siam manao-life

バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

スリンの巨大なカメと博物館

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タイのスリン県と言えば象。
毎年11月頃に開催される象祭りが有名ですが、今回は最近ちょっと話題の巨大な亀を見に行ってきました。

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スリン県へ

サケーオ県のカンボジア国境付近にあるサドックコックトム遺跡で、クメール神殿をゆっくり堪能した後、私たちはイサーンと呼ばれるタイの東北地方へと向かいました。

www.manao.life



サドックコックトムから北上し、ブリラム県との県境手前で遅めの朝ご飯を食べることにしました。
道路脇のクイッティアオ屋さんで、汁あり細麺(センレック・ナーム)を注文。

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普段目にするのより鮮やかなチャーシューの赤に少しビビりながらも、意外と味は悪くありませんでした。

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麺を食べ終わったら、いよいよイサーン地方へ向けて出発です。
ブリラム県に入る前にガソリンスタンドによってトイレを済ませておきました。

この日、私たちはブリラム県を一気に通過してしまいたかったのです

というのも、当時、ブリラム県は、他県からやってきた者に対して14日間の隔離または県が指定する病院でPCR検査を行わなければならない、という独自の新型コロナ対策を取っていたからです。

本当は、数年前に訪れたクメール遺跡「パノムルン」や「ムアンタム」にも行きたかったのですが、ここは県の方針に従って、ブリラム県内には休憩を含めて滞在しないことにしました。


巨大ガメあらわる

車を走らせること約2時間。
ブリラム県を通過してスリン県に入ります。

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地方の幹線道路を走っていると、前方に何やら見えます。
近づくにつれ、次第に大きくなっていく物体・・・。

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道路脇に突如現れるカメ!

なんて、最初からこれが見たくて、知ってて来たんですけどね。
というか、冒頭でネタバレ写真出してるから、インパクトなかったですよね。


※このカメ、普通にブリラムからスリンへ向かうと道路の右側、対向車線側にあるんですが、この日はちょっと別ルートから少し引き返すような経路をたどったため、左手に見えてます。


なかなかインパクトのあるカメじゃないですか!

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顔もなんだかやけにリアル。

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看板には、「タオ・サレン」(เต่าสะเร็น)と書いてあります。

タオ」というのは「」で、「サレン」というのは地元の言葉(クメール語)で「スリン」のこと。
つまり、「スリンの亀」という意味ですね。

カンボジアと国境を接するスリン県では、住民のほとんどがクメール語を話せる、または理解できるらしく、クメール語が日常生活に浸透しているようです。


で、このカメ、一体何なのかというと、

実は、お土産屋さんなんです。
いわゆる、ドライブインみたいな、地元のコミュニティモールなのだとか。

カメの甲羅部分が屋根で、その下はドーム型のショッピングエリア(一部食堂)となっているのです。


地元の実業家が、町おこしの一環として、インパクトのある巨大な建物を作ってランドマークにしたいと考えたのだそうです。


では、なぜ亀さんなのか?

そこには聞くも悲しい物語があったのです
(って、以下、地元ニュースサイトに載っていた話の受け売りです)

 

20数年前、地元で大規模なお土産屋さんを営んでいたある人物が、小さな金色のスッポン(ตะพาบ:タパープ)のつがいを買って来ました。

20年間、大事に育てているうちに、最初は手のひらに乗る程度だったスッポンが、桶やタライほどの大きさに成長していきました。
体重は50Kg近くにもなったそうです。

そんなおり、新しいショッピング施設を建設する計画が持ち上がります。
コンセプトやデザインを考える中で、建物全体を亀のイメージにして、館内の池でその巨大なスッポン夫婦を主役として飼育しようというアイデアがまとまりました。

ところが、そんな矢先に、事件が起きてしまいます。
自宅のペンキを塗りにきた業者が、シンナーの缶を池に落としてしまったのです。(なぜ!)
それが原因で巨大なスッポンのつがいは両方死んでしまいました。
20年間子供のように育てたオーナーの悲しみは相当なもので、しばらく食事も喉を通らなかったそうです。

こうして、生きたスッポンをショッピングモールの池に放つことは叶わなくなりましたが、建物を覆う巨大ガメだけはそのまま地域のランドマークとして誕生することになったのです。


というのが、ことのあらましです。

そんな背景を思いながら改めてこのお亀様を見上げると、切なさがこみ上げてきました。
(内心『なぜスッポンにしなかったんだろ。。。』なんて考えながら)


それはさておき、館内の様子を少し紹介します。

中はドーム状の大きなホールとなっており、さすがに天井は高くて開放感はあります。

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現在はまだオープンしたばかりということもあってか、特産品などのお土産売り場の一角を除いて、まだ空きスペースが多かったです。

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フードコートのような食堂エリアは、今後テナントが充実していくものと思われます。

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土産物売り場では、スリン県で作られた食品がメインに売られていました。

ナムプリックを数種類お土産に買って帰りましたが、評判よかったですよ。



<施設情報>
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タオ サレン
เต่าสะเร็น
Tao Saren
所在地:283 หมู่ 4 ตำบล ปรือ อำเภอปราสาท สุรินทร์ 32140
    283 Moo 4, Prue, Prasat District, Surin 32140
TEL:044-511-775
時間:07:00-19:00
駐車場:あり(無料)
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スリン国立博物館

一目見たかった巨大なおカメさまを拝んだ後、スリン中心部手前にあるスリン国立博物館に立ち寄りました。
この博物館は、2009年に完成した比較的新しい建物です。

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入口で体温測定とアルコール消毒、記帳を行います。
そういえば、特に入場料は徴収されませんでした。

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展示スペースはさほど大きくはありませんが、こじんまりと見やすくまとまっていました。

大きなテーマに沿って展示されています。

  • 自然学・・・スリンの自然風土。地理や地学、気候や天然資源、稲作などについて。
  • 歴史・考古学・・・有史以前からアユタヤー時代まで。タワーラワディー(ドヴァーラヴァティー)ロッブリーラーンサーンといった各時代の出土品や文化、スリンにおけるクメール文明など。
  • スリン県の歴史・・・アユタヤー朝後期からラタナコーシン朝初期にかけての統治の変遷、政治、経済、社会、人口、教育など。
  • 民俗学・・・象の調教や織物、銀製品、楽器、伝統工芸、家屋などのスリンの人々の暮らし、伝統・慣習。


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展示室入口を入ると、有史以前の歴史から始まりました。


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大昔の埋葬についての展示があったり、

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タワーラワディー(ドヴァーラヴァティー)時代の菩薩像と思われる石像が並んでいたり。

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日本の仏像もそうですが、観音様をはじめとする菩薩像はしなやかでどこか艶めかしいお姿のものが多いですよね。
東洋のビーナスと言ってもいいようなフォルムじゃないですか?


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クメール神殿のまぐさ石(門の上部に横に渡された装飾石。タイ語では『ทับหลัง:タップラン』)


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神殿の入口を模した内装なんかもなかなか素敵です。

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シヴァ神のシンボル、リンガ(タイ語『ศิวลึงค์:シワルン』

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やはりこうして見ると、クメール文化の影響が色濃く反映されていますね。


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このジオラマ好きでした。

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スリンの人々の伝統的な暮らし


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伝統工芸や衣服・音楽


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館内ば基本的に写真撮影OK(フラッシュは禁止)で、ここではほんの一部だけ掲載させていただきました。



また、その日は閉館間近だったため見ることができませんでしたが、銀細工の装飾品や絹織物、楽器、芸能、玩具、象使いの暮らしなど、スリンの文化遺産を映像と共に紹介している展示室もありました。



ちなみに、最初から最後まで、見学者は私たち2人だけでした。


<施設情報>
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スリン国立博物館
พิพิธภัณฑ์สถานแห่งชาติสุรินทร์
Surin National Museum
所在地:214 หมู่ 13 ถนนสุรินทร์ - ช่องจอม ตำบล เฉนียง อำเภอเมืองสุรินทร์ สุรินทร์ 32000
    214 Moo 13, Chaniang, Mueang Surin District, Surin 32000
TEL:044-513-054
時間:07:00-19:00
駐車場:あり(無料)
URL:https://www.finearts.go.th/surinmuseum
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以上、スリンの巨大亀と国立博物館を訪れた話でした。



ではまた。