ここ数日、タイの観光マイナー県としてシンブリー県にスポットを当てていますが、今回は、シンブリー県の歴史的に有名なバーンラチャンという場所にある、とても興味深いタラート(市場)の紹介です。
「バーンラチャン・オールドマーケット」は、敷地内がアユタヤ時代なんです。
店のブースが竹でできていたり、店員さんも全員アユタヤ時代の服装だったりと、タイムスリップしたかのようなレトロな雰囲気にテンションがあがります。
バーンラチャン(บางระจัน)とは
市場のレポートの前に、少し歴史のお話を。
バーンラチャン(バーンラジャン、バンラチャンなどとも)というのは、その昔、ビルマ軍の侵攻を防ぐために自ら砦を築き、勇敢に戦った村のことで、この砦のことをバーンラチャン陣営(ค่ายบางระจัน)と呼びます。
1765年ビルマ(ミャンマー)軍が圧倒的な数でアユタヤに侵攻してきます。
当時のアユタヤ王朝にとって、このシンブリーは要所であったにもかかわらず、十分な武器や援軍を送ることをしなかった(余力がなかった)ため、この地域周辺の人々は11人の勇者を筆頭に団結して自ら陣営を敷き、ミャンマー軍に立ち向かいました。
ビルマ軍は幾度となくこのバーンラチャンを攻撃し、そのたびにバーンラチャンの人々は果敢に戦い、撃退を繰り返します。
そして、8回目の戦いでついにバーンラチャン砦は陥落してしまうのですが、結果的に、村人たちで5か月間もビルマ軍の侵攻を足止めするという偉業を成し遂げました。
その勇敢さと功績を称えて記念碑が建てられ、バーンラチャンの戦いはタイ人の誇りとして歴史に名を残しています。
このバーンラチャンの史実に基づく物語は、2000年に映画化されていますし、その後、2015年にはテレビドラマとして放送されています。
このように、バーンラチャンは史跡の地として有名なところなんですね。
私も今回改めて知りました。
バーンラチャン時代市場(ตลาดไทยย้อนยุคบ้านระจัน)
そんな歴史的な土地にちなんで作られたのが、「バーンラチャン・オールドマーケット」(あるいは「バーンラチャン・レトロマーケット」)なんです。
タイ語では「ตลาดไทยย้อนยุคบ้านระจัน(タラートタイ・ヨーンユック・バーンラチャン」で、直訳すると「時代を遡ったタイ市場・ラチャン村」なので、タイの「レトロ市場」とか「時代市場」的な感じですかね。
ちなみに、このあたりの地名は「บางระจัน」ですが、この市場の名前は「บ้านระจัน」なところが微妙に混乱します。なので、英語表記も「Bangrachan Retro Market」「Bangrachan Old Market」など誤表記もあるんですが、正しくは「Banrachan」または「Ban Rachan」でしょうね。カタカナ表記だとどちらも同じですが。
市場全体が時代劇のセットみたい
ここの市場、敷地は結構広く、店舗ブースは竹を基調とした古い佇まいで、市場内で働いている人はみんなアユタヤ時代をイメージした服装なんです。
といっても、基本は作務衣みたいな簡素な服装であって、王族風の煌びやかな衣装ではありません。たまに素敵なドレス姿の店員さんもいますけどね。
また、バーンラチャンの戦いの時代劇ショーもあるので、時折、戦士や白塗りのミャンマー将軍の格好をした人たちも闊歩しています。
(聖飢魔Ⅱ?米米CLUB?って歳バレル・・・)
それで、ここは時代劇映画撮影のセットみたいな雰囲気があり、歩いているだけでも楽しいです。
ショーの出演者たちは気軽に写真撮影に応じてくれます。
市場の入り口には水牛や馬車、牛車まであります。
たしか1人50バーツで乗せてもらえるような・・・。(記憶があいまい)
バーンラチャン市場情報
もともと、ワット・ポーカオトン寺院の住職が、地域の人たちの農作物販売のために無償で寺の敷地を貸したのが、このバーンラチャン市場の始まりです。
今のような形態になったのは2016年の終わり頃からで、まだ3年も経っていない新しいマーケットです。
バーンラチャン市場は食品や農産物、OTOP商品がメインで、タイの伝統菓子やタイ料理を買って食べ歩くにはいい市場です。
また、タイハーブやアロマ商品をお土産に買うのもいいですね。
市場は、土日と祝日のみの開催です。
午前11時と午後3時からの2回、バーンラチャンの戦いをテーマにした時代劇ショーがステージで上演されます。
夕方近くになると売切れたり閉店する店も出てきますので、できれば午前中か午後の早い時間に行くことをお勧めします。
実は、私たちが着いたのは16時すぎでしたが、それでも店じまいを始めているところがけっこうありましたし、ステージのショーもちょうど終わるタイミングだったので、少し残念でした。
なので、近々リベンジで再訪問しようと密かに考えています。
あ、市場内にはレトロ衣装の貸衣装(100バーツ~)もあったんですが、アユタヤ時代に存在した日本人町のイメージで、浴衣を着ていくのもいいかもしれませんね。
タイ人にウケるかなあ・・・。笑
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バーンラチャン・オールドマーケット
ตลาดไทยย้อยยุคบ้านระจัน
Ban Rachan Old (Retro) Market
所在地:Bang Rachan, Khai Bang Rachan District, Sing Buri 16150
อ.ค่ายบางระจัน จ.สิงห์บุรี 16150
TEL:091 765 6556
開催日:土日祝日
時間:08:30 - 17:00(時代劇ショー:11:00~/15:00~)
入場:無料
駐車場:無料(約500台)
Facebook:https://www.facebook.com/Taladthai.yonyuk.banrachan/
シンブリー方面に行かれる時は、ぜひお立ち寄りになるといいと思います。(できれば早めの時間帯に!)
ローカルなので外国人慣れしていないところもありますが、レトロな雰囲気と食べ歩きが楽しめます。
ではまた。