なぜ、雨季にチェンライの山なんかに行こうと思ったのか。
それは、エアアジアの乗り放題パスを使いたかったから。
タイ北部に連なる山々のベストシーズンは寒季(乾季)というのが一般的なのもあって、それほど期待していなかったのですが、雨季には雨季の趣きがありました。
- チェンライ空港からドイディンデーン陶器工房へ
- 霧のドーイ・パータン
- 月を指す山(プーチードゥアン)
- 山と谷を望むかわいい宿「ファートーン・トーファン」
- 夕暮れのプーチーファーへ
- 夕飯はムーカタで乾杯!
- 雨のプーチーファー
- おかゆの朝食、雨の山路
- 道端のレストランでランチ
- 足マッサージをして空港へ
チェンライ空港からドイディンデーン陶器工房へ
7月の土曜日の朝。
エアアジアでドンムアン空港からメー・ファールアン、チェンライ国際空港へと向かいました。
(今回もエアアジアの1年間乗り放題パス(サブスク)を利用してきました)
1時間ちょっとの気持ちの良いフライトでした。
機窓の景色も穏やかで美しかったです。
チェンライ空港に到着したらAVISのカウンターで予約してあったレンタカーを借り、
最初に向かったのが、ドイディンデーン(Doy Din Dang Pottery / ดอยดินแดง)という陶器工房。
こちらは、唐津の人間国宝の下で学ばれたタイ人陶工ソムラック先生と日本人の奥様が営まれている工房です。
2019年末に訪れて以来、約2年半ぶりの訪問です。
今回は、週末のプーチーファー弾丸旅行なので、あまり寄り道的なことをする時間はなかったのですが、この工房はどうしても立ち寄りたかったんです。
朝一で、まだ訪問者のいない静かな敷地内を少し散策させていただき、陶器販売ギャラリーを拝見してから、併設のカフェでアイスカフェオレをテイクアウトしました。
次回はもっとゆっくり滞在したいと思いつつ、山に向けて出発です。
近くにあった教会
霧のドーイ・パータン
チェンライの市街から小一時間で、空を指す山「プーチーファー」(Phu Chi Fa / ภูชี้ฟ้า)の麓に到着。
ここから先、山道をぐんぐん上っていきます。
プーチーファーというのは、あくまでラオスとの国境に連なる山々のうちの峰のひとつなんですが、この日は、プーチーファーから北に20キロちょっと(直線距離では10キロ程度)の場所にある、ドーイ・パータン(Doi Pha Tang / ดอยผาตั้ง)という峰に先ず向かうことにしました。
このドーイ・パータン(単にパータンと呼ばれることも)は、前回のプーチーファー訪問時に、時間の都合により諦めた場所のひとつで、ずっと行きたかったんです。
頂上からの景色は素晴らしく、馬で登るサービスもあるみたいなんですよね。興味津々。
12時過ぎ。
パータンの駐車場に到着。
結局、チェンライ市内から麓までより、麓から山道を上がってくる方が時間かかりましたね。
ていうか、雲が立ち込めてますね。。。
とりあえずは、登山道(トレッキング的なレベルです)の入口にあるお店で腹ごしらえを。
雲南スタイルのクイッティアオ(麺)なるものを注文してみました。
クイッティアオ・ガイ・スーット・ユーナーン(ก๋วยเตี๋ยวไก่สูตรยูนาน 40 THB)
麺は普通の米麺ですが、キャベツに鳥のささみとミートボール、挽肉の辛味噌的なものが乗っており、思った以上に深い味わいで美味しかったです!
ランチを食べたら、トレッキング開始です。
最初は階段道が続きます。
相変わらず雲が多くて視界が悪いのですが、雲の切れ目からメコン川が見えました。(見えてる場所はお隣のラオス)
仏像が安置されていました。
この辺りから先は、土の道です。
霧というか靄が立ち登ってきます。
石林・パーヒン(ป่าหิน)と書かれた奇岩(?)なんでしょうね。
これくらいの岩はそれほど珍しくないような気がしますが、もしかしたら、この上にもっと別の岩群があったのかもしれません。
巨岩の割れ目みたいな。
きっと、晴れていればここからの景色も綺麗なんでしょうが、なんせガスだらけなので、チラ見して通り過ぎました。
とりあえす、ヌーン102(เนิน 102)という丘陵の頂上を目指しましょう。
うーん、何にも見えん・・・・。
しばらく待ってみましたが、霧が晴れる様子もないので、下山することにしました。
まあ、雰囲気は味わったのでよしとしましょう。
ちなみに、この時は馬に乗って頂上まで行くサービスは見当たりませんでした。
そういえば、パータンの駐車場に上がって来る途中で、道端で草を喰む1頭のポニーを見かけたんですが、おそらくその子だったんでしょうね。
観光シーズンだけのサービスなのかも知れません。
徒歩でも頂上まで15分〜20分くらいですけどね。
月を指す山(プーチードゥアン)
パータンを後にして次に向かったのは、これまた前回行けなかった「プーチードゥアン」(Phu Chi Duean / ภูชี้เดือน)、「月を指す山」という意味の名前が付けられています。
有名なプーチーファー(空を指す山)の近くには、このプーチードゥアン(月を指す山)やプーチーダーオ(星を指す山)など、旅行者の興味をくすぐるロマンティックな名前の山がいくつかあります。
私もそんな素敵な名前に興味をガッツリ掴まれたひとり。
前回訪れた、空を指す山プーチーファー及び、星を指す山プーチーダーオの様子はこちら↓
今回は、月を指差す山を見に向かいます。
ここがプーチードゥアンの入口。
だーれもいません。
この先は乗用車では上がれないので、通常は四駆のピックアップみたいなので上部の駐車場まで送ってくれるはずなんですが。。。
近くにいた人に聞いてみたら、「観光シーズンしかやってないよ」と。
そうすると歩いて行くしかないようですが、「1時間くらいかかるんじゃないかな?」とのことで諦めることにしました。
だって、天気が良ければまだしも、この空の様子じゃ時間と労力を使って頂上に行ったとしても、先ほどのパータンと同様に真っ白な世界しか望めないのは明白でしたから。
これでまたここへ来る理由ができたと思うことにします。
次回に期待ですね。
山と谷を望むかわいい宿「ファートーン・トーファン」
プーチードゥアンを諦めた私たちは、早めに宿へ向かうことにしました。
今回予約してあったのは、プーチーファーとプーチードゥアンの間にある小さな宿でした。
ファートーン・トーファン(ฟ้าทองทอฝัน)という名前で、『夢織りなす黄金の空』みたいな素敵な意味なんですが、タイ語で韻を踏んでいて、音的にもきれいなネーミングです。
道路脇の山の斜面に建てられており、部屋は3つしかありません。
Googleマップでたまたま見つけて、写真やレビューからなんとなく良さそうな宿だと思って決めましたが、直感に間違いはありませんでした。
部屋は簡素ですが清潔で、ガス式のホットシャワーもあり、十分な湯量の暖かいお湯が出ました。
そして、何より素敵なのは、部屋の前にあるベランダからの景色ですね。
椅子に座って、際限なくぼーっとしていられそうです。
私たちが滞在した時は、雨や霧に煙る緑の山々や空を覆う雨雲の流れが美しかったです。
晴れた日には、青空や真っ赤な夕日、そして満天の星空が望めるらしいです。
また、1月頃には、宿の周りに植えられたヒマラヤ桜が満開となるんだそうです。
寒季(乾季)となる11月から3月くらいにかけてがこの辺りのベストシーズンだと思いますが、またその頃に泊まりにきたいですね。
部屋のベランダも素敵ですが、朝食会場も兼ねる共用のテラスもまたいいんですよ。
わんちゃんもかわいい!
ホステル入口に咲いていた1輪のバラも鮮やかで映えました。
<宿情報>
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ファートーン・トーファン
ฟ้าทองทอฝัน
所在地:VF83+2GG Unnamed Road, ตำบล ตับเต่า อำเภอ เทิง Chiang Rai 57310
TEL:089-956-8893
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※周囲にはレストランや売店などがないため、夕食を宿で食べたい場合は、テイクアウトしたものを持ち込むか、事前にムーカタ(タイ風鉄鍋焼き肉)のセットをお願いしておくことをお勧めします。
私たちは、当日チェックインの時にお願いしたのですが、当日だとこのゲストハウスでの仕入れが間に合わず、別のお店から取り寄せてもらうことになりました。繁忙期だと対応しきれない可能性もあるので、念の為、前日までに注文しておくほうがいいと思います。
夕暮れのプーチーファーへ
シャワーを浴びて部屋のベランダでまったりした後、せっかくなので夕暮れのプーチーファーへ行ってみることにしました。
宿からプーチーファーの駐車場までは10分ほど。
しかし、手前のゲートで守衛さんに「もうすぐ閉まるから明日の朝にすれば?」と止められました。
ゲートの開門時間を見ると、朝の4時から夕方6時まで。
確かに、あと30分ちょっとしかありません。
それでも、少しだけでも夕方の山を眺めたいとお願いして、通してもらいました。
ありがとう、守衛のおじさん!
駐車場に到着すると、大型バイクが一台だけ停まっており、売店も全て閉まっていました。
車を停めたら、急いでプーチーファー頂上へと続く階段を上がって行きます。
階段を歩いてすぐの場所で、上から降りてくるインド系の男性とすれ違いました。
おそらく彼がさっきのバイクの持ち主でしょう。
というわけで、本当に我々が最後の訪問者となったようです。
息を切らしながら、プーチーファーの頂上が見える草原まで到着。
頂上まで行って帰ってくる時間はありそうもないので、この辺りからの景色を楽しむことにしました。
霧(靄?)が流れてはプーチーファーの頂を隠したり現したりしています。
重なるように連なる山々の景色も幻想的でした。
前回訪れた快晴のプーチーファーとはまた違った美しさがありました。
もうしばらくこの景色を眺めていたかったんですが、守衛のおじさんとの約束もありますので、この辺りで帰ることにします。
また明日の朝、来ることにしましょう。
夕飯はムーカタで乾杯!
宿に戻る前に、道沿いの食堂でカオパット(炒飯)とソムタムをテイクアウトで買って帰ることにしました。
夕飯はムーカタ(タイ式鍋の焼き肉)を注文しておいたのですが、足りなかったら嫌だなと思って念のために。(後でそんな心配は杞憂であったと知ります)
この食堂のテラスからの眺めも良かったですね。
宿に着く頃には、あたりはだいぶ暗くなっていました。
共用テラスのテーブルに、宿の方が炭を起こしてムーカタの準備をしておいてくれていました。
2人分で490バーツだったので、こじんまりしたセットかと思ったら、肉も野菜もドカンと用意されていたので驚きました。
個人的に、普段ムーカタを食べる機会はめっきり少なくなったものの、タイの山ではこのムーカタが定番のようで、私たちもそれにならってムーカタをお願いするのですが、山の空気やアウトドアな雰囲気が手伝うのか、山で食べるムーカタの美味しいこと!
冷えたビールの美味しいこと!
ビールのあてに買ってきたソムタムも美味しかったし、静かに炭が熾る音も虫の音も最高でした。
結局、足りないかもと思っていたムーカタのセットだけで満腹になり、カオパットは完全に不要でしたね。
お腹がはち切れそうでした。
雨のプーチーファー
翌朝、5時に宿を出てプーチーファーへ向かいました。
霧に包まれた駐車場には、私たちが一番乗りでしたが、いくつかの売店には明かりが灯っており、おばちゃんたちが開店の準備を行っていました。
木の杖を借りたかったので、売店でコーヒーと生姜湯を注文しました。
体が温まったところで、いよいよプーチーファーの頂へ。
外はまだ真っ暗なので、ヘッドライトを点けていざ出発!
階段を20段くらい上ったところで、顔にぽつり。
ん?
霧の水滴?
ぽつり、ぽつり。
ぽつ、ぽつ、ぽつ・・・
ザーッ!!!!
突然の雨。
しかも強め。
小雨くらいは覚悟していましたが、これはもう無理。
一旦車に戻って待機です。
それから30分くらい待ったんですが、止む気配なし。
お借りした杖をおばちゃんに返して、宿に戻ることにしました。
雨季ですもんね、残念。
でも、昨日の夕方、ちょっと無理を言って山を見ておいてよかったです。
守衛のおじさんのアドバイス通り「明日の朝来ればいっか」って諦めていたら、今回、一度もプーチファーを拝めず終いになるところでした。
(ちなみに、その日は大雨により日中もゲートは封鎖されてしまいました)
おかゆの朝食、雨の山路
宿に戻ったら、宿の周りもかなりガスっていました。
テラスのテーブルで朝食をいただきます。
おかゆを準備してくれていました。
雄大にして幽玄な景色を眺めながら、ゆっくりと食事をしました。
なんだか、雲と地上の間にいるような景色。
というか、断然雲の方が近いのです。
ああ、こういう時間もいいもんだなあ。
雨音に耳を傾けながら、もう一眠りしようかなんて考えていました。
10時半にチェックアウトして、ゆっくりチェンライ市内へ向かって帰ることにしました。
カーブの続く山道を降ったり上ったり。
途中、少数山岳民族であるモン族の集落に差し掛かったところで、独特なスタイルのお堂が目についたので立ち寄ってみましたが、扉は閉ざされ廃れていました。
その後、雨足が強くなり、急勾配の峠では滝のように流れてくる水でタイヤがスリップしたりして、ヒヤヒヤしました。
雨季のチェンライを舐めてはいけませんね。
平野部に降りてきた頃にやっと雨も止みました。
道端のレストランでランチ
どこかでランチを食べようと、Googleマップに保存していたカフェに立ち寄ってみたんですが、あいにく現在はカフェとしての営業は行っておらず、夕方にビヤガーデンとして営業しているようでした。
店の方が、写真はどうぞご自由に撮っていってくださいと言ってくれたので、数枚パチリ。
田園の緑がきれいでした。
とりあえず、チェンマイ市内に向かって車を走らせて、道路沿いにあったレストランに適当に入ってみました。
メニューにあったカオソーイは「今日はない」とのことで、パッタイを注文したんですが、このパッタイ、美味しかったです。
わざわざここに立ち寄って食べてくださいとお勧めするほどではありませんが、行き当たりばったりで入った店にしては当たりだったなあと思いました。
足マッサージをして空港へ
チェンライ市内に到着して、フライトまではまだ時間があったので、これまた適当に見つけたお店でフットマッサージをすることに。
最近できたばかりなのか、明るく真新しい店内。
おしゃれなつくりでした。
マッサージは上手でしたが、ベッドのような椅子での施術だったのが珍しいなと思いました。
(個人的には普通のリクライニング式のソファーが好きです)
足も軽くなったら、ガソリンスタンドで満タンに給油して、空港へ。
最近の私たちの傾向で、今回も1泊2日の弾丸旅行でしたが、意外とのんびりする時間も多くて楽しかったです。
雨季だといろいろ制限や足止めなどもあったりするし、チェンライの山々をお勧めするならやはりベストシーズンである乾季(寒季)の方がいいことは確かなんですが、雨季には雨季なりの美しい景色や過ごし方もあるんだなということがわかりました。
ということで、チェンライの週末旅行は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ではまた。