こんにちは、まなおです。
インド、バラナシ旅行の続きです。
インド大統領滞在(後から知る)で大混雑のバラナシ中心部から、なんとかホテルまで辿り着いた私たち。
迷路のような路地を歩き続けてきたので、方向感覚も若干ズレ気味。
細い道を曲がった先の行き止まりにホテルの看板が。
思っていたより古くて殺風景な外観に不安がよぎります・・・。
※Varanasiという地名の日本語表記には、バラナシ、ベナレス、ワーラーナシー、ワラナシ、ヴァーラーナシー、ヴァラナシなど様々な表記が見られますが、ここでは「バラナシ」に統一します。
チェックイン時の不安
『私たちが予約したのは、ガンジス川沿いのガート(階段状になった沐浴場)前にそびえ立つ城塞のようなホテルで、そこのテラスからの景色が売りの部屋のはずでは・・・?』
歩いてきた路地の行き止まりに現れた、オシャレさ皆無の殺風景な建物。
上を見上げても、せいぜい3階建てくらいの高さしかないんです。
内心、なんだかガッカリ感を覚えながらも、今さらどうしようもないので、とりあえずフロントに向かいます。
ちょっと薄暗いゲストハウス的なフロントで、愛想の良いスタッフが迎えてくれました。
プリントしてきたホテルバウチャーとパスポートを提示すると、
「あれ、日本人なんですね!タイの住所だから、てっきりタイ人かと思ってました」と。
少しの雑談後、クレジットカードでの支払い(JCBも使えました)をしている途中で、
フロントスタッフの一言にフリーズしてしまいます。
「今日のあなたたちの部屋は、とっても小さい部屋です!」
サインをする手を止め、慌ててバウチャーを指さして、
「えっ、私たちが予約したのは、このスイート・・・」
むきになって抗議しようと顔を上げると、
「はい、ガンガービューのいいお部屋です」
フロントにいた2人のスタッフは、ニコニコ微笑みながら答えます。
「・・・・・」
は?
一瞬、よく飲み込めなかったのですが、
隣の友人が、『冗談だったみたいよ』と小声で教えてくれました。
私はカードの署名をしようと下を向いていたため、
彼らの表情が見えなかったというのもあるんですが、
その冗談、わかりづらっ!
その後、「今、部屋の準備をしているからあと3分ほど待ってください」と言われ、ソファーに座って出してもらった水を飲みながら待っていました。
するとそこに若い男性のスタッフがやってきて、
「どちらから来られましたか?」と英語で聞いてきました。
私はタイのバンコクからで、友人は日本から来たと告げると、
「日本のどちらからですか?」と友人の方を向いて聞いてきます。
友人が『どこって、地方都市の名前を言っても、きっとわかんないよね・・・』
と、ぼそっと言うので、
私は「まあ、適当に東京とかでいいんじゃない?」と友人に向かって言ったら、
「てきとうにこたえるのは、よくないよ」
( ゚д゚)
急に流暢な日本語で話し出すじゃないですか!
「ええー、日本語話せるんだ」
友人とふたりしてびっくりするのと同時に、気恥ずかしくなってしまいました。
そうですね、わからないだろうからと適当なことを言うのは失礼ですよね・・・。(反省)
そこから日本語での会話が続きます。
日本に行ったことがないのに、これほどよどみなく日本人と会話を続けられる能力に驚き、日本に行ったことがないのに「成田空港より羽田空港のほうがきれいでいいね」とか「鹿児島とか福岡は好きな町」とか言うことに多少の疑問を覚えたりしながら・・・。
また、長澤まさみさんが、ドラマ「ガンジス河でバタフライ」のロケに来た時は案内を(出演も?)したらしく、彼女と一緒に撮った写真を見せてくれたりしましたが、そのツーショット写真の少年は紛れもなく数年前のこの青年の面影で、まんざら嘘でもないのだと思ったり。
1階なのに絶景なわけ?
日本語でいろいろ話しながら、その青年が部屋まで案内してくれました。
てっきり上階に行くのかと思っていたら、フロントから外に出てそのまま路地を挟んだ建物の1階に進みます。
そして、まさかと思っていましたが、1階の廊下で立ち止まり、ある部屋のドアを開けようとします。
この時点で、「騙されたかも」という気分が最高潮に。
あのテラスがある予約サイトの写真はなんだったのかと・・・。
ガチャ。
鍵を外してドアを開けます。
へ?
なにこれ。
リビングルームの奥に丸い部屋、丸いベッドに明るい窓。
その明るい部屋のドアを青年が開けた瞬間、思わず声が出てしまいました。
うわっ!
すごーい!!
目の前にガンガーの流れが広がり、眼下には(うまいこといってみた)ガートを行き交う人々の小さな姿が!
これは絶景!
(でも、テラスの手すりが低すぎて怖いっ!)
なんで1階から入ってきたのに、こんな高い位置の部屋になっているわけ?
と、一瞬わけがわかりませんでした。
その答えは、このあたりのガンジス川西岸が、切り立った高台のような地形になっている(というか、ガンジス川が低い位置にある)からで、そう言えば、こういう地形のことを河岸段丘というのではなかったですかね。
タモさんならわかりやすく教えてくれそうです。(笑)
その崖を利用するように、かつて王侯貴族や富豪たちが館を築いたようです。
聖なるガンガーに一番近く見晴らしのいい場所に、我こそはと競って館を建てたのでしょうね。このホテルもそういった古いお屋敷のひとつらしいのです。
どうですか、この景色。
その日は、あいにく靄(もや)がかかってかすんでしまっていますが、こういうのもまた幻想的で素敵です。
ちなみに、これがガンジス川縁から見た私たちのホテルです。
ホテルのすぐ下のガート(沐浴場)が、チャウサティー・ガート(チョウサッティ・ガット:Chousatti Ghat)です。
もっとも有名で多くの人で賑わうダシャーシュワメード・ガート(Dachashwamedh Ghat)も歩いてすぐです。
丸い尖塔状の建物の上部にあるピンク色のバルコニーが宿泊した部屋なんですが、下から見上げるとかなり高い位置にあるのがわかります。
日本語ペラペラの青年スタッフは、一通り部屋の設備の説明をしてくれた後、
「ベランダのドアや窓は、出かける時には必ず閉めてね。そうしないと猿が勝手に部屋に入ってきて食べものをあさったり物を取って行ったりするから」
という注意を付け加えました。
そう言えば、隣の建物の屋根に数匹の猿が歩いているのが見えます。
また、バラナシの主な観光地の説明やボート見物の方法なども、ざっくりと日本語で紹介してくれ、もしこのあたりを効率よく散歩したかったら案内してあげるとも言ってくれました。(もちろん、案内料としてチップを払う必要はあるのでしょうが)
ラッキーナンバー!?
ベランダからの絶景を眺めながら、日本語ペラペラ青年の説明に耳を傾けていると、
先ほどのフロントスタッフが興奮気味に部屋に入ってきました。
手には、私のパスポートのコピーが握られています。
「ほら、これを見て!
あなたの誕生日は18日。そしてパスポートの発行日も有効期限も18日!
(実は、日にちだけでなく月も誕生日と同じです)
さらに、今日は18日!
なんてラッキーな数字なんだ!!」
と嬉しそうに叫びます。
まあ、そういわれてみれば確かに・・・。
私も、とりあえず大げさに喜んでおきました。(笑)
「それだけを伝えたかったんです!」といって彼は去って行きました。
なんだかよくわからないけれど、
今回のバラナシ滞在がラッキーなものになるといいな。
そう思いました。
ではまた。