今、ウボンラーチャターニー県で一番映える寺院と言っても過言ではない「ワット・シリントーン・ワララーム・プープラオ」(วัดสิรินธรวรารามภูพร้าว)は、日没前から一気に参拝者が増える珍しいお寺です。
本堂裏の壁に描かれた神聖な大木や周辺の地面が、日暮れと共に光り輝きだすのです。
数年前にその幻想的な画像や映像がインスタグラムやツイッターなどのSNSで拡散されると、たちまちタイ全土から注目される人気スポットとなりました。
みなさんも、どこかで一度はこの寺院の画像を目にしたことがあるのではないでしょうか。
ふたつの色の川
その日、午前中から午後にかけてメコン川沿いの自然景観と散策を楽しみつつ、体力もそれなりに消耗してきていた私たち。
次に向かったのは、メコン川の真ん中で色が2色に分かれているというスポット「メーナーム・ソーンシー」(แม่น้ำสองสี)です。
そんな景勝が、メコン川の雄大な眺めとノスタルジックな町並みで有名な「コーンチアム」(โขงเจียม)という町にあります。
なんでも、この場所は北イサーン地方から流れてきたメコン川とコラート高原から流れてきたムーン川(ムン川)が合流する地点であり、土砂を多く含む茶色のメコン川と緑っぽい色のムーン川は、合流後もしばらくは水が混じり合わずに別れた色のままで流れるのだそうです。
そんな2色の川を眺められる展望スポットが、ワット・コーンチアム(วัดโขงเจียม)というお寺の敷地内にあるというので、向かってみました。
車のまま寺門をくぐり境内の駐車場に停めます。
少し川の方へ歩いていくと、「แม่น้ำสองสี(メーナーム・ソーンシー)TWO COLOR RIVER」と書いた看板がありました。
さてさて、どんな光景なんでしょう。
わくわく。
どれどれ。
どれどれ。。。
えーと。。。
私にはまったく同じ色にしか見えませんでした!
ちなみに、下の写真は、以前インドのラダックで撮ったものです。
インダス川とザンスカール川との合流地点です。
こんな風なイメージでいましたが、ちょっと違ったようです。
あとで聞くところによると、
乾季や暑季にはメコン川の水もさほど濁っていないため、ほとんど違いがわからないそうです。
はっきりとした色の違いが見られるのは、雨季の6月から11月頃くらいだそうです。
以上!(笑)
コーンチアムの集落で目にした赤い鳥居。
何の店か、気になります。
<観光地情報>
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メーナーム・ソーンシー(2色の川)
แม่น้ำสองสี
TWO COLOR RIVER View Point
所在地:ตำบล โขงเจียม อำเภอ โขงเจียม อุบลราชธานี 34220 (วัดโขงเจียม)
Khong Chiam, Khong Chiam District, Ubon Ratchathani 34220
※ワット・コーンチアム寺院(วัดโขงเจียม)内
入場:無料
駐車場:あり(寺院内)
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幻想的に光る映え寺院「ワット・シリントーン・ワララーム」
2色の川では若干肩透かしをくらいましたが、気を取り直して、次なる目的地へ向かいます。
そうなんです、私たちには、
この日を締めくくる、もうひとつのメインスポットがあったのです。
「ワット・シリントーン・ワララーム・プープラーオ」寺院(วัดสิรินธรวรารามภูพร้าว)
(通称「ワット・プープラーオ」「ワット・ルアンセーン」)
幻想的に光る本堂や壁画で有名なこのお寺には、以前から一度訪れたいと思っていたんです。
巨大なシリントーンダム沿いの道を山側へと入って行くと、視界の開けた小高い山の上の駐車場に着きました。
まだ日の高い16時半。
日暮れまでは、あと2時間以上あります。
早く着きすぎた感はありますが、せっかくなのでゆっくり参拝や散策でもしながら待機することに。
タイと西洋が折衷したかのような階段と天使のような翼を広げているのは、半人半鳥の緊那羅(キンナリー/キンナラ)像でしょうか。
足元のタイルには、どこかで見たことのあるようなキャラクターたち…。
タイの寺院には、(良し悪しは別として)このように人の興味を惹くような仕掛け(?)が施してあることも多いです。
多くの人に関心を持ってもらうことにより、幅広い層の来訪・参拝を促し、仏教への理解を深めてもらいつつ、寺院も潤うという仕組み。
この寺院において、その最大の仕掛けが夕闇に光る本堂なわけですが、その光景は後ほど。
まずは、本堂内を参拝します。
本堂は、ラオスのルアンパバーンにある世界遺産寺院「ワット・シェントーン寺院」(วัดเชียงทอง)をモデルに建立されました。
曲線を描く三角の重ねたような屋根が非常に美しいです。
本堂には正面及び側面の壁はなく、明るく風通しの良い空間となっています。
正面に安置されている本尊は、もともとはチンナラート仏(พระพุทธชินราช)だったのですが、のちに、光背(ラッサミー รัศมี)と頭上にある火焔状の光輪(ケートマーラー พระเกตุมาลา)を取り外して、背後に菩提樹の木を彫ったそうです。
本堂の裏手に回ってみましょう。
この本堂の裏の壁に描かれている神聖な木「ガンラパプルックの木/ガラパプルックの木」(ต้นกัลปพฤกษ์)は、願いを叶えてくれる木であると信じられているそうです。
色鮮やかなタイルや模様が埋め込まれた足元。
みんな普通に踏んでいくんですが。。。
フォトジェニックなところが、そこここにありますね。
この日は、タイ正月のソンクラーンも間近ということで、境内には仏陀像に花びらを浮かべたお水を注いでお参りをするコーナーが設置されていました。
私も、タイの方に混じって参拝。
さて、そろそろ日が傾いてきました。
心なしか、参拝者も増えてきたような。
ほとんどの方の目当ては、本堂裏手の壁画とその周辺です。
私も、17時半頃から自分の中でベストポジションだと思う場所に座って待機します。
この場所から1時間ほどスマホのタイムラプス機能を使って撮影してみました。
スマホって、写真ではわりと暗めの光とかも感知するのに、ビデオ撮影では暗くなっちゃうんですね。
肉眼では見えた、蛍光色のぼんやりとした明かりがまったく写っていませんでした。
(私のスマホのスペックのせいなのかも知れませんが)
実際には、こんな感じの幻想的な雰囲気だったんです。
これも空はかなりザラザラしちゃってますけど。(^^;
ああ、いいカメラが欲しいなああああ。(腕の問題はさておき)
本堂裏の神聖な木が神々しく輝いているではないですか!
これを見たかったんですよね。
映画「アバター」の聖なる木(魂の木)からインスピレーションを受けて制作されたとか。
地面に敷かれた蛍光塗料付きの曲線や花の模様も緑に光り輝いて美しいです。
日が暮れてからは、スタンバっていた前に人だかりができて本堂が見えないくらいの賑わいでした。
みなさん、これを見にやってこられているんですものね。
そんな賑わう境内とは打って変わって、本堂の中は静寂で厳かな雰囲気が漂っていました。
もう一度参拝してから帰ることにしました。
<寺院情報>
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ワット・シリントーン・ワララーム・プープラオ
วัดสิรินธรวรารามภูพร้าว
Sirindhorn Wararam Phu Prao
所在地:99 ตำบล ช่องเม็ก อำเภอ สิรินธร อุบลราชธานี 34350
99 Chong Mek, Sirindhorn District, Ubon Ratchathani 34350
時間:06:00-21:00
入場:無料
駐車場:あり
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念願の、宵闇に光り輝く寺院「ワット・シリントーン」を訪れることができて、本当によかったです。
ここは光る壁絵が有名ですが、メコン川やラオスを一望する境内からの絶景もお勧めですので、ウボンへお出かけの際には、昼夜問わずお立ち寄りになるといいと思います。
ではまた。