チェンカーン3日目。
いよいよ今日がタイ・北イサーン旅行の最終日です。
がんばって早起きして朝の托鉢の様子を見学し、メコン川を見下ろす山の上の大仏を拝見しに行きます。
チェンカーン初日、2日目の記事はこちらです。
朝の托鉢風景
午前5時起床。
シャワーを浴びて、1階へ降りていきます。
チェンカーンの宿の前の古い町並み通り(ถนนชายโขง)、ウォーキングストリートで毎朝行われる托鉢の様子を見るためです。
まだ薄暗い中、通り沿いの食堂やゲストハウス前には托鉢用の供物とゴザが用意されています。
だいたい6時前後から僧侶が托鉢に来るとのこと。
チェンカーンでの供物は、基本、シンプルに「カオニャオ=もち米」だそうです。
おかずやお菓子、ジュース的なものはあまりお供えしないようです。(供える人もいます)
これは昔ラオスのルアンパバーンで体験した托鉢のお供えと共通しています。
コロナ対策でしょうか、みなさん手袋をしてお供えされてます。
ただ、マスクはというと・・・けっこうしていない人がいます。
これもタイでは(この時点で)3か月近く新規市中感染者ゼロが続いていたこともあり、だいぶ新型コロナ感染に関する意識が緩んでいたからだと思われます。
コロナが流行りだした頃は、僧侶も信者側もフェイスガード(シールド)を着用の上、かなりの間隔を空けて托鉢をしている姿が話題になっていた記憶があります。
以下、この日の托鉢の様子を載せておきます。
朝ご飯はジョーク(お粥)
6時半。
宿へ戻って、1階の食堂で朝ご飯を食べることに。
昨日食べたカオピヤックが美味しかったのでまた食べようかと迷いましたが、ここは、やはりこのお店のもうひとつの売りであるジョーク(タイ風お粥)を食べてみることにしました。
卵入りで注文します。
この卵がちょうど温泉玉子的な硬さの仕上がりになっていて非常によかったです。
もちろん、ジョーク自体も美味しかったです。
山の上の大仏(ビッグブッダ)へ
朝ご飯を済ませたら、チェンカーンの町から約20キロちょっと、バイクで20~30分くらいの場所にあるプー・プラヤイ(ภูพระใหญ่)と呼ばれる山へ向かいます。
プラヤイというのは「大きな仏」という意味で、名前の通り、山頂にビッグブッダ(大仏)が祀られており、そこからの景色が素晴らしいのです。
宿を出発して、しばらくメコン川沿いの通りをのんびりバイクで走ります。
片側1車線の道路でしたが、交通量も少なかったので、わりと走りやすかったです。
7時20分。山の麓に到着です。
そのまま頂上に向かって運転していこうと思ったら、
ん!?
道路の真ん中にバリケードが。。。
中に入れなくなっています。
近くにいた屋台の夫婦に聞いてみると、
「歩いて上がるしかない」と。
まじか・・・。
「頂上までどのくらいですか?」
「600~700メートルくらいじゃないかな?」
仕方なく、バイクを道路脇に置いて歩いていくことにしました。
だらだらとした坂道は、運動不足の身にはこたえました。
息を切らしながらゆっくりと進みます。
やっと頂上が見えてきましたが、なんだかちょっと様子が変です。
工事中かなんかでしょうか。
見上げると大きな仏像(立像)に足場が組まれています。
どうやら修復中のようです。
スカイウォークができていた!
敷地の中に入って行くと・・・
なんと。
正面にスカイウォーク的なものがあるじゃないですか!
スカイウォークと言えば、
今回の北イサーン旅行の一番最初の訪問地、ノーンカーイ県ワット・パータークスアのスカイウォークが有名です。
ノーンカーイではあいにくの天気だったため行くことを断念したんですが、あのスカイウォークに似たようなものが目の前に。
ただ、入口は施錠されていました。
残念!
入れないものは仕方ないので、昔からある東屋風の展望台から景色を見ることにします。
なるほど、なかなかいい景色ではないですか!
なんて思っていたら、1人のおじさんがやってきました。
どうやらここの管理人的な方のようです。
景色を見ている私の隣で説明してくれました。
正面右側の大きな流れはメコン川(แม่น้ำโขง)。
そして、左側から流れてくるのはフアン川(แม่น้ำเหือง : Hueang River)。
眼下でちょうどこの2つの流れが合流しています。
メコン川の対岸はラオスなのはもちろんですが、フアン川の向こう側もラオスとのこと。
「つまり、この場所から前面に見える景色はみんなラオスってことなんですね?」と言うと
「その通り!」と答えてくれました。
また、おじさんはスカイウォークについても詳細を教えてくれました。
工事はほぼ完了しているが、正式オープンは2020年10月。
高さ80メートル、歩道の幅2メートル、全長100メートルで、同時に入場できる人数は50人まで。
混雑緩和のため、滞在時間は10〜15分に制限予定とのことです。
なお、塗装修復中の大仏様も、10月のスカイウォーク正式オープンに合わせて完成お披露目予定だとか。
正式オープンはまだ少し先ですが、現在、祝日だけプレオープン的に入場させてくれるようで、
「明日、ワンメー(母の日)に来れば、スカイウォークを歩けるよ」
と管理人さんに言われましたが、今日の午後バンコクに帰るので残念!
またいつか機会があったら訪れたいと思います。
川と国が出会う場所
「この地点は、タイがメコン川に出会う2度目の場所なんだよ」
とおじさん。
どういうことかと言うと、
チベット高原に源流を発するメコン川は、中国雲南省を通って南下しチェンライ県のチェンセーンで最初にタイと出会います。
この場所が、いわゆる黄金の三角地帯「ゴールデントライアングル」ですね。
タイ、ラオス、ミャンマーの国境です。
その後、同じくチェンライ県のウィアンケーンで、メコン川とは一旦お別れするのです。
タイを離れたメコン川は、東に流れてラオスのルアンパバーンへ向かい、そこからラオス国内を南下して、再びこのチェンカーンの地でタイと接するわけです。
今、眼下に見えている合流地点が、まさにその場所というわけです。
「出会う」(พบ:ポップ)という言葉の表現が、素敵だなと思いました。
ちなみに、この後、ウボンラーチャターニー県でお別れするまで、メコン川はしばらくタイに沿って流れます。
村の自動給油機
8時過ぎ。
仏像の塗装及び修復工事の作業員の方が数人やって来ました。
同時に、4人ほどのタイ人観光客グループもやって来て、あたりが少し賑やかになりました。
ふとみると、大仏様の後方に彼らが乗って来た車があるではないですか。
『8時にあの通行止めが解除されるのか』と、ちょっとだけ悔しい気持ちにもなりましたが、どうやらそうではなくて、作業員の方たちに便乗してゲートを抜けてやって来ただけのようです。(私が山を降りた時、まだゲートの柵は撤去されていませんでしたから)
※工事期間が終了すれば、普通に山頂まで行けると推測しますが、もしかしたら専用ソンテウに乗り換えというシステムに変更する可能性もあったりする?
中にひとりイケイケな感じのお姉さんがいて、
管理人のおじさんに
「誰にも言わないから、ちょっとだけスカイウォークに入らせてよ〜」
と何度も頼み込んでいましたが、おじさんは断固として頷きませんでした。
物腰は柔らかいのに毅然とした態度がカッコ良かったです。
そろそろ町に帰ることにします。
途中の村で面白いガソリン販売機を見かけました。
セルフサービスの給油機です。
左側がガソリン(レギュラー『91』)で、右側がディーゼル(軽油)です。
この後チェンカーンの町に戻ったら特に出かける予定もなかったので、ここでレンタルバイクのガソリンを満タンにしておくことにしました。
今まで、田舎町のビンに入ったガソリンを買って自分で給油したことは何度かありますが、こういう自動販売機のような給油機を使ったことがなかったので、やってみたかったのです。
今回、チェンカーンでは大して遠出もしておらず、ガソリンはそれほど減ってはいませんでした。
とりあえず、10バーツコインを入れてどのくらい給油できるのか確かめ、あともう少し入りそうだったので、さらに10バーツ投入してガソリンを入れたらちょうどいい具合に満タンになりました。
2日間でガソリン代、20バーツ(約70円)・・・笑。
旅行最後のごはん
11時。
部屋でまたボーッとくつろいだ後、ランチを食べに行くことにしました。
チェンカーン最後、というか、最後の旅先ごはんです。
いくつか候補があったんですが、
まず、昨日食べたかったけど閉まっていたパッタイ屋さん「プローイ・セーン」(ปล่อยแสง)へ行ってみました。
しかし、残念ながら、今日も閉まっていました。
(コロナ禍による廃業じゃなきゃいいんですけど・・・)
で、次に向かったのは、チェンカーンの有名老舗レストラン「ルック・ポーチャナー」(Look Phochana / ร้านลุกโภชนา)
ところが、その日は『夕方17時から営業』との張り紙が・・・。
うーん、残念!
ということで、最終的に向かったのは、
「ジュムヌア・ヤーイパット」(ร้านจุ่มนัวยายพัด)
って、昨日のランチで行った、同じ店やないかーい!(笑)
いいんです。
美味しかったから。
よっぽど、昨日と同じ、絶品「カノムチーン・ナムプリック」にしようかとも思いましたが、さすがにそれではあまりにも芸がなさすぎるので、
今日は、この店の名前にもなっている看板メニュー「ジュムヌア(จุ่มนัว)」をオーダーしてみました。(これもきーきあっさんのブログで見て食べてみたかった一品です)
ジュムヌアというのは、
お店の説明によると、『麺の種類を選べるスキー(สุกี้)のようなもの』だと書いてありますが、個人的にはいわゆるタイの一般的な食堂で提供されるスキーとは似て非なるものだと思います。
たしかに、イェンターフォーなどでおなじみの「紅腐乳」というピンクの調味料を使っていることなどは、一部のスキーと共通しますが、このお店のジュムヌアなる一品は、もっとコクがあって濃厚、かつ、まろやかな味で美味しかったです。
紅腐乳の好き嫌いはあると思いますが、紅腐乳が好きな方はハマるんじゃないかなあ。
私はかなり気に入りました。
いやあ、しつこいようですが、こんな店がバンコクの生活圏内にあったら通うのになー。
この日のランチも満足、満足!
ルーイ空港へ
ランチを済ませたら、部屋に戻って帰り支度をします。
この2泊3日の滞在で、朝・昼・晩と、メコン川の贅沢な景色を堪能させてもらいました。
12時。
名残惜しみつつ、チェックアウトの時間です。
まず、部屋の鍵をソイ13の本館へ返し、ノックエアーの空港送迎のピックアップ場所である「The Old Chiang Khan」(ジ・オールド・チェンカーン)ホテルまでバイクで荷物を運びます。
フロント近くで休憩していたスタッフのおばちゃんに声をかけて荷物を置かせてもらい、バイクを返却しに向かいました。
ソイ9のレンタルバイク屋さんでバイクを返して、預けた免許証を受取ります。
「どうやって帰るの?気を付けてね」
何気ない声掛けが嬉しいです。
あとは、ジ・オールド・チェンカーン・ホテルで迎えのロットゥー(ミニバン)を待つのみです。
13時半の予定時間までまだちょっとあるので、付近を散歩しながら時間をつぶします。
13時。
携帯にノックエアから確認の電話が入り、ジ・オールド・チェンカーンで待っている旨伝えます。
13時35分。
エアアジアの塗装をしたロットゥーがやってきました。
どうやらノックエアと共用のようです。
荷物を持って乗り込むと、私1人だけでした。(結局、空港まで1人)
14時25分。
ルーイ空港到着です。
行きの乗り合いソンテウでは、ルーイのバスターミナルからチェンカーンまで1時間半かかりましたが、直行の車だと50分ほどです。
地方空港ということもあって、こじんまりした作りのため、荷物の預け入れから保安検査、搭乗ゲートまでほんの数分で済みました。
沖止めの機体に歩いて向かう搭乗も地方空港の醍醐味。ワクワクして私はわりと好きです。
定刻より少し早く飛び立ち、無事バンコクドンムアン空港へ到着です。
おわりに
今年は、8月の日本帰国がコロナ禍によりキャンセルとなったため、タイ国内で過ごす夏休みとなりました。
タイ国鉄の寝台特急に乗ってノーンカーイ県へ向かい、その後ブンカーン県、ルーイ県と、メコン川に接する北イサーン(タイの東北地方)の県を旅しましたが、どこもとても印象深くて楽しかったです。
それぞれの土地で見たメコン川の光景が、いつか見た夏休みのような懐かしさを伴って、今でも脳裏に焼き付いています。
川のある風景っていいですね。
あー、本当に楽しかったなあ。
またいつかこんな夏休みを過ごしてみたいものです。
(って、すでに再訪したくなっているんですけど・・・笑)
以上、北イサーン・メコン川の旅、10回にわたってお届けしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それではまた。