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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

名峰「ドーイ・ルアン・チェンダオ」の空と星をリス族の村から見る(タイ・チェンマイ県)

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チェンマイ県にあるタイで3番目に高い山、ドーイ・ルアン・チェンダオ山が美しく望める最高の展望スポットがあります。

週末、山と空と星の絶景を求めて、山岳少数民族「リス族」の村へ1泊2日で行ってきました。
午後の穏やかな青空から夕焼け、星空、日の出まで、チェンダオの山々の心洗われるような雄姿を、丸一日堪能できました。

リス族の村への行き方なども紹介していますので、よかったらご覧ください。


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星の町の大きな山

タイ第3位の高さ(標高2,275m)を誇るドーイ・ルアン・チェンダオ(ดอยหลวงเชียงดาว / Doi Luang Chiang Dao)という山の名前の由来は、Wikipediaによると、もともとは、かつてこの地でお釈迦さまが水浴びをなさったという伝承から「ドーイ・アーンサルン」(『水瓶の山』の意味)と呼ばれていましたが、後に「ドーイ・ルアン」(『大きな山』の意味)と呼ばれるようになり、さらに『星(まで届く)ほど高く大きな山』という意味の「ドーイ・ルアン・ピヤンダーオ」へと変化し、最終的に「ドーイ・ルアン・チェンダオ」となったらしいです。

ดอยเชียงดาว - วิกิพีเดีย



チェンダオの「チェン(チアン)」(Chiang)は『町』や『都市』を意味し、「ダオ」(Dao)は『星』を意味するので、『星の町にある大きな山』というような意味だと漠然と思っていたのですが、こういった由来と名前の変化があったんですね。

また、ドーイ・ルアン・チェンダオは、単にドーイ・チェンダオと呼ばれる場合もあり、当記事でも「チェンダオ山」と表記することがありますがご了承ください。

いずれにしても、星を名前に冠したお山ですから、きっと星空も美しいはず!
ということで、期待いっぱいでドーイ・ルアン・チェンダオ山へと向かったわけです。



リス族の村「ナーラオマイ」

ドーイ・ルアン・チェンダオを美しく眺められるスポットはたくさんあります。
チェンマイ中心部から107号線を北上してチェンダオ郡に入り、しばらく行ったところで車窓に現れるチェンダオ山も感動的だし、チェンダオの麓の町から見上げる雄姿もなかなかの迫力があります。
チェンダオ山周辺には、私の知らない鑑賞スポットがごまんとあるでしょう。

そんな中で、私が以前訪れてとても気に入った場所が「バーン・ナーラオマイ」(บ้านนาเลาใหม่)という、リス族の村なのです。


山岳少数民族であるリス族が住むこの村は、ドーイ・ルアン・チェンダオを取り囲む小高い山の稜線に位置し、谷を隔てて正面にドーイルアン・チェンダオを眺めることができる最高の展望スポットなんです。

約3年前、チェンダオ山の裏側にある秘境「ムアン・コーン」へ行った時に立ち寄ったのが最初でした。
その時に見たチェンダオの山々の景色が非常に美しくて、脳裏に焼き付いていました。

ただ、その時はこの村に宿泊することはできませんでした。

この村はチェンダオの野生生物保護地区内にあるのですが、近年の山の絶景ブームにより建てられた違法宿泊施設が問題となり、数年前に当局によりこの村の宿泊施設が閉鎖させられたという経緯があったのです。

その後、村民と当局との話し合いにより規則を厳守するという条件の下、一部再開が認められたという情報も目にしましたが、ちょうどコロナ禍に見舞われたこともあってか、3年前にこの村を訪れたときは、絶景だけが残るゴーストタウンのようなありさまで、宿泊客はおろか村人の姿もほとんど見かけない状況でした。

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「あれからどうなったんだろう?」と思って調べてみたら、Facebookなどで予約を受け付けている宿がけっこうあったので、今回行ってみようと思い立ったしだいです。

よかったら以前の記事もご覧ください。

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チェンマイ空港からナーラオマイ村まで

まずは、チエンマイ空港からリス族の村「バーン・ナーラオマイ」までの行き方を紹介したいと思います。

レンタカー(自家用車)

私たちは、チェンマイ空港でレンタカーを借りて自分で運転して向かいました。
チェンダオまでの道のりは全く難しくはなく、チェンマイの中心部から107号線をひたすら北へ向かうだけです。



旧市街から約70キロ、1時間ちょっとでチェンダオ郡に入ります。
チェンダオ裁判所の手前にある交差点を左折して、チェンダオ山の方面へと進んでいきます。
この先は、田園風景の中にチェンダオ山が見え隠れし、巨木の並木道(最近タイ人の間で人気の撮影スポット)などを通過しつつ、だんだんと山の麓へと近づいていきます。
途中、チェンダオ洞窟などもあるので立ち寄るのもいいでしょう。


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チェンダオ洞窟を過ぎてしばらく行くと、野生動物保護地区への入域チェックポイントがあります。
こちらで、代表者が降りて行って入場料を支払います。

タイ友がチケットとティッシュを持って戻ってきたので、それは何かと尋ねたら、
「チケットと一緒にこのティッシュ渡されてさ、20バーツだって。山の上では汗かくから必要でしょ?って言うんだ」なんて、笑っています。

もう、そういうところが両方タイ人らしくて好きなんですけど、これってある意味押し売りですよね。笑


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チェックポイントから先は、急カーブ急こう配の山道となります。
普段から運転してる方や運転に慣れている方なら大丈夫だとは思いますが、運転にあまり自信がない方はレンタカーでの移動は避けた方がいいかも知れません。
レンタルバイクで走っている外国人も何人か見かけましたが、十分お気を付けください。



公共交通機関で行く方法

自家用車やレンタカーではなく、公共交通機関で向かう場合は、チェンマイ・バスターミナル1(チャーンプアック・バスターミナル)からバスに乗ります。
タートーン(ท่าตอน)行きのバスが、チェンダオを経由します。
この路線はわりと頻繁に出ているようです。

チェンマイからチェンダオまで約1時間半。


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チェンダオのバスターミナルで、リス族の村への行き方を職員さんに聞いてみました。
ナーラオマイ村へ行く路線バスや乗り合いソンテウはないのですが、バスターミナルの職員にお願いすれば、車を呼んでくれるとのことでした。(片道150バーツ、往復300バーツ)

ベンチに座って車を待っている外国人旅行者が数人いました。

また、リス族の村で宿泊する方は、だいたい宿の人が車を手配してくれるので、事前にお願いしておくのもいいでしょう。(同じく片道150バーツ、往復300バーツが相場)
ただ、宿やドライバーさんとのタイ語での電話やりとりが少なからず必要になってくるので、若干ハードルは高いかも知れません。



バーン・リースー・ホームステイ(Ban Lee Shu Home Stay)

今回、私たちが泊まったのは、ナーラオマイ村のリス族集落に点在する宿泊施設のひとつ「バーン・リースー・ホームステイ」(Ban Lee Shu Home Stay / บ้านลีซูโฮมสเตย์)という宿でした。


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シーズンに入った11月の週末ということもあり、9月のはじめに問い合わせた時点で既に個室タイプの部屋は満室だったため、テントを予約してありました。
ちなみに、テントで1泊1,600バーツと、なかなかのお値段。
ただ、夕飯と朝食が付いているのはありがたいですね。(この集落の宿はだいたい2食付きのよう)

テント泊の客は、共同のトイレとシャワー(または水瓶からの水浴び)となります。
山の施設にしてはそこそこ清潔に保たれていたと思いますが、石鹸やシャンプー、タオルは持参する必要がありました

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タイと言えども、11月の山の夜はさすがに冷えるので、私はまだ日が照っている夕方と朝は日が昇ってから(それでも気合を入れて)水浴びしました。


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このあたりの宿は山の斜面に建てられており、だいたい一番上に受付と展望テラスがあり、宿泊用の部屋(小屋)やテントはそこから斜面を下るような形で点在しています。


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テントは独立しており、隣との距離もそこそこあるため、ある程度プライバシーが確保されています。
もちろん、テントの設営は宿の方でやってくれているので(というかほぼ常設)、宿泊客は荷物を運び入れるだけでOKです。

私たちのテントは駐車場や受付からは最も坂を下って行った場所だったのですが、その分、他の小屋やテントが視界に入ることがなく、目の前に緑の谷とドーイ・ルアンチェンダオの雄姿が拝めるというメリットがありました。

どうですか、素敵な眺めです!

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山・空・星堪能でチル三昧

テントに荷物を運び入れたら、あとはひたすらのんびりするだけ。
今回の目的は、チェンダオの山と空と星を眺めながらボケーっとしつつ、ミラーレスカメラでタイムラプスを撮影しまくろうという、まさに私にとっては「チル三昧」の滞在。
12時のチェックインから翌日11時のチェックアウトまでほぼ丸一日、目の前に広がる景色を堪能し続け、テントと宿の敷地内だけで過ごしました。

山三昧

テント前に用意してくれている折りたたみチェアに座って山を眺めながら、三脚にカメラをセットしてインターバル撮影(タイムラプス用)開始。
私はわりとボケーっと雲の動きを眺めていられます。笑

テントの上には草葺きの屋根があるので、適度に日差しも雨も避けられます。

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ただ、テント前のテラスの床は木組みの上に竹を敷いた仕様なので、三脚の設置場所と振動にはかなり気を使いました。

山にかかる雲が厚くなり一瞬だけ雨がパラつきましたが、その後に現れた虹がまるで絵画のようで心洗われました。

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夕焼け空

日暮れには空がオレンジ色に染まり、日暮と共にリス族の集落と宿泊施設に明かりが灯り始めました。

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チェンダオ山の星空

泊まった日の夜はほぼ半月で、雲もわりと流れる天候だったため、星空鑑賞のコンディションとしては万全とは言えませんででしたが、それでも雲の切れ間にきれいな星空を眺めることができました。

町から離れているのと、この集落自体が標高1,000メートルを超えており空気が澄んでいるからなのでしょうね。

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ほぼ1日かけて撮ったタイムラプスを編集してYouTubeにあげてみました。
オリオン座や冬の大三角もバッチリ撮れました!
よかったらご覧ください。


www.youtube.com



ちなみにこちらは、2021年にスマホで撮影したものです。(当時は人の気配がなく静かです)


www.youtube.com



ごはん

バーン・リースー・ホームステイで食べたものを紹介します。

晩ごはん

夕方5時になると夕飯の時間です。
上のテラスへ行ってそれぞれ好きな場所に座ります。
私たちはテラスのカウンターに座ってみました。
夕方から日暮にかけてのチェンダオ山も美しく、景色をおかずにご飯が食べられる感じ。

しばらくすると、宿の人がご飯セットを運んできてくれました。


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野菜と鶏肉のスープ、野菜の炒め物、タイ風卵焼き(カイチアオ)、特製のナムプリック、白ごはん、と、野菜たっぷりの思っていたよりちゃんとしたセットでした。
味付けも薄味でいい感じです。
特製のナムプリックは辛めですがコクがあり、ふりかけみたいに混ぜて食べるといいアクセントになりました。

しかも全ておかわり自由です。(私たちは十分な量だったのでおかわりしませんでしたが)
絶景と共にご飯を食べられる幸せを噛みしめます。


ムーカタ

個人的に普段バンコクでムーカタ(タイ風焼肉兼鍋料理)を食べることはほとんどないのですが、山へ行くとなぜかムーカタを食べなきゃならないような気になってしまいます。
それでチェックイン時にムーカタを追加注文していたわけですが、正直言って、提供してもらった夕飯だけで十分でした。
でもせっかく注文したのだからと、お酒を飲みながら(甘いタイ米のお酒)ゆっくり食べました。

動物の練りものが可愛すぎました。

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ちなみに、ムーカタはみんなが夕飯を食べ終わった18時半頃から展望テラスのテーブルに用意してくれます。(テント前での提供は不可になったらしいです)

 

朝ごはん

夕飯と同じく上のテラスでいたただきます。
シンプルにお粥のみですが美味しかったです。
セルフサービスでした。

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ガパオライス

到着日にテントの準備ができるまでの時間潰しも兼ねて、昼ごはんとして注文しました。
テラスのカフェでは、ドリンク以外にも簡単な料理を注文することができます。

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ローティー

宿付属のローティー(ロティ)屋さんのローティーがパリッパリで非常に美味しかったです。

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バナナ入りも美味しかったんですが、プレーンなローティーがシンプルに美味しくて、滞在中2回も注文してしまいました。
よかったらぜひお試しください。

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充電・電波状況

部屋やテントに充電できるコンセントはありません。
展望テラスのカフェの一角にだけ共用の充電スポットがあります。

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モバイルバッテリー(パワーバンク)は持って行ってたのですが、給電しながらの撮影などで使い切ってしまったので、翌朝、テラスで充電させてもらいました。

「70%になったらプラグから抜かせていただきます」と書いてありました。
ソーラーを利用した貴重な電気なので、みなさん譲り合って使っています。

また、携帯の電波状況ですが、決して良いとは言えません。
初日の昼過ぎは調子が良くLINEやネット検索ができましたが、夕方以降はアンテナ表示(3G)は3本くらい立っているものの、全く繋がりませんでした。
基地局が極端に少なく、使用者が増えるとすぐにいっぱいになってしまうのかも知れませんね。
ちなみに、私はAISで友人はTrueでしたが、その日はTrueのほうがまだ繋がる確率が高かった印象でした。

いずれにしても、スマホや携帯電話の使用は、あまり期待しない方がいいでしょう。
(自然を満喫しましょう😆)

 

宿情報

最後に、今回泊まった「Baan Lee Shu Home Stay」の情報を書いておきます。

<宿情報>
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バーン・リース―・ホームステイ
บ้านลีซู โฮมสเตย์
Baan Lee Shu Home Stay
所在地:CR7V+VRR ตำบล เชียงดาว อำเภอเชียงดาว เชียงใหม่ 50170
    Chiang Dao, Chiang Dao, Thailand, 50170
TEL:062-304-1685、091-724-7536
URL:https://www.facebook.com/BannLisuHomestay/
Line : @banlisu89(予約ははLINEのみ、電話予約は不可とのこと)
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<注意事項>
アメニティグッズ・・・一切ありません。シャンプー、石けん、その他洗面用品などは持参のこと。タオルもありません。
ホットシャワー・・・ありません。水シャワーのみ。昼間の気温が高いうちに浴びておきましょう。もしくは、濡れタオルやウエットティッシュでしのぎましょう。
携帯の電波・・・電波は3Gのアンテナが2,3本立っていましたが、ほぼ使えませんでした。たまに繋がる感じ。あまり期待しない方がいいです。
充電用コンセント・・・各部屋やテントにはありません。テラスのカフェの一角で充電できるところはあります。モバイルバッテリーを持参したほうがいいです。
エアコン・扇風機・・・ありません。年間通じて涼しい(らしい)ので我慢してください。自然の風を感じましょう。
・・・テントには鍵がありません。貴重品は常に携帯するほうがいいです。心配な方は小型の南京錠やダイヤルロックを持参すれば、ファスナーの金具同士を留めてロックすることはできます。
ムーカタ・・・2人用セットで500バーツ。チェックイン時に予約可能。上のテラスのテーブル席に準備してくれます。テント前で食べることはできません。夕飯も付いている(お代わり自由)ので、無理に注文する必要はありません。雰囲気を楽しみたい人向け。
夜は静かに・・・夜22時以降は音楽禁止。静かにしましょう。

おわりに

リス族の村に一泊してドーイ・ルアンチェンダオ山の景色を堪能してきました。
日帰りの立ち寄りでも素晴らしい景色が見られますが、夕暮れから夜の星空も大変美しいので、都合がつけば泊まりをおすすめします。
ひたすら自然を満喫したい人や、ぼーっとするのが大好きな人にはたまらないと思います。

タイムラプスもまずまずいい感じで撮れました。(私的に)
いつか月明かりのない満天の夜空に浮かぶ天の川を見に再訪したいです。

ではまた。