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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

カンチャナブリーの「ムアンシン遺跡」は世界最西端のクメール遺跡

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こんにちは、まなおです。 

クメール遺跡といって、まず最初に思い浮かぶ有名な遺跡は、おそらくカンボジアの「アンコール・ワット」ではないでしょうか。
ユネスコの世界遺産にも登録されています。

しかし、かつてクメール帝国の勢力圏が現在のタイ地域にまで及んでいた時代があり、タイ国内にもクメール遺跡はいくつか存在します。
有名なのは、ブリーラム県の「パノムルン遺跡」「ムアンタム遺跡」、ナコーンラーチャシマー県の「ピマーイ遺跡」など、比較的カンボジアに近いタイの東北地方(イサーン地方)に点在する遺跡の数々ですが、実は、タイ西部のカンチャナブリー県にも立派なクメール遺跡があるのです
今回は、この、世界で最も西に位置する「ムアンシン歴史公園」というクメール遺跡について紹介したいと思います

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ムアンシン歴史公園

前回のブログでは、カンチャナブリー県にある旧泰緬鉄道のアルヒル桟道橋(タムクラセー桟道橋)のハイライト区間を堪能してきた記事を書きましたが、ターキレーン駅に戻ってきた私たちは、その足で近くにあるクメール遺跡「ムアンシン歴史公園」へ向かいました。

www.manao.life

 

ムアンシン歴史公園入場&駐車

ターキレーン駅前に停めてあった車に乗り込み、約3分ほどでムアンシン歴史公園の入り口に到着です。

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入場料は以下の通りです。

外国人:100バーツ
タイ人:20バーツ
自動車:50バーツ
バイク:20バーツ
自転車:10バーツ


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車を公園中央部にある駐車場に停めて、さっそく遺跡群へ・・・
と思ったのですが、まったくこの遺跡について勉強していなかったので、まずはざっくりとこの遺跡についての情報を調べてみました。

ムアンシンとは

13世紀から14世紀頃、クメール王朝のジャヤーヴァルマン7世の治世に建設されたと考えられています
ジャヤーヴァルマン7世は、クメール王朝最初の仏教徒の国王としても知られており、アンコール・トムのバイヨン寺院を建立した人物でもあります

ムアンシン(『獅子の町』という意味)は、ラテライト(煉瓦)で造られた高さ7メートルほどの外壁(800×850メートルほど)で囲まれており、遺跡中央にある城郭(プラーサート)は大乗仏教寺院として建てられました。
遺跡からはクメール様式の観音菩薩像をはじめとするいくつかの菩薩像が発掘されています。
現在は歴史公園として整備され、遺跡公園内には城壁や塔門、仏教寺院、集落跡などが残っています。

とまあ、情報はこのくらいにして、さっそく見学を開始しましょう。


駐車場近くにあるエキシビジョンホールという小さな展示室も覗いてみました。

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また、遺跡の近くには、このような各国語対応のバーコード看板が立てられており、スマホで読み取るとYoutubeでの解説動画が再生されました。
タイ人ががんばって日本語のナレーションをしています。


仏教寺院の城郭

歴史公園の中央部には、仏教寺院としての役割を果たした城郭が残っており、ここがムアンシン遺跡のメインとなります。
寺院の外周壁はそのほとんどが崩壊していますが、一部残っている箇所があります。
外周壁から城郭に向かってラテライトの通路が敷かれています。

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城郭の入り口である塔門の階段を登って中に入ってみます。
城郭(寺院)自体の構造はシンプルで、中央祀堂(祭壇)の周りをラビアンコットと呼ばれる内周壁が取り囲んでいます。

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中央祀堂の屋根は崩壊しており、雨ざらしの祭壇部分にバイヨン様式の観音菩薩像が、西側の塔門内には女性形の菩薩像のレプリカが安置されていました。

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内周壁の廻廊のような一角。

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もう一つの仏教寺院跡

先ほど見た中央の仏教寺院城郭の外周壁の外側、北西の位置に、もう一つの城郭跡がありました。

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ここも仏教寺院跡と考えられ、中央の仏教寺院と構造は似ているのですが、柱や仏塔部分はすべて崩壊しており、地盤として築かれたラテライトの遺構だけが残っています。

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遺構の配置を見ると、シンメトリーにはなっておらず、女性の象徴である四角い台座『ヨニ』(溝を伝って流れる水は聖水として崇められた)がいくつも点在していたりと、先ほど見た中央の仏教寺院遺跡とは少し趣きの違うところもありました。

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その他の遺跡

ムアンシン歴史公園の敷地内にはこれらの仏教寺院遺跡以外にも、集落の一部やもっと前の時代の遺構なども点在しています。
ただ、個人的にそれほど興味がなかったのと時間の都合もあり、我々は上記メインの2か所だけを見学して帰路につきました。
敷地内には緑も多いので、遺跡が好きな方はのんびり過ごすのもいいかも知れません。
スケッチを楽しまれている方もおられました。

 
駐車場近くのガルーダ像
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<詳細情報>

ムアンシン歴史公園
อุทยานประวัติศาสตร์เมืองสิงห์
Muang Sing Historical Park
所在地:Sing, Sai Yok District, Kanchanaburi 71150
   ตำบลสิงห์ อำเภอไทรโยค จังหวัดกาญจนบุรี 71150
TEL: 034-670-264
時間:08:00 - 17:00
入場料:外国人100THB、タイ人20THB、自動車50THB、バイク20THB、自転車10THB
URL:http://www.muangsinghp.com/






おわりに

ムアンシン歴史公園は、ピマーイ遺跡やパノムルン遺跡などと比べると若干こじんまりした遺跡ですが、それでも中央にある仏教寺院遺跡はそこそこ見ごたえがあるし、他のクメール遺跡と違ってそれほど観光客もいないので、ゆっくり鑑賞することができます。

また、世界で最も西にあるクメール遺跡であるムアンシン遺跡は、かつてのクメール帝国の繁栄を今に伝える貴重な存在です。

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よっぽどの歴史好きや考古学好きの方でなければ、この遺跡だけを目的に訪れる必要はないと思いますが、カンチャナブリー観光のひとつとして、サイヨークの滝や旧泰緬鉄道のなど、他の観光と合わせて立ち寄るにはいいスポットだと思います。

 

 ではまた。