生まれ持った性分だとか、幼少期に培われた性格だとかいうのは、なかなか変えられないもので、タイ生活がずいぶん長くなった今でも、我ながら呆れるほど「相変わらずだな」と思うことがあります。
基本的にわりと心配症で用意周到にものごとを進めたい性分の私。
(ただし、すべてのことに対してというわけではなく、ある部分ではルーズで適当すぎる面もあります)
日本にいた時から、例えば、交通機関の乗り換えのシミュレーションや訪問先の下見ということはよくするほうでした。
交通機関に関しては、さすがにタイでは時間通りというわけにはいかないし、そもそも時刻表なんかない交通手段もたくさんあるので、余裕を見て時間配分をしたり、時には予定をあきらめたりしたりもするわけですが、私の用意周到な性格の些細な例としては、バイクタクシーやバスを利用する際には、乗る前の待っている時点からちょうどの運賃をきちんと手に握りしめていたり、同じ路線のバスでもエアコンの有無で値段が違う可能性がある場合は、いずれのバスが来たとしてもすぐに払える小銭をあらかじめ準備していたりということを無意識のうちにしている、そんな人間なんです。笑
思うに、たぶんとっさのことに慌てたり人前でうろたえたりすることが嫌なんでしょうね。
まあ、小心者なんだと思います。
先日、そんな私が「タイでは、行き当たりばったりの方がストレスなくものごとが進むこともあるなぁ」と感じた出来事がありました。
その日、私は午後会社を休んで友人と出かけることになっていました。
きちんと会社のルールに従って事前に休暇の許可をもらっているので、別にやましく思うことはないのですが、なんとなく会社に「お出かけ荷物」を持っていくのが嫌で、出勤前に駅のロッカーに預けておくことにしました。
そこで発動したのが、私の(変な)周到さでした。
ひと昔前はタイにコインロッカーみたいなものはなかったのですが、今はバンコクの主要駅やデパートなどでよく見かけるようになりました。
重い荷物を持ち歩きたくない旅行者や今回の私のように一時的に荷物を保管しておきたい場合なんかに便利です。
今までこのコインロッカーを実際に利用したことがない私は、だいたいの使い方は想像できるものの、念のためにロッカー会社のサイト(Facebook)や利用した方のブログなどで詳細を調べておくことにしました。
そうすると、アプリでロッカーの事前予約ができることがわかりました。
『でも予約必要だろうか?』
私が使いたいロッカーが普段どれくらい利用されているのかわからないけれど、おそらく空きがなくなるということはないように思われます。
また、事前予約する場合は、別途予約料金が上乗せされるんです。(たしか60バーツ)
だから、頭の中で90%は『予約など必要ない、大丈夫だ』と判断しているのです。
でも、10%が楽観することを拒むのです。
『万が一、当日の朝に空きがなかったら焦るでしょ?困るでしょ?』と。
そして、結局、私は予約するんですよね。汗
そのほうが安心だから。
お出かけの初っ端からつまづきたくないんです。
かくして準備万端で迎えた当日の朝。
予約しておいた8時30分の15分前には駅について、コインロッカーへと向かいました。
『少し早くても預けられるのかなあ?』なんて思いながら。
そしたら
なんじゃごらぁーーーーーー!
操作画面がエラーになっとるやないかーーーーーい!
とりあえず、タッチパネルを押しまくってみてもうんともせず、どこかにリセットボタンのようなものがないか探しまくってみたりしましたが見当たらず。。。
よりによって、私が予約したこの朝に使えないなんてことある?と半泣きになりながら、画面横に書いてあったコールセンターに電話します。
自動音声を聞くのももどかしく、オペレーターに繋ぐ1番を押します。
「サービス向上のため会話は録音させていただきます。オペレーターにお繋ぎしますので少々お待ちください」みたいなお決まりのタイ語が流れ、待たされること1分ほど。
じーーー。
「ただいまオペレーターが全員応対中のため空いていません。そのままお待ちください。。。」という自動音声が流れた後、ぷちっ。
切れた!!!
ええええ。
再度同じ番号にかけ直し、同じ操作を繰り返すも、同じようにまた切れる!
それを3回繰り返したが、切れる。
ありえない!
こっちは、この後会社に行かなきゃならないのに、悠長にしてられないのです。
『予約時間の8時30分になれば、システムが回復して立ち上がったりするかも?』という、淡すぎる期待を抱いて待ってみましたが、当然そんな奇跡がおこるわけもなく。
再度、電話してみますが、自動音声に待たされたあげくやっぱり一方的に切られる。
ああああ、もう会社に向かわないと間に合わない。。。
ので、ロッカーを後にしながらアプリ内を検索していたら、どうやらLINEの連絡先があるようなので、速攻で友達追加。
(本当はあまりむやみにLINEに追加したくないんだけど背に腹は代えられない)
タイ語で状況を入力して、コールセンターも繋がらないことを説明し、ロッカー全体の画像やエラー画面の画像、ロッカーと駅の時計が一緒に収まっている写真(時間の証拠になるかなと)を添付して送信。
すると、既読になるじゃないですか。
しばらくして、返事が来ました。
ロッカー「こんにちは。お客様はどの電話番号にかけましたか?」
まなお「ロッカーの操作画面横に書いてある問い合わせ電話番号です」
ロッカー「自動音声で何番を押しましたか?1ですか?2ですか?3ですか?あと、何時何分にかけましたか?」
まなお「・・・」
いやいや、今はそこじゃないでしょうに。
と思いつつ、ぐっとこらえて、対話を続けました。
(結局、発信履歴のスクショも送信する律義な私)
「勤務時間が迫っているので既にロッカーの前から離れたんですが、ちなみにこの辺りに他のロッカーはありますか?」
と聞くと、ちょうど駅と会社との間くらいの場所にロッカーがあることがわかったので、そちらに向かうことにしました。
大きな荷物を背負いながら、汗だくで。。。
とりあえず、その別のコインロッカーに荷物を預けることができ、支払い済みの料金は後日銀行口座に返金してもらうことになりましたが、朝からいったい何の苦行でしょうか?
繋がらないコールセンターと、LINEでのやり取りにドッと疲れたわけです。
何より、万が一のためと思って(別料金まで払って)予約していたロッカーが、当日の朝に使えないとわかった時のショックが大きかったですね。
予約なんてせずに来たら、少なくともこれらのショック、問い合わせから返金手続きまでのやり取りでの疲労感を味わうことはなく、その場で近場の別のロッカーを探して終了となっていたんだろうなと思うと、余計に虚しさがこみあげてきたりしました。
とほほ。
まあ、これもよい経験だと思うしかないですね。
このようなことを書くと、『マイペンライ(気にしない/大丈夫)を基本とするタイ生活の中で、よくそんな性格でやっていけるな?』と思われるかも知れませんが、そこは先にも書いたように、私自身いい加減なところもたくさんあり、風任せ的な部分もあったりして、タイのマイペンライ文化が居心地いい側面も多分にあるわけです。
(マイペンライをネガティブな意味合いの文化と捉えているわけではありません、念のため)
てな感じで、心配症で几帳面な部分といい加減な部分との間で、うまく折り合いをつけて日々暮らしております。
ちなみに、かれこれ10日以上経ちましたが、いまだに返金はされていません。笑
7日~14日と言っていたのでもうしばらく待ってみます。
※営業日13日目の夜に無事返金されました(2024年2月7日追記)
ではまた。