今回は、サムットソンクラーム県アンパワー郡にある、もう一つの穴場水上マーケットを紹介したいと思います。
アンパワーの水上マーケットから9キロほど離れた、ヤシ園の中にぽつんと現れるターカー水上市場(ตลาดน้ำท่าคา)は、最近少しずつ観光地化が進んでいるものの、まだ昔ながらの雰囲気を残すこじんまりとしたマーケットです。
アンパワー水上マーケットほどの活気はありませんが、運河沿いに広がる集落の水辺の生活や、果樹園農家の伝統的な暮らしを感じられる、素朴で良いスポットなんです。
ターカー水上マーケット
アンパワー中心部から車で15分ほど、ほとんどヤシ畑ばかりが広がる道を進んだ先に、ターカー水上市場(ตลาดน้ำท่าคา)はあります。
ここは、最近まで観光地化が進んでいなかったこともあり、ある程度、本来の水上市場の姿を今に留める貴重な場所でもあります。
農産物と食品がメイン
観光促進を図りたいのでしょう、入り口は割と近代的な佇まいで、屋根付きのアーケードっぽくなっていました。
売っているものは農産物や飲み物・食べ物がメインです。
30~40メートル歩けば、もうそこが昔ながらの水上マーケットです。
正面に運河にかかる橋があります。
橋の上から眺めると、野菜や香辛料、麺類などの食べ物を売る船が十数艘、カラフルなパラソルの下に見え隠れしています。
運河沿いの木造建物の下でも野菜や果物などの農産物や、タイハーブ、加工品、タイのお菓子などが売られています。
外国人向けの観光マーケットではないので、売っているものの価格も適正価格(というか、安め)です。
私は、不揃いだけど甘いマンゴーを3キロも買ってしまいました。
ヤシの花の砂糖(パームシュガー)
この辺りにはヤシの木がたくさん植えられており、ヤシの花から採取した砂糖(パームシュガー)の生産も盛んなんです。
橋を渡って対岸の道を少し進むと、その先にパームシュガーを造っている作業場がありました。
大きな釜の上に設置された竹かごの中で、ヤシの花から採取した樹液がグツグツと煮詰められています。
いい香りが辺りに漂っています。
パームシュガー(ヤシ糖)は、ヤシの花や幹の樹液から採取される砂糖なんですが、こちらでは、ヤシの花から採った花序液だけを使ったヤシの花砂糖なんだそうです。
無口なおじさんがぽつぽつ説明してくれました。
実際、ヤシの花の汁から採取したパームシュガー(ヤシ糖)を味見させていただきましたが、すごく香り豊かで、コクがあって美味しかったです。
パームシュガーには、普通の砂糖にはないミネラルや栄養分が豊富に含まれ、血糖値の上昇も穏やからしく、健康志向の方にもお勧めなんだそうです。
私も、チューブ入りのものを一つ購入してみました。
朝のトーストに塗って食べてみようかと思っています。
開催日時には注意が必要
タイ国政府観光庁のサイトによると、
市場は、毎週土曜日と日曜日の朝と、上弦・下弦の月からそれぞれ2日目、7日目、12日目の夜にも開催されています
とのことです。
※夜というのは誤りではないかと思っています。いくつか他のタイ語サイトをあたってみたんですが、いずれも午前中の開催という情報ばかりでした。
土日の午前中に開催されていることはわかりますが、他の開催日については、タイの暦に詳しくない人にとっては少しハードルの高い表現ですね。
上弦・下弦の月からそれぞれ、2、7、12日目って…。笑
もっとも、土日に開催されるようになったのは、ここ最近のことで、本来は月の満ち欠けに合わせた、5日毎の開催だけだったようです。
昔のこのあたりの人たちは、陰暦で市の立つ日を認識していたのですね。
いずれにしても、私たちにとって確実なのは、週末の午前中に行くことです。
どうしても、土日以外に行きたい場合は、事前に問い合わせたほうがよさそうです。
TAT Samut Songkhram
時間は、朝6時~12時までです。
(一部サイトで15時までという情報もありましたが、昼には閉店を始める店が増えていくんだと思います)
アクセス
周りにあるのはヤシの木くらいという、特に何もない場所なので、自分で運転して行くか、アンパワーの町中から車やボートをチャーターして行くしかないかも知れません。
タイ語のサイトで、バンコクからダムヌンサドゥアック方面に行くバスを途中下車するとか、路線バスで近くまで行けるというような記載もいくつか目にしましたが、詳細が書かれておらず、外国人旅行者には難易度が高いように感じました。
ただ、ファラン(欧米人)の観光客グループが数人来ていたので、もしかしたら、ターカー水上市場にも立ち寄るツアーがあるのかも知れませんね。
まとめ
ターカー水上市場は、昔ながらの水上マーケットの雰囲気をよく残している素朴な市場です。
入り口から運河までのアーケード、運河沿いの木造市場、水上マーケット、すべて入れても100メートル四方の範囲内に収まってしまうくらいのこじんまりした市場で、特別な何かがあるわけでもありません。
それでも、どこか魅力的な場所でした。
「人混みや観光ボートのエンジン音にはうんざり!」という方にはお勧めですね。
アクセスは少し不便ですが、サムットソンクラーム県やアンパワー方面に行かれた際に、都合がつけば、ぜひ足をのばしたいスポットです。
ではまた。