今回は、古都アユタヤでにわかにタイムスリップしたような気分を味わえる寺院を紹介します。
数年前に大ヒットした歴史ラブコメディードラマ「ブッペーサンニワート/บุพเพสันนิวาส」(邦題『運命のふたり』)の撮影で使われた回廊や境内の一角もあり、どこか不思議で素敵な魅力が漂った寺院です。
ワット・プッタイサワン
アユタヤの旧市街(アユタヤ島)の南、チャオプラヤー川の対岸に「ワット・プッタイサワン」(วัดพุทไธศวรรย์)という600年以上の古い歴史を持つ寺院があります。
1353年にアユタヤ王朝初代ウートーン王(ラーマーティボーディー1世)によって建てられたとされています。
1767年の第2次アユタヤ陥落(泰緬戦争)の際、他の多くの寺院とは異なり、ビルマ軍による壊滅的な被害を免れたため、寺院の保存状態は比較的良好です。
お寺の駐車場脇には、チャオプラヤー川に向かうように5人の歴代王の銅像が建っていました。
左から「タークシン王」「ナレースワン王」「ウートーン王」「エーカートッサロット王」「ラーマ4世」
中央の3人はアユタヤ時代の王様ですが、両脇がタークシン王(トンブリー王朝)とラーマ4世(現チャクリー王朝)なのは、何かこのお寺とゆかりがあるからなんでしょうね。
と思って調べたら、ラーマ4世は、かつて王室御座船に乗ってアユタヤへの大規模な行幸を行い、ワット・プッタイサワンへも立ち寄って喜捨なさったそうです。
(タークシン王との関係はわからず・・・汗)
本堂(布薩堂)
本堂には立派な三尊像が安置されており、はっきりとした年代はわからないものの、15〜16世紀頃のものだと考えられているそうです。
一部修復され表面に新しく金が施されています。
本堂の結界石はアユタヤ時代初期のものだそうです。
本堂の周りには小さなお堂が点在しており、中に納められた仏像も一部崩壊していたりしますが、趣きがありました。
ガラケートが通った回廊
本堂からさらに進むと回廊へ入る扉があります。
この回廊、大ヒットドラマ「ブッペーサンニワート」(運命のふたり)で、主人公のガラケートが賢者シーパカーオ師(呪術師的な人でもある?)に会うために結界を超えて寺院に入ってきたシーンで使われたロケ地なんです。
私も当時楽しみに観ていたドラマなので、そのシーンは覚えています。
もっとも、こういう回廊は他の寺院にもあるので、ここだよと言われなければわからなかったと思うんですが(笑)
ロケ地であるなしに関わらず、こういう仏像が並んだ回廊って大好きなんですよね。
クメール様式の仏塔(プラーン)
回廊に囲まれた中央にはクメール様式のプラーン(仏塔)がそびえています。
仏塔は須弥山を表し、東西に階段、南北にお堂が付随しています。
両脇のお堂の中には大きな仏像が安置されているのですが、天井内部がコウモリの棲家となっており、糞尿の臭いがあまりにも凄まじかったので中に入る勇気はありませんでした。
遺跡の世界へ(涅槃仏と礼拝堂跡)
先ほど入ってきたのとは反対側の回廊の扉をくぐり抜けると、突如として目の前に遺跡が広がり、アユタヤ時代にタイムスリップしたような感覚に陥ります。
(私が訪れたときはほとんど人がいなかったのもあり、余計に不思議な気持ちになりました)
ブッペーサンニワートのドラマの中では、主人公のガラケートが結界を破って回廊の中に入ってくるわけですが、まさに回廊のこちらとあちらでは何か世界が分けられているかのような気分になってワクワクしました。
広い遺跡エリアの中央には昔の大礼拝堂の跡が残っています。
そして、大礼拝堂の横には涅槃像を安置したお堂がありました。
お堂と言っても今は壁の一部しか残っておらず、雨曝しの状態です。
崩れた壁の窓から覗く涅槃仏もなかなか趣があります。
せっかくなので、中に入ってお参りしてみましょう。
特徴的な丸い枕と、頭を支えた手の肘が少しお顔の前方に突き出るようなスタイルは、前の記事で紹介したワット・サームウィハーンの涅槃像と似ているので、この仏様もスコータイ様式なのでしょうか。
このお堂もなんかドラマの中で見たような・・・。
寺院情報
<寺院情報>
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ワット・プッタイサワン
วัดพุทไธศวรรย์
Wat Phutthaisawan
所在地:หมู่ที่ 8 15 ตำบล สำเภาล่ม อำเภอ พระนครศรีอยุธยา จังหวัดพระนครศรีอยุธยา 13000
Moo 8 15 Samphao Lom, Phra Nakhon Si Ayutthaya District, Phra Nakhon Si Ayutthaya 13000
時間:08:00-17:00
駐車場:境内にあり(無料)
URL:https://www.putthaijatukam.com/
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以上、ドラマのロケ地にもなった、アユタヤ初期から残る古刹「ワット・プッタイサワン」寺院の紹介でした。
遺跡と現役の寺院部分がミックスした興味深いお寺です。
アユタヤへ行かれる際は、ぜひお立ち寄りになってみてください。
ではまた。
<参考サイト>
https://www.putthaijatukam.com/
他