siam manao-life

バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

別所温泉の古刹「安楽寺」で坐禅体験(長野・上田市別所温泉)

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今年の夏休み一時帰国は長野県を旅行しておりまして、信州の奥座敷「別所温泉」にも投宿しました。
その別所温泉の温泉街からほど近い山間のお寺「安楽寺」は曹洞宗の古刹で、非常に美しい国宝の三重塔があることで有名ですが、早朝に坐禅体験もできるということで参加してきました。



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安楽寺について

長野県上田市の塩田平別所温泉あたりは「信州の鎌倉」とも呼ばれ、歴史ある温泉や古い神社仏閣が点在することでも有名です。
安楽寺もそのひとつで、鎌倉の建長寺とゆかりが深く、古くは臨済宗の寺院だったのが、後に同じ禅宗である曹洞宗に改められたそうです。

境内の山腹には、国宝に認定されている八角三重塔が建っています。





<寺院情報>
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曹洞宗 崇福山・安楽寺

SOTO-SECT ANRAKUJI TEMPLE

所在地:〒386-1431 長野県上田市別所温泉2361
    2361 Bessho Onsen, Ueda-shi, Nagano, Japan 386-1431
TEL:+81 0268-38-2062
URL:
https://anrakuji.com/

時間:08:00-17:00
拝観料:300円(八角三重塔)
駐車場:山門階段下に無料駐車場あり
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黒門

別所温泉の一角、北向観音の参道から少し歩いたところに、立派な寺門がありました。


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崇福山(そうふくざん)」と書いてあり、ここからが安楽寺の境内となるようです。
江戸時代に建てられた門らしいです。



蓮池

黒門を入ってしばらくいくと、青々とした蓮池が広がっていました。
白に淡い桃色が入った、可憐で立派な蓮の花が咲いています。

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こんなに大きく開花した蓮の花を間近に見るのは久しぶりです。
(普段タイではお供え用の蕾の蓮ばかり見ているのです)

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しばらく見惚れていました。

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山門

蓮池を過ぎて大きく右に曲がると正面に山門へ続く石段が見えました。
この階段の両脇に植わっているのは、杉と翌桧(あすなろ)の木だそうです。

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緑深くシンとした雰囲気は、下界から聖域へといざなわれるようです。
蝉が頭上で鳴いていました。

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本堂・鐘楼

山門をくぐると正面に本堂、右手に立派な鐘楼が見えました。
私の好きな夏の花、百日紅(さるすべり)も咲いています。

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鐘楼は和様と禅宗様の折衷様式で、下層が末広がりになっている袴腰鐘楼というらしいです。


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本堂に入ると重厚な屋根の下、ひんやりとした空気が漂っていました。
ご本尊は釈迦牟尼仏、脇侍は文殊菩薩と普賢菩薩がお祀りされています。

本堂の前では、桔梗が朝露に濡れていました。

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国宝「八角三重塔」

本堂裏手の山腹には、国宝に指定されている、禅宗様(唐様)建築の美しい八角三重塔があります。
この三重塔はぜひ拝見しておきたかったのです。

参拝料300円を払って山道の階段を上がっていきます。


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途中、経蔵や六地蔵などを通り過ぎて杉木立の上を見上げると見えてきました。
立派な木造建築です。

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階段を登り切って近くで眺めると圧巻です。

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放射線状に広がった八角形の屋根と垂木の美しいこと!

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「この造形美、間違いなく国宝だわ」
なんて、偉そうに心の中で呟いてみたり。(笑)

長野県の「国宝第一号」だそうです。

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ところで、この塔を見て「四重の塔じゃない?」と思われた方、おられますよね?
私もそうでした。

寺院の説明によると、確かに以前は四重塔と考えられたこともあったそうです。
ただ、昭和27年に国宝と認定された際の見解では、一番下の屋根に見えるところは、ひさし的な「裳階(もこし)」であるとされたため、八角三重塔ということになっているそうです。

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いずれにしてもこの重厚な佇まい、最高です。



朝の坐禅体験

別所温泉の情報を事前に調べていた際に、安楽寺のウェブサイトにもたどり着き、そこで坐禅体験ができることを知りました。
坐禅には多少なりとも興味のある私は、せっかくの機会ですから、この坐禅体験に参加したいと申し込むことにしました。

■朝の6時から6時30分まで
■体験料500円
■希望日の5日前までに電話で申し込み
■冬季はなし
■20名まで可

詳細は安楽寺さんのウェブサイトでご確認ください。
https://anrakuji.com/index.html



当日、6時に本堂前集合とのことで、まだ静まり返っている温泉街をぶらぶら歩いてお寺へ向かいました。
その日の参加者は、私の他に2名、合計3名での坐禅体験となりました。

6時少し前に副住職さんがお出ましになって、簡単な説明の後、本堂手前左側にある坐禅堂へと案内していただきました。


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上の坐禅堂正面の写真は後で撮ったものです。
坐禅体験中はカメラもスマホもしまっていたため写真はありませんので、ご了承ください。

この副住職さんが坐禅体験の指導をしてくださったのですが、初心者にもわかりやすく丁寧に教えてくださいました。
(もちろん本格的な修行ではないので、あくまで『さわり』ということでしょうが)

坐禅用の座布団(坐蒲)の整え方、座り方、合掌の仕方、畳(単)への上がり方、手の置き方、などなど、普段の生活ではなかなか行わない所作を静かに丁寧に行っていきます。

実は私、数年前に同じ曹洞宗の別のお寺で参禅体験(お寺で1泊して坐禅を行う)をしたことがあるのですが、いろいろ忘れていることが多くて(ダメじゃん!)、まるで初めての坐禅体験のようにひとつひとつ教えを乞いました。

シンとした堂内、漂うお香の匂い、微かに聞こえる蝉の声。

正直、集中しようとしても、いろんな雑念が頭に浮かんでくるのですが、坐禅初心者の私には、こうして静かに座っているだけでも、しだいに心が落ち着いてくる気がして、良い時間を過ごせたと思います。

今回は体験ということで、坐禅を組んでいたのはほんの20分ほどの時間だったものの、かなりリラックス効果を実感しました。

副住職さんも「1日ほんの5分、10分でもいいから、心静かに瞑想することはとても良いこと」とおっしゃってました。

ちなみに、この副住職さん、イケメンでとてもよく通る美声の持ち主でした。
やはり普段の読経とか姿勢の良さ、腹式呼吸によるものなんでしょうか。
(僧侶に対してイケメンなんて失礼ですね、申し訳ありません)


坐禅体験の後、副住職さんに少しお話を伺ったのですが、安楽寺のご住職(お父様)は「シャンティ国際ボランティア会」というボランティア団体の代表も兼ねておられ、「本の力を、生きる力に。」という、本を通した学びが生きる力となることを主眼に、世界の恵まれない子どもたちに学び・教育の機会を与える活動をされているようです。
タイにも拠点があり、活動を行っているとのことでした。

公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA) | アジアの子どもに教育を。本を通じて世界が拓ける


些細なことでも、思いがけない場所でタイとの繋がりを感じると嬉しいものです。


以上、別所温泉の山間にある古刹「安楽寺」で坐禅体験をしてきた話でした。



ではまた。