こんにちは、バリ島旅行記事の合間にタイの話題も挿入していくスタイルを展開しているまなおです。
(これも、バリ島旅行の記憶を手繰り寄せるのに思いのほか時間がかかっているのと、タイの出来事を忘れないうちに書いておかなきゃという焦りからなんですが)
今回は、アユタヤ郊外の非常に珍しい仏像を安置するお寺「ワット・クラーン」と、巨大な涅槃仏で有名なお寺「ワット・サトゥー」の紹介です。
【2022年12月14日追記】2022年11月の落雷による涅槃仏被害の件をインスタグラムでフォローさせていただいている、たーれっくれっくさん(https://www.instagram.com/taarekrek/)が教えてくださいましたので、追記しました。ありがとうございました!
巨大涅槃仏寺院「ワット・サトゥー」
アユタヤの涅槃像と言えば、アユタヤ旧市街・歴史公園の一角にある「ワット・ローカヤスターラーム」寺院遺跡(「ワット・ロカヤスタ」とも)が有名ですが、今回訪れたのは、アユタヤ郊外にある現役寺院に安置された巨大な涅槃仏です。
アユタヤ市内中心部から北東へパーサック川を遡るようにして進んだ先にあるお寺「ワット・サトゥー」(วัดสะตือ)
ほぼサラブリーとの県境に位置します。
その日は3連休の中日ということもあり、非常に多くの参拝客で賑わっていました。
駐車場までのシャトルバスが運行されていたことなどを考えれば、普段から参拝者の多い有名寺院なのでしょう。
駐車場から続く参道にはたくさんの屋台が立ち並び、縁日のような雰囲気でした。
聞いたところによると、土日祝日にはこうして店が立つのだそうです。
人の波に乗って境内の奥へ進むと、ありました、ありました。
巨大な涅槃像。
なんとなく、のほほーんとしたお顔つきの仏様です。
以前ネットで見た時は全身金色でしたが、今は一部を除いて白色。
塗り替え(張り替え)修理の途中なんでしょうか。
この大きな涅槃仏の全長は50メートル(25ワー)とのこと。
ちなみに、アユタヤの旧市街ワット・ローカヤスターの涅槃仏は28メートル、ワット・ポーの涅槃仏は46メートルですので、ずいぶん大きいことがわかります。
お参りをして金箔を仏像に貼る人たちがたくさん。
正面はあまり人が写らないようにするタイミングを見計らうのが大変でしたが、背面は見事に誰もいなかったです。
(みなさん、日差しがきつく暑いのは極力さけられます)
<寺院情報>
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ワット・サトゥー
วัดสะตือ
Wat Satue
所在地:140 บ้านท่างาม ตำบล ท่าหลวง อำเภอ ท่าเรือ จังหวัดพระนครศรีอยุธยา 18270
140 Baan Tha Ngam Tha, Luang, Tha Ruea District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 18270
URL:https://www.facebook.com/fanpagewatsatue/
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涅槃仏に落雷
インスタグラムでつながっている日本人漫画家のたーれっくれっくさんに教えてもらったのですが、私が訪れたほんの2週間ほど前(2022年11月26日夜)に、この巨大涅槃仏の頭部に落雷があったそうです。
被害はそれほど大きくなかったらしいのですが、そんなことを全く知らずにボケーっと拝観しておりました。
今日、改めて撮った写真を確認してみたら、その被害跡が見てとれるものがありましたので載せておきます。
お釈迦さまの頭部、螺髪(らほつ)と呼ばれる髪の毛の一部が崩落したようです。
ダメージが少なかったのは涅槃仏のお力(功徳)だと、村人の間では噂になっているようで、さらにご利益を求めて参拝者が増えているのかもしれません。
いずれにしても、被害が最小限でよかったです。
(2022年12月14日追記)
足がにょっきりの仏像「ワット・クラーン」
この日訪れたもうひとつのお寺が「ワット・クラーン」(วัดกลาง)です。
どちらかというと、こちらのお寺の方が私たちにとって今回のメインだったのです。
というのも、約2か月前にこの寺院を訪れた時はこの一帯が洪水で、お参りしたかったお堂も冠水しており、泣く泣く引き返した経緯があったため、今回はいわゆるリベンジ的な再訪でした。
※ワット・クラーンは、ワット・グラーンと表記される場合もあります。
これが前回訪問した時の様子です。
今回は洪水もすっかり治まって、無事にお参りすることができました。
さきほどのワット・サトゥーの賑わいとは打って変わって、こちらのワット・クラーンに参拝者はほとんどおらず、静かでゆっくりとした時間が流れていました。
鳥の声が響くのどかな境内に、ぽつんと佇む古いお堂。
この味わいのある建物は、モンドップ(มณฑป)と呼ばれる仏堂で、ラーマ3世の時代に建てられたと考えられています。
どうしてこのお堂をお参りしたかったのかというと、中には非常に珍しい仏像が安置されているからなのです。
では、さっそく中に入ってみましょう。
正面に築かれた基壇の上に、その珍しい仏像が安置されています。
仏像というと、お釈迦さまや如来、菩薩、天部、あるいは高僧の姿をかたどった像が一般的ですが(タイではほぼ釈迦像)、こちらの仏堂では、四角い棺とその棺からにょきっと出ているお釈迦さまのおみ足だけが安置されているのです。
(もしかしたら、棺の箱の中にはお釈迦さまの涅槃像があるのかもしれませんが、未確認)
これはお釈迦さまが入滅された後、荼毘に付される直前のお姿を表しています。
お釈迦さまが涅槃へ向かわれた(お亡くなりになった)際に不在だった愛弟子のカッサパ尊者が、布教先から遅れて駆けつけたとき、お釈迦さまは棺の中から足をお出しになってカッサパに最後の礼拝の機会を与えたという奇跡にちなんだ仏像です。
私は、今までにこの棺から足だけが出た仏像を、2か所で拝見したことがあります。
ひとつは、バンコク・トンブリー区にあるワット・インターラーム寺院。
もうひとつは、ピサヌローク県のワット・プラシー・ラタナ・マハータート寺院(通称:ワット・ヤイ)です。
もしよければ、これらの記事もご覧ください。
最初にこの棺から足がにょきりと出ている仏像を目にした時には、(正直にいうと)不謹慎ながらちょっと笑ってしまいましたが、後にこのエピソードを知ってそんな自分を反省しつつ、師弟愛に想いを馳せました。
日本ではこのような仏像を見たことがなかったのですが、タイ以外の国(上座部仏教国?)で、同じような仏像ってあるのでしょうか。
もし、情報を見つけたらまた紹介したいと思います。
お堂の周りの壁には、お釈迦さま入滅にちなんだ場面の壁画が描かれていました。
お道内の様子を動画でまとめてみました。
この日、本堂は閉まっていたので拝観できませんでしたが、しばらく境内木陰のベンチでゆっくりしてから、バンコクへ戻りました。
<寺院情報>
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ワット・クラーン
วัดกลาง
Wat Klang
所在地:ตำบล นครหลวง อำเภอนครหลวง จังหวัดพระนครศรีอยุธยา 13260
Nakhon Luang, Nakhon Luang District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13260
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ワット・クラーンの近くには、プラサート・ナコーン・ルアンという宮殿及び寺院遺跡もあります。
こちらも、ぜひ一緒に訪問されることをお勧めします。
ではまた。