週末、スパンブリー県へショートトリップに行ってきました。
スパンブリーはバンコクから車で1時間半程度の距離なんですが、なぜか今までほとんど行ったことがありませんでした。
ほぼ初めてということで、市内の王室寺院や、巨大な龍のモニュメントが目を引く中国廟、サムチュック百年市場、ブンチャワーク水族館、水牛村、そして最近新名所になりつつあるサパーンコーン水上市場など、ざっと有名どころを巡ってきました。
今回は、一部の日本人の間では有名な、『ドラえもん寺』こと『ワット・サンパシウ』について書きたいと思います。(ワット・サムパシウと表記されることも)
ワット・サンパシウ(寺院)について
ワット・サンパシウ(วัดสำปะซิว/Wat Sampa Siw)は、スパンブリー県のムアンスパンブリー郡(県庁所在地)のサナームチャイ区に所在し、もともとはアユタヤ時代初期に建てられた古い寺院だそうです。
後にナレースワン大王の軍隊がこの地で野営を行い、兵士の人数にかんする帳簿検査を行ったことにちなみ、『サーンバンチー寺(วัดสางบัญชี)』と呼ばれるようになり、そこからさらに現在の名前『サンパシウ寺』へと変遷したと言い伝えられています。
数年前、この寺院が一躍話題となったのは、本堂の壁画の一部に漫画のキャラクターが描かれているからでした。
特に、日本でもタイでも子供たちにおなじみのドラえもんがあちこちに散りばめられていることから、一部のタイ人や日本人の間では別名『ドラえもん寺』として知られています。
ちなみに、タイ人はドラえもんのことを「ドレーモン(โดเรมอน)」と発音することが多いです。
お寺の本堂の壁画には、お釈迦様の一生やお釈迦様の10の前世についての説話などが描かれているのですが、その中にアニメのキャラクターを小さくパズルのように挿入することで、訪れた子供たちに興味を抱かせ、仏教の教えや「善因善果、悪因悪果」の教えを視覚的に伝える意図があるとのことです。
著作権問題
日本なら、まず著作権について問題視しますよね、はい。
まあ、そこはタイ。ゆるーく考えていたのだと思います。
子供に親しまれ関心を持たれる寺院にしたい、観光客を増やしたい、という思いがあったのは確かでしょう。
かつては、子供や観光客にタイ式の王冠を被ったドラえもんのバッジを無料配布するということもしたりして、注目されていたようです。
そうした寺院側のドラえもんキャンペーン(?)が功を奏して有名になり、参拝客が増えだしたと同時に、タイでも著作権問題が取りざたされ始めるようになりました。
まあ、当然と言えば当然の結果ですが。
なんでも、『ドラえもん滝』を寺院内に設置する計画まで立てていたらしいのですが、ちょうどその頃に日本側からの警告があったとかなかったとかで、今後、著作権の問題が発生することを恐れて断念したという経緯があるようです。
それでかどうかは知りませんが、タイ語でこのお寺の情報を検索すると、中にはドラえもんに関することが書かれているサイトもあるのですが、ドラえもんについては一切触れていないサイト(特に公の観光促進系サイト)もたくさんあるのは、こういった背景と無関係ではないと思います。
というか、ドラえもん版『見ざる、言わざる、聞かざる』や壁画がある時点で、既にアウトだと思うんですけど、まあ、ここでそのへんを追求するのはやめましょう。笑
ドラえもんを探せ
お寺の三門を入ってほぼ一番奥側にある本堂。
このお寺を有名にしたドラえもんはこの本堂周辺に集中しています。
それでは、ドラえもんを探していきましょう。
四ドラ像
さっそく、本堂横には、ドラえもん版の『見ざる、言わざる、聞かざる』像が。
いや、正確には、『聞かぬドラ、見ぬドラ、言わぬドラ、サバーイドラ』とでも言いましょうか。(笑)
タイ語では、「ปิดหูซ้ายขวา ปิดตาสองข้าง ปิดปากเสียบ้าง จะได้นั่งสบาย」(左右の耳をふさぎ、両目をふさぎ、口をふさいでみたら、楽に座れるよ:直訳)と書かれています。
この三猿ならぬ四ドラ像は、探すまでもなく否応なしに目に入ってきます。
壁画の中のドラえもん
次は、本堂の中です。
まずは、ご本尊にお参りをします。
この本堂の壁一面には仏教説話やお釈迦様の一生を表した壁画が描かれています。
緻密で美しいタッチの壁画はそれだけでも十分見応えがあるのですが、この壁画のところどころにドラえもんやアニメのキャラクターがこっそり仕込まれているんです。
実は、どこにドラえもんが描かれているかを示した答え合わせ的なパネルが置いてあるのですが、そこは最後の最後にとっておき、まずは自分の目で探していくのが楽しいと思います。
また、この壁画の中には、ドラえもん以外にも変わったキャラクターがいくつか登場します。
本当に見ていて飽きないです。
キャラクター探しも楽しいのですが、これだけ壁画と対峙していると、いろいろ見入ってしまい、興味が湧きだしました。
特に、お釈迦様の前世の物語(นิทานชาดก:ジャータカ)を表した場面の意味が知りたくて、ちょっくら勉強してみようかという気持ちになりました。
そういう意味では、私もすっかりこのお寺の意図通りに導かれたわけですね。
もっとも、今後、私が本当に前世物語について勉強をするかどうかは別問題ですが・・・(笑)
本堂周りの門
これは事前情報を得ていたのですが、本堂周りの門の彫刻の一部にもドラえもんがいるとのことで、探してみました。
最初はわからなかったんですが、よく見ると・・・いました、いました。
(右側にはウルトラマンまでも!)
画像ではちょっとわかりにくくてすみません。
アクセス・お寺情報
一応、スパンブリー県の県庁所在地であるスパンブリー郡にあるお寺なのですが、町の中心部からは4~5キロ離れているので、公共交通機関でスパンブリーまで行く場合は、街なかでトゥクトゥクのチャーターをして他の観光スポットと共に数か所周ったほうがいいと思います。
あるいは、バンコクから1時間半程度の距離なので、バンコクからレンタカーを借りて行ったり、運転手付きバンをチャーターしたりするのもいいかもしれません。
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ワット・サンパシウ
วัดสำปะซิว
Wat Sampa Siw
住所:101 หมู่ 3 ตำบลสนามชัย อำเภอเมืองสุพรรณบุรี จังหวัดสุพรรณบุรี 72000
TEL:086 886 6557
Facebook:https://www.facebook.com/watsampasiewsuphan/
さいごに
タイのドラえもん寺こと、ワット・サンパシウは、著作権云々のことを考えなければ、クスっと笑える壁画や境内のオブジェがあちこちにあって楽しいお寺でした。
スパンブリー方面へ行く場合は、ぜひ立ち寄ってみたい珍名所のひとつではないでしょうか。
ではまた。