車状態だったのと、途中で1台故障した車がやむを得ず路肩に駐車して修理を待っていたら、それを見て路駐OKだと思った人たちが次々と路肩に駐車しだしたのが原因だとか。
確かに、ホテル前にある町営駐車場は満車でしたが、私たちは、宿泊者用に確保された場所に停めることができたので助かりました。
宿泊したのは「山本小屋ふる里館」という人気ホテルで、快適な設備が整っており立地もよく、楽しいアクティビティも充実していました。
何より、楽しい社長さんはじめ、スタッフの方々のホスピタリティが素晴らしかったです!
行楽シーズンや連休にはすぐに予約が埋まってしまうので、早めに手配されることをおすすめします。
ホテルの予約については、こちらの記事もご覧ください。
|
チェックインを済ませたら、まずは貸切風呂の予約をしに行きました。
このホテルには、大浴場の他に、45分間貸し切りで入ることのできる小さめのお風呂が2つあって、チェックインした人順に時間を予約をすることができます。
とりあえず、ちょうど食事前の時間帯が空いていたので、予約しておきました。
(お風呂の前にある時間表に、部屋番号の書いたマグネットを置くシステム)
大人2人用くらいのこぢんまりした湯船とシャワーのある洗い場、そして景色を眺めながらくつろげるデッキスペースがありました。
プライベート感があって、これはこれで素敵でしたが、ゆったりお風呂に浸かりたいなら開放感のある大浴場がおすすめです。
(仮に、貸切風呂の予約が取れなくても全然がっかりしなくてもいいと、個人的には思いました)
美ヶ原牧場・美しの塔散策
予約したお風呂の時間まで少し時間があるので、周辺を散策してみました。
ホテル横の道を進むと、美ヶ原牧場に入ります。
視界の開けた丘陵地に牧場が広がっています。
遠くの山々もよく見渡せます。
ポニーもいました。
しばらく行くと、美しの塔が見えてきました。
その先の丘には鉄塔のようなものがたくさん立っている一角が。
あれが、王ヶ頭ホテルですね。
王ヶ頭ホテルも一度泊まってみたいホテルです。
夕暮れ前のひと時。
多くの人たちがのんびりと時間を過ごしています。
真夏ではありましたが、下界とは気温が違うため暑さもそれほど気にならず、快適な散歩ができました。
夕飯
18時。
ホテル1階のレストランで夕食をいただきます。
品数が豊富で、次々と料理が運ばれてきます。
サービスしてくれるスタッフさんも気さくで、料理説明はもちろん、記念撮影や周辺のおすすめ場所や星空についての話なんかもしてくれました。
料理は美味しくて、お腹いっぱいになりました。
この日のデザートは、抹茶のパフェでした。
さらに、夜食用にとおにぎりまで用意してくれたり。
天体観測&バスナイトツアー
このホテルの人気アクティビティのひとつ、無料ツアー。
夜は、20時からスタートで、宿泊者なら誰でも予約なしで参加できます。
大雨の場合など気象状況によっては中止もあるようですが、この日は快晴だったのでもちろん参加させていただきました。
まずは、ホテル前の駐車場で、ホテルの名物社長さんから星空に関するちょっとした説明がありました。
この社長さん、話がお上手なんですよね。面白くて引き込まれてしまいます。
ちょうどペルセウス座流星群の時期だったので、流星の話なんかもしてくれていたのですが、その間にもいくつか流れ星が流れて盛り上がったり。
ホテルのバスに乗り込み、夕方歩いた牧場の方向へと向かいます。
社長さん自らの運転です。
美しの塔を過ぎてさらに進みます。
しばらく行ったところで全員バスを降りました。
草原の先に野生の鹿の姿が見えました。
その場所で、星空鑑賞です。
神話やなぞなぞ、クイズなどを織り交ぜながら、楽しく夜空の解説を行なってくれるのです。
流れ星や人工衛星を見つけたり、クイズに正解すると、その度にガラポンの抽選券がもらえました。
(その抽選券は翌日、1階のお土産売り場の一角で使うことができます)
家族で来ている子供たちも大喜びでしたね。
一旦ホテル前に戻ると、星空との記念撮影です。
同部屋のグループごとにベンチに座って、ちょうど天の川をバックに写真撮影をしてくれます。
撮影のお兄さんがカウントダウンする15秒間、座ったままできるだけ動かないようにします。
ここで撮った写真は、チェックアウト時にもらったQRコードからアクセスすると、無料でダウンロードできるリンクをメールを送ってくれました。
撮っていただいた天の川とのコラボ写真、思ったよりよく撮れていて感激しました。
あれ、ご家族連れとかカップルとか、すごくいい記念になると思います。
とても良いサービス!
撮影を待っている間は、望遠鏡で土星の輪っかを順番に見せてもらったりと、時間を持て余さない工夫もされていました。
自分たちの星空撮影
ホテルの無料ツアーが終わったのが、21時半過ぎ。
部屋で一休みしてから、自分たちのカメラと三脚を持って、星空撮影に出かけました。
この日は22時すぎに月が沈むので、それ以降の方がよりきれいな星空が撮影することができるのでした。
美しの塔あたりまでは、同じように星空鑑賞や星空撮影をしている人がわりとたくさんいたので、結局私たちは、さっきバスで行ったあたりまでぶらぶら歩いて行きました。
その場所で撮った写真や、行く途中で撮った写真をいくつか貼っておきます。
月が沈んだとはいえ、写真に収めるとかなり空の下側が明るいのですが、なかなか素敵な天の川が撮れました。
タイ語で天の川は「白象の道(ทางช้างเผือก)」と言い、天の川と天の川に続く牧場の1本道がなんとなくリンクして印象的でした。
早朝絶景ツアー
翌朝、6時半。
早朝の高原絶景ツアーにも参加しました。
もちろん無料です。
昨夜と同じく、社長さんが自らの運転で案内してくださりました。
この日も天気が良く、牧場の先に北アルプスの山々もよく見えました。
途中で降りて牧場のポニーにニンジンをあげたり。
朝の牧場と山々の景色は、それはそれは美しく。
王ヶ頭ホテル横の展望所で記念撮影をしたり。
笹の茂る小道を少し進んで王ヶ鼻という絶景ポイントまで歩きました。
ここはパワースポットとしても知られており、ゼロ磁場という場所(落雷によって磁石になった石仏?)があるらしく、方位磁石がくるくる回ってしまうとか。
磁石は持っていなかったので試していませんが、もうこの絶景だけで私的には十分パワースポットでした。
帰り道ものどかで幸せな風景が続きます。
ボリューム満点朝食
朝の絶景ツアーから戻ってきたら、そのまま朝食会場へ。
新鮮な野菜、果物、牛乳、スープ、卵、ふわふわのパン、そして焼きたてのピザ!
このピザ、私たち2人にも1枚丸ごと提供され、これだけでお腹いっぱいになるボリューム。
実際、美味しそうなパンはその場で食べられなかったので、持ち帰らせていただきました。
あと、フレッシュな牛乳は大きなやかんでスタッフさんが回ってくれており、思わずお代わりしちゃいました。
本当に美味しくてボリュームたっぷりの朝食でした。
帰路へ
美ヶ原周辺には他にもまだまだ見どころがあり、立ち寄りたいところもたくさんありました。
できれば松本城なんかにも行きたかったのですが、その日の夜便でタイに戻ることになっていた私たちは、お盆のラッシュが怖かったので、9時過ぎにホテルをチェックアウトしたらそのまま帰路に就くことにしました。
やはり高速道路では所々渋滞している箇所がありましたね。
それでもなんとか無事に、多少時間の余裕を持って空港へ向かうことができました。
今回の長野・星空観賞3泊の旅。
しらびそ高原、千畳敷カール、美ヶ原高原、どこもそれぞれの良さがあり印象的で、いい思い出ができました。
少し欲張りすぎた感はありますが、夏の一時帰国でのめったにない機会だからと実行してよかったです。
当分、この旅行の余韻だけで過ごせます。(笑)
ということで、今回の夏休み星空旅行の話はこれで終了です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。