絶景の棚田を求めて向かったベトナムの秘境「ムーカンチャイ」
今回はいよいよ棚田めぐりへと出かけます。
(訪問時期:2025年9月18~21日)
今までの記事はこちらからどうぞ。

ガソリンを探して
ムーカンチャイ2日目。
バイクで棚田めぐりをしたかった私たちは、宿にバイクの手配をお願いしていました。
「13時には下の駐車場に鍵を差したバイクが置いてあるはずだから、それに乗って行って!」
と宿のお母さん。
レンタル料金は1日半で300Kドン(約1700円)、ガソリンは必要な分だけ自分で入れるシステム。
私たちは1台しか借りず、2人乗りでだいたいの場所へは行けましたが、一部、あまりにも急こう配の坂は一人が下りて歩いたり、訪問をあきらめた場所もありました。
心配な場合は、それぞれ1台借りるとか、1台なら新しくて馬力のあるバイクを借りたほうがいいと思います。
※ムーカンチャイの有名な棚田の中には、道が細すぎて自動車が入れない場所があることや、スケジュールの都合上、今回私たちはバイクをレンタルして訪れましたが、現地でのバイクの運転をおすすめしているわけではありません。
右側通行など日本とは異なる交通ルールや、急坂や急カーブといった道路事情もあるので、バイクをレンタルして運転する場合は、現地の規則を守ってくれぐれも安全運転を心がけていただければと思います。
また、現地でバイクタクシーを利用される場合も、中には荒い運転をする人もいたりするので、ヘルメットをかぶってしっかりベルトやバーを掴むなど、安全にお気を付けください。

13時過ぎに宿の坂道を降りて駐車場に着くと、宿のお母さんが言った通り、鍵がささったままのバイクが置いてありました。
この辺りは治安がいいんでしょうね。
早速バイクに乗って山を下っていきます。
大通りに出たところで、とりあえず腹ごしらえ。
迷ったときはとりあえずフォー!みたいな。笑
言葉が通じなくても、なんとなく指差しでいけますしね。
ここの麺は丸くてもちもちしてました。
量もたっぷりで30Kドン(約170円)
ランチを済ませたら、とりあえずガソリンを入れなければなりません。
メーターはすでに一番左に振り切っており、あとどのくらい持つのか…。
タイだと、こういう山間部の村では商店みたいなところで瓶にガソリンを入れて売ってたりするのですが、ベトナムではどうなんでしょう?
日用品を売っている雑貨店みたいなところや金物屋みたいなところをいくつかのぞいてみましたが、それらしきものは見当たらず。
とある携帯ショップで、友人がグーグル翻訳したベトナム語を店員さんに見せると、少し先のバイクの修理屋っぽい店を指さしました。
『そっか、確かにバイク関連だもんな』と思ってその店に行き、中にいたおじさんに同じ画面を見せると、わかってくれました。
で、出てきたのが、エンジンオイル!
あれ?友よ、もしかして、タイ語で「ナムマン(น้ำมัน)」って書いた?
たしかに口語ではガソリンのことをナムマンって言うんだけど、基本、ナンマンは「オイル」「油」を意味する言葉ですからね。
自動翻訳が間違うのも無理ありません。
ということで、エンジンオイルのことではないと謝りつつ、今度は私の携帯で日本語(ガソリン)からの翻訳画面を見せてみます。
そうしたら、どうやら理解できたようで、ずっと向こうの方だと指さしてくれました。
※ちなみに、後日、タイ語を「ナムマンベンジン(น้ำมันเบนซิน)」(いわゆる日本でいうガソリン)で試してみたら、ちゃんとした翻訳になりました。
そのずっと向こうの方がどこなのか、何の店でどれくらい距離があるのかはわからないものの、とりあえず、そっちの方向へ行ってみます。
しばらく行って、また別の人に画面を見せたら、まだ先を指さします。
どの店のことを言ってるのか、あいかわらず理解できないまま、とりあえず進んでいきます。
商店もまばらになり、『もしかしてまた勘違いしている?』と多少の不安を覚えつつ集落のはずれのカーブを曲がると、なんと、普通にガソリンスタンドがありました。笑
どうやって頼めばいいのかわからなかったので、とりあえず50Kドン紙幣(約280円)を一枚取り出して、お兄さんに「これで!」と渡したらわかってくれました。
たしか2リットルちょっと入ったのですが、なぜかメーターは一気に満タン近くになったので、もしかしたら元々わりと入っていたのかも?(メーターがおかしい可能性も)
いずれにしても、1.5日で村周辺をまわるには十分な量なのでよし。
丸いお盆の棚田「Mâm Xôi」
ガソリンも使い切れないくらいたっぷり入れたし、さっそく棚田めぐりを開始します。
ムーカンチャイには無数の棚田が存在するのですが、その中でも観光客によく知られた有名な棚田スポットがいくつかあります。
まずは、マムソイ(Mâm Xôi)という棚田へ向かいました。
途中、渓谷沿いにはこんな素晴らしい棚田も普通に点在しています。

しばらく行くと、マムソイ棚田の入り口に到着。
バイクタクシーがたくさん待機しており、まずここで入場料を支払います。(40Kドン×2人)
有名スポットは、このように入場料的なものや、別途駐車場代などを徴収されることがほとんどです。
時期によっても若干価格が違ったりするようです。


この先は一般車両(4輪)は入場できないので、車や徒歩で来た場合、ここでバイクタクシーに乗って上の棚田まで行く人がほとんどです。
私たちのように自分でバイクを運転してきた人は、そのままバイクで入っていきます。
もちろん、トレッキング感覚で徒歩で行く人もいます。
かなりの急こう配で、私たちのバイクは2人乗りでも勢いをつければなんとか行けたものの、歩行者を避けたり降りてくるバイクとのすれ違いにより途中で止まろうものなら、アクセル全開にしても前に進んでくれず、1人は一旦降りてしばらく歩くみたいなことをしなければなりませんでした。
そんなこんなで急坂を上がっていくと、すばらしい棚田の景色が開けてきました。
たくさんの人でにぎわっている一角を通り過ぎて、とりあえずもう少し先まで。
そこには小さな木の展望台がありました。
欧米人カップルが1組しかいなかったので、まずはここから景色を眺めることにしました。
入場料として1人10Kドン(約60円)払って、棚田の中へと入っていきました。
ここ、円形の棚田を見下ろす絶好の場所でした。
この景色が見たかったんです!
ムーカンチャイといえば必ず出てくる絶景棚田スポットのひとつ。
マムソイ(Mâm Xôi)というのは、もち米(おこわ)のお盆というような意味らしく、美しい稲穂とあぜ道が、まさにお盆のようなすばらしい景観を形成していました。
感動!
下には、先ほど走ってきた渓谷沿いの道も見えます。
しばらく景色を堪能してから「お盆」へいってみることにしました。
上がってくる途中、人でにぎわっていたところがお盆棚田への入り口で、ここでは駐車場代として10Kドンを支払ってバイクを停めました。
坂道を歩いて少し下り、お盆へ向かうあぜ道を進んで行きます。

このあぜ道、人ひとりがようやく歩けるくらいの幅しかないのです。
だから、本当は一方通行でないとダメなんですけど、そこはみなさん自由な感じなので(特にルールとして明記されているわけでもない)、向こう側から歩いて来る人と遭遇することもあります。
そんな時はどうするか?
人がすれ違える踊り場的なところまでどちらかが後退して相手に道を譲る。
というのが一番シンプルな解決法。
ただ、円の真ん中あたりでかち合った場合は、どちらも踊り場までとても距離があって後退したくないということになります。
かといって、無理にすれ違おうとすると、どちらかがバランスを崩して確実に田んぼの泥水に落ちてしまうわけです。
だから、そういう場合は、片方の人がしゃがんでじっとする。そして、もう一人がしゃがんだ人の肩を手で押さえながら背中を跨ぐという方法をとるのです。
この方法を目にしたときは「なるほどー!」と感心しましたが、そんな方法を知らない観光客がほとんどですから、結局、みんなどちらかが折れて引き返すということにならざるを得ず、棚田渋滞が発生していました。笑
いやー、でも素晴らしい。
私たちが訪れたのは9月半ばで、このマムソイの棚田はまだ少し緑色の稲穂でしたが、9月下旬か10月頭には黄金の景色となるのでしょうね。
棚田ランチ
3日目のランチは、棚田ビューがすてきな食堂(カフェ?)でいただきました。
ここは、2024年にオープンしたばかりのムーカンチャイ唯一の5つ星高級リゾート「Garrya Mù Cang Chải」ホテルのすぐ近くです。
実は、Gayyaホテルでお茶でもしようと行ったら宿泊客のみと門前払いをくらったので、リゾートの向かいにあるこちらに入ってみました。
Lê Tâm Cafe
この食堂、棚田ビューがすばらしかったです。

テラスの目の前に広がる棚田と青い空。
もう、さわやかすぎて。

あと、チャーハンが私好みでした。
このお店、休憩やランチを兼ねて棚田を堪能するのにおすすめです。
恐竜の背に乗りに
ランチでゆっくりした後は、ムーカンチャイの中でも少し変わった絶景ポイントに行ってみることにしました。
なんでも、「恐竜の背中」(Sống Lưng Khủng Long)と呼ばれる場所があり、隆起した岩が連なっている様子は恐竜の背中を連想させるそうで、そこからは山々と棚田のダイナミックな景色が堪能できるとか。
ちょっとワクワクしますよね。
そんなワクワク感からか、バイクに乗りながらDr.コトー診療所のあの歌をずっと口ずさんでしまいました。
銀の龍の〜♪
背に乗って〜♪
それ龍やん!って自分でもツッコミつつも、なぜかこの曲が頭をぐるぐると回り続けました。
『連なる岩に跨ったアングルで写真撮ったら、BGMはこれにするんだー』なんて考えていましたもん。笑
あらかじめGoogleマップでピン留めしてあったのですが、大通りから分け入る道が予想以上に小さい路地だったので、最初は行き過ぎてしまいました。
少し戻ってその路地を入って行くと、いきなり木の床の吊り橋が。
何が怖いかって、この木の床のあちこちに穴が空いていて下の川が見えることです。
場所によっては20センチ幅の板がごっそり抜け落ちている箇所もあったりで、スリリングでした。汗
橋を渡るとそこからは棚田の道へと突入。
蛇行するダート道を一気に駆け上がります。
さあ、行こうぜ〜♪
銀の龍の〜、背に乗って〜♪
なんて盛り上がってたら、ゴゴゴゴゴゴ…
バイク止まりました。
このバイク、やっぱり少し古いのか馬力が足りないようで、急勾配もそうなんですが、常に蛇行する細い道なので、勢いに任せて上って行くってことができないんです。
カメラ機材背負った大人2人乗りですもんね…。
地図を確認するも、まだまだ距離はありそうだし、この先1人が歩いて上り続けるのも辛かったので、泣く泣く諦めることに…😭
しょんぼりしながら元来た道を下っていきました。
僕はこの非力を〜嘆いている〜♪ 涙
馬蹄の棚田「Móng Ngựa」
この日の夕方、最後に向かったのは、ムーカンチャイ随一のサンセットスポットとしても有名な棚田、モングア(Móng Ngựa)です。
このモングアというのは、蹄鉄(ていてつ)を意味します。
馬の蹄に装着する金具のことですね。
なぜそんな名前になっているのかは、この棚田を見ればすぐにわかります。(画像は後ほど)
ここはサンセットのビューポイントということだったので、夕暮れ時に必ず訪れようと決めていました。
恐竜の背中へ行き損ない、だいぶ時間が余ったので、ムーカンチャイ中心部のカフェでお茶して時間を潰すことに。
なかなかおしゃれな店もあるんですね。
なんて感心しながらスマホであれこれ情報収集していたら、モングア棚田について気になる情報が。
この棚田は夕日の人気スポットなので、15時過ぎには人がわんさか集まるとのこと。
え!15時からすでに混雑?
その日の「日の入り」時刻は18時過ぎだったので、最初はもっとゆっくり時間を潰してから行けばいいやと思っていたのですが、私たちも早めに移動することに。
結局、14時半には馬蹄棚田に到着しました。
大通りから分岐する入り口でバイク入場料(?)として10Kドン、棚田手前の駐車場で10Kドン、棚田への入場料として1人30Kドンを支払いました。
(2人合計で約280円程度)
そして、これがその馬蹄(蹄鉄)の棚田です。
確かにそのまんまですよね。
収穫間近のベストシーズン、しかも週末です。この時点でもたくさんの人が訪れています。
すでにベストなポジションに三脚を立てている人たちが数人。
私もその一角にお邪魔させていただき、結局、14時半過ぎからひたすら夕陽を待ち続けました。
(3時間半待機!)
15時過ぎには噂通りだんだん人も増えてきました。
ただ待っているだけではつまらないので、記念撮影に興じる人たちを観察したり、タイムラプスを撮ってみたり。


途中、狐の嫁入りのような雨にも降られて慌ててカメラにカバーをかけたりもしました。

これらの写真で薄々お気づきかと思いますが、この棚田ではできるだけ人を入れないように写真を撮るのが至難の業です。
というくらい、シーズンの夕暮れ時には人が訪れます。
17時を過ぎる頃には、もう足の踏み場もないくらいの人たちが。
それでも、山に夕陽が沈み、棚田の向こうの空が赤く染まる瞬間は、やっぱりとても感動的です。


大人気スポットゆえ、日が沈んだ後の帰り道は非常に混雑します。
一気にみんなが帰路につくため、山の細い急坂は大渋滞。
バイクなのに全然進みません。

私たちは、棚田から麓までのほんの1.5キロの距離を1時間かかって、泣きそうでした。
(これほど渋滞するのは珍しいとのことでしたが)
いやあ、これもまた忘れられない思い出になりました。
名もなき美しい棚田群「La Pán Tẩn」
最後にお届けする棚田は、我々が泊まった宿の近くにある気持ちの良い棚田群です。
特に名前があるわけではないようですが、La Pán Tẩnというエリアに広がる山村と棚田の風景が牧歌的で、とても気に入りました。
観光客は全くおらず、静かで天気も良かったので、1時間くらいボーっと過ごしました。
この場所に至るまでの小さな集落、学校、商店、道端で遊ぶ子供たちといった風景も長閑で、いつかどこかで見たような平和な世界でした。



故郷に対する私の心象風景に似ていたのかも知れません。
ムーカンチャイの雰囲気と感動を少しでもお伝えできればと、インスタやYouTubeにも写真や動画をあげてみました。
よかったらご覧ください。
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以上、ベトナムの秘境「ムーカンチャイ」の棚田めぐりでした。
まただらだら書いてしましましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。
ではまた。