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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

【タイ語】だらだら仕事する。(フランスの官僚は怠惰なの!?)

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こんにちは、まなおです。
今日は、久しぶりのタイ語に関する話題です。

先日、Netflixで『ウェンズデー』シーズン2を見ていた時に気になったフレーズがありまして。
今日は、日常会話でも使えそうなタイ語の言い回しを紹介したいと思います。

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※今回の記事の中には、Netflixの人気シリーズ「Wednesday Season 2」からのセリフの引用や映像のキャプチャーがあります。掲載情報の著作権は引用元企業等に帰属します。



当該のシーンは、アダムスファミリーの一員にして主人公のウェンズデーが、弟のパグズリーに関する辛辣な意見を、母親モーティシアに言い放つ場面です。

私(ウェンズデー)のことよりも、弟のパグズリーのことを心配したほうがいい。図体だけは大きくなっているけど中身は伴っていない。というような内容のセリフに続いて、こう言います。

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แถมยัง ฉลาดเท่าแมงกุ๊ดจี่ และเช้าชามเย็นชามเหมือนข้าราชการฝรั่งเศส
(テーム ヤン チャラート タオ メーングッヂー レ チャオチャーム イェンチャーム ムアン カーラーチャカーン ファランセーッ)


แถมยัง...(テームヤン)=おまけに~
ฉลาดเท่า...(チャラート タオ)=~と同じくらい賢い
แมงกุ๊ดจี่(メーングッヂー)=フンコロガシ
เช้าชามเย็นชาม(チャオチャーム イェンチャーム)=朝に一杯、夕方に一杯
ข้าราชการ(カーラーチャカーン)=公務員(官僚)
ฝรั่งเศส(ファランセーッ)=フランス

この中で、今回特に注目したいのは、
เช้าชามเย็นชาม(チャオチャーム イェンチャーム)
という表現です。

直訳すると、朝に一杯、夕方に一杯(のご飯を食べる)といった意味なのですが、これは慣用句で、『その日暮らしの』『やる気なく怠惰に過ごす』といった意味となります。
向上心なく、ただ与えられた必要最低限のことだけをこなすというような姿勢を表しています。

これ、なかなか使えそうな表現ですよね?(私も耳が痛いところがあります)

ทำงานแบบเช้าชามเย็นชาม(タムガーン ベープ チャオチャーム イェンチャーム)とか
ทำงานอย่างเช้าชามเย็นชาม(タムガーン ヤーン チャオチャーム イェンチャーム)などと言うこともできますね。

いずれも、「やる気なくだらだらと仕事する」というような意味となります。

というわけで、上記のウェンズデーのタイ語のセリフを日本語に訳すと、
「おまけに、(あの子の)頭脳はフンコロガシ並みでフランスの公務員のようにだらだらと過ごしているわ」という風になります。
家族に対しても容赦ない強烈な言い回しですよね。(ウェンズデーらしいのですが)

さて。
余談ですが、私、この表現を目にした時、ふと思ったことがあるんです。
『フランス人官僚(公務員)のイメージってどうなんだろう?』『どういう一般認識なんだろう?』と。

タイ語での表現を見ると、「あー、どこの国も公務員というのはそこそこの報酬と安定性が魅力で、与えられた仕事をこなすっていうイメージがあるのだろうな」ということが、わりとすんなり理解できたのです。(もちろん実際の公務員がそうだとは言いません。あくまで世間一般のイメージの話です)

ただ、日本語版のセリフを見ると、このあたりがちょっとわかりにくかったのです。
その日本語翻訳がこれです。

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「しかもフンコロガシほどの頭脳で野心はフランスの官僚並み」

最初、これの解釈に戸惑ったのです。
というのも、私は世界での(欧米諸国での?)フランス人官僚の一般的なイメージがわからなかったので、もしかしたらフランスの官僚はとても野心的で向上心があり、立身出世欲が強いことで有名という可能性があるかも知れないとも思いました。

そう考えると、これは「フンコロガシ程度の頭脳しかないのに、フランス人官僚並みの野心をもっている」という逆説的な意味(皮肉)に捉えることもできるわけです。
つまり、「フンコロガシ程度の頭脳で、フランスの官僚と同じように野心や向上心がない」という順接的なタイ語の解釈とは異なるわけです。

本当のところ、どちらの意味なのかは私にはわかりませんが、いずれにしてもまあ酷い言いようです。(笑)

ちなみに、原文の英語は、以下の通りでした。

Besides, he's got the brains of a dung beetle and the ambition of a French bureaucrat.

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日本語版は、わりと英語に忠実に訳しているようですね。
ただ、上述のように、文化的背景のわからない日本人にはいまいちピンとこないセリフ(日本語)となっているような気がしないでもないです。

※英語では、andとなっているので、やはりタイ語の字幕通り順接の解釈が正しいのでしょうね。

 

そんなことを考えながら、楽しく「ウェンズデー:シーズン2」を観ていたのでした。

さすが鬼才ティム・バートン監督が手がける作品とあって、ストーリーも映像も素晴らしいですよ。

ではまた。