この数日、Twitterで「#あなたの中のタイ化おしえて」というハッシュタグをちらほら見かけたので、私の中のタイ化ってなんだろう?と考えてみたんですよね。
在タイ年数だけはわりとあるので、多分、自分でも気づいていない「タイ化」が色々ありそうです。
ぱっと思いついたのが、
とりあえずセンターラインまで渡る
ということ。
これは正直あまりよくないことなんですけど、
タイの交通事情をご存知の方ならお分かりいただけると思いますが、
公道私道問わず、とにかく車優先の社会なんですよね。
それが横断歩道であっても同じ。
大通りの横断歩道で歩行者が渡ろうとしていても、ほぼほぼ車は止まってくれません。
信号があればまだいいんですけど、信号がない場所での道の横断はとても大変なんです。
交通量の多い道路では、右側からくる車も対向車線の車も同時に途切れるタイミングを待っていたら、本当に何分経っても道路を渡ることができません。
そこで私がタイ人の方に習って身につけた技が、とりあえず道路の真ん中まで行って待つということなんです。
中央分離帯がある場所ならまだしも、センターラインしかないような場所でも、その場で先の車線の車が途切れるのを待ってしまうんです。
もちろん細心の注意は払っていますが、危ないので真似しないでくださいね。
実は昔、これを日本へ一時帰国した時にも無意識にやってしまい、走行している車のドライバーさんたちを驚愕させてしまいました。
(本当にすみません)
あの時ほど、タイ化した自分に驚いたことはありません。
あとは何かあるかな〜と考えていたら、
そういえば、タイの方々からの呼び方が変わったことで私のタイ化を意識したことがあります。
「クン」から「ノーン」と呼んでもらえるようになった
タイに来たばかりの当初は、まだ私の肌の色も風貌も(きっと雰囲気も)日本人日本人していていたんだと思います。
当時は町でタイの方と話をする時も、名前を知らない人は私のことを「クン」と呼びかけていました。
「クン(คุณ)」というのは、「あなた」という意味で、タイ全土で相手を問わず一般的に通用する丁寧で正しい呼び方なんですけど、どこかよそよそしい他人行儀な呼び方でもあるんです。
もちろん、タイ人同士でも初めて会う人や知らない人を呼ぶときに「クン」を使うことはあるのですが、どちらかというと改まった場面でのやり取りや、ちょっと気取った印象を受けます。
普通は、ニックネームで呼びあったり、名前を知らなければ、年上には「ピー(พี่)」(「お兄さん」「お姉さん」みたいな意味)、年下には「ノーン(น้อง)」(「弟」「妹」みたいな意味)と呼びかけることが多いのです。
中には「おじさん」「おばさん」などと呼ぶこともありますが割愛します。笑
見るからに外国人という雰囲気を醸し出していた私に、タイ人の方はとりあえず「クン」付けで呼びかけてくれていたんですね。
当時住んでいたのは地方都市でしたから、外国人慣れしていない大抵のタイ人は話しかけることすら躊躇っているようでした。
そんな私が、少しずつ地域に馴染んでいき、日焼けもして、カタコトのタイ語をほんの少し話せるようになった頃、お寺の境内や市場やトゥクトゥク乗り場なんかで「ノーン」と呼びかけられるようになった時には、なんだかタイ社会の一員になれたような気がして、いや、ちょっとだけ仲間に入れてもらえたような気がして、すごく嬉しかったのを覚えています。
でも。
いつの間にか「ノーン」と呼ばれることより「ピー」と呼ばれることの方が多くなったんですよね。
今では、会社でもスタッフと話をする時に自分のことを「ピー」と呼ぶことが増えました。
悲しいかな、それだけ私も歳を取ったってことですね。いや、悲しくはないか。
タイと共にたくさんの時間を過ごしてきたということですね。
そんなことを思っていたら、
ちょうど昨日、今は日本に住む元同僚からラインのメッセージが来たんです。
「20年前の9月、真っ赤なジュースを飲みながら教員室に入って来たまなおに初めて会ったんだよね」
彼女は私より後に日本からやってきたんですが、出勤初日に、授業を終えてナムデーン(น้ำแดง = その名も『赤い水』)を片手に教員室に入って来た私を見て驚愕したそうです。
あんな色の飲み物を飲める日本人がいるなんて!
と。
そっか、私は既にあの頃からタイ化していたんだ。
あなたの中のタイ化はなんですか?
ではまた。