今回は、ウタイタニー県にあるワット・ウポーサッターラーム寺院を紹介します。
美しく珍しい壁画を有する布薩堂(本堂)と礼拝堂が隣り合う、シンプルながら均整のとれたお寺です。
ワット・ウポーサッターラーム(ワット・ボート)
地元では通称ワット・ボートと呼ばれるワット・ウポーサッターラームは、ラッタナコーシン朝(現バンコク王朝)初期に創建された古刹。
ウタイタニーの市内中心部を流れるサケークラーン川のほとりに建っています。
川を背にして東向きに、似た造りのお堂がふたつ並んでいます。
入口に向かって右手が布薩堂(本堂)、左手が礼拝堂(ウィハーン)です。
布薩堂と礼拝堂の裏手(川側)には3つのスタイルの仏塔(左からアユタヤ様式、ラッタナコーシン様式、スコータイ様式)が並んでいます。
仏塔のさらに裏側には、西洋スタイルを取り入れたモンドップと呼ばれる八角形の仏堂が建っています。
<寺院情報>
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ワット・ウポーサッターラーム(ワット・ボート)
วัดอุโปสถาราม (วัดโบสถ์)
Wat Uposatharam
所在地:ตำบล สะแกกรัง อำเภอเมืองอุทัยธานี อุทัยธานี 61000
Sakae Krang, Mueang Uthai Thani District, Uthai Thani 61000
TEL:091-839-6425
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布薩堂(本堂)と壁画
右手、布薩堂(本堂)本堂に入ってみましょう。
シンプルで美しい造りです。
正面には、5体の降魔印を結んだ仏陀像が安置されています。
壁面には、誕生から入滅までのお釈迦さまの生涯に関する壁画が描かれています。
なお、正面(主仏陀像の背面)には、降魔成道図が描かれているのですが、この寺院の降魔成道図は他の寺院のそれとは少し違っています。
通常、魔物たちが瞑想の邪魔をしたり襲ってきたりする場面は向かって右手に描かれ、大地から現れた女神メートーラニーが引き起こした洪水によって魔物が押し流される様子が左手に描かれるのですが、この寺院の降魔成道図は左右が逆になっているのです。
でも、釈迦誕生が本堂の左手前(左の入口側)から始まって正面へと続き、釈迦入滅まで時計回りに描かれていることを考えたら、むしろ、時系列としてはこの寺院に描かれた降魔成道図のほうがしっくりくる気がするのです。
つまり、正面向かって左側が襲い来る魔物たち、同じく右手が成敗された魔物たちという流れですね。
礼拝堂と壁画
今度は礼拝堂に入ってみましょう。
正面には、右の手のひらを前に出し、左手は下に下した印相の立像や降魔印を結んだ座像が数体安置されています。
礼拝堂の壁画には、天界の様子や人の死についての絵が描かれています。
壁の上部には、釈迦の弟子である僧侶たちが、本尊に向かって拝むような感じで描かれています。
ちなみに、私はこの飛んでるお坊さんの絵が好きです。
本尊の前に縦に並んだ三体の座像。
お顔がなんとなく金銀銅みたいになっているのが印象的でした。
以上、ウタイタニの名刹「ワット・ウポーサッターラーム」寺院の紹介でした。
ではまた。