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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

やっぱり神のなせる業!?オリジナルのチンナシー仏を訪ねて

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タイで最も美しいといわれている仏像、チンナラート仏
そのチンナラート仏と同時期に同じ仏師たちによって造られたもう2体の美しい仏像を訪ねて、バンコクのワット・ボーウォーニウェート寺院へ行ってきました。



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ピサヌロークで造られた美仏三体

タイで一番美しい仏像という名声高いチンナラート仏(チナラート仏)は、ピサヌローク県のワット・プラシー・ラタナマハータート寺院(通称ワット・ヤイ)に安置されています。
このチンナラート仏は本当に荘厳で美しく、何度見ても魅了されてしまう、私も大好きな仏像です。

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実は、このチンナラート仏は、同時期に3体造られた仏像のひとつなのです。
つまり、チンナラート仏の他に同じ仏師たちによって造られた2体の仏像が存在するのです

その2体というのが、「チンナシー仏」と「サーサダー仏」です。

チンナラート仏(พระพุทธชินราช)
チンナシー仏(พระพุทธชินสีห์)
サーサダー仏(พระศรีศาสดา)

タイで最も美しい仏像と同時期に同じ仏師たちの手で鋳造された仏さま、気になりますよね?
私も非常に興味を覚えました。

どのようなお顔なんだろうかと。


というわけで、この目で確かめるべく、チンナシー仏とサーサダー仏を拝見しに行くことにしたんです。




バンコクに遷座された2体の仏像

前回ピサヌロークを訪れた時、チンナラート仏を参拝した後、同じくワット・プラシー・ラタナマハータート寺院に安置されている、チンナシー仏とサーサダー仏も参拝しました。
その時の様子はこちらでどうぞ。

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以下、写真を貼っておきます。


こちらがチンナシー仏です。

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そして、こちらがサーサダー仏

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なのですが、
実は、この2体はレプリカなんです。

ラーマ3世の時代に、オリジナルの仏像2体は、ピサヌロークのワット・プラシー・ラタナマハータートの元を離れ、バンコクへ移されたのです。
(当時、ワット・プラシー・ラタナマハータート寺院が荒廃していたからとされています)

チンナシー仏は1829年にワット・ボウォーンニウェート寺院(วัดบวรนิเวศราชวรวิหาร)に遷座されました。

一方、サーサダー仏はいくつかの寺院を転々とした後、最終的にラーマ4世の治世である1864年に同じくワット・ボウォーンニウェートに安置されました。


つまり、オリジナルのチンナシー仏とサーサダーを拝見するには、ワット・ボウォーンニウェートへ行けばいいのです。

というわけで、先日、バンコク旧市街にあるタイの第1級王室仏教寺院「ワット・ボウォーンニウェート・ラーチャウォーラウィハーン」へ行ってきました。



ワット・ボーウォーンニウェート寺院

ワット・ボウォーンニウェートは、ラーマ3世の時代に建設が開始され、ラーマ4世がこの寺院で出家し初代の住職を務めています。

その後も、チャックリー王朝歴代王がこの寺院で出家をされており、ラーマ6世ラーマ9世(プミポン前国王)菩提寺でもあります。

そんな、第1級王室仏教寺院であり、タマユットニカーイ派の総本山でもある、格式高いお寺へお参りに行ってみましょう。

ワット・ボーウォーンニウェートへ

ワット・ボーウォーンニウェートは、かつてバックパッカーの聖地でもあった(現在も?)カオサン通りのすぐ近くです。

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民主記念塔の近くでバスを降りて大通りを渡り、カオサン通りを横目にそのまま進むとお寺に到着です。


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プラスメーン通り側の入口から入ります。
立派な彫刻が施された門です。


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2体のご本尊

門を入るとすぐ正面が本堂(布薩堂)となっています。

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実は、このワット・ボーウォーンニウェート寺院の本堂にはご本尊が2体安置されているのです。
なかなか珍しい形態です。

もともと本堂には、プラ・スワンナケート(พระสุวรรณเขต)という大仏が本尊としてお祀りしてありました。
そして、ピサヌロークから遷座してきたチンナシー仏は本堂のすぐ後ろに建てられた礼拝堂にに安置されていたのです。

ところが、後のラーマ4世の時代に、2つの建物を1つの本堂としてまとめることとなり、サイズの大きなスワンナケート仏を後ろ側に、少し小さなチンナシー仏がその前に安置されました。

ちなみに、スワンナケート仏は、ペッチャブリー県のワット・サタパーン(วัดสระตะพาน)という寺院から遷座されたそうです。(現在は廃寺?)


オリジナルのチンナシー仏拝観

それでは、2体の本尊が安置された本堂へと入ることにしましょう。
いよいよ、本物のチンナシー仏とご対面です。


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本堂正面の開いた窓からちらり。


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本堂の中に入って礼拝してからじっくりとお顔を拝見。奥がスワンナケート仏、手前がチンナシー仏です。

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なんとも厳かで美しいお顔です。

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やっぱりオリジナルとレプリカでは全く違うものなんですね。

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さすがはあのチンナラート仏と同時期に同じ仏師グループによって造られた仏像です!
しばらく見惚れてしまいました。

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チンナラート仏の伝説

ピサヌロークのワット・プラシー・ラタナマハータート寺院(通称ワット・ヤイ)で造られた3体の仏像には、こんな言い伝えが残っているそうです。

昔、スワンカロークやチェンセーンから選りすぐりの仏師たちが集められ、3体の仏像を造立することになりました。

チンナシー仏とサーサダー仏の2体は問題なく鋳造することができたのですが、チンナラート仏だけはうまく型全体に青銅が行き渡らずに失敗してしまいます。
3度やり直してもうまくいきません。

ある日、どこからともなく現れた白い服の人物が作業を手伝います。
その男は言葉が話せないのか、ただ黙々と作業を手伝ったそうです。
そして、満月の夜にチンナラート仏は無事に完成しました。

喜んだ王はその男に褒美を取らせようとしましたが、既に男は姿を消しており探し当てることができませんでした。
それで、人々はあのインド風の白い服を着た男性は、インドラ神(帝釈天)の化身に違いないという噂がたちました。

インドラ神が手伝って完成したチンナラート仏は、殊更に美しく別格の仏像として崇められたといいます。

 


まさに「神業」ですね。

そんな伝説が残るチンナラート仏は、本当に美しいと私も感じるし、神業という言葉がぴったりだと思っています。

と同時に、チンナラート仏と同じ職人グループが造立した他の2体も、やっぱり神業で間違いない」と、実際にチンナシー仏をこの目で拝見して思ったのでした。

いや、決して伝説を否定しているわけではなくて、あくまでこの時代の仏師集団の卓越した技術とセンスを称賛したいだけなんです。

後の時代(近世)の職人が頑張って造ったレプリカも、オリジナルにはとうてい及ばなかった(と私には思える)わけですから。


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オリジナルのサーサダー仏

オリジナルのチンナシー仏を拝見できて感無量の私は、続いてオリジナルのサーサダー仏を拝見しに向かいました。

サーサダー仏は、境内奥の礼拝堂に安置されているとのことです。
本堂を出て、黄金の仏塔を眺めながら、境内を南西側へ歩いてきました。


すると。。。

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改修工事中で中に入れず!!(涙)

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残念過ぎますが、仕方ありません。
またいつか、参拝が可能になった時点で、改めて拝見しに来ることにします。
それまではサーサダー仏のお姿は、お預けということで。


黄金の仏塔

サーサダー仏を拝観することは叶いませんでしたが、立派な黄金の仏塔を拝観することにしましょう。

この時代の寺院は中国の影響を多く受けているので、境内には中国風の石像や中国風の建築物がたくさん見られます。

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仏塔へ向かう階段の途中には、ラーマ4世の像が安置されていました。

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仏塔の表面全体に、金色のタイルが貼り付けられています。

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この仏塔の基壇2階からは、仏塔内に入ることが可能です。
中央に安置された黄金の仏塔には、仏舎利が安置されているそうです。
(仏塔内は写真撮影禁止)

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1段目の基壇部分には、四方を守護する神々の像が安置されていました。


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敵を撃退する仏像!?「パイリーピナート仏」

仏塔の基壇2段目の一角に、ある重要な仏像が安置されています。

この仏像は、とある人物がラーマ4世に献上したもので、現在のインドネシアのジャワスタイル(シュリーヴィジャヤ様式)の仏像だと推測されています。

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不思議なことに、この仏像を献上されて以来、ラーマ4世の敵や政治的な障害に関する問題が次々と解決していったことから、ラーマ4世はこの仏像を、敵を排除する仏像という意味の「プラ・パイリーピナート」(พระไพรีพินาศ)と名付けられたそうです。

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仏像の姿は、タイで最もよく目にする降魔印の印相に似ていますが、膝に置いた右手の手のひらを上に向けた印相を結んでおり(降魔印は手の平が下)、おそらく大乗仏教系の仏像だと考えられています。

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寺院情報

<寺院情報>
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ワット・ボーウォーンニウェート・ラーチャウォーラウィハーン
วัดบวรนิเวศราชวรวิหาร
Wat Bowon Niwet Wihan Ratchaworawihan
所在地:248 ถนน พระสุเมรุ แขวง วัดบวรนิเวศ เขตพระนคร กรุงเทพมหานคร 10200
    248 Phra Sumen Rd, Wat Bowon Niwet, Phra Nakhon, Bangkok 10200
TEL: 02-629-585
時間:08:00-17:00
URL:https://www.facebook.com/WatBovoranivesVihara
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美味しいフィッシュボール麺「ルークチンプラ―・ナーイガム」

ワット・ボーウォーンニウェートでの参拝の後、近くでランチをとることに。
お寺のすぐ向かいにあるクイッティアオ屋さんに入ってみました。

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自家製のルークチンプラー(フィッシュボール)を具にした麺屋さんで、店内はほぼ満席の人気店のようです。

40年くらいこの場所で営んでいるらしいです。

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私はバミー(細い中華麺)のイェンターフォーを注文。
ピンクのが紅腐乳が入ったイェンターフォーは、その見た目から敬遠される方も多いかと思いますが、私はわりと好きで食べます。

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飲み物は、レモングラスジュースにしてみました。

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自家製のルークチンが売りということだけあって、ワンタンもつみれ風の団子も素材の旨味が感じられて美味しかったです。

あと、縮れ麺も私の好みでした!

これは美味しい。
(価格は、たしかジュースと合わせて70バーツちょっとだったと思います)

次回は、トムヤム味とか、クイッティアオ(米麺)やウンセン(春雨)も試してみたいです。

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<レストラン情報>
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クイッティアオ ナーイガム
ก๋วยเตี๋ยว นายง้ำ
Nai Ngam Fish Balls
所在地:3 ถนนสิบสามห้าง แขวง ตลาดยอด เขตพระนคร กรุงเทพมหานคร 10200
    3 Thanon Sap Sam Hang, Talat Yot, Phra Nakhon, Bangkok 10200
TEL: 02-282-9738
時間:08:00-19:00
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以上、ワット・ボーウォーンニウェート寺院へオリジナルのチンナシー仏を拝観しに行ったら、やっぱり本物は素晴らしかったという話でした。


ではまた。