いよいよプレー県滞在最終日となりました。
ホテルの部屋は、19時までレイトチェックアウト利用できることになったので、まるまる1日観光する気満々です。
(相変わらず、天気はいまいちの曇天ですが・・・)
プレーの名産である藍染めの服や小物を見に出かけたり、異国情緒たっぷりのフォトジェニックなお寺を尋ねたりしました。
- 藍染め通りへ
- 北タイ名物「ケープムー」
- 妖艶な巨大涅槃像(ワット・プラタート・ストーンモンコン)
- ホテル前の中国寺院(神社)「本頭公廟」
- 旧市街の王室寺院「ワット・プラバート・ミンムアン」
- 欧州とタイが融合したお屋敷「クム・チャオルアン」
- 黄金の亀と涅槃仏「ワット・ポンスナン」
- 旧市街のかわいいカフェ「Jebar.」
- 長距離バスでバンコクへ「ナコンチャイ・エアー」
藍染め通りへ
10時前。
ようやく小雨が止んだので、プレー県名産品である藍染め(モーホム)の工房や店が集まるエリアに行ってみることにしました。
プレー中心部から北へ数キロのところにあるトゥンホーンという地区です。
このトゥンホーンの町の道路脇には、たくさんの藍染め工房や藍染め商品を扱うショップが立ち並んでいます。
スア・モーホム(เสื้อม่อฮ่อม)と呼ばれる、伝統的な丸首のカンフー服のような作務衣のようなシャツをはじめ、藍染めのTシャツやスカート、ズボン、バッグ、スカーフ、テーブルクロス、ぬいぐるみ、小物などが陳列されています。
今回、昔ながらのスア・モーホムではなく、ちょっと現代風にアレンジした藍染めの洋服ややかわいいデザインの小物があればいいなと思って、いくつかの店をのぞいてみました。
まあ、悪くはないんですけど、どこもなんとなく同じようなデザインの品揃えばかりで、今一つピンとくるものがありませんでした。
といっても、この地区にはとてもたくさんのショップがあり、あくまで私が入った数店舗に限った話です。
もっと時間をかけて探せばいろいろあったと思いますし、実際に、個性的な商品を扱っているブティックっぽい店もいくつか見かけました。
そんな中で、ちょっと気に入った柄の小さめのストール(タイ語では襟巻を意味する『パー・パン・コー』と表記)を買って帰りました。
なかなか気に入っています。
ちなみに、これを買ったのは「Tan ra wee(ターンラウィー)」という店で、この店には割とかわいいデザインの商品がそろっていたと思います。
北タイ名物「ケープムー」
モーホム見学の後は、旧市街のおしゃれな古民家食堂で、まなお史上最強のピーク・ガイ・トート(手羽揚げ)に舌鼓を打ち、タイ北部地方の名産であるケープ・ムー(豚皮をカリカリに揚げたもの)をお土産に買いました。
激ウマ手羽揚げの記事はこちら。
ケープ・ムー(แคบหมู)は、こってり「ティット・マン」と、あっさり「ライ・マン」の2種類を買いました。
ティット・マンというのは、
ติด ティット = 付く
มัน マン = 油・脂肪
すなわち、脂肪部分の付いた皮揚げのことで、
ライ・マンというのは、
ไร้ ライ = 無い
มัน マン = 油・脂肪
つまり、脂の付いていない皮揚げということで、あっさり風味となります。
ティット・マンかライ・マンかは好みの問題ですね。
カロリーを気にするならライ・マン、しっかり味付きが好きならティット・マンというところでしょうか。
妖艶な巨大涅槃像(ワット・プラタート・ストーンモンコン)
一旦、ホテルに戻って荷物を置き、午後一で向かったのは、プレー中心部から南に30キロほどの場所にある、ワット・プラタート・ストーンモンコンキーリー(วัดพระธาตุสุโทนมงคลคีรี)というお寺です。
バイクで40分ほどでした。
ワット・プラタート・ストーンモンコンは、プレー県デンチャイ郡の山間部に1977年に建てられた比較的新しい寺院で、ランナー様式をアレンジし、ビルマ・ラオス・中国様式とも融合した美しい建築群が特徴です。
このお寺の敷地内に入ってまず目につくのは、巨大で艶めかしい涅槃像。
ビルマ風の涅槃像なんですが、寝姿がなんともしなやかでつやっぽい。
涅槃仏の真下まで行って見上げてみました。
まつ毛ばっちり!
また、この寺院は、北部タイやランナー文化圏にある有名寺院建築の粋を集めて建てられています。
(有名寺院のいいとこ取りをした、レプリカの集合体のような感じ?)
例えば、
正面の山門はランパーン県のワット・プラタート・ランパーンルアン寺院から、
東門はチェンマイ県のワット・プラタート・ドーイステープ寺院、
屋根は同じくワット・トンクウェン寺院、
本堂の扉や窓の彫刻は同じくワット・プラシン寺院、
鐘楼はランプーン県のワット・プラタート・ハリプンチャイ寺院・・・
といった具合です。
とにかく、いろんなものが大きくて、カオスなイメージでした。
到着した時は、小雨交じりの曇天で参拝者もいなかったため、なんとなく異空間に迷い込んできてしまったようなおどろおどろしい雰囲気を感じてしまったのですが、これは多分に天気のせいもあると思います。
敷地内、巨大な涅槃仏像の前には、象の顔を持つ鳥「ノック・ハッサディーリン」(นกหัสดีลิงค์)の、これまた巨大で煌びやかな像がありました。
このノック・ハッサディーリンは、死者の魂を天国に届ける霊獣と信じられています。
したがって、高僧や有力者の葬儀の際に、このノック・ハッサディーリンの山車(棺を乗せた火葬車)が使用されることもあるようです。
ノック・ハッサディーリンの周りでは牛が草を食んでいました。
この日は、この辺りを通過する熱帯低気圧の影響で空模様が目まぐるしく変わった一日でしたが、おかげで青空が顔を出した瞬間の写真もいくつか撮ることができました。
無数の仏塔(30数基だとか)が集合して、眩いばかりです。
本堂内には、降魔印を結んだチンナラート仏が安置されています。
チンナラート(チナラート)仏と言えば、北タイの入口に位置するピサヌローク県のワット・プラシー・ラッタナ・マハータート寺院(通称:ワット・ヤイ)がタイで一番美しい仏像として有名です。そのレプリカだそうです。
※当寺院の本尊は「พระพุทธชินเรศนวราชบพิตร(プラプッタ・チンナレート・ナワラート・ボーピット」という名前が付いています。
回廊の片隅にニャンちゃん。
これは、モーム(มอม)ですね。獅子と爬虫類が合体したような姿です。
なかなかフォトジェニックなものが満載のお寺でした。
動画もよかったらご覧ください。
<寺院情報>
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ワット・プラタート・ストーンモンコンキーリー
วัดพระธาตุสุโทนมงคลคีรี
Wat Phrathat Suthon Mongkhon Khiri
所在地:หมู่ 9 ตำบล ไทรย้อย อำเภอเด่นชัย แพร่ 54110
Moo9, Sai Yoi, Den Chai District, Phrae 54110
TEL:054-613-876
拝観:無料
駐車場:あり(無料)
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ホテル前の中国寺院(神社)「本頭公廟」
ワット・プラタート・ストーンモンコンを後にしてプレー市内手前でガソリンを満タンにし(130THB)、15時前にホテルへ戻ってきました。
実は、途中、私の不注意で運転中にポケットからスマホを落としてしまうというアクシデントがありました。
拾いに戻ったら画面の保護ガラスがバキバキに割れておりかなり心折れましたが、スマホ自体は使用可能な状態だったし、本体のスクリーン自体は無事であることを祈りつつ町に戻ったのでした。
(怖くて保護フィルムを剥がして確かめる勇気はありませんでした)
15時過ぎに、約束通りレンタルショップのスタッフがホテルまでやってきてくれたので、借りていたバイクを返却。
まるまる2日(プラスおまけ2時間)お世話になりました。
そのまま、ホテルの目の前にある中国廟に行ってみました。
チェックインの時からずっと気になっていたんです。
本頭公廟というのは、主に潮州人が好んで祀る土地神様だそうです。
アユタヤー時代の後期頃から、現在のバンコクあたりに移り住んできた華人は潮州人が多かったようで(トンブリー王朝を建国したタクシン王も潮州系の華人)、バンコクにも本頭公廟がいくつかあります。
ここ、プレーの華人も潮州出身の人たちが多かったのでしょうかね。
思った以上に、立派な廟でした。
内部も清潔に保たれており、色鮮やかな装飾や彫刻が素晴らしかったです。
<施設情報>
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本頭公廟
ศาลเจ้าปุ้งเถ่ากง
Pung Thao Kong Shrine
所在地:10 ราษฎร์ดำเนิน ตำบล ในเวียง อำเภอเมืองแพร่ แพร่ 54000
10 Rat Damnoen, Nai Wiang, Mueang Phrae District, Phrae 54000
参拝:無料
駐車場:あり(無料)
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旧市街の王室寺院「ワット・プラバート・ミンムアン」
町歩きを続けます。
旧市街に入ったあたりにある、ワット・プラバート・ミンムアン・ウォーラウィハーン(วัดพระบาทมิ่งเมืองวรวิหาร)寺院。
ここは、プレー県の中でタイ王室仏教寺院に指定されている2つの寺院の内のひとつです。
もうひとつは前日に訪問した、ワット・プラタート・チョーへーです。(いずれも第3級王室寺院)
本堂には、プラプッタ・コーサイシリチャイ・マハーサーカヤムニー(พระพุทธโกศัยศิริชัยมหาศากยมุนี)という本尊が安置されています。
この仏像は、プレー県を代表する重要な仏像と考えられています。
<寺院情報>
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ワット・プラバート・ミンムアン・ウォーラウィハーン
วัดพระบาทมิ่งเมืองวรวิหาร
Wat Phrabat Ming Mueang Worawihan
所在地:ตำบล ในเวียง อำเภอเมืองแพร่ แพร่ 54000
Nai Wiang, Mueang Phrae District, Phrae 54000
参拝:無料
駐車場:あり(無料)
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欧州とタイが融合したお屋敷「クム・チャオルアン」
次に向かったのは、クム・チャオルアンという、かつてこの地域を治めていた領主のお屋敷です。
ラーマ5世の時代に建てられた、ヨーロッパとタイ様式をミックスした美しい木造建築で、現在は博物館として一般公開されています。(入場無料)
館内には当時の家具や調度品、食器などが展示されており、当時の支配層の生活をうかがい知ることができます。
また、風通しの良い開放的で明るい館内とは対照的に、この館の1階というか半地下部分には、命令に背いたり間違いを犯した使用人を収容した牢屋も残っています。
屋根や窓の彫刻がとても美しいです。
<施設情報>
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クム・チャオルアン
คุ้มเจ้าหลวง
Khum Chao Luang
所在地:4 ถนน ซอย คุ้มเดิม ตำบล ในเวียง อำเภอเมืองแพร่ แพร่ 54000
4 Khum Doem Alley, Nai Wiang, Mueang Phrae District, Phrae 54000
TEL:054-524-158
時間:8:30-17:00
入館:無料
駐車場:あり(無料)
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黄金の亀と涅槃仏「ワット・ポンスナン」
クム・チャオルアンから徒歩数分のことろにあるワット・ポンスナン(วัดพงษ์สุนันท์)というお寺へ行きました。
実はここ、前日に訪れていたのですが、青空が広がったこのタイミングでもう一度訪問してみたくなったんです。
やっぱりタイのきらびやかな寺院は青空に映えますもんね。
平和なお顔の涅槃像
本堂のプラチャオ・セーンスック仏(พระเจ้าแสนสุข)
無数の仏塔(108基あるそう)が屋根にそびえる礼拝堂(ウィハーン)
内部には仏像や色鮮やかな壁画が。
天井には十二支が描かれていました。
イケメン太陽神(反対側にはイケメン月神)
さらに、境内には否応なく目に入ってくる巨大なオブジェが・・・。
黄金のお亀様と、その上には亀仙人ならぬ金の亀の背に乗った仏様。
その昔、ビルマ人の娘がカメが欲しくて池に入って溺れ死んだという伝説があるらしいです。
それで、友人が偲んで仏塔とその周りにカメの像を祀ったのが始まりだとか・・・。
このお寺もなかなかフォトジェニックスポット満載でした。
町中にあるので、プレー観光の際にはぜひお立ち寄りください。
<施設情報>
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ワット・ポンスナン
วัดพงษ์สุนันท์
Wat Phong Sunan
所在地:บ้านพงษ์สุนันท์ ถนนคำลือ ตำบล ในเวียง อำเภอเมืองแพร่ แพร่ 54000
Ban Phongsunan, Kham Lue RD., Nai Wiang, Mueang Phrae District, Phrae 54000
拝観:無料
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旧市街のかわいいカフェ「Jebar.」
ワット・ポンスナンを出てすぐの場所に雰囲気の良さそうなカフェがあったので、休憩することに。
看板には「Jebar.」と。
タイ語で「เฌอบาร์」とあるので、「チューバー」とでも読むのでしょうか。
2階建ての木造家屋を改築してカフェにしたようです。
小さいながらも落ち着いた雰囲気で、なかなかおしゃれです。
(地方都市と侮っていましたが、プレー県にはおしゃれなカフェがたくさんあるようです)
ニューヨークチーズケーキとブルーベリースムージーを注文しました。
チーズケーキは特別に洗練されているというわけではありませんが、素朴な中にも濃厚なチーズの味がしましたし、スムージーもベリーがたくさん入っていて美味しかったです。
<カフェ情報>
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チューバー
ร้านเฌอบาร์
Jebar.
所在地:44 ถนนคำลือ ตำบลในเวียง อำเภอเมือง จังหวัดแพร่ 54000
44 Khum Doem Alley, Nai Wiang, Mueang Phrae District, Phrae 54000
TEL:094-629-6445
時間:09:00-18:00(月〜金)、09:00-17:00(土日)
Facebook:https://www.facebook.com/JeBarPastry
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長距離バスでバンコクへ「ナコンチャイ・エアー」
夕方、屋台通りでバミーを食べ、ホテルに戻ってチェックアウトの支度をしていると、また雨が降ってきました。
ホテルのフロントでバスターミナルまでの足を確保してもらいます。
といっても、プレー県にはGrabやタクシーというものがないので、ソンテウを呼んでもらっての貸切利用です。
本当は、ホテルに来る時に利用したバイクタクシーの運転手さんに電話して(名刺をもらっていた)、バイタクでバスターミナルへ行こうと考えていたのですが、雨なのでおとなしくソンテウで向かうことに。
ちなみに、ソンテウ代は100バーツでした。
正直、ほんの2キロちょっとで100バーツは高いのですが、まあ、雨だし貸し切りだし仕方ないですね。
8時過ぎ、バンコク行きのバスが到着。
今回、ナコンチャイエアーという長距離バス会社のバンコク行きチケットを事前に予約していました。
ナコンチャイエアーは、わりとしっかりしたサービスと設備でタイ人の間でも人気があります。
私が乗ったのは、ゴールドクラスのバスです。
ナコンチャイエアーで最も快適なのは、3列シートのファーストクラスのバスなんですが、プレー・バンコク間にはファーストクラスはなく、ゴールドクラスが最上クラスとなるようです。
ゴールドクラスは4列シートではあるものの、席の間隔も広めでリクライニングもかなり倒れる、かつ、後ろの人の席との間に仕切りがあり、気をつかわず心置きなく倒すことができるので、飛行機のエコノミークラスなんかよりは何倍も楽です。
私はかなり熟睡できました。(耳栓とアイマスクは持参)
あ、ナコンチャイエアー名物(?)のマッサージ付きシート。
振動が上下する単純な作りではありますが、試してみる価値はあります。
ちなみに、車内では夕飯も配られました。
ご飯とネームとムーヨーの炒め物というシンプルなものでしたが、味は悪くなかったです。
野菜がもっと欲しかったけど、500バーツ(約1600円)程度のバス料金の車内弁当ですもんね、文句は言えません。
あと、スナックや飲み物(水、豆乳、アップルジュース)も配ってくれて、チケット価格からすれば、十分すぎるくらいのサービスではないでしょうか。
午前3時35分。
予定より少し早くバンコクのナコンチャイエアーバスターミナル(モーチットバスターミナルの近く)に到着です。
終点のモーチットバスターミナルまで乗ってもいいのですが、『タクシーに乗るなら、ここの方が便利』だと車掌さん(アテンダントさん?)が教えてくれたので、アドバイスに従うことに。
結果、正解でした。
タクシー乗り場では少しタクシー待ちの行列ができていたものの、ちゃんと誘導してくれるスタッフがいてうまく捌いてくれたので、割り込みとかのストレスなくタクシーに乗ることができました。
久しぶりのタイの夜行バス利用でしたが、悪くないなと感じたナコンチャイエアーでした。
これで、ナーン県とプレー県3泊4日(+車内泊)旅行は無事終了です。
振り返ってみると、バイク移動をがんばったり目一杯旅行するために復路を夜行バスにしたりと、なかなか濃いスケジュールでしたが、4日間まるまる満喫できました。
最後、あれこれ詰め込んでしまい、えらく長文になってしまいました。
お読みいただきありがとうございます。
ではまた。