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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

タイ湾の離島へ南極老人星を見に行く(トラート県マーク島)

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3月のはじめ、日本ではあまり見ることのできない吉祥の星「カノープス」(別名:南極老人星)を求めて、タイ東部トラート県の島まで行ってきました。


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幸運の星カノープス

りゅうこつ座のα星カノープスは、古来中国では南極老人星(寿星)と呼ばれ、縁起の良い星とされています。
戦禍や疫病など乱世には現れず、天下泰平の世にしか見えないという言い伝えがあるそうです。
「見ることができれば幸福になれる。長生きできる」などと言われてきたとか。
まさに吉祥の星、幸運の星ですね。

カノープスがそれほどレアで尊ばれてきたのは、全天でシリウスに次いで明るい恒星でありながら、中国や日本をはじめとする北半球では南方の低い位置にしか現れないため、霞んだり雲や山などの障害物によって隠れたりして、なかなかその姿をはっきりと見ることができないということもあるのでしょう。(緯度の高い地域では全く見えない)

また、地平線(水平線)近くの低い位置では、地上の大気の影響により赤っぽく輝くことも、縁起が良いとされてきた一因かもしれません。(本来のカノープスは白)

この南極老人星(カノープス)を神格化し、その化身とされる「南極老人」というのが、日本でいう七福神の「寿老人」や「福禄寿」のモデルらしいです。

日本の房総半島地域では、「布良星(めらぼし)」などと呼ばれたりすることもあるそうです。

※カノープスには、上記「南極老人星」「寿星」「布良星」の他にも、「長生き星」「横着星」「「南極寿星」「老人星」など、たくさんの別名(呼ばれ方)があります。

 

マーク島へ

今回、私がカノープスを見に行ったのは、タイ王国東部トラート県の離島、マーク島(เกาะหมาก/コ・マーク)です。(日本語ではなぜか『マック島』と表記されていることも多いです)
タイで2番目に大きい島であるチャーン島の近く、ちょうどチャーン島と南のクート島(クット島)との間に挟まれた小さな島で、お隣りのカンボジアは目と鼻の先。





バンコクを朝4時に出発して、途中朝ごはんを食べたりしながらレームソーク港(Leamsok Pier)に着いたのが9時半過ぎ。

ブンシリ・フェリー(BOONSIRI FERRY)という会社の待合場所へ向かい、駐車場に車を停めて、事前予約してあったバウチャーを提示してチケットに交換します。

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boonsiriferry.com


ここから港のフェリー乗り場までは、ブンシリの専用車(トロリーカーのようなもの)で向かいます。

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桟橋のベンチでしばし待機し、出航時刻の10分くらい前に船に乗り込みました。
(大型の荷物は甲板でまとめて預かってくれます)

この日の乗客は15人ほど。
欧米人をはじめとする外国人観光客はだいたい上のデッキに座るので、エアコンの効いた室内席にはほんの数人しかいません。(ほぼタイ人。と私)

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11時半過ぎ。
約1時間でマーク島のアーオニット港(Ao Nid Pier)に到着です。

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フェリーから降りると、事前に電話しておいたリゾートの車が迎えに来てくれていました。

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島の南の宿を選んだ理由

私が今回予約したのは、島の南端にある「タレータイム」という小さなリゾートです。
タイ語のタレー(海)とタイムで「海の時間」というような意味だと思います。

(英語で「TALAY TIME」と書かれるため、日本語の予約サイトでは「タライタイム」と表記されていることもありますが、ちょっと違いますね)

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このマーク島、砂浜となっているビーチは島の北部か北西部がメインで、島の東岸及び南側にはあまり砂浜がありません

それでも私がこの南端の宿を選んだのは、南極老人星(カノープス)や天の川を見たかったからにほかなりません。
カノープスはその名前の通り南の空に輝き、この時期の天の川(夏の天の川)は東から南にかけて現れるのです。

島の南側はリゾートやレストランもほとんどなく少しさびしいことはさびしいのですが、その分、手つかずの自然やプライベート感が味わえ、ゆっくり滞在するにはいいロケーションです。
そもそも私たちはビーチでガンガン泳いだりするわけではないので、静かにきれいな海を眺めながら過ごせれば満足です。
人や明かりが少ないことは、星空観賞&星空撮影にはうってつけの条件ですしね。





あ、それから、このリゾートには、サンライズもサンセットも両方楽しめるという利点もありました!

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小高い丘の上にあるレストランからの景色も最高なんですよね。

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マーク島のごはん

マーク島の物価は、総じて高めです。
これはここに限ったことではなく、国を問わず離島は高めになる傾向にありますよね。
ただ、ホテルのマネージャーさんの話によると、マーク島はお隣のチャーン島やクート島よりもさらに若干高いとのことでした。
それは、チャーン島やクート島は観光客も多くフェリーの定期便も多いが、マーク島はまだマイナーな島で船も少なく運送費が高くつくからだとか。

道端の食堂で、ふつうのガパオライスやクイッティアオ(麺)でも1品70~80バーツはします。
ちょっとおしゃれなレストランだと一回の食事で数百バーツはかかる感じです。

でもまあ、リゾート地だし、あまり深く考えずに非日常を楽しみましょう!

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南極老人星は拝めるのか!?

それでは、今回の目的である星空観賞の話に戻りましょう。

宿のまわりを軽くロケハンし、三脚を立てる位置や方向をざっくりシミュレーションしたりして、夜を待ちます。

初日の夜はホテルのレストランで夕飯を食べて、いよいよ星空撮影開始の時間となりました。

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ん?

な、なんだ、これはー!


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水平線上にたくさんの緑の光が。

そうです、イカ釣り漁船の光が煌々と輝いているのです。

いろいろ準備してきたつもりでしたが、こんなところで刺客が登場するとは。
最近、山にばかり星を撮りに行っていたとはいえ、迂闊でした。
がっくりです。

とはいえ、こうなったら仕方ない。
これもこの時期のタイ沿岸部のリアルだし、ある意味自然な風景として受け入れるしかないですね。

肉眼では小さな点でも、長時間露光をする夜空の撮影では蛍光緑が空一面を染めることになります。
まあ、きれいっちゃきれいなんですけどね。

レタッチでなんとかできる域を超えているので(少なくとも私の腕ではお手上げ)、変に加工はせず、ほぼそのまま表現することにしましょう。


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これは、泊ったリゾートの桟橋あたりから南の空を撮ったものです。

右上にオリオン座、中央やや上でひときわ明るく輝くのが、全天で一番明るい恒星、シリウス(おおいぬ座)。

そして、中ほど左下で明るく輝いているのが、今回のメインである、りゅうこつ座のカノープス「南極老人星」です!

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さすがタイですね、カノープスがこんなに高い位置で見えるなんて。
これくらいの高さになると大気の影響もさほど受けないので、赤っぽくは見えません。
(イカ釣り漁船の影響を受けて、むしろ緑っぽく輝いておりますが!笑)

なにはともあれ、幸福と長寿の星と信じられ、縁起のいい「南極老人星」を見ることができて本望です。
(もしかしたら、今までも知らずに見ていたかもしれませんが)

※マーク島は北緯11.8度


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これは、明け方が近づいてきた頃に部屋の前から見上げた空です。

デイゴの木越しに、私のお気に入りのかんむり座と、春の星座でもあるうしかい座のアークトゥールスとおとめ座のスピカも見えました。

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かんむり座は形が可愛らしいのと、(写真で)パッと見て私がわかる星座のひとつなので気に入っています。笑


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夏の天の川も淡くのぼっていました。

デイゴの赤い花と、タイ語で「鹿の耳の葉」(バイ・フー・グワーン)と呼ばれる気の間には、さそり座がきれいなS字を描き、いて座の南斗六星も写っていました。

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季節は動いていますね。

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そして、しだいに星は姿を消ししていき、幻想的な朝を迎えました。

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「あー、マーク島に来てよかった」

と思える、夜と朝でした。



リゾート気分も満喫

星空メインの旅行でしたが、今回は島のビーチリゾートということで、バケーション的なことも楽しんでまいりました。

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宿でバイクをレンタル(250バーツ/日)して賑やかなエリアへご飯を食べに行ったり、沖に浮かぶ美しい無人島「カーム島」(เกาะขาม/Koh Kham)までボートで渡ってみたり。

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カーム島へのボートは宿のフロントで予約してもらいました。
どこでもだいたい1ドリンク付きで300バーツ前後で手配してもらえるはずです。

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自力でカヌーを漕いでいくこともできますが、島に上陸するには1人200バーツ(ドリンク付き)徴収されるとのこと。

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カーム島はシュノーケリングスポットもある美しい島で、引き潮になると現れるエンジェルロード的な白い砂浜も人気です。
(私が訪れた時は満潮気味だったのでその砂浜には立てませんでしたが、エメラルドグリーンのグラデーションが美しかったです)

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なお、ビーチの一部には建設途中で放置されたリゾートがあり、ちょっとした廃墟感を醸し出していて、なかなか味わい深かったです。

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あと、マーク島の北西端に位置する有名な映えスポット、桟橋のバーにも行ってみました。

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Cococape Resort の敷地内にあるこのブルー・パール・バー(Blue Pearl Bar)、宿泊者以外の客が利用する場合は、ワンドリンク付き200バーツの入場料を払います。

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マンゴーとパッションフルーツのスムージーが美味しかったです。

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おわりに

今回は、2泊3日のマーク島滞在でした。

お目当てのカノープス(南極老人星)も拝めたし、南国リゾート気分を味わったり、食事を楽しんだり、海辺でのんびりしたりと、あれこれいっぱい満喫しました。

イカ釣り漁船による光害という、星空の写真撮影という観点では若干残念な部分もありましたが、それもまた良い思い出です。
(滞在中、美味しいイカを食べながら複雑な気持ちになりました。笑)

まだまだ手付かずの自然が残るマーク島、かなりおすすめです。


以上、マーク島まで縁起のいい星「南極老人星=カノープス」を見に行った話でした。

ではまた。