こんにちは、まなおです。
カンチャナブリーと言えば、第二次世界大戦時に建設された泰緬鉄道があることでも有名です。
タイからミャンマーに侵攻するにあたり、日本軍の指揮のもと過酷な環境の中で建設されました。
今ではバンコクのトンブリー駅からサーイヨークノーイという滝のある国立公園(ナムトック駅)までを結ぶ区間だけが現役で運行されています。(タイ国有鉄道南本線ナムトック支線)
今回のカンチャナブリー旅行、最初はサーイヨークエリアで宿泊しようと思っていたのですが、泰緬鉄道の目玉とも言えるアルヒル桟道橋近くにあるお目当てのホテルがあいにく満室だったのと、1泊2日で行きたい場所が満載の週末旅行ということもあり、泰緬鉄道はハイライトだけにスポットを当てるルートにしてみました。
私たちと同じように、ポイントを押さえて鉄道も楽しみつつ、時間も節約したいという方の参考になれば幸いです。
- 泰緬鉄道のハイライト「アルヒル桟道橋」
- ターキレーン駅からタムクラセー駅へ
- サパーン・タムクラセー駅のちょっとした注意
- 洞窟参拝と木橋のレールでスタンドバイミー
- 運賃と座席
- まとめ
- おまけ(ターキレーン駅で見かけたレトロな装置)
泰緬鉄道のハイライト「アルヒル桟道橋」
泰緬鉄道のハイライトと言えば、映画のタイトルでも有名な、戦場にかける橋こと「クウェー川鉄橋」と、断崖すれすれの場所にかけられたS字カーブの木造橋「アルヒル桟道橋(タムクラセー桟道橋:สะพานถ้ำกระแซ)」になります。
このうち、カンチャナブリー中心部にあるクウェー川鉄橋は何度か訪れたことがあるので、今回はアルヒル桟道橋だけに絞ることにしました。
この旧泰緬鉄道のナムトック線は、実質1日3往復しかありません。
ですから、あらかじめ時刻表を見て計画を立てる必要があります。
早朝と夕方の列車は私たちのスケジュールとは合わないので除外すると、残るは昼の1往復のみです。
なんとか有効に時間を使ってアルヒル橋と洞窟を訪れたいなと考えました。
ターキレーン駅からタムクラセー駅へ
その日、朝一で「ムアン・マリカー」というタイの時代村のようなテーマパークに寄った後、11時過ぎにナムトック線の「ターキレーン(ท่ากิเลน)駅」まで車を運転して行きました。
11時33分発のナムトック行きの列車に乗って、アルヒル桟道橋まで向かうためです。
ターキレーン駅は、ムアン・マリカー時代村やムアン・シン歴史公園というクメール遺跡(また改めて記事にする予定)の最寄駅で、これらのスポットを効率よく回るには都合のいい駅なんです。
また、駅前には比較的大きな駐車場(無料)もあるので便利です。
ここから、アルヒル桟道橋のある「タムクラセー(ถ้ำกระแซ)駅」までは2駅で約20分ほどです。
アルヒル橋のS字カーブにさしかかったら、進行方向向かって車窓左側がクウェー川と列車と木橋を入れて撮影できる絶好ポイント、車窓右側は崖スレスレに列車が走る様子を体感できるポイントとなりますので、撮影の準備をお忘れなく。
行きは川側、帰りは崖側をと分けて撮影してもいいかも知れません。
前のお兄さんの頭が崖に激突しないかとヒヤヒヤしてました。
サパーン・タムクラセー駅のちょっとした注意
このサパーン・タムクラセー駅は少し特殊で、いくつか(3つ?)の停車場があるようなんです。
私も少し戸惑ったのですが、終点のナムトック方面に向かって最初に停車する場所は、アルヒル橋の手前になります。【タムクラセー橋停車場】
(ecobkkさんのブログ記事を読んで泊まりたかった「Suansaiyok Resort」が近くにあります)
この停車場で降り、線路を歩いてアルヒル桟道橋を目指すこともできますが、観光スポットであるクラセー洞窟まではわりと距離があり、高所恐怖症の方にはきついかも知れません。
気力・体力のある方はどうぞ。
(地図上で、『クラサエ橋駅(泰緬鉄道)』というアイコンがあるのが、橋の手前にある最初の停車場で、『Thamkra Sae』とあるのが2つ目の停車場。また、『The Death Railway』というアイコンのあたりが洞窟と木橋の撮影スポットとなります)
ですから、アルヒル橋のメインスポットと洞窟をサクッと見たい方は、この最初の停車場で降りずに、次のアルヒル橋を渡りきった場所にある2つ目の停車場で降りた方がいいです。【タムクラセー停車場】
実際、この2つ目で降りる人の方が圧倒的に多いので、みんなに続いて降りれば間違いないです。
私たちも、この簡単な方を選びました。(笑)
ここからは、線路を少し引き返すように歩いてだいたい30メートルで、タムクラセー洞窟とアルヒル桟道橋(タムクラセー橋:สะพานถ้ำกระแซ)の見物が可能です。
洞窟参拝と木橋のレールでスタンドバイミー
線路を歩くなんて現代の日本ではまずありえないですよね。
しかも、ここは手すりも防護ネットもない木組みの橋ですから、落ちて怪我しても自己責任。というか、怪我で済めばまだいいですけど。
というレベルの場所なんですが、鉄道のレール歩きが公認同然で観光の目玉となってるところがすごいです。
みなさん、記念撮影に余念がありません。
やってくる列車や足元には十分気をつけてください。
洞窟の中には仏像が安置してあり、仏像の後ろ側へ続く道がありますが、その先は20メートルくらいで行き止まりになりますので、それほど洞窟内の見学に時間を使うことはありません。
むしろ、洞窟に至るまでの線路や洞窟の前の木造橋のレールの上での記念撮影が観光のメインになっている感じがします。
映画『スタンドバイミー』的な気分を味わえます。
それにしても、大戦時の木の橋が現役で使われていると思うとすごいなあと感じます。
戻りの列車の時間まではかなり余裕がある(時間通りの運行だとすると1時間半程度)ので、300〜400メートルほどあるアルヒル橋をさらに歩いてみるのもよし、停車場近くにある露店やコーヒーショップでランチやお茶をするのもよしです。
運行スケジュールとしては、
サパーン・タムクラセー駅に到着するのが、だいたい12時前。
その列車がナムトック駅まで行って、このサパーン・タムクラセー駅に折り返して来るのが、だいたい13時半頃です。
(タイの電車は日本みたいに時間に正確ではありません)
私たちは、13時半に来た列車に乗ってもう一度車窓からの風景をしばし楽しんだ後、再びターキレーン駅で降りて自動車の旅を続けました。
運賃と座席
ナムトック線は乗車距離にかかわらず、外国人は一律100バーツです。(タイ人は数バーツから数十バーツ)
つまり、カンチャナブリー市内からナムトック駅まで乗車したとしても我々外国人は100バーツだし、今回の私のようにターキレーン駅から2駅だけ乗ったとしても100バーツというのは変わりません。
ですから、列車の旅をゆっくり楽しみたいという方は、カンチャナブリーから(あるいはバンコクから)乗車したほうが乗車賃的なお得感はあります。
外国人料金は高いなあと思われると思いますが、実は、車両のいくつかは、100バーツ専用車両となっています。
この100バーツ専用車両は、タイ人であっても100バーツ支払わなくてはならないのですが、外国人はもともと100バーツ支払っているので、当然、この車両を利用することができます。
土日でもこれらの100バーツ車両は空いていたので、ゆっくり座れる座席代と考えれば、100バーツもそれほど高くないのかなと思いました。
ちなみに、ターキレーン駅から乗車した時、一般車両はほぼ満席でした。
あと、外国人料金はかなり厳格に徴収されます。
一応、車掌さんに聞いてみたんですが、タイに住んでいてタイ語も話せたとしても、タイ人IDがないとダメと言われたので、最初から100バーツ払っておいた方がいいです。
(車掌さんによるかも知れませんが)
まとめ
今回の私たちのルートは、タムクラセーの桟道橋(アルヒル橋)を車窓から見ることと実際に歩いてみること、そしてクラセー洞窟を見学することに主眼を置いて、できるだけ時間を効率よく使えるようにと考えました。
よって、観光スポットとなっているタムクラセー駅の2駅前のターキレーン駅に車を停めて、列車はそこからの往復のみの利用となりました。
<ターキレーン駅>11:33 ⇒ <サパーン・タムクラセー駅>11:51
タムクラセー洞窟&アルヒル桟道橋散策(+ランチなど)
<サパーン・タムクラセー駅>13:36 ⇒ <ターキレーン駅>13:52
このスケジュールなら、一応、車窓からS字カーブの定番ショット(川と列車と木造橋を一同に眺められる)もおさえつつ、洞窟見学と線路上を歩く体験もしながら、崖側のスレスレ走行ショットも撮るというミッション(?)もクリアできました。
今回のルートは、あくまで車&鉄道利用で効率よくアルヒル桟道橋のおいしいとこどり体験することを主眼に置きました。
もちろん、時間に余裕がある方や、「ゆっくり鉄道の旅を楽しみたい」、「戦場にかける橋も一緒に観光したい」、「サーイヨークノーイの滝も行ってみたい」という方には、カンチャナブリー駅もしくはクウェー川鉄橋駅から乗車したり、サーイヨーク付近で一泊してみたりという選択肢もあります。
ちなみに、カンチャナブリーの駅から日中の同じ列車を往復利用すると、だいたい10時半出発で、カンチャナブリーに戻ってくるのが15時前になるので、4時間半程度必要です。
みなさん、それぞれの都合に合わせて旧泰緬鉄道の旅をお楽しみください。
車をチャーターして、鉄道に乗っている間に車を回送してもらえば、サーイヨークノーイ滝に行ったり川下りを楽しんだりといった選択肢も広がるかも知れません。
おまけ(ターキレーン駅で見かけたレトロな装置)
ターキレーン駅で列車の時間待ちをしている時(実はその日、行きの列車は約30分遅延してました)、駅務室の中にえらく年季の入ったレトロな装置があるのを目にしました。
駅員さんに聞いてみたら、中に入って撮影してもいいよとのことだったので、お言葉に甘えて入室させてもらいました。
この機械、タブレット(通票)閉塞機というらしく、単線の鉄道で列車同士が正面衝突事故を起こさないための安全装置らしいです。
タブレットと呼ばれる円盤型の金属製通票を持った列車だけが運行を許可されるシステムで、当該区間の駅では、列車が到着するたびにこの装置を使ってタブレットの発行・回収を行うらしいです。
こういう少し面倒な手続きを行うことで、事故防止を徹底しているようです。
詳しいことは私もよくわかってないのですが…´д` ;
日本では2012年9月の只見線での運用終了により、現在はJR及び私鉄各社共に使われてないそうです。
参考サイト:https://news.mynavi.jp/article/trivia-466/
本当に昔の駅という懐かしい雰囲気でした。
鉄道ファンでない私もレトロな装置に思わず興味津々・・・。
カンチャナブリー旅行の記事はまだ続きます。
ではまた。