こんにちは、まなおです。
現在、バンコクをはじめとするタイの主要都市では外食が禁止されており、テイクアウト、デリバリーの需要が高まっています。
私も普段よりは自炊を頑張ってはいるものの、スーパーで惣菜や弁当を買ったりテイクアウトやデリバリーに頼る機会が増えていることも事実です。
そういった中で、増えてくるのがプラスチック容器です。
(レジ袋やプラスチックバッグ不使用運動はどこいった?と思うくらい)
以前は食べ終わったらそのまま処分してしまうことが多かったのですが、最近なんとなくもったいないような気がしてきて、いくつかはきれいに洗って保管しています。
(全部ではありません)
それらの容器は、肥料や殺虫剤、土壌改良剤、種などの園芸用品の収納ボックスとして利用したり、薬味や野菜、ご飯、作り置きのおかず保存用の容器として使用したりしています。
食品の冷蔵や冷凍保存だけなら特に問題ないと思うのですが、ここ最近ふと気になったのが、電子レンジで加熱する場合です。
持ち帰り用のプラスチックボックスに小分け保存したご飯や煮物など、ずぼらな私は、基本的に冷蔵・冷凍した容器をそのまま電子レンジで温めることがほとんどでした。
もちろん、それらの容器に「Microwave Safe」という表記があることを確認した上でのことですが、先日大量に作ったカレーを保存しておこうと、取っておいたプラスチック容器に入れたところ、まだ少しカレー自体が熱かったこともあるのですが、その容器の底があまりにも薄くてペコペコした感じだったので不安になったんです。
「この容器本当に大丈夫?」
「プラスチック溶けてしまわない?」
で、さらっとではありますが、プラスチック製容器に関するタイ語の情報を調べてみました。
電子レンジ仕様が可能なプラスチック容器については、多くのサイトでだいたい以下のような説明がされていました。
- 容器に印字してある樹脂識別コードが5番ならOK
樹脂識別コードの5は、ポリプロピレン(PP)であり、耐熱温度は約140℃前後。(素材の含有量によって多少幅あり) - 「Microwave Safe」や「Microwavable」と印字されていればOK
- 電子レンジのマークが付いていればOK
なるほど。
って、まあ、だいたい想像していた通り。
ただ、ほとんどのサイトで、結局、気になることが書かれているのです。
あるサイトでは、電子レンジで使えるプラスチック容器の説明をした後、このように締め括っています。
「・・・いずれにしても、自身や身近な人々の健康上の安全のため、プラスチックの代わりに(金や銀の柄がない)陶器や耐熱ガラス製の容器を使うのが確実です」
(”เคลียร์ให้ชัด! พลาสติกแบบไหน (พอจะ) เข้าไมโครเวฟได้” https://today.line.me/th/v2/article/WXZo2R)
タイ政府の公的機関であるタイ国健康促進財団(タイヘルス)のサイトでは、以下のような記述もありました。
「Microwave Safe や Microwavable と書かれているプラスチック容器は、電子レンジの加熱で溶けたり割れたりすることはありません。ただし、身体に100%安全だということを意味しているわけではありません。高温利用することで化学物質がどれだけ溶け出してくるかなんて我々は知る由もなく、油分の多い食べ物の場合は親油性の物質が溶け出すことによる発癌の危険性もあります」
(สำนักงานกองทุนสนับสนุนการสร้างเสริมสุขภาพ (สสส.) Thai Health Promotion Foundation https://www.thaihealth.or.th/node/7784)
また、マヒドン大学薬学部のサイトでは以下のような記述がありました。
「工業基準局は、複数回加熱利用製品と1回のみの加熱製品とに分け、それぞれ電子レンジ用プラスチック容器に関する規格を規定しています。印字用インク、プラスチック本体の着色料、容器から溶け出す化学物質の量、プラスチックに含まれる金属といった安全面での特性や、耐熱性、耐衝撃性といった容器の耐久性などが規定されているのです。ですから、安全のためにも、消費者は、きちんと規格保証のある食器を使うようにしましょう」
(”พลาสติกแบบไหนที่สามารถเข้าไมโครเวฟได้” https://pharmacy.mahidol.ac.th/th/service-knowledge-article-info.php?id=572)
この中で、気になる点が2つありました。
ひとつ目は、同じプラスチック製品でも、複数回利用することを想定した容器と1度きりの利用を想定した容器では基準が違うということです。
恥ずかしながら知りませんでした。
確かに、よく考えたら、デパートやスーパーの食器売り場で販売されているタッパーとかお弁当箱のような容器と、テイクアウトやデリバリー用の容器では基準が違うのも当然ですよね。
実際に工業基準局の規定を読んではいませんが、後者の方が基準が緩いのだろうというのは想像に固くありません。
つまり、1回利用を想定したプラスチック容器の方がおそらく耐久性も低く、耐久性が低いということは、私のように何回も使いまわして電子レンジ利用すると劣化による有害物質の流出なんかの危険性も上がるということなんでしょうね。
ふたつ目は、『規格保証のある食器を使いましょう』って、そもそも、保証された製品の見分け方がわからないということなんですよね。
いや、これは工業基準局の資料を精読すればわかるのかも知れませんが、仮にわかったとして、例えば、容器についた規格マークや文字を信用していいのか?というところです。
<工業基準局の規格に関する資料>
https://www.tisi.go.th/data/standard/pdf/a2493_1_27042564.pdf
https://www.tisi.go.th/data/standard/pdf/a2493_2_27042564.pdf
もっとも、それを疑ったら話は終わり。議論の余地は無くなっちゃうわけですが、多くの分野で偽物やコピー商品が横行しているニュースを見聞きしたり、実際に騙された経験などからすると、やっぱり安心できないなと思ったわけです。
(あくまで個人の感想です)
ですから、今後は、加熱(や冷凍)を伴う食品の保存には信頼のおける店で買ったタッパーやプラスチック容器を使用することにし、持ち帰り用容器の使い回しは、園芸用品の仕分けや、野菜や薬味なんかの一時的な冷蔵保存程度に留めたいと思います。
というか、面倒がらずにできるだけ陶器のお皿や器に移し替えて温めなさいって話ですよね。
上記のボックスは、見た目も質感も安っぽい感じがするのに、しっかりと、樹脂識別コード(5)、MICROWAVE SAFE、食器マーク、おまけに日本語のプラスチック製容器包装識別マーク(「プラ」)まで入っています。(手に持って底から見ると文字が反転しているのですが、これは正解?)
以上、持ち帰り用プラスチック容器の使い回しで電子レンジ利用するのは気をつけましょうという自戒の話でした。
ではまた。