こんにちは、まなおです。
前回チェンマイの山村(クンペ村)へ天の川を撮りに行った話を書きました。
今日は星空繋がりで、先月の一時帰国の際に和歌山県の串本町へ星を撮りに行った時のことを書きたいと思います。
さすが本州最南端の海とあって、素晴らしい星空が見られました。
本州最南端の町、串本へ
その日、串本へは新大阪駅から特急「くろしお」号で向かい、串本駅でレンタカーを借りました。
(JRの『レール&レンタカー』の割引きサービスを利用)
まずはサクっと近くの観光名所「橋杭岩」(はしぐいいわ)へ。
名勝と呼ばれるだけあって、おもしろい景色が広がっています。
この岩、なんとなくカメさんが笑っているように見えませんか?
勝手に「笑亀岩」と命名。笑
この橋杭岩も星景写真の人気スポットのようですが、道路のすぐ側なのでわりと光の影響は受けそうです。
(アクセスが良いのは魅力です)
今回は、せっかく潮岬(しおのみさき)に宿泊するので、島(陸繋島)や岬での星空観賞&撮影に専念しようと思います。
樫野埼灯台
橋杭岩を後にして潮岬へ向かう前に、ちょっと寄り道。
くしもと大橋を渡ってお隣の紀伊大島へ渡り、島の東端にある樫野埼灯台(かしのさきとうだい)へ向かいます。
駐車場からぶらぶら歩くこと数分。
トルコ記念館や串本トルコ文化協会といった建物を通り過ぎると、トルコ軍艦(エルトゥールル号)遭難慰霊碑がありました。
樫野埼は、1890年(明治23年)にオスマン帝国のエルトゥールル号が遭難し沈没した場所でもあります。
600名近い犠牲者が出る中、島の人たちによる懸命な探索及び救助活動により69名が救出され生還しました。
トルコでは今でもこの時の出来事と日本への感謝が語り継がれているとか。
慰霊塔から少し進むと、なだらかな斜面の正面に樫野埼灯台が、左手にはトルコの国父と呼ばれるトルコ共和国初代大統領「ムスタファ・ケマル・アタテュルク」の騎馬像が見えてきます。
この騎馬像も星景写真の人気スポットとなっている場所です。
方角や周りの様子などを確認しておき、また夜に訪れることにします。
樫野埼灯台は、1870年(明治3年)に建てられた日本最古の石造り灯台だそう。
螺旋階段を上がると、灯台から太平洋の大海原が見渡せました。
天気がよくて絶景でした。
<施設情報>
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樫野埼灯台
Kashinozaki Lighthouse
所在地:〒649-3631 和歌山県東牟婁郡串本町樫野 1006-1
1006-1 Kashino, Kushimoto, Higashimuro, Wakayama, JAPAN 649-3631
TEL:0739-22-2991
時間:09:00-17:00
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潮岬の宿「みさきロッジ・ニシダ」
樫野埼灯台を散策した後は、潮岬に向かいました。
車で十数分の距離です。
潮岬の展望台周辺は気持ちのいい丘陵になっています。
天気のいい日に短く刈られた草の上に座ってぼーっとするのは最高ですね。
本州最南端の碑がいくつか。
白い桜も咲いていました。
岬の一角に下の海岸へ続く細い道があったので降りてみました。
なかなかの坂で途中少し危なっかしい場所もあったので、行かれる方は十分気を付けてください。
ざっと潮岬を散策したら、いよいよ宿にチェックインです。
潮岬の展望台からすぐの場所にある一軒家「みさきロッジ ニシダ」に泊まります。
この「みさきロッジ ニシダ」さん、何といってもロケーションがいいのです。
道路を挟んで潮岬が目と鼻の先。
つまり、本州最南端の宿ってことでいいんですねよ?
歩いて展望台や潮岬灯台に行けます。
また、屋上のテラスからは大海原や夜空の景色を堪能することができるのです。
私たちは、この屋上テラス横にある1組限定の和室を予約していました。
トイレと洗面が付いており、明るくいい部屋でした。
部屋からそのまま展望テラスにアクセスできるのもよかったです。
お風呂は2階で(1階にもあるらしい)、明るいうちに貸し切り状態で入らせてもらいました。
食事は1階の食堂でいただきます。
地元でとれた魚メインの料理が並び、素朴で美味しかったです。
ビールでも飲みたかったのですが、星空撮影で運転するのでお茶でがまんがまん。
料理担当の寡黙な感じの大将と、明るく愛想のいい奥さんとのコンビで切り盛りされているようです。
<宿情報>
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みさきロッジ ニシダ
Kashinozaki Lighthouse
所在地:〒649-3502 和歌山県東牟婁郡串本町潮岬 2864
1006-1 Kashino, Kushimoto, Higashimuro, Wakayama, JAPAN 649-3631
TEL:0735-62-1474
URL:https://misakilodge-nishida.com/
チェックイン15:00~17:00 / チェックアウト~10:00
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本州最南端の星空
夕食を終えて日が暮れたら、いよいよ星空タイム。
その日の串本の星空指数は80で、まずまずの星空が期待できそうです。
さっそく、支度をして出かけます。
潮岬灯台
まずは、歩いて潮岬灯台の方へむかいました。
最初、和歌山県朝日夕陽百選の碑があるちょっとした展望台へ立ち寄ってみましたが、そこからだと灯台の光がかなり明るく星空撮影には不向きと、先へ進みます。
潮岬灯台の辺りは木が生い茂っているので、海は見えませんでした。
(灯台の入口は既に閉まっていました)
それで、暗闇の中を潮御崎神社の方へ歩いていき、神社手前の分岐で「鯨山見」という案内板の方へ進んでみます。
わりと平坦でしたが、何しろ暗くて細い道なので、ちょっと怖かったですね。
約80mほどで海が見える場所に出ました。
ただ、両脇には木々が茂っており、視界が開けた感じではなかったです。
とはいうものの、せっかくここまで来たので、少し写真を撮ることにします。
ちょうど当時は、西の低い空にポンス・ブルックス彗星が見えるということで、少し期待していましたが、肉眼ではほぼ見えないのと、私のレンズや機材ではだいぶ厳しそうなので諦めました。
というか、もたもたしている間に水平線の下に消えてしまっていました。(時間的におそらく)
今回、はじめてポータブル赤道儀なるものを使ってみることにしたんです。
天体の日周運動に合わせて星を追尾してくれるやつです。
最初は安くてコンパクトなものでいいやと、一時帰国直前に「ナノ・トラッカー」というものをAmazonでポチっておきました。
でも、こういう初めての機器を使う時は、ちゃんと予習をして使い方をマスターしておかなければなりませんね。
宿で簡単に確認した程度ではダメでした。
一応きちんと組み付けて設定したつもりだったんですが、実際に撮影してみるとうまくいかない。
普通に星が流れてしまっているのです。
その場で何度かやり直してみましたが、根本的に何かが間違っているのか、うまくいかないので使うのをやめました。
数枚撮影して撤収です。
とほほ。(反省)
帰り道、潮岬灯台越しにオリオン座がきれいに見えたのですが、誰もいない神社の参道がなんとなく怖かったので、さくっとiPhoneで撮影してその場を後にしました。
というか、スマホでもこれだけ撮れるのすごいですね。
樫野埼
一旦部屋に帰ってゆっくりした後、夜中に再度星空を撮りに出かけました。
昼間に訪れた樫野埼へと車で向かいます。
ムスタファ・ケマル・アタテュルクの騎馬像のところで星を撮影したかったんです。
ここは多くの方が星景写真を撮影されている有名な場所で、おそらく私も同じような構図になってしまうのですが、星景写真初心者の私にとってはよい勉強になるだろうと考えました。
駐車場から数分ですが、暗闇に波が砕ける音だけが響く道は、昼間ののどかな感じとは違って少し緊張しました。
ヘッドライトを点けて無理やり鼻歌を歌いながら歩きました。笑
灯台の前に到着すると、誰か他にもいるかと思いましたが、誰もいません。
なのでゆっくりマイペースで撮影しました。
この写真、北斗七星を指さす騎士みたいな感じが、壮大な物語の1シーンのようで、ちょっと気に入っています。
昔懐かしいアニメの世界観みたいじゃないですか?
ちなみに、騎馬像は南の方角を向いています。
指さす先には天の川という構図を撮りたかったのですが、時間的に少し早かったようです。
アルクトゥールスとスピカ、そしてアンタレスをはじめとする星々が美しく輝いていました。
しばらくすると薄雲が広がりだしたのと、あまり遅くなると部屋にいる母が心配するので、このあたりで引き上げることに。
最後に、車へ戻る途中の橋から太平洋を撮ってみました。
少し雲がかかっていますが、天の川もうっすらと見えました。
潮岬に戻ってきた頃にはだいぶ空に雲が広がっていたので、そのまま部屋に戻りました。
おわりに
本州最南端の町、和歌山県串本町での星空撮影は、私の準備不足やグダグダもありつつ、楽しかったし勉強にもなりました。
もっとも、半分は母との観光が目的の旅行だったので、美味しいご飯を食べたり絶景を楽しんだりと、2人でいい時間を過ごせたことが何よりでした。
翌日は熊野方面へと移動するのですが、その話はまたいつか。
ではまた。