米を主食とする日本人やアジア人にとっての原風景、あるいは、郷愁を呼び起こす心象風景のような「棚田」を求めて訪れた、ベトナムのムーカンチャイ。
今回は、ムーカンチャイで泊った2つの素敵な宿についてお届けしたいと思います。
てっぺんの宿「Mu Cang Chai Big view homestay」
その日、8時間以上バスに揺られてムーカンチャイの宿にたどり着いたのは、西の山に日が沈み夜の帳が下りた頃でした。
ハノイのノイバイ空港からムーカンチャイまでのようすは、前回の記事をどうぞ。
そこは、小高い山の、思った以上にてっぺんに位置する宿でした。
人の良さそうなオーナーのバイクの後ろに乗せてもらい、細い急坂カーブのダート道をガンガン上っていく時は、タイで多少荒めの2人乗りに慣れているつもりの私でも息が止まりました。汗
この「Mu Cang Chai Big view homestay」はモン族の一家が営んでいる宿で、山々や棚田の素晴らしい景色が一番の売り。

部屋は、一応板で仕切られた個室仕様と、カーテンで仕切られたドミトリー仕様の2タイプがありました。
(もしかしたら、離れのような家もバンガロータイプの宿だったかも?)
私たちは個室を予約しており、1泊朝食付きで499Kドン(約2800円)と、そこそこリーズナブルな価格でした。

部屋はいたってシンプルなつくりながら、電源コンセントも蚊帳もあるし、施錠できて安心だし、私たちにとっては十分でした。
山の晩ごはん
本当はもう少し早めに着いて夕暮れの山々を鑑賞するつもりでいたのですが、途中ちょっとしたバスの遅延もあって辺りは暗くなっていたため、とりあえず荷物を置いて一休みをしたら、夕飯をいただくことに。
夕飯は宿泊費に含まれていないので、あらかじめ宿のオーナーに別途お願いしていました。
この時は、一人150Kドン(800円ちょっと)でしたが、時期やメニューによって多少変動するようです。
山の畑で採れたであろうたっぷりの野菜や、卵や豚肉を使った料理が提供されました。
素朴ながら、どれも多くの日本人の口に合うであろう優しい味付けでおいしかったです。
長旅の疲れを癒すために(ってほとんど寝てたんですけど)ビールもいっちゃいました。
あー、おいしい!
食事が終わったら、面倒にならないうちにシャワーです。笑
シャワーとトイレは共同なんですけど、それぞれ3つずつあってそれほど混雑もせず、山の宿にしては清潔なので、まったく問題なかったです。
もちろんホットシャワーだし、ドライヤーも備え付けられていました。
星空
山の景色を眺めながら星を撮ったり。


そういえば、麓の小学校あたりから夜更けまで賑やかな声が聞こえていたのが不思議でした。
何かイベントがあったのかもしれません。

朝のひととき
翌朝は、少し早起きをしてぼーっと景色を眺めていました。
昨夜は暗くなってからの到着だったのであまりよくわかりませんでしたが、こうして見ると改めて絶景だなと。


朝ごはんは、オムレツかスープヌードルかを聞かれたので、麺を頼んでみました。
この辺りでは定番らしいインスタント麺に卵が乗っかったものが出てきました。
シンプルで美味しい。


食後も引き続き庭でくつろぎます。



風や柔らかな日差しが心地よく、いつまでもロッキングチェアで寝ていたい気分でした。

本当に気持ちのいい宿。
そのままチェックアウトの11時までゆっくり過ごしたら、別の宿へと移動です。

実は、この宿に連泊したかったのですが、あいにく初日だけしか空室がなかったのです。
もてなしが最高!「Hello Mu Cang Chai Homestay」
連泊がかなわなかったため予約した別の宿への移動は、「Mu Cang Chai Big view homestay」のオーナーさんにバイクタクシーを手配してもらいました。
地図で確認すると約15キロ、山道なので30分くらいかかりそうです。
1人150Kドン(850円程度)でしたが、まあドアツードアで送ってもらえるのですから、ありがたくお願いすることに。
この日と翌日に2泊する宿は、「Hello Mu Cang Chai Homestay」というところで、ムーカンチャイの中心部からは少し離れており(ハノイ方面へ戻る感じ)、これまたメインの通りからはだいぶ山へ入っていったところにありました。
宿の坂道
最後の急坂を、エンジン唸らせながら上がったら到着!
と思ったら、そこは宿の駐車場。
(とうもろこしが一面に敷きつめられていました)
どうやら、この先は宿まで徒歩で200メートルほど上がっていかなければならいもよう…。
微妙にドアツードアではありませんでした。笑
その坂がめちゃくちゃ急で、気が遠くなりそうでした。
休み休み、景色を楽しみながらゆっくり上るしかありません。
後から思えば、宿の方に連絡して荷物を運んでもらうことも可能でしたが、その時はそんなことは頭に浮かびませんでした。
ちなみに、宿の人だけはこの急坂をバイクで行き来しているようですが、たしかに慣れない人がここを運転するのは危険極まりないかと。
汗だくになって坂を上ると、宿のテラスに到着。
山々や棚田を望むいい景色です。
まだ11時半過ぎでチェックイン時間には早かったのですが、宿のお母さんは食堂へと案内してくれ、そこでお茶を出してくれました。
このお母さん(といっても私より確実に年下ですが)、とても気さくで英語も堪能。
笑顔が素敵で、いつもモン族の民族衣装を身に着けています。
まずは、バイクレンタルの手配をお願いしました。
半日100Kドン、一日200Kドンということで、その日の午後から翌日分を300Kドン(約1650円)で借りることに。
(ガソリンは必要なだけ自分で入れてとのこと)
それから、夕飯は宿で食べたかったので、2人分お願いしておきました。
部屋
おそらく急いで部屋の準備をしてくれたのでしょう。
12時には部屋に入ることができました。
8番のバンガローだったのですが、部屋もバスルームも広くてよかったです。
たっぷりの熱いお湯が出たのはうれしかったですね。


ベランダからは棚田も見えました。

夕飯はミニ宴会
午後は借りたバイクで有名な棚田をいくつかまわり、18時過ぎに部屋に戻ってきてシャワーを浴びたら夕飯の時間です。
(棚田めぐりはまた別の記事にまとめたいと思います)
この宿の夕飯、とてもボリュームがあって美味しかったです。
なにより、オーナーご夫婦のもてなしがあたたかくて感激しました。
ここは、宿で夕飯を食べることを強くおすすめします。
時期や内容にもよるかもしれませんが、私たちが滞在した時は2日ともすごくボリュームがあって、1人150Kドン(800円ちょっと)でした。
19時に食堂へ行くと、テーブルに部屋番号が書いてあって、なんだか日本の山小屋とかで食事をするような気分にもなりました。
各テーブルに置かれた、なにやら竹の筒がささった瓶。
これ、たぶん自家製のお酒なんですね。
(給仕をしてくれる女の子に聞いたらローカルワインと言っていましたが…)
筒の先の小さな穴からお酒をショットグラスに注いで飲みます。
(女の子が手本を見せてくれました)
タイのヤードン(ラオカオ)みたいな感じ?わりと強めです。
ここの食事、本当に食べきれないくらいたくさん出てきます。
これ、タイだったら確実に4~5人分の量かと…



食堂のテーブルはほぼ満席になっていたので、ここに泊まる人たちはほぼ全員宿で食事をとるんでしょうね。
夜はくつろぐだけの山の滞在だし、急いで食べきれないこともあり、ビールも注文しつつゆっくり食事を楽しんでいると、宿のオーナー(ご主人)が各テーブルを挨拶に回ってきました。ショットグラスを片手に。
「よく泊まりに来てくれました。ありがとう。どちらから?」
って、例のお酒を私たちのグラスに注いでくれた後、3人で乾杯しました。
(私が日本人だとわかると、本当に「かんぱい!」って言ってくれたんです)
各テーブルを回り終えると、ご主人も興が乗ってきたのか、水牛の角に入ったお酒を持ってきて、今度は酒豪大会みたいなのがはじまりました。
水牛の角を片手で持って高らかに掲げ、口を開けて角の先から流れ落ちるお酒を、飲めるだけ飲む。注がれている秒数をみんなで数える。みたいな狂ったやつ。笑
これが大盛り上がり。
私はさすがに断りましたが、だいたい5~6秒くらいがほとんどの中、20秒近く飲み続けている猛者(欧米人でした)もいたりして、拍手喝采。
そんな宴もたけなわとなってきた頃。
料理がひと段落したのでしょう、お母さんも各テーブルに挨拶に来てくれました。
もちろんショットグラスを持って。笑
ここの人たちって、お酒に強いんでしょうね。
(ちなみにこのお酒、サービスなのか、一切チャージされていませんでした)
私自身、あまり大勢の人と宴会とかパーティー的なことが得意なほうではないのですが、なぜかここの夕飯は楽しくて、とてもいい時間だったなと思えました。
それもこのオーナー夫婦の人柄(楽しませようとするけど強要もしない)とか宿の雰囲気のおかげなんでしょう。
1日目の夕飯の後、2日目も宿で食べようと即決しました。
星空撮影
楽しい夕飯の後は、星空の時間。
この辺りは光害も少なく、星がきれいに見えそうだと期待していました。
快晴ってほどではありませんでしたが、2日とも夜半前までは雲が晴れる時間もあったりしたので、美しい天の川を眺めることができました。
ちなみに、久しぶりの星空撮影ということもあって(言い訳)、初日は曇り予防用のレンズヒーターを装着するのを忘れるという基本的な失敗もしたりしました。
(タイムラプス用のインターバル撮影を始めて数分後に気づいたのですが、まあいっかと放置していたら、案の定、数時間後みごとにレンズが曇っちゃいました)
あと、2日目の夜は棚田で数人のひとたちが夜中まで何やら作業をしていたので、そのライトがわりと目立ったのですが、まあそれも動画のアクセントとしておもしろいかなと思ったり。
こうして夜は更けていきました。
あけぼの
朝の雰囲気もとてもよかったです。
宿手前にある、あの急坂脇の棚田から眺める朝日も、いとをかし。

テラスから見る雲海も、いとをかし。
今回、ムーカンチャイで泊った宿はいずれも、かつてJICAの海外協力隊員をされていた方のサイトで紹介されていたところでしたが、実際に泊まってみて本当によかったです。ありがとうございます。
写真スポットがいっぱいの宿! 「Mù Cang Chải Big View Homestay」 | ベトナム ムーカンチャイの歩き方
モン族オーナーが経営するホームステイ「Hello Mu Cang Chai Homestay」 | ベトナム ムーカンチャイの歩き方
もちろん他にもたくさんいい宿はあると思いますが、参考になれば幸いです。
棚田めぐりなどの続きは、次回に。
ではまた。