海外旅行をする際に悩むことのひとつが両替。
渡航前に両替をした方がいいのか、現地に着いてからのほうがいいのか?
ATMを利用してクレジットカードでキャッシング?それとも、デビットカードで引き出しがいいのでしょうか?
USドルやユーロや日本円など、渡航先の国で使われている通貨よりもメジャーな通貨を持っている場合は、現地両替がお得というような話を聞きますが、タイバーツとインドネシアルピアといったマイナー通貨同士の場合はどうなのでしょうか。
意外と知らなくて、そのたびに悩みます。
先日、実際にあれこれ比較してインドネシアルピアの両替をしたので、備忘録も兼ねて、そのあたりの事情をお伝えしたいと思います。
旅行に備えてタイで事前両替
今回インドネシアルピアを必要としていたのは、バリ島へ旅行するためでした。
最近、タイからもバリ島へ旅行する人が増えてきましたね。
私が行った時も、タイの連休だったこともあり、同じフライトでタイ人の旅行者や日本人の方々をちらほら見かけました。
でも圧倒的に多かったのは、インドの人々だったんですが。(ここはインドの国内線か?って思うくらい)
まあそれはともかく。
タイからバリ島へ行くにあたって、事前にいくらかは両替をしておきたかったのです。
クレジットカードが使えるところは、できるだけカード払いにするつもりだったんですが、タクシーとかチップとか、寺院の入場料とか駐車場代、町なかの食堂とか小さいお土産屋さんとかでは、やはり現金が必要ですもんね。
スーパーリッチ
バンコクで比較的レートのいい両替屋さんと言えば、みなさんご存知のスーパーリッチ。
緑のスーパーリッチ(SUPERRICH THAILAND)とかオレンジのスーパーリッチ(SuperRich)とかありますが、ほぼ似たようなレートです。
実際、私が調べていた1週間のインドレシアルピアのレートはいずれも同じでした。
https://www.superrichthailand.com/
https://www.superrich.co.th/
1ルピア=0.00253バーツ
タニヤスピリット
私が両替でよく利用するお店がタニヤ・スピリット(Thaniya Spirit)。
ここはシーロム駅すぐそばのタニヤ通りにあるお酒屋さんで、スーパーリッチとほぼ同じレートでの両替が可能です。
私がタニヤ・スピリットを利用する理由は、夜までやっているということです。
スーパーリッチの場合、マイナー通貨は本店とか比較的大きな支店でないと取り扱っていないことが多く、だいたいそういう店は夕方に閉まってしまうのです。
それで、結果的に駅チカで仕事帰りにも寄れるタニヤスピリットを利用することが多くなります。
ちなみに、タニヤ・スピリットでは、日本円の他に、ユーロやミャンマーのチャットを両替したこともあります。
(マイナー通貨の場合は、たまに切らしていることもあるので、念のため事前に確認しておいたほうが確実です)
インドネシアルピアのレートは、やはりスーパーリッチと同じでした。
1ルピア=0.00253バーツ
ということで、さしあたり現地で必要かなと思われる最低金額を両替しておきました。
2,000,000ルピアを5,060バーツで入手。
(ルピアって桁が多くて、慣れないとびっくりしますよね)
結論から言うと、この両替が一番よかったです!
ということを覚えておいてください。
詳細の比較は後述します。
というか、読むのが面倒な方は、これだけ覚えておけば十分かも。笑
ドンムアン空港
旅行当日、ドンムアン空港で出国した後の制限エリア(搭乗ゲート手前)にあった某K銀行(名前言ってる!笑)のレートは…
1ルピア=0.0037バーツ
出国後だからというのもあるんでしょうが、レート悪っ!
仮に、タニヤスピリットでの両替と同じ200万ルピアを手に入れるためには、7,400バーツも払わなければいけない計算です。
※今回、たまたま200万ルピア分の両替をすることが多かったので、この記事では200万ルピアを基準に書いています。
現地バリ島で両替
では、現地バリ島で両替する場合のレートはいかがでしょうか。
厳密に言えば、タイで両替した時とバリ島へ実際にいった日は数日ずれていますが、その間、あまりレートに変動がなかった(ネットで毎日スーパーリッチのレートを確認していましたが、ずっと同じ交換レートだった)ので、単純比較させていただきます。
デンパサール空港
入国審査を済ませて、出迎えの到着ロビーに出る手前にあったカウンターでの両替レートは、
1バーツ=300ルピアでした。
(1ルピア≒0.003333バーツ)
つまり、
200万ルピアを得るためには、6,667バーツ払わなければならないということですね。
ドンムアン空港よりはいいけど、バンコクのスーパーリッチやタニヤスピリットよりは悪いです。
町の両替所(ウブド)
町なかにある両替所はどうでしょうか?
今回、ウブドでの滞在が多かったので、ウブドの町角で見かけた両替屋さんのレートを書いておきます。
タイバーツのレートが表の看板に看板に記載されているところはそれほど多くはありませんでしたが、いくつかを見たところ、大体同じレートでした。
1バーツ=320ルピア
(1ルピア=0.003125バーツ)
つまり、
200万ルピアを得るためには、6,250バーツ払わなければならない計算。
デンパサール空港よりは良いものの、タニヤスピリットの5,060バーツと比べると、やはり損した気分になります。
タイの銀行のデビットカードで引き出し
先述の通り、事前にある程度両替してはいたのですが、旅程が少し変更となったこともあり現金が必要になったので、ウブドで両替をする必要に迫られました。
そこで利用したのが、タイの銀行で発行したデビットカード(デビットカードとキャッシュカードが一体となったATMカード)でした。
実は、最近のタイではカードレス引き出しや送金などが主流となりつつあるので、メイン銀行のATMカードは解約してしまっていたのですが、普段ほとんど使わない政府系銀行であるクルンタイ銀行のATMカードだけはなぜか持っていたので、今回は、クルンタイ銀行のデビットカードを利用してみることにしました。
(持っていてよかった)
ちなみに、これはクレジットカードのキャッシングとは違います。(後述)
デビットカードは、現地のATM機から現金を引き出した瞬間に、タイバーツ換算された金額が自分の口座から即時引き落としされます。
PLUSマークの付いたATMカードを持っていれば、世界各国のPLUSマークの付いたATM機を利用して現地通貨を引き出すことができます。
(PLUSはVISA系列のATMネットワークで、Mastercard系列ではCirrusがあります)
デビットカードの利点は、手数料が比較的少なく、海外のATMから出金した時点で、(インターネットバンキングや銀行アプリなどを使って)自分の口座の出入金記録を確認すれば、いくらタイバーツが引き落とされたのかがわかって安心というところでしょうか。
実際、その日私がウブドのATMから200万ルピアを引き出した時に、リアルタイムでタイの銀行アプリで確認した詳細は、以下の通りです。
200万ルピア=(5,071.43バーツ + ATM使用料100バーツ)=5,171.43バーツ
通常、デビットカードで現金を引き出す場合のレートは、VISAが定める為替レートに対して銀行が2〜3%のBank Feeを上乗せしたものが請求されます。
VISAの為替レートはここから計算できます。
Currency Converter - Exchange Rate Calculator | Visa
(Bank Feeのところに、自分が口座を持っている銀行の手数料を入力すれば、おおよその換算金額も確認可能)
クルンタイ銀行が上乗せした手数料は約3%程度だったような感じですが(詳細の計算ができず)、まあ、その上乗せした金額でも、
1ルピア≒0.002536バーツ
なので、悪くないと思います。
ただ、これとは別に、金額にかかわらず1回の引き出しに対して100バーツのATM使用料を請求されることがタイの銀行では多いです。
また、現地のATM設置銀行が独自に手数料を設けている場合もあるとのことでしたが、今回、バリ島で利用したATMでは特にそのような手数料を請求されませんでした。
総じて考えると、タイの銀行のデビットカードによるATMでの現金引き出しは、1回100バーツのATM使用料がかかるのと、多少の為替レートへの上乗せはあるものの、現地の銀行や両替屋でタイバーツからルピアに交換するよりもずっといいレートで現金を入手できることがわかりました。
クレジットカードのキャッシング
もし銀行のデビットカード(PLUSやCirrusが付いているもの)を持ってなくて、タイの銀行が発行しているクレジットカードを使って現地ATMでキャッシングする場合はどうでしょうか?
これは実際に私が試したわけではないのですが、事前にカシコン銀行のコールセンターで尋ねた内容や、ネットで調べた内容をもとにまとめると、以下の通りとなります。
先述したデビットカードの手数料の計算は、
【VISAまたはMastercardの為替レート】+【2〜3%のBankFee】+【ATM使用料100バーツ】
でした。
一方、タイの銀行発行のクレジットカードの基本的な手数料の計算は、
【VISAまたはMastercardの為替レート】+【2〜3%のBankFee】+【3%の手数料】+【(3%の手数料に対する)7%のVAT】
というのが一般的です。
つまり、クレジットカードでは、100バーツのATM使用料がない代わりに、別途3%の手数料と、その3%の手数料に対する7%のVATがかかるので、まとまった金額を引き出す場合は、デビットカードでの出金より割高になることがあります。
と言っても、現地の銀行窓口や両替屋で現金両替するよりはいいレートだと思います。(2022年10月インドネシア・バリ島の場合)
海外ATM利用の注意点
このように、デビットカードやクレジットカードは比較的レートが良く便利なんですが、ATM機を利用するにあたって注意点もあります。
特に海外の観光地では、ATMでのスキミング被害に遭遇する危険性もありますので、暗く人気のないATMや死角になったATMは避けるようにし、ATMを利用する際も、カード挿入口に怪しい器具が取り付けられていないかとか、ダミーのカバーが付いていないかなど、よく観察した上で利用することをお勧めします。
できれば、有人の銀行窓口に隣接したATMの方がいいかもしれません。
余談ですが、たまたま今回私は普段ほとんど使っていな銀行のATMカード(デビットカード)を利用したと書きましたが、今から思えば、『海外旅行ではそういうメインバンクではない(残高も大したことない)口座のATMカードを使う』というのも、スキミング対策としては有効かなと思いました。
(万が一の場合にも、ダメージが少ない)
まとめ
長々と書いてきましたが、一言でまとめると
「タイバーツからインドネシアルピアに両替するなら、タイ国内のレートのいい両替屋さんで行うのが一番!」
となります。
もし現地で現金が足りなくなり、必要に迫られた場合は、ATMを利用してデビットカードで引き出し、またはクレジットカードでのキャッシングも比較的レートはいいです。
以下、今回のタイバーツとインドネシアルピアの両替(為替レート)をまとめた比較表です。(2022年10月)
一番上の『XE Currency』は、iPhoneに入っている為替レートアプリで、実際にそのレートで両替できる場所はありませんが、一応、参考として入れています。
ルピア(IDR):バーツ(THB) | バーツ(THB):ルピア(IDR) | 手数料 | 2百万ルピア両替(参考) | |
---|---|---|---|---|
XE Currencyアプリ | 1IDR=0.0025THB | 1THB=400IDR | (2,000,000IDR=5,000THB) | |
スーパーリッチ | 1IDR=0.00253THB | (1THB=395.2257IDR) | 2,000,000IDR=5,060THB | |
タニヤスピリット | 1IDR=0.00253THB | (1THB=395.2257IDR) | 2,000,000IDR=5,060THB | |
ドンムアン空港 | 1IDR=0.0037THB | (1THB=270.2703IDR) | (2,000,000IDR=7,400THB) | |
デンパサール空港 | (1IDR=0.00333THB) | 1THB=300IDR | (2,000,000IDR=6,666.67THB) | |
ウブドの両替所 | (1IDR=0.003125THB) | 1THB=320IDR | (2,000,000IDR=6,250THB) | |
クルンタイ銀行デビットカード | (1IDR=0.0025357THB) | (1THB=394.4IDR) | 100THB (ATM Fee) | 2,000,000IDR=5,071.43THB |
※2022年10月時点のタイとバリ島での比較になります。
算数は得意でないので、もし、私の勘違いや間違いなどありましたら、お知らせください。
以上、タイバーツからインドネシアルピアへの両替事情やおすすめを紹介しました。
どなたかの参考になれば幸いです。
ではまた。