バラナシ旅行記、まだ続いています。
もう飽きた?
いや、そもそも読んでない?
どうかそんなこと言わないで、もうちょっとお付き合いください。
実は、書いている本人、まなお自身もちょっと飽きてきてるんですけど、
どういうわけか、誰にも頼まれていない謎の使命感というものがあって、
とにかく最後まで書いてしまいたいんです。
というわけで、前回、ガートの階段から鮮やかなプージャー(ヒンドゥー教の祈祷儀式)を間近に鑑賞した興奮も冷めやらぬまま、まなおと友人はタンドリーチキンを求めてバラナシの町を歩き回ります。
という話を。
※Varanasiという地名の日本語表記には、バラナシ、ベナレス、ワーラーナシー、ワラナシ、ヴァーラーナシー、ヴァラナシなど様々な表記が見られますが、ここでは「バラナシ」に統一します。
※画像は、タンドリーチキンではなくガネーシャ様
タンドリーチキンとは
みなさんは、インド料理といって思い浮かべるメニューってなんでしょうか。
「マサラカレー」とか「キーマカレー」とか「サモサ」とか「ナン(ナーン)」とか「ローティー」とか「ビリヤニ」とか・・・他にもいろいろあるとは思いますが、実は、まなお自身はそれほどインド料理に詳しいわけではありません。
ただ、そんな私でも知っているインド料理のひとつに「タンドリーチキン」があります。
「タンドゥーリーチキン」とか「タンドーリチキン」などとも表記されますね。
あの、赤い色したガイヤーン、いや、焼き鳥みたいなやつです。
今まで、インド料理屋さんに行ったら、とりあえずこのタンドリーチキンは注文しておこっていうノリだけで頼んでいたのですが、そもそもタンドリーチキンってどんな料理なんでしょうか。
改めて調べてみると、Wikipediaさんではこのように書かれていました。
タンドリーチキンもしくはタンドゥーリー チキンとは、パンジャーブ地方に伝わるインド料理のひとつ。 タンドーリチキン、チキンタンドーリとも。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ええ、これだけだとあまりよくわかりません。
続いて、概要のところにはこう書かれていました。
鶏肉を串にさしてタンドゥール(英語:tandoor)と呼ばれる壷窯で焼いたもの。インド料理店の定番料理のひとつでもある。
ヨーグルト、カシューナッツペースト、塩などの調味料と、コショウ(胡椒)、赤唐辛子、ウコン(鬱金)、ニンニク、ショウガなどの香辛料などに肉を半日ほど漬け込んだ後で香ばしく焼きあげる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
なるほど。
私、てっきりタンドリーというのは、調味料とか香辛料の名前か何かのことかと思っていたんですが、鶏肉を焼く窯(かま)、つまり調理する道具の呼び名だったんですね。
例えるなら、鍋焼きうどんとか、鉄板焼きとか、七輪焼肉とか、そういう感じでしょうか。(違う?)
あと、発音的には、タンドリーよりも、むしろタンドーリ(タンドゥーリ)という表記の方が近そうですよね。
ここではタンドリーで進めますけど。
バンコクのお気に入りタンドリーチキン
今回、私がバラナシでどうしてもタンドリーチキンを食べたかった理由のひとつに、バンコクのお気に入りのタンドリーチキンとの食べ比べをしたかったというのがあります。
以前の記事でも書いたんですが、バンコクの川向こう、トンブリー地区のチャルンナコン通りにあるインド料理屋さん、その名も「INDIAN FOOD 17」のタンドリーチキンが大好きなんです。
このお店のタンドリーチキンは、柔らかくてスパイシーでジューシー。
よく考えたら、こんなに素直に「美味しい!」と思えるタンドリーチキンは、今までのインド旅行では、あまり食べたことがなかったんです。
悪くはないけど、そこそこ・・・みたいなものばかり。
もしかしたら、私がチョイスしたレストランがたまたまそうだっただけかも知れないし、ヒマラヤの高地で食べたということが影響しているのかも知れませんが、どこかパサパサしたものが多かったんです。
・・・というような話を、旅行前に友人としていたこともあって、
「よし、バラナシで美味しいタンドリーチキンを食べてみようじゃないか」
ということになったわけです。
いざ、タンドリーチキン探し!
私の中では、
『タンドリーチキンなんてインド料理のド定番だから、特に下調べなんかしておかなくても、現地に行ってから適当に探せばいいや』
くらいに思っていたんです。
『親子丼なんて、適当にそのへんの食堂に入れば食べられるだろう』というのと同じくらいの感覚で。
でも、いざタンドリーチキンが食べられる店を探してみると、意外と難しかったです。
バラナシには、ホテルとかゲストハウス以外で、いわゆるインド料理レストラン然としてわかりやすく店を構えているところが少なかった気がします。
もちろん、私たちの行動範囲や探し方が悪かったのもあるかも知れません。
また、ネットでも情報を探しても見ましたが、それほどたくさんヒットしませんでした。
ガンジス川近くの細い路地をむやみに歩いても非効率だなと思って、その数少ない情報のひとつを頼りに、ゴドウリア交差点(ゴードリア交差点)近くにある「New Monga Restaurant」まで行ってみました。
このお店にはタンドリーチキンがあると書かれていたので。
Googleマップを頼りに、バラナシの細い路地を歩いて行きます。
途中、饅頭のようなものを作っている渋いおじさまや、鮮やかな色のガネーシャの祠に出くわしては足を止めつつ、夜の帳(とばり)の降りた石畳の道をお腹を空かせて向かいました。
なんとか辿り着いたこの「New Monga Restaurant」、表からはけっこう分かりにくい場所にありました。
ごちゃごちゃとテナントが入った雑居ビルの地下で、看板はあるものの、見落としてしまいがちです。
私たちのような旅行者がたくさんいるのでしょう。
ビルの手前にある屋台のお兄さんが、奥の階段を指さして、
「あっち!」
と教えてくれました。
階段を降りていくと、確かに食堂のようなスペースが。
念のため、入口にいた男性の店員に、タンドリーチキンはあるかと尋ねると「あります」とのことで、一安心。
席についてメニューを見ていると、先ほどの店員がやってきて申し訳なさそうにこう言います。
「ごめんなさい、タンドゥーリ―閉めちゃったんです・・・」
どうやら、既にタンドリーチキンを焼く壺窯(タンドゥーリ―)の火を落としちゃったので、タンドリーチキンは提供できないとのことでした。
そうか。タンドリーチキンのタンドリー窯がなければ、それはタンドリーチキンにはならないわけで、まあ仕方ないですね。
釜めしの釜がないようなもんですもん。(違う?)
仕方はないけれど、今晩、私たちの口はタンドリーチキンを食べることになっていたので、泣く泣くお店を変えることにしました。
その店員さん、「ごめんね。また来てね」と、最後までいい人でした。
別の店へとはいうものの、私たちにこれといってお店のあてがあるわけでもなく。
とりあえず、食堂っぽいところがあれば、「タンドゥーリ―チキン?」と聞いてみる作戦に。
タンドリーチキンあった!けど・・・!?
大通りを歩いてみましたが、レストランっぽいところがあまり見当たらないので、元来た道を引き返しつつ細い路地に入ると、数メートル先に食堂っぽい店が。
店頭にいた少年に
「タンドリーチキンありますか?」と英語で聞くも、あまり伝わらなかったようで、
奥にいた店主と思しきおじさんを呼んできました。
「タンドゥーリーチキン?」と、改めておじさんに尋ねると、
「イエス!」といってメニューを見せてくれるではないですか!
確かに、タンドリーチキンありました。
やった!\(^_^)/
でも、よーくお店の名前を見てみると、
NEW STAR NEPALI RESTAURANT
ネパールレストラン!
び、微妙です・・・。
これって、「本場インドのタンドリーチキンとバンコクのタンドリーチキン食べ比べ」っていう今回のテーマに即してなくない?
でも、一応、インドのバラナシでやってるレストランだし、
ネパールとインドって地続きで似たようなもんだし、
インド・ネパール料理という括りでタンドリーチキンってあるみたいだし・・・
というような理由付けを考えていたんですけど、
ぶっちゃけ、もう時間も時間だし、お腹も減ったし、これ以上タンドリーチキンを探して歩くの嫌だなというのがこの時の本音だったかも。(^^;
何はともあれ、タンドリーチキンがあることはわかったので、食堂の中に入って席につきました。
先ほどの店主のおじさんが注文を聞きに来ました。
「タンドリーチキンと・・・」と言うと、
「タンドリーチキン、40分くらいかかるが大丈夫か?」と。
え、そんなにかかるんだ。
それ早く言ってよね・・・
と、内心思いましたが、
私たちの口は、今晩タンドリーチキンを食べることになっていたので、
「大丈夫です」
「40分かかるぞ?本当にいいんだね?」
え、私たち、あきらめると思ってました?
「はい、待ちます」(ニッコリ)
そう言うと、
「じゃあ、先にこれだけオーダー通して窯の準備してくるから」というようなことを言って、おじさん、慌てて厨房の方へ歩いて行きました。
きっと、この店でもタンドリー窯の火は落としてたんでしょうけど、一番高いメニューということもあって(といっても、350ルピー:500円ちょっと)、おじさん注文を受けてくれたのかと想像。
タンドリーチキン実食!
それから40分ほどしてやってきました、待望のタンドリーチキン!
というか、タンドリーチキンの調理に時間がかかるなら、それまでのつなぎ的に注文した飲み物ラッシーとか、玉子カレーとかは、先に出してもらえると思うじゃないですか、ふつう。
でも、タンドリーチキンと一緒にやってきたわけです。
その間40分、何にもないテーブルで、ひたすらだべっていたまなおと友人。(笑)
わりと満席に近かった店内で、『何やってんだあいつら?』っと思った人もいたかもしれません。
まあ、それはいいとして。
いよいよタンドリーチキン実食です!
やや焦げ焦げ加減でしたが。
うん、美味しい。
焼きたてって素晴らしいですね。
わざわざ私たちのために作ってくれたと思うと感激もひとしおです。
一緒に頼んだ玉子カレーも美味しかったです。
エッグカレーってなんだろうと思っていたら、(素揚げした?)ゆで卵がまるごと入っていただけでした。
このNEW STAR NEPALI RESTAURANTの場所を貼っておきますね。
ちなみに、このお店にはビールありませんでした。
おわりに
タンドリーチキンなんてインド料理の定番だから、そこらへんで食べられるはず・・・
という私の勝手な予想に反して、バラナシで若干タンドリーチキン難民になりかけた感はあったものの、最終的にはネパールレストランでタンドリーチキンを食べることができました。
美味しかったです。
でも、やっぱり私はバンコクの川向こう、チャルンナコン通りにあるインド料理レストランのタンドリーチキンが好きです。
※あくまで私まなお個人の好みの問題です。
ではまた。