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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

白い大仏と王の門と獅子の仏塔「ワット・メーナーンプルーム」(アユタヤー)

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今回は、アユタヤ時代の英雄ナレースワン大王と心優しい女性の物語が残るお寺「ワット・メーナーンプルーム寺院」(ワット・メーナーンプルーンと書かれることもあり)を紹介します。
アユタヤ時代の美しいアーチ門や36頭の象に囲まれた仏塔、白亜の大仏など、見どころも豊富なお寺です。



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ワット・メーナーンプルーム

今回紹介する「ワット・メーナーンプルーム」(วัดแม่นางปลื้ม)寺院は、アユタヤ旧市街の城壁外、北西に位置するひっそりとしたお寺です。

ここ最近は、寺院の入口にあるアーチ型の門が写真映えするということで、じわじわと参拝客が増えだしているようです。


1377年、アユタヤ王朝第3代パグワ王の時代に創建されたと考えられています。
昔は「ワット・タークローン」(วัดท่าโขลง)と呼ばれていたようです。

泰緬戦争時代に、ビルマ軍がアユタヤ城壁内への攻撃を行うための大砲を設置した場所であることから、ビルマ軍による寺院破壊を免れたと言われており、当時の仏像や建築が比較的良い状態で残っている寺院のひとつです。

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プルームおばあさんのお寺

ワット・メーナーンプルーム寺院にはこのような伝承が残っています。

昔々、ナレースワン王がひとり、この辺りを流れる川で舟を漕いでいました。
ところが、夕暮れに突然の大雨に見舞われ王宮へ帰ることができなくなります。
そこで、川べりに見えた灯りを頼りに、ある一軒の家へ向かいました。

この家にはプルームという名前のおばあさんが1人で住んでいました。
ずぶ濡れになった男の姿を見て、プルームおばあさんは彼がナレースワン王とは知らず家に迎え入れ、身体を拭く布を与えます。

勇ましい武将らしく、ナレースワン王が大声で話すので、プレームおばあさんは「日が暮れてから大声を出して、もし王様がお聞きになったらお怒りになります」といさめますが、ナレースワン王は意にも介さず(当たり前ですが)、さらに大声で「体が冷えた。体の温まる酒を飲ませてくれ」とお酒を所望します。
その日は仏教の日であったため、プレームおばあさんは驚き、酒を出すことをためらいますが、最終的には「決して誰にも言わない」ということを約束に、ナレースワン王にお酒を提供しました。

そして、ナレースワン王はこの小さな家でおばあさんと語り合いながら夜を明かしたそうです。

王宮に戻ったナレースワン王は、プレームおばあさんの親切心を忘れず、後日おばあさんを迎えに行き、王宮に住まわせることにしました。
ナレースワン王は母親のようにプレームおばあさんを慕ったといいます。

プレームおばあさんが亡くなった後、ナレースワン王は丁重に葬儀を行い、このワット・メーナーンプルームを建てて弔いました。



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(ナレースワン王像)




いかがですか?
なかなか素敵なエピソードですよね。

おばあさんと言っても、今の時代だともっと若い女性のことかもしれませんが、幼い頃に人質としてビルマで過ごしたナレースワン王のことを考えると、母親的な愛情に飢えていたのかなあと、勝手に想像したりしました。




映えるアーチ門

寺院の前にある駐車場から中に入っていくと、色鮮やかなヤック(鬼)の像があります。
おそらく最近造られたのでしょうか。

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その鬼の像の横を進むと、古めかしいアーチ型の門が現れます。

スムプラトゥー(ซุ้มประตู)と呼ばれるこの門は、礼拝堂の正面に位置しており、門の手前からも礼拝堂の白い大仏様のお姿が見えるようになっています。


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緑にも囲まれたこのアーチ型の門は、インスタ映えらしく、格好の記念撮影場所になっていました。

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ちなみに、かつて、この中央の門を使えるのは王様だけだったそうですよ。
家臣や一般人は脇の入口から境内に入らなければならなかったとか。

もちろん、今は一般人の私たちも堂々とこの門をくぐって参拝をすることができます。


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白い大仏の礼拝堂

アーチ門の正面にある礼拝堂はレンガで造られており、中にはルアンポーカーオ(หลวงพ่อขาว)と呼ばれる白い大仏が安置されています。

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ルアンポーカーオは、漆喰(貝殻)造りのアユタヤ様式の大仏で、黒い髪以外は真っ白に塗られています。

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近代に修復されました。

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獅子が守る仏塔

礼拝堂の裏手には、大きな釣鐘型の仏塔があります。
過去に何度か修復が行われ、現在に至っています。

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この仏塔で目を引くのは、四角い土台部分(方形基壇)に並んだライオンの像です。
全部で36頭いたようです。


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このような獅子に囲まれた仏塔は、アユタヤではここワット・メーナーンプルームと、ワット・タムマニカラートの2つだけだそうです。


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本堂の仏像

本堂自体は近年建てられたもののようです。
中にはしなやかな黄金の仏像がお祀りされていました。


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寺院情報

<寺院情報>
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ワット・メーナーンプルーム
วัดแม่นางปลื้ม
Wat Mae Nang Pluem
所在地:ตำบล คลองสระบัว อำเภอ พระนครศรีอยุธยา จังหวัดพระนครศรีอยุธยา 13000
    Khlong Sa Bua, Phra Nakhon Si Ayutthaya District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000
TEL:095-679-0544
時間:07:00-16:00
URL:https://ww2.ayutthaya.go.th/travel/detail/47
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以上、素敵なアーチ門やエピソードの残るワット・メーナーンプルーム寺院の紹介でした。


ではまた。



<参考サイト>
https://mgronline.com/onlinesection/detail/9620000116679

https://ww2.ayutthaya.go.th/travel/detail/47

 

วัดแม่นางปลื้ม - วิกิพีเดีย

 

วัดแม่นางปลื้ม :: Museum Thailand