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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

ピンクの博物館とヘビ山とコウモリと(週末ラーチャブリー紀行)

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先日、影絵芝居を見るためにラーチャブリーへ行きましたが(その時の記事はこちら)、せっかくなのでラーチャブリー県の観光スポットもいろいろ回ってきました。

 

 

ヒン・カオ・グー公園(อุทยานหินเขางู)

 

ラーチャブリー市内から8キロほど北に風変わりな岩肌の続くな小高い山があり、その一帯は「ヒン・カオ・グー公園」と呼ばれています。「ヒン」=「石」、「カオ・グー」=「ヘビの山」という意味なんですが、この辺りはラタナコーシン朝初期の頃から重要な採石場だったそうです。
しかし大規模な採掘を進めていくうちに山がどんどん削られ地理的環境の悪化が懸念されるようになり、またこの周辺は昔から信仰の地でもあったことから採掘事業を取りやめました。その後、この一帯を公園として観光地の整備をしたのだそうです。

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ヒン・カオ・グー公園の一角にある池の周りには橋や遊歩道がめぐらされ、住民や観光客の憩いの場となっています。

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この遊行仏の巨大な石像は、なんとも素朴というかゆるい感じのお姿なんですが、観光地開発の一環として、崖の一面にレーザー光線で掘られたそうです。

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カオ・グーの中にはいくつかの洞窟があり、洞窟内には古くから信仰の場として仏像が安置されています。
ここは上記の遊行仏の崖からほど近い「タム・ルーシー(ถ้ำฤาษี)」という洞窟です。
中央の仏像を見たとき、一瞬不謹慎ながら中指をお立てになっているのかと勘違いしてしまいました。不謹慎ついでに言うと、なんとも脱力系なお顔だなとも…。(罰当たりですみません)

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ラーチャブリー国立博物館(พิพิธภัณฑสถานแห่งชาติราชบุรี

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ラーチャブリー市内にある国立博物館へ立ち寄ってみました。
この博物館はラーチャブリー県の旧県庁舎を使用しており、ピンクの建物はとても可愛らしくて親しみがわきます。

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庭にはいくつかのオブジェがちりばめてあり、どれも芝生の緑に映えています。
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建物自体は決して大きくはなく展示物も何百・何千点とあるわけではありませんが、展示方法はシンプルで見やすく、こじんまりとしていながらも非常に好感の持てる博物館でした。

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砂岩に彫られた観音菩薩像をはじめ、展示されている仏像にはクメール様式のものも多く、かつてはこのあたり一帯までクメール帝国の支配下にあったことがよくわかります。

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ワット・マハータート・ウォーラウィハーン(วัดมหาธาตุวรวิหาร

 

ラーチャブリー国立博物館から1キロほど離れた場所にある「ワット・マハータート・ウォーラウィハーン」寺院へも参拝に行きました。
ここの仏像は背中合わせのペアになって鎮座しているのが特徴的です。その由来を書いたボードがあったので、読んでみました。
このワット・マハータート・ウォーラウィハーンは、古くから守護寺院としてほぼ町の中心部に建てられ崇められてきました。堂内に安置された背中合わせに東方向と西方向へお顔を向けた二体の仏像(พระมงคลบุรี)は、前後どちら側も災難や天災からお護りいただくというアユタヤー時代の人々の思想を反映しているものだそうです。

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また、この寺院にはトウモロコシ型のプラーン(仏塔)が見事ですが、ここにもクメール文化の影響を見ることができます。

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コウモリ寺へ(วัดเขาช่องพราน)

 

この日、本当はラーチャブリー市内で宿泊する予定でしたが(といっても私たちの週末旅行は事前にホテルを予約することはほとんどなく、その日の気分で当日宿泊場所を決めるのですが)、この日はなぜかラーチャブリー市内のホテルを検索してもどこも満室だったので、隣のナコンパトム県で宿泊することにしました。

ちなみに、それほど観光客が大挙して押し寄せるわけでもなさそうなラーチャブリーのホテルがどこも満室となっているのが不思議で観光局に聞いてみましたが、オペレーターの方もよく原因がわからず、「もしかしたら、今日は学生向けの全国一斉テストのようなものがあるからそれで宿泊所がおさえられているのかも知れませんけど・・・」とのことでした。

 

ともかく、ワット・マハータートを後にしてナコンパトムへ向けて北上したわけですが、途中、せっかくなのである有名スポットに立ち寄ることにしました。
ちょうど夕方日暮れ前だったので、タイミング的にも完璧です。

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そのお寺というのが、この「ワット・カオ・チョンプラーム(วัดเขาช่องพราน)」です。
一風どこにでもあるようなタイのお寺なんですが、駐車場や街灯のデザインがちょっと変です。

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そうなんです、このお寺は通称「コウモリ寺」とも呼ばれ、日暮れ時間になると1億とも言われる蝙蝠(コウモリ)がお寺の裏山の洞窟から一斉に飛び出して空を埋め尽くすことで有名なんです。

私がついたのがちょうど夕方6時前。お寺の境内のベンチに座っていると、数匹のコウモリがちらほらと西の空に向かって羽ばたいていきました。
そしてその後、しだいにコウモリの数が増えていき、数分後にはなんとコウモリの大群が空に黒い筋を描くようにうねり始めたのです。その姿はまるで巨大な黒い竜が形を変えながら大空を駆け巡っているような圧巻の光景でした。
これが1時間以上続くんですが、いったいどれだけのコウモリがあの山の中にいるのかと考えると不思議でたまりませんでした。私はずっと口が開きっぱなしでした。(笑)
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あの光景を見ていると、ふと絵本で読んだ「スイミー」を思い出しました。スイミーは小さな魚が大きな魚に負けないように体を寄せ合って大きな魚に変身したわけですが、ここではコウモリが巨大な飛龍となって空を羽ばたいています。

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地元の方の話によると、毎日たいてい6時から6時半くらいにかけてこのコウモリ大移動が始まるのだそうです。季節によって飛んでいく方向は違うらしいですが、コウモリは毎日夕方になると餌を求めて飛び立ち、朝方にまた洞窟に帰ってくるそうです。その洞窟の入り口はほんの1メートル程度の岩の裂け目だそうですが、帰りは渋滞しないんでしょうかね。戻る時はまちまちに帰ってくるのでしょうか。


お寺の裏から山道を上ってそのコウモリ洞窟の近くまで行けるそうですが、夕方には道が閉められてしまうので、残念ながらこの日はこの目で洞窟の入り口を確認することができませんでした。

 

おわりに

 

今回まわったのは、ラーチャブリー県の比較的バンコク(ナコンパトム)寄りの場所でしたが、朝から夕方までかけてそこそこじっくり楽しめました。
日帰りも可能ですが、できればラーチャブリーやナコンパトムで一泊していくつかの周辺観光スポットを一緒に行ってみるといいと思います。
ただ、観光場所が広い範囲に点在しているので、効率的に周るには自家用車かレンタカー、車のチャーターなどをしないと厳しいかもしれません。

個人的には、ぜひあのコウモリ版「スイミー」の姿をぜひ見ていただきたいです。

ではまた。