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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

斜塔と金と銀の袋を持った謎の立像がインパクト大のワット・サークラー(ワット・サーカラー)

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バンコクで爆弾爆発騒ぎがあった直後の週末は、都心を離れて郊外(サムットプラカーン県)に行ってみました。

金銀の袋を持ったインパクトありまくりの仏像と、斜めに傾いた仏塔を拝観しにワット・サークラー(วัดสาขลา)を訪問してきたんです。

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謎の仏像の正体は?

このお寺を訪れたら、否応無しに目に入ってくる不思議な立像。
ふくよかな体型に真っ黒な顔と肌、前に差し出した両手には金の袋と銀の袋。
遠目には壺のように見えますが、よく見ると袋ですね。
立像の下には「พระสังกัจจายน์(プラサンカッチャーイ)」の文字があります。

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この、プラサンカッチャーイを調べると、どうやら、釈迦の十大弟子のひとり、迦旃延(かせんねん)とのことでした。
金銀の袋(ถุงเงินถุงทอง)は、富と発展を象徴しているようです。

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それでかどうかは知りませんが、決して交通の便が良いとは言えない場所にも関わらず、この寺院には沢山の人が訪れ、参拝者が絶えませんでした。

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いやー、それにしても、このインパクト!

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後ろ姿はちょっとキュート

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周りを取り囲む神像(テーワダー)

 

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 傾いた仏塔

この寺院のもう一つのランドマークといえば、傾いた仏塔(プラーン)です。
この仏塔は、タイの現王朝であるラタナーコーシン朝(チャクリー王朝)の初期に建てられたと考えられますが、その後の洪水による地盤沈下で約15度ほど傾いてしまいました。

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しかしそれ以降、斜傾の進行は止まり、倒壊する気配もなくなったため、修復することなく、サークラー集落のシンボルとして現在に至っています。
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ワット・サーカラー?ワット・サークラー?

さて、このお寺の名前「วัดสาขลา」の呼び方ですが、グーグルマップで検索すると、ワット・サーカラーと表記されています。

それで、私も最初はワット・サーラー [wát sǎa khalǎa]と、“ข [kh]” のあとに “[a]” を入れて発音していたんですが、どうやら、これは二重子音読みの “ขลา [khlǎa]” が正しいようです。

ですから、一応、ここではカタカナ表記を、「ワット・サークラー」とすることにします。

ちなみに、その日、道を尋ねたりソンテウの行き先を確かめたりする際に、現地の人たちの発音を観察したところ、ほとんどの人が二重子音の “ล [l]” をはっきりと発音せず(ふたつ目の子音の脱落)、むしろ「ワット・サーカー [wát sǎa khǎa]」に近い発音となっていました。
これは、口語のタイ語ではよくあることですね。

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サークラー集落の名前の由来

お寺の名前、「ワット・サークラー」は、この地区の集落「サークラー村」から名付けられているわけですが、サークラー村は、もともと「サーオクラー村」という名前だったそうです。

1780年代のビルマ軍との泰緬戦争(たいめんせんそう)当時、男たちは戦場にかりだされ、村には年寄りと女子供しか残っていませんでした。
ある時、ビルマ軍がこの村へ進軍してきました。
村の女性たちは、一致団結して杵(きね)や鉈(なた)やなどを武器に立ち向かい、ビルマ軍を撃退したのです。

その勇気を讃えて、「หมู่บ้านสาวกล้า(ムーバーン・サーオクラー:『勇敢な女性』の意)」と呼ばれるようになり、その後、「サーオクラー」が「サークラー」に変化したという言い伝えがあるそうです。

 

ワット・サークラーの見どころ

ワット・サークラーというと、前述の金銀の袋を手にした仏像(プラサンカッチャーイ像)や、傾いた仏塔の視覚的インパクトが大きいんですが、他にもいくつか見どころがあるので紹介したいと思います。

 

本堂と礼拝堂

ワット・サークラーの本堂(布薩堂)と礼拝堂は左右に対となって建てられています。

向かって左側が本堂、右側が礼拝堂です。
本堂の本尊は降魔印を結んだアユタヤ(ウートーン)様式の仏像で、地域住民から厚く信仰されています。


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本堂の結界石(左)と本尊(右)

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礼拝堂内部の仏像


この本堂と礼拝堂は、2005年に洪水の被害を受けたため、住民の協力により、全体を従来より約3.5メートル高くする工事がおこなわれました。

 

床下の博物館

本堂および礼拝堂の床を持ち上げた空間を利用して、無料で見学できる博物館が造られています。
いくつかの部屋に仕切られており、仏像の説明や、本尊の基礎部分から発掘された品々や仏像などが展示されています。

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本堂の中央に埋められたルーク・ミニットルーク・ニミット(ลูกนิมิต)という結界石

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蓮池に浮かぶ仏陀像

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本尊の土台部分から発掘された大小の仏陀像ペア

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約3.5メートル持ち上げられた本尊の土台の一部


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入り口はラーフ神、出口は象


また、ヒンドウー教の神々を展示した部屋などもあり、日曜日ということもあってか、どこもたくさんの参拝者で賑わっていました。


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サークラー村の民族博物館

本堂と通路を隔てた隣の敷地に2階建ての建物があり、1階部分はサークラー村の古い写真が展示されていたり、ベンチや電動マッサージチェアが置かれていたりする休憩所のようになっています。

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私が気に入ったのは、この2階部分にあるサークラー集落と寺にまつわる民族資料館のような博物館(พิพิธภัณฑ์พื้นบ้านสาขลา)でした。

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古い脱穀機や漁で使用した道具、昔の家具や備品などこの土地所縁の生活道具や、信仰されてきた古い仏像などが展示されており、とても興味深かったです。

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至る所に参拝者や観光客が溢れているワット・サークラーでしたが、ここだけは誰も興味がないのか、私たち以外に見学に来る人はいませんでした。

 

境内にはいろんなキャラが

境内のあちこちに、仏像や僧侶、鬼、動物、そして、ちょっと意味がわからないファンシーなキャラクターやどこかで見たようなキャラクター、いや、どう見てもあのキャラクターそのままといった置き物や像が点在しています。

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これらは、住民や信者からの寄進なのでしょうか、この寺院の僧侶の好みなのでしょうか。よくわかりません。


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あまりにもいろんな場所で目に飛び込んでくるこれらの像は、語弊があるかも知れませんが、統一感がなく雑多な印象を受けました。
それがまた、このお寺見学の面白さでもあると言えば、まあ、そうなんですが。

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ワット・サークラーへの行き方

バンコクのスクンビット界隈からだと、いくつか交通機関を乗り継いで行く必要があるので(タクシーや自家用車で行く場合を除いて)、時間の余裕と多少の冒険心が必要かも知れません。

 

BTS+渡し船+ソンテウ他

この方法は、BTSでオンヌットの先パークナム(サムットプラカーン県中心部)から渡し船に乗ってチャオプラヤー川を渡り、そこからソンテウまたはロットトゥーなどでワット・サークラ―まで向かうコースです。

スクンビット界隈からは比較的行きやすい方法ではないかと思います。
3つの乗り物を乗り継いでちょっとした日帰り旅行気分を味わえます。

 

BTSでパークナム駅から

パークナム駅で降りたら、前方6番出口から階段を下りて、パークナーム市場の桟橋まで向かいます。
市場の桟橋から渡し船でチャオプラヤー川の対岸、プラサムットチェーディーの船着き場まで行きます。(5.5バーツ)

以前、この渡し船の記事を書いていますので、よかったらこちらも参考にしてみてください。

www.manao.life

 

プラサムットチェーディー船着き場からお寺まで

プラサムットチェディーの船着き場に着いたら、そのままアーケードっぽくなっている道を進みます。
100メートルほど進むと左手に大き目の青いソンテウが停まっています。

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ここのソンテウは、他の地域より大きいトラックの荷台を改造しています。
いろんな行先があるので、乗る前に必ず行先を確認してください。


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ソンテウの正面または側面に

เจดีย์ อำเภอ สาขลา 1290(チェディー アンパー サークラ― 1290)

と書いてあれば、OKです。
タイ語が読めなくても、数字の1290が書いてあれば、たぶん大丈夫なはずです。

でも、念のために、運転手や乗っている人に聞いてみてくださいね。

パイ ワット・サークラ― マイ(カ/クラップ)?
ไปวัดสาขลาไหม (คะ/ครับ) [pai wát sǎa khlǎa mái khá/khráp]

上でも書きましたが、口語では、サークラ―(สาขลา)とはっきり発音せずに、サーカー(สาขา)のように発音することが多いので、

パイ ワット・サーカー マイ(カ/クラップ)?

でもいいと思います。そのほうが言いやすいですよね。
「○○支店」の「サーカー(สาขา [sǎa khǎa])」と同じ発音のイメージです。

一律8バーツで所用時間は30~40分です

 

ロットトゥーで向かう場合

このプラサムットチェーディー船着き場からお寺までは、ソンテウ以外にも、ロットトゥー(乗合バン)もあります。
同じく青い車体の側面に、
เจดีย์ สาขลา

と書かれています。


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一律15バーツで所用時間は20~25分です

 
ソンテウもロットトゥーも、ほぼ満車にならないと出発しないので、どちらか先に出る方に乗ってしまった方がいいと思います。

また、タクシーだとだいたい100バーツ程度とのことです。(所要20~25分)

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ソンテウを降りてお寺まで

タクシーはお寺の境内まで行ってくれますが、ソンテウやロットトゥーの降り場は、お寺の手前約200メートルほどのセブンイレブンの前になります。

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降りたら、そのまま真っ直ぐ道を進み、運河にかかる橋を渡るとお寺に到着です。
徒歩2~3分程度です。

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BTS+路線バス+ソンテウ他

渡し船に乗らずに、BTSと路線バスで向かう方法もあります。
BTSのシーロム線ウォンウィエンヤイ駅から20番のエアコンバスに乗ってプラサムットチェーディーに向かいます。

※20番のバスは、ミニバスもあるのですが、ミニバスはプラサムットチェーディーまでは行かず、途中のBig-C止まりとなるので、注意が必要です。

プラサムットチェーディーから先の行き方は、上記と同じです。

 

お寺情報


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ワット・サークラー(ワット・サーカラー)

วัดสาขลา

Wat Sakhla

所在地: 19 หมู่ 3 บ้านสาขลา ตำบลนาเกลือ อำเภอพระสมุทรเจดีย์ จังหวัดสมุทรปราการ

Suk Sawat-wat Sa Khla Rd, Tambon Na Klua, Amphoe Phra Samut Chedi, Samut Prakan 10290

電話: 085-907-1431, 082-551-5197 

参拝時間:8:00〜18:00

Facebook :https://www.facebook.com/WadSaKhlaNaKelux/
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おまけ

このあたりは、クン・イヤット(กุ้งเหยียด)というエビが有名らしく、お寺の周辺でもよく売られていました。
お腹が減っていなかったので試さなかったのですが、今思えば、お土産に買ってみればよかったと後悔。

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ワット・サークラーは、なかなかカオスなお寺でした。
近くには古い市場やシーフードレストランなどもあり、のどかな雰囲気が漂っています。
ふらっとバンコクを抜け出して、ワンデートリップに出かけるにはちょうどいいところかも知れません。

 

ではまた。

 

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